トランスフォーマー ブレイブヒーローズ 作:アルプラ
ジャンボサイト崩壊から一夜——ニュースと都内の様子
「昨日発生した東京ジャンボサイトでの大規模な戦闘により、会場は壊滅的な被害を受けました。政府関係者は『正体不明の機械生命体による衝突』と発表し、現在も調査を続けています。また、被害状況の確認が進む中、エネルギー研究の第一人者・仙崎栄一博士の行方が分からなくなっていることが明らかになりました。」
朝のニュースは繰り返しジャンボサイト崩壊の映像を流し、世間では未だに混乱と不安が広がっていた。しかし、街の風景は表面上、普段と変わらないように見える。
品川駅周辺は朝の通勤ラッシュで混み合い、コンビニの前ではコーヒーを片手にスマホをチェックする会社員たちが並ぶ。学校へ向かう高校生たちの話題も、すでに日常的なものへと戻りつつあった。
しかし、完全に元通りというわけではない。都内ではゆりかもめ全線とりんかい線が運休し、首都高速の一部やレインボーブリッジも封鎖されたまま。警察や自衛隊の車両が巡回し、主要駅では警備員が増員されている。テレビやSNSでは「ジャンボサイトで何が起きたのか」という議論が続き、政府の発表を疑問視する声も少なくなかった。
——そんな騒ぎの中でも、日常は進んでいく。
品川区のタワーマンションに住む翔はリビングでテレビを見つめながら、無言のまま食パンをかじる。
母親は心配そうに見守り、声をかける。
「大丈夫よ。お父さんは帰ってくるわ」
結局、「学校に行くよ」とだけ告げ、翔はカバンを手に取った。
学校に向かう途中、透とルナと合流
「おい、翔…大丈夫か?」
「…わかんねぇ。でも、家でじっとしてても何も変わらないし…普通にしてる方が気が楽だ。」
「でも、本当に学校なんて行ってる場合? ブレイブコンボイに連絡して、もっと情報を聞くべきじゃない?」
「それは…わかってる。でも、アイツらがすぐに父さんを返してくれるわけじゃないだろ? だったら…何かできることを考えないと。」
翔は自分を納得させるように言いながら、学校へ着き、授業を受ける先生の話もろくに頭に入らない。
窓の外をぼんやり眺めながら、何度も父親のことを考えてしまう。
透やルナも気にしているが、授業中は何もできず、ただ見守るしかなかった。
放課後、校門前にて──
授業が終わり、翔、透、ルナの三人は校門を出た。
翔はまだどこかぼんやりしていて、透とルナも彼を気遣いながら並んで歩いていた。
「ブレイブコンボイから連絡あったんだろ?」
「ああ……この後、迎えが来るって。」
「迎えって、まさかあの赤いトラックがここまで?」
その瞬間!
ブロロロロロ……!
オレンジ色のスポーツカーが派手なエンジン音を響かせながら校門前に滑り込んできた。
ピカピカのボディに特徴的なフォルム。間違いなく、昨日戦っていたあのオレンジ色のロボットだった。
「やっほー!待たせたね、みんな!」
突如、自動で開くドア。
三人はポカンとした顔でキャップを見つめた。
「……いや、迎えって、お前かよ!?」
「もっと静かに来なさいよ!」
透とルナがツッコむ。
「ええっ!?派手に登場した方がカッコいいと思ったのに〜!」
「……オレンジ色のロボット……」
翔は昨日名前を知らない戦闘機の敵ロボット、ウィンドスクリームと戦っていたことを思い出した。
「あ、そっか!まだちゃんと自己紹介してなかったね!」
エンジンを軽く吹かせると、キャップは陽気に続けた。
「僕はキャップ!サイバトロン警備隊の一員さ!これから君たちをスターガード号に案内するよ!さぁ、乗って乗って!」
「……いや、さすがにこのまま乗るのは目立ちすぎるだろ……」
「そういう問題か?」
「もういいから、さっさと行きましょ!」
三人は顔を見合わせ、キャップの車内へと乗り込んだ。
「さあ!全速力でぶっ飛ばすからね!」
エンジンが再び唸り、オレンジ色のスポーツカーは急加速し、周囲の下校する生徒や通行人が驚き、校門前で竹刀を持って生徒を見守っていた年配の体育教師が「こらーっ!」と怒鳴り、品川の街を駆けて行った。
走行中、スパイクローが密かに上空からキャップを追跡しており、ステルスブラスターで発信機を密かに撃ち込んだ。
そしてキャップは工業地帯へ向かうと海に向かってる道を猛スピードで突っ走る
「行き止まりだよ!海に突っ込んじゃうよ!」
「大丈夫だって!」
翔が叫び声を上げると海中からトンネルが出現し、その中へ入っていったが、その後をバットドローンもつけていたのである。
そのトンネルを抜け、スターガード号へと到着した翔たち。
格納庫へ入ると、巨大な宇宙船内部は広々としており、青白いライトが静かに空間を照らしていた。機械音が微かに響く中、サイバトロンのメンバーたちは各自の作業をしていた。
ブラストは戦闘データを分析し、ホログラムモニターに映し出される映像を冷静に確認している。
パワードは格納庫の一角で腕を組みながら訓練用のパワーリフターと力比べをしていた。
エイドファスターは修理用のドローンを操作し、船の設備の微調整を行っている。
翔達が降りるとキャップはロボットモードとなった。
「……すごいな、まるでSF映画の宇宙船みたい」
翔はその光景に圧倒される。
「いや、実際宇宙船なんだろ。」
透は冷静にツッコむ。
「それにしても、ちゃんとした基地みたいね……。」
ルナは目を輝かせながら言った。
やがて、奥に立つブレイブコンボイがゆっくりと翔たちを見下ろしながら言葉を発した。
「ようこそ、スターガード号へ。」
翔たちが息を飲む中、ブレイブコンボイは静かに続ける。
「改めて名乗るとしよう。私はブレイブコンボイ。サイバトロン警備隊の司令官だ。」
「……警備隊?」
「私たちは、宇宙の安全と平和を守るために活動するサイバトロン。惑星セイバートロン出身のトランスフォーマー」
「僕はキャップ!スピードなら誰にも負けないよ!トランスフォーム!」
キャップはトランスフォームし、ビークルモードで吹かす姿を見せる。
「私はブラスト。機動隊員にして戦術家にして精密な攻撃的な^_^得意だ。どんな敵にも冷静に対処する」
ブラストはオートマグナムの標準を決める動作を見せる。
「パワードだ。パワー勝負なら俺に任せろ!」
拳を握りしめてゴツい腕を上げて見せつける動作をする。
「私はエイドファスター。救助と医療ならお任せください。」
エイドファスターは微笑みながら頭を下げ、胸に右手を当てる。
「……すげぇ、本当にみんな意思を持ったロボットなんだ……。」
「ってことは、あの黒い奴らも?」
「あれはデストロン。宇宙の破壊や支配を目論む危険な軍団だ。」
翔が感動し、透が疑問をブレイブコンボイに投げかける。
「じゃあ、あなたたちは正義の味方ってわけ?」
「まぁ、そんなところだな。」
ルナがそう聞き、ブレイブコンボイは答えた。
「一通り自己紹介済みましたらデストロンについても1人ずつ解説していくとしましょうまずはカオスメガトロン」
エイドファスターがホログラムを投影し、カオスメガトロンの姿を映し出す。
「デストロン軍のリーダーであり、破壊と支配を志す冷酷な指導者です。彼はダークマターキャノンやカオスカリバーを使いこなし、その圧倒的な力で敵を圧倒します。さらに、戦略家としても優れており、常に冷静に局面を打破するための最良の手を選びます。」
「見るからに凶悪な姿をしてるな」
「こいつ何としても止めないとな」
次に、ウィンドスクリームのホログラムを投影する。
「次にウィンドスクリーム。デストロンの航空参謀として、空中戦においては非常に高い能力を誇ります。彼はジェットキャノンを武器として使用し、空中でのかく乱戦法を得意とします。また、その狡猾さと卑劣さも特徴であり、敵を欺くことに長けています。」
「確かに狡賢く卑劣って感じの顔してるわね」
スパイクローの特徴について続けます。
「スパイクローはデストロンの潜入工作兵で、非常に高い知能を持つ戦略家です。ハッキングや情報操作を得意とし、敵の機密情報を手に入れるためには何でもする冷徹さがあります。彼はシャドーキャノンを駆使し、遠距離からの精密射撃にも長けています。」
「父さんを攫った奴か...」
次に、サンダーレインのホログラムを投影。
「サンダーレインはデストロンのパワー系戦士で、非常に高い物理的な力を持っています。サンダーガトリングという武器を使い、敵の防御を突破することに特化しています。その突進力とパワーは、近接戦闘において非常に恐ろしい威力を発揮します。」
「脳筋って感じするよね」
「確かに見た目通り」
最後に、スカイハンターのホログラムを投影。
「スカイハンターはデストロンの航空部隊の一員で、素早い動きと機敏な戦闘スタイルを持つ戦士です。空中での戦闘を得意とし、相手をかく乱して攻撃する戦術を使います。彼の武器はハンターマシンガンであり、素早い攻撃で敵を圧倒します。」
「ハエみたいな奴だな」
エイドファスターは慎重に情報を伝え終わると
「そして……彼らが求めているもの。それがレジェンドスパークだ。」
ブレイブコンボイがそう話し、エイドファスターがホログラムを操作すると、青白い光の箱のような物が空中に映し出された。
「レジェンドスパークは、太古のトランスフォーマーによって生み出された強大なエネルギーの結晶。その力は、あらゆるトランスフォーマーを進化させ、戦局を左右する可能性を秘めています。」
「現在、この地球に6つの欠片が眠っているとされている。」
「……それを、デストロンが狙っているのか。」
「彼らの手に渡れば、地球は破壊と支配に晒されることになるだろう。」
翔の拳が強く握り締められる。
「……そんなの、絶対に許せない!俺も何か力になりたい。父さんを助けたいんだ」
ブレイブコンボイは翔の決意を見つめ、静かに頷いた。そして前日に3人に渡したブレスについての話をする。
「君達に渡したそのブレス、通信機能だけではないんだ」
「どういうこと?」
「傍にボタンがあるだろう?それはナノマシンで体の保護や強化ができるエクソスーツになるんだ?」
「防護服か戦闘服か何かか?」
「もしかしたら俺達、変身できちゃうの?」
「何だか面白そうだわ」
達は冷静に察するが、翔はスーパーヒーロー好きで目を輝かせており、ルナもワクワクしているようだった。
「戦闘服とでも言うだろう。それを装着するにはボタンを押してエクソスーツと発声コードを出すことで装着される。早速試してみてくれ」
「エクソスーツ!」
翔は赤と青、透は黒と緑、ルナはピンクと白の強化服へと変化した。
「すげえ、防衛チームの隊員になったみたいだ」
「遊びじゃないんだからはしゃぐなよ」
「でもかっこいいわね」
「使い方はそれぞれナビゲートしてくれる。訓練や実践で使いこなせるようになるはずだ」
次の瞬間、メインコンピューターのデストロン警報が鳴り響いた。
「侵入者あり!侵入者あり!」
警報が鳴り響くとメインルームにスパイクローが通路に侵入してきていた。
「どうやって侵入した?」
ブレイブコンボイはアームドキャノンを向けてスパイクローに聞き出した。
「知りたいか?サイバトロンの1人に発信機を撃ち込み、グランドブリッジで入れたのさ」
「キャップ、少し調べさせてください。発信機がついております」
エイドファスターがスキャンすると超小型の発信機がついていることを指摘した
「わあっ!いつの間に!?」
「驚くのも無理はないだろう。これより作戦に移る。ウルフドローン、スパイダードローン、バットドローン、攻撃せよ」
三体のドローントロンはバットドローンが超音波攻撃を発してサイバトロン達の動きを封じ、その次にスパイダードローンがメディックブレードで応戦してくるエイドファスターの動きを封じ、ウルフドローンがブレイブコンボイに向かって素早く飛びかかり、強烈な爪で胸を引っかく。
「何をする!?うわあっ!」
その衝撃で、ブレイブコンボイは後ろに倒れ込み、動きを止めた。
バットドローンの超音波で全員身動き取れない中、スパイクローはメインコンピューターに指の先端を接続する。
「ダウンロード開始!」
スターガード号のシステムの乗っ取りを企てており、ドローントロンによる足止めを行っていた。
「システムを乗っ取られるぞ!」
ブレイブコンボイが警告し、サイバトロン各自が攻撃体制に入った。
「システム乗っ取りを開始!侵入者を排除せよ!」
「システムが乗っ取られたら、この宇宙船が操縦不能になるぞ!」とエイドファスターが焦りながら言う。
「俺がやる!」
パワードが叫ぶ。だが、スパイダードローンに動きを封じられる。
「うわっ、こいつらも!?」と翔が驚く。
「気を付けろ!バットローンが攻撃してくる!」
ブラストが冷静に声を掛ける。
ウルフドローン、スパイダードローン、バットドローンが次々と攻撃を仕掛けてくる中、キャップは最初に動き、変形してビークルモードでドローントロンを蹴散らしながら進んでいった。
「行くぞ、翔、ルナ、透!エクソスーツを使って先に進むんだ!」
キャップはドローントロンたちを避けつつ、翔達に指示を出す。
翔、透、ルナは既にエクソスーツのままで攻撃できることに気付き、拳をキャノンへと変形させて翔はバットドローン、透はウルフドローン、ルナはスパイダードローントロンと三体へ撃ち込んだ。
持ち前の怪力で糸を破ったパワードはそのままスパイクローに駆け寄る。
「これまでの仕返しだ!」
左横からアッパーをかますとスパイクローは殴り飛ばされて行った。
「これで終わりだ!」
ブラストがエネルギーを込めたショットで、起き上がったドローントロン達を撃墜する。
エイドファスターは急いでコンピューターを操作し、「時間がありません!みんな、早く終わらせないと!」と焦りながら言った。
「お前の邪魔を拘束する。スパイクロー!」
スパイクローは状況を見て、再度逃げようとしたが、キャップが素早く進行方向を遮り、追い詰めた。
「逃がすか!」
キャップは全力でアクセルブレードで攻撃を仕掛け、ついにスパイクローの活動を停止させる。
「これで終わったか?」
パワードが疲れた様子で息をつく。
「システムも回復しました。全員無事です!」
エイドファスターが安堵の息をつきながら報告した。
その後、スターガード号のシステムが無事に再起動し、スパイクローに拘束手錠をかけようとしたその時である。
グランドブリッジの扉が開き、カオスメガトロンが姿を現す。
「勝ったと思ったのか?サイバトロン」
カオスメガトロンもスターガード号に乗り込んでくるとダークマターキャノンをサイバトロン全員に撃ち込み、倒れ込んでいたスパイクローの手を取って起き上がらせる。
「感謝しますカオスメガトロン様」
「お前が捕まっては困るからな。サイバトロン共よ、今日の所は引き上げるとするが、我々は次なる手に撃って出る。それに備えておくことだな」
ドローントロン達はスパイクローに再接続され、カオスメガトロンと共にグランドブリッジで帰還して行った。
「待て!カオスメガトロン」
ブレイブコンボイは悔しまみれに叫ぶ。
ブレイブコンボイは拳を握りしめ、悔しそうにその場に立ち尽くしていた。
「まだ、あいつらの次の一手があるというのか。」
でも、どうすることもできなかった……」
ブレイブコンボイの発言にキャップが静かに言った。
「今は、状況を見極めて、準備を整える時だ。」
ブラストが冷静に言った。
「カオスメガトロンとスパイクローのような連中に、再び侵入されないように対策を練らねばなりません」
「次は、必ず勝つ!俺たちも、このエクソスーツがあるんだしみんなで力を合わせれば、できる!」
ブレイブコンボイが彼に目を向け、頷いた。
「その通りだ、翔。君たちが仲間として戦う力を信じている。」
その後、サイバトロンと翔、透、ルナのメンバーたちは再び一致団結し、次なる戦いに備えるのであった。
続く