トランスフォーマー ブレイブヒーローズ 作:アルプラ
天井や壁に穴が空いた東京ジャンボサイトの広大な展示ホール。サイバトロンのリーダー、ブレイブコンボイとデストロンの首領、カオスメガトロンが対峙していた。
「相変わらず正義の味方気取りのようだな、ブレイブコンボイ。」
「デストロンの野望は、サイバトロン警備隊が必ず阻止する。」
ブレイブコンボイは緑色の剣、ブレイブライザーを構え、カオスメガトロンは大剣カオスカリバーを抜き放つ。二人の剣が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
「なかなかの腕前だ。しかし、いつまで持ちこたえられるかな?」
そう言うとカオスメガトロンはダークマターキャノンに武器を切り替え、ブレイブコンボイもアームドキャノンを構える。互いにエネルギー弾を放ち、激しい攻防が繰り広げられる。
周囲の壁や天井が衝撃波で崩壊し、瓦礫が降り注ぐ。人々は悲鳴を上げ、混乱の中で出口へと殺到する。しかし、二人の戦士は一歩も引かず、互いの信念と力をぶつけ合い続けた。
キャップはウィンドスクリームと戦い、ブラストはスカイハンターと、パワードはサンダーレインと、エイドファスターはスパイクローと交戦しつつ周囲の人々の救助や避難誘導に当たっていた。
「チビがこの俺に勝てると思うなよ!」
ウィンドスクリームがジェットキャノンを連射!
「トランスフォーム!こっちはスピードなら負けねぇぞ!」
キャップはビークルモードで超高速走行しながら弾幕を回避!
「トランスフォーム!アクセルブレード、モードチェンジ!」
キャップは突如ジャンプし、ブレードモードに変形!
ウィンドスクリームの脇をかすめるように斬撃を浴びせる!
「チッ…!クソガキが!」
ウィンドスクリームは翼をバランスを崩しながらも、キャップを狙って落下する。その様子を見ていた翔は透とルナと共に父を介抱しつつも応援する。
「頑張って!オレンジ色のロボットさん!」
「坊や、ありがとう!」
一方ブラストはスカイハンターと交戦していた。
「楽しませてくれるわよねぇ、お巡りさん?」
スカイハンターがハンターマシンガンを連射しながら、空中で機敏に動き回る!
「無駄な動きだ。」
ブラストは冷静に構え、オートマグナムで精密射撃!
パァン!
スカイハンターの肩装甲をかすめる一撃!
「うわっ!?…ちょっと、狙い良すぎない!?」
「次は外さない。」
ブラストはさらに狙撃態勢を取るが、スカイハンターは挑発的に笑う。
「じゃあ、こっちはスピードでかく乱してやるわよ!」
スカイハンターは急旋回しながら、ブラストの視界を奪おうとする!
「それで撹乱したつもりか?」
だが、ブラストは鋭い目と感覚でオートマグナムで照準をマークしており、スカイハンターの背中のスラスターを定めて撃ち込み、命中した。
「ぎゃあああああ!やられたわ!」
スカイハンターはスラスターのコントロールを失い、そのまま場外へ派手に飛んで落下して行った。
そしてパワードはサンダーレインとのバトルに入った。
「オラァァァ!!」
パワー vs パワーの大激突!
2体の巨体が激しくぶつかり合い、地面が粉々に砕ける!!
パワードが一歩踏み込むと、渾身の力を込めてアイアンアックスを振り下ろした!
「これで終わりだァァ!!」
ズガァァァァン!!!!
衝撃波が周囲に広がり、サンダーレインの巨体が地面を抉りながら 数十メートル先へ吹き飛ばされる!!
「ぐぉぉぉ!!」 サンダーレインが瓦礫に埋もれ、しばらく動かない。
「俺の勝ちだな!」
パワードはアックスを地面に担ぎ、ドヤ顔で勝利を誇った。
その頃、エイドファスターは即座に状況を判断し、救助活動を開始。
しかし。
「フフフ…混乱の中こそ、私の出番だな!」
スパイクローが3体のドローントロンを射出!
「人間を捕らえろ!」
「そうはいきません!メディックブレード!」
エイドファスターがエネルギーブレードを展開し、ドローントロンを次々と切り裂く!
しかし、スパイクローは薄笑いを浮かべながら言う。
「そんなことをしている間に、施設が崩れるぞ?」
天井が崩れ、瓦礫が降り注ぐ!
「くっ…!緊急レスキューモード、展開!」
エイドファスターは多機能レスキューツールを駆使し、崩れゆく瓦礫を防ぎながら、人々を救助していく!
「お前はレスキューに夢中だろうが、俺は撤退させてもらうぞ!トランスフォーム」
スパイクローは立ち去るフリをした。それは仙崎栄一を捕獲するためだった。
崩壊する東京ジャンボサイト。
戦いの余波で混乱する中、翔は父・栄一を抱え、透とルナと共に会場の外へと避難しようとしていた。
会場外、逃げる翔たち
「父さん、しっかりして!」
翔は気絶して意識朦朧とした父の仙崎栄一を支えながら、透とルナと共に避難通路を駆けていた。
「このままじゃ巻き込まれる!早く安全な場所へ!」
透が焦りながら周囲を見渡し、ルナも翔の後ろを支える。
「急ごう!このままだと…」
しかし。
「フフフ…さて、そろそろ回収させてもらおうか。」
突如、前方のビルの影からスパイクローが現れた!
「うわっ!? なんだこいつ!?」
透が驚愕する。
「これは…デストロンの…!」
ルナも息を呑む。
「随分と手間をかけさせてくれたな。仙崎栄一、お前にはカオスメガトロン様のために働いてもらうぞ。」
スパイクローが合図を送ると3体のドローントロンが翔たちの周囲を取り囲んだ!
「しまった…!」
翔は栄一を守るように立ちふさがる。
「父さんには指一本触れさせない!」
翔が落ちているコンクリートの破片を投げつけるが、当然全く歯が立たなかった。
「ククク…その意気だ。だがそれができるかな?」
スパイクローが不敵に笑い、ウルフドローンが翔に向かって飛びかかる!
翔はとっさに避けるが、その隙にスパイダードローンが特殊な糸を発射し、栄一を絡め取る!
「父さん!!」
翔が叫ぶが、バットドローンが超音波を放ち、動きを封じる!
「ちぃっ…動けねぇ!」
透が耳を押さえながら呻く。
「父さんをはなせぇぇ!!」
翔が必死にもがくが、スパイクローは悠然と笑いながら、栄一を引き上げていくスパイダードローンを見上げた。
「トランスフォーム!任務完了だ。スパイクローより報告、仙崎栄一の確保に成功しました。」
スパイクローの通信がカオスメガトロンの耳に届く。
彼はニヤリと笑い、周囲を見渡した。
ブレイブコンボイとの戦いは続いていたが——
「ふっ、ブレイブコンボイよ。貴様との戦いは楽しいが、こちらの目的はすでに達成されている。これ以上戦う理由はないな。」
カオスメガトロンは一歩後退し、冷笑を浮かべる。
「デストロン軍団、目的は果たした。撤退だ!トランスフォーム!」
周囲にいるデストロン達に通信で呼びかける。
「チッ、せっかく楽しんでたのによ……了解だ!」
「もう嫌っ!あたしボロボロ!帰りたいわよ!」
「俺、今日はツイてない」
キャップとの交戦をしてたウィンドスクリーム、墜落して地面にめり込んだままだったスカイハンター、瓦礫の下敷きになっていたサンダーレインは立ち上がり、トランスフォームして飛び立った。
「待て!カオスメガトロン!」
ウィンドスクリームやスカイハンターが一斉に飛び立ち、スパイクローもすぐに栄一を連れ去るために撤退を開始。
しかし、カオスメガトロンは再び上空でロボットモードとなると最後に東京ジャンボサイトを見下ろしながら、右腕を構えた。
「あとはただの瓦礫と化すがいい。ダークマターキャノン、発射!」
ズドォォォォン!!!!
暗黒のエネルギー弾が東京ジャンボサイトのシンボルである会議棟を直撃し、巨大な爆発が会場全体を包み込む!
翔、透、ルナは爆風に巻き込まれ、衝撃で吹き飛ばされる!
「うわぁぁぁっ!!」
翔達3人は瓦礫の隙間に転がり込むが、間一髪で助かる。
「父さん……くそっ、なんで俺は何もできなかったんだ……!」
「翔……今は落ち着け!」
「大丈夫、きっと助け出せるわ!」
翔は拳を握りしめる。
「ああ……必ず……!」
東京ジャンボサイトは、カオスメガトロンのダークマターキャノンによる攻撃で完全に瓦礫と化していた。
崩壊した施設の至る所から炎が立ち上り、周囲を赤く照らしている。
消火活動を行うエイドファスター
「ここは私が引き受けます。安全な距離を確保してください。」
エイドファスターはレスキューヘリモードに変形し、内蔵された消火装置を起動。
高圧の消火剤が炎に向かって放出され、次々と火を鎮めていく。
同時に、地上では駆けつけた消防隊が消火活動を開始していた。
「おい…あのヘリ、まるで意思を持ってるみたいだな…!」
「すげぇ…あんな精密な動き、人間じゃ無理だぞ…!」
消防隊員たちはエイドファスターの動きを見て驚愕しながらも、彼の指示に従い、連携して消火を進める。
「鎮火まであと少しです。連携をお願いします。」
エイドファスターの冷静な指示のもと、炎は次第にその勢いを失っていった。
消火活動が終わる頃、父が攫われて悲しみに襲われてる翔の所に救助活動を手伝っていたサイバトロンが次々と集結してきた。
「エイドファスター、そちらの状況は?」
ブレイブコンボイが彼に問いかける。
「消火活動は完了。消防隊と協力し、負傷者の救助はおおむね終わりました。」
「そうか…だが、仙崎栄一博士は…」
エイドファスターは静かに首を振る。
「申し訳ありません、司令官。私の力が及ばず、デストロンに捕らえられました。」
「…そうか。」
ブレイブコンボイの表情が険しくなる。
翔は拳を握りしめ、悔しそうにブレイブコンボイを見上げる。
「俺の父さんは…助けられるのか?」
「必ず救う。これは司令官としての約束だ。」
ブレイブコンボイは力強く頷き、翔の肩に手を置く。
「君も父を想う気持ちを強く持て。私たちサイバトロンは、君の力にもなる。」
翔は涙をこらえながらも、深く頷いた。
「ありがとう。あなた達は一体何者なのですか?」
「私はサイバトロン警備隊の司令官ブレイブコンボイだ。詳しい話はここではできないが、この通信ブレスを渡す。受け取ってくれ」
翔に通信ブレスを渡し、その場を去っていく。
その頃、デスロード号に連れ去られて冷たい金属の床に転がる仙崎栄一。意識がはっきりしない中、ぼんやりとした視界の先に巨大な影が映る。
「目が覚めたか、人間よ」
低く威圧的な声が響く。目を開くと、目の前には黒とグレーの巨体──カオスメガトロンが仁王立ちしていた。
「貴様の技術力、我々デストロンのために使わせてもらう」
栄一は歯を食いしばりながら答えた。
「私は…お前たちの手先になるつもりはない…!」
「ハッ、随分と威勢がいいじゃねぇか」
横から聞こえたのはウィンドスクリームの軽薄な声。彼は不敵な笑みを浮かべ、腕を組んでいた。
「お前さぁ、自分の立場わかってんの? ここは俺たちの基地、お前は囚われの身。さっさと協力しねぇと、痛い目見るぜ?」
栄一は苦しげに立ち上がりながら、ウィンドスクリームを睨みつける。
「どんな脅しをされようと、私は貴様らに力を貸すつもりはない!」
「へぇ…いい度胸じゃねぇか」
ウィンドスクリームは肩をすくめ、カオスメガトロンの方をチラリと見る。
「カオスメガトロン様、どうするよ? こいつ、まだしぶといぜ?」
カオスメガトロンは冷笑しながら静かに言い放つ。
「…いずれ心変わりするさ。だが、時間を無駄にはできん。スパイクロー、例の手段を試すぞ」
「了解しました」
スパイクローが胸部からドローントロンを放ち、栄一を取り囲む。ウルフドローンが低く唸り、バットドローンが頭上を旋回し、スパイダードローンが素早く動き回る。
「人間、お前に選択肢はない。協力するか、さもなくば…」
無機質な声と共に、ドローントロンが鋭いクローを光らせた。栄一の運命は、デストロンの手の中にあった。
続く!