ユウトが仮面ライダーゼロワンの力を受け継いでから、少しが経過した。
ちなみに、イズと迅は、メリダが最初から知っていた事もあって、受け入れられていた。
この日は、ユウトと、マーリンとメリダの孫であるシン=ウォルフォードの成人祝いだ。
ディセウムが口を開く。
「この度、賢者マーリン殿のお孫さんであるシン君と、その友であるユウト君が、めでたく成人した!それでは、シン君とユウト君の15歳と成人を祝って、乾杯!」
「乾杯!」
その乾杯の音頭とともに、食事が始まる。
食事が進む中、メリダとマーリンが口を開く。
「あの赤ん坊だったシンが成人するとはねぇ………………」
「あっという間じゃったのぉ」
その2人は、感慨深くそう言う。
ディセウムは、シンとユウトの2人に話しかける。
「マーリン殿の魔法の卒業試験は無事にクリアか。おめでとう。シン君、ユウト君」
「ありがとう。ディスおじさん」
「2人とも立派な大人だ。何か、やりたい事はあるのか?」
「そうですね………………。現状、何をやるのかは考え中ですね。魔物ハンターになるのもありだし、魔道具屋をやるのもありだし」
「俺は……………どうしようかな」
ディセウムの問いに、2人はそう答える。
すると、ジークフリード=マルケスとクリスティーナ=ヘイデンが口を開く。
「そうだな。2人なら、魔物ハンターにもなれるだろうし、付与魔法で魔道具屋だって出来る。それに、それだけ男前なら、女の子と仲良くなって養って貰えるかもしれないだろ?」
「そんな考えを持っているのは、あなただけです」
「あぁん?」
「何か?」
ジークフリードがそう言うと、クリスティーナはそう返して、お互いに睨む。
「まあまあ。ジークもクリスもそう張り合わずに………………」
「この2人は相変わらずだな…………」
「そっか。これから、自分でお金を稼いでいくから、使い方も勉強しないとな」
メリダとカケルがそう言うと、シンはそう呟く。
すると、ジークフリードもクリスティーナも含めた周囲の人は、シンを見つめる。
商人であるトム=ハーグが口を開く。
「まさかとは思いますが………………シンさん、今まで買い物とかは……………?」
「買い物はトムさんからしかした事ないですね。お金のやり取りは、爺ちゃんがしてたから、やった事ないです」
トムの問いに、全員が驚く。
メリダ、ミッシェル=コーリング、ユウト、
迅、イズは、マーリンの方を向く。
「マーリン……………!?アンタ……………!」
「マーリン殿……………これは……………!?」
「マーリンさん………………!?」
「マーリン…………!?」
「これはどういう事ですか?」
「そういえば、常識教えるの忘れとった!イッケネ!」
「何い〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
メリダ達がそう聞くと、マーリンはそう言って、皆は驚いてシンを見る。
どうやら、常識を教えるのを忘れていたようだ。
その後、ある荒野へと移動する。
その際、シンの転移魔法を使った。
「なっ!?一瞬でこのような場所に…………!?」
「まさか、転移?」
「シンのオリジナルじゃよ」
「これは、世界の流通を…………いや、常識そのものを覆しかねませんね」
「こんな魔法が使える時点で驚きだってのに……………」
「しかし、メリダ師。社会に出た後、シン君がどんなトラブルに巻き込まれるか分かりません」
ディセウムとジークフリードが驚く中、マーリンはそう言って、トムは驚き、メリダは頭を抱えていた。
ちなみに、ユウトもそのシンが使った魔法は使用可能だ。
「こんな場所に来るという事は、何か理由が?」
「まあ、周囲にこれくらい何も無いと危険じゃからのう」
「危険!?」
「ほっほっほ。わしは知っておるからな。くれぐれも、驚かないように」
「迅、イズ。俺、嫌な予感しかしないんだけど………………」
「……………僕も」
「そうですね」
「シン。卒業試験の様に、あれをやるのじゃ」
「あれ?取り敢えず、火で良いかな?」
「ん?」
ミッシェルがそう聞くと、マーリンはそう答えて、メリダが反応する。
それを聞いたユウトと迅とイズは、そんな風に話す。
シンは、魔法を発動する。
すると、周囲に青白い炎が現れる。
「青い炎なんて、初めて見たぞ!?」
それを見て、ジークフリードはそう叫ぶ中、ユウトはどうなるのかを予想出来たのか、腕を組む。
しばらくすると、シンは魔法を発射する。
すると、とんでもない大爆発が起きて、全員が身構える。
しばらくすると、煙が晴れて、とんでもない大きさの亀裂が出来上がっていた。
「今は、こんな感じかな」
「……………………!?」
「あれ?どうしたの?皆。」
シンがそう言いながら振り向くと、ユウトと迅とイズを除いた全員が唖然としていた。
ユウトと迅は、呆れたように頭を抱えていた。
すると、メリダは、マーリンに詰め寄る。
「マーリン!アンタ!!なんでこの子に自重ってもんを教えなかったのさ!!」
「確かにこれは……………」
「ちょっと酷いですな……………」
「ええ〜……………皆して酷くね?」
「いや、そうなって当然じゃね?」
メリダがマーリンに詰め寄る中、ディセウム達はそう話す。
シンがそう呟くと、ユウトはそうかえす。
「だって!教えた事は皆吸収しよるんじゃ!つい、どこまで出来るのか見たくなったんじゃもん!」
「何がじゃもんだい!気持ち悪いんだよ!」
マーリンがそう言うと、メリダはそう叫ぶ。
するも、ディセウム達が口を開く。
「これは、おいそれと世に出せなくなったな。これほどの破壊力を持った魔法に転移魔法。使い方次第では、世界征服すら可能なレベルだ」
「さらに、ミッシェル様に武術の稽古も付けて貰っています。近接戦も出来て遠距離の魔法はこの威力……………これが知れたら、各国がシンを取り込もうと躍起になりますね」
「そういえば、ユウトもあんな魔法は使えるのか?」
「使えはしますが、あんな風にはやりませんよ」
ディセウムがそう言うと、クリスティーナはそう言う。
ジークフリードは、ユウトに質問して、ユウトはそう答える。
ユウトも、シンと同じ魔法を使えるが、流石に自重はする。
そんな中、ユウトの言葉を聞いていたディセウムがマーリンに言う。
「マーリン殿。少し話があるのですが……………」
「ふぉ……………ふぉ……………その前に、この婆さんをなんとかしてくれんか…………」
「誰のせいで締め上げられていると思ってるんだい!」
「婆ちゃん。そんなに興奮すると体に悪いよ」
「誰のせいだい!!誰の!!」
ディセウムがそう言う中、マーリンがそう呟くと、メリダは叫び、シンがそう言うと、メリダがそう叫ぶ。
メリダはマーリンを離して、ディセウムは口を開く。
「マーリン殿。シン君のチカラは正直異常……………世の勢力分布を狂わせるほどです」
「加えて、シン君はこの森以外を知らない世間知らずです」
「このまま彼を社会に放り出したら、各国の思惑に踊らされかねない。特に軍事拡大を狙う帝国に知られれば、シン君を利用しようとするのは目に見えている」
「そうじゃのう………………」
「そこで、考えがあります。シン君とユウト君を、我が国にある高等魔法学院に入学させませんか?」
ディセウムとトムはそう言う。
マーリンが何かを考える中、ディセウムはそう提案する。
「………………それは、お前の国にシンとユウト君を取り込もうという考えか?」
「…………もし、ゼロワンをアールスハイドに取り込もうって言うんだったら、話は変わるよ」
「その辺りはどの様にお考えですか?」
ディセウムの提案を聞いたマーリンと迅は、言葉に怒気を含ませてそう聞く。
その場には、一触即発の空気が満ちる。
ディセウムはすぐに口を開く。
「シン君とユウト君を軍事利用しない事は、この場で誓いましょう。私自身、甥っ子も当然の2人を戦いに巻き込みたくは無い。王都にある高等魔法学院は、中等教育が終わった者の中で、魔法が優秀だった者を更に鍛える為の高等教育機関。そこならシン君がいかに”一般の優秀な魔法使い”と比べて規格外か……………知る事が出来るでしょう。」
ディセウムはそう言う。
それを聞いたシンは、ユウトに聞く。
「なあ、俺、規格外だったの?」
「気づいていないのか」
シンがそう聞く中、ユウトは呆れ気味にそう言う。
そんな風にやり取りをする中、ディセウムはマーリンに言う。
「それに、シン君とユウト君にとって、同世代の友人を得る良い機会になります。」
「なるほど……………確かに、一理ありますね」
「どうじゃ、シン、ユウト君?ディセウムの言う事は尤もじゃし、ワシらも良いと思うが。」
「俺もそれで良いよ」
「俺も」
ディセウムがそう言う中、ヴァンは頷いて、マーリンはシンとユウトに聞き、2人は了承する。
「入学後の
「ちなみに、権威を利用した場合は?」
「厳罰に処する」
「恐っ!」
「優秀な魔法使いの芽を刈り取る行為だからな」
ディセウムがそう言う中、ユウトがそう聞くと、ディセウムはそう答える。
そんな中、シンはディセウムに聞く。
「……………ところで、さっきから便宜だとか厳罰とか………………ディスおじさんって、実は権威ある人なの?」
「おお。そういえば、言ってなかったな。私の本名は、ディセウム=フォン=アールスハイド。アールスハイド王国の国王だ」
シンがそう聞くと、ディセウムはそう答える。
ディセウムは、国王だったのだ。
「まさかの王様!?じ………じゃあ、クリスねーちゃんとジークにいちゃんは……!?」
「私は近衛騎士団所属の騎士で、陛下の護衛としてここに居るの」
「俺は宮廷魔法師団所属の魔法使いさ。同じく、陛下の護衛だよ」
シンが驚く中、クリスティーナとジークフリードも、身分を明かす。
それを聞いたシンは叫ぶ。
「えーーー!!クリスねーちゃんは兎も角、ジークにいちゃんは嘘だぁ!!」
「待てコラ!嘘ってなんだ!?」
「ふふ……………やはり、シンは見る目がありますね」
「なんだとコラ?」
「何ですか?あぁん?」
「落ち着いて下さいよ……………」
「じゃあ、ミッシェルおじさんは?」
「うん?もう引退したが、かつては騎士団総長をしていたよ。」
シンがそう叫ぶと、ジークフリードとクリスティーナはそんな風に反応して、お互いに睨み合う。
ユウトが落ち着かせようとする中、シンはミッシェルに聞くと、ミッシェルはそう答える。
「なに……………この王国の重鎮勢揃いな状況……………ていうか、ユウトは知ってたのかよ!?」
「迅やイズが説明してくれた」
「本当に、何も話してないんだね」
「いやぁ………………」
シンが驚く中、カケルに聞いて、ユウトはそう答える。
メリダがマーリンを睨む中、シンはディセウムに聞く。
「でも、なんで王様がいつも爺ちゃんを訪ねてくるの?」
「マーリン殿が昔、魔物化した人、魔人を討伐した話は?」
「聞いてるよ」
「それは他でも無い、我が国での出来事だったんだ」
「え?」
シンがそう聞くと、ディセウムはそう答える。
これは、かつて、アールスハイドに襲った国難の話。
魔物化した人である魔人が、アールスハイド王国に出現した。
アールスハイド王国は、討伐隊を二度にわたって出したが、悉く返り討ちに遭い、一つの街が地図から消えた。
王国は、学徒出陣を決め、当時、王太子であったディセウムも、周囲の反対を無視して、出陣した。
だが、返り討ちに遭い、ディセウムも死にかけた。
そこに、マーリンにメリダがやって来て、メリダは魔道具で防御して、マーリンが攻撃した。
その攻防の末、魔人は討伐された。
「……………それがマーリン殿とメリダ師だ。その活躍ぶり……………憧れすら覚えたものだよ」
「凄かったんだね!爺ちゃんも婆ちゃんも!」
「そうだな!」
「……………まあ、若気の至りじゃ」
「アタシはまだ、捨てたもんじゃないだろ?」
ディセウムがそう言う中、マーリンは照れて、メリダはそう言う。
「魔人を倒した上、王太子である私を救った事で、国から英雄として取り上げられてな。以来、マーリン殿とは立場を越えた友人として付き合いが続いている。今もちょくちょく政治の愚痴を聞いてもらっとるんだ」
「愚痴を言いに来てたんですか」
「国の政治は私の仕事だ。マーリン殿にはその責任を負わせられんよ。…………そういう訳で、大恩ある人たちの孫とお孫さんの親友を利用する気などある訳がない。安心して、王都に来たまえ」
ディセウムがそう言う中、ユウトはそう突っ込む。
ディセウムは、口を開く。
「……………にしても、私が王と分かっても、君達の態度は変わらんな」
「だって、昔から知ってるおじさんだし……………」
「まあ、今更ですし」
「はっはっは!よいよい!気にするな!」
「ところで爺ちゃん達、昔一緒にパーティー組んでたんだね!」
ディセウムがそう言うと、シンはそう言って、ユウトは諦め気味にそう言う。
シンがマーリンとメリダにそう言うと、2人は視線を逸らす。
「え?何?」
「シン、知らなかったんだ」
「一緒のパーティーというか、お二人は元夫婦ですよ?」
「え?え?え!?マジ!?」
シンが首を傾げる中、クリスティーナはそう言うと、シンは叫ぶ。
その夜、シンとユウトは話していた。
「おい、ユウト!色々と俺が知らなくて、お前が知ってる事が多すぎないか!?」
「マーリン殿にメリダ師に聞かなかったじゃん。それよりも、魔法学院か。楽しみだな」
「誤魔化したな。………………まあ、俺も楽しみだよ。何せ、この世界に転生して、初めて王都の方に向かうんだからな」
「そうだな」
そんな風に話していた。
シンもまた、ユウトと同様に、日本から転生した人物だったのだ。
それから半月後、ユウト達は、アールスハイドの王都へと向かう事に。
馬車には、ユウトとシンだけでなく、迅、イズ、マーリン、メリダも居た。
ただ、マーリンとメリダに関しては、気まずそうにしていたが。
「ねえ、爺ちゃん。王都にある家って、どれくらいの大きさなの?」
「覚えておらんの。国から下賜されたもんじゃから、大きかったとは思うが」
「そうか。異空間収納があると、引っ越しが楽だよな」
「婆ちゃん。一緒に住んで欲しいなんて無理言ってごめん。でも、来てくれてすっごく嬉しいよ」
「まあ、この爺さんに任せるのは、心許ないからね」
シン達は、そんな風に話す。
メリダは、照れくさそうにする。
しばらくすると、王都に到着する。
だが、まだ入り口付近に止められていた。
入国審査待ちの列に入ったからだ。
「人が増えてきたね。」
「やれやれ……………入国審査待ちの列じゃ」
しばらくすれば、進むんじゃない?」
「そうだな。」
シン、マーリン、迅、ユウトの4人は、そんな風に話す。
すると、係員がやってくる。
「失礼。身分証の提示をお願いします。」
「これで良いかの?」
「はいよ」
「…………………っ!?けっ……………け、賢者マーリン殿と、導師メリダ殿でありますか!?」
係員は、身分証の提示を求めると、マーリン、メリダが提示する。
すると、係員が大声で叫ぶ。
「導師ぃ!?け、賢者ぁ!?」
「そんな風に呼ばれてるんですね」
「若気の至りじゃ」
「若気の至りさね」
シンとユウトがそう言うと、2人はそう言う。
その係員の叫び声は、周囲に広まり、騒ぎだす。
「賢者様がおられるの!?」
「導師様もいらっしゃるって…………!」
「ぜひ、一目……………!」
そんな風に騒ぎだす。
それを見て、マーリンは係員に話しかける。
「すまんが、これ以上騒ぎを大きくしたく無い。通って良いかの?」
「はっ!もちろんです!ところで、こちらのお坊ちゃん達は……………?」
((お坊ちゃん……………!?))
「シン=ウォルフォードと、ユウト=イーウェル。ワシらの孫と、その親友じゃ」
マーリンがそう言うと、係員はそう聞いて、マーリンはそう答える。
そして、先に進む。
「凄いや。これが王都かぁ」
「賑やかだな」
2人はそう呟く。
向かっているのは、マーリン達のかつての家だ。
ちなみに、街は王城を中心に区画分けされており、マーリン達のかつての家は、平民達の区画と、貴族や豪商達の区画の間らしい。
しばらくすると、大きい家の前に着く。
「でかっ!!俺たち、こんな所に住んで良いの!?」
「住んで良いっていうか、もともとアタシらの家だよ、ここは」
「へぇ…………………」
シンとユウトは、そう驚く。
中に入ると、多数の人が居た。
「お帰りなさいませ!」
「え!?何これ!?え!?」
「ディセウムが派遣してくれた様じゃのう」
「これがあるから、ここは嫌なんさね」
「マジか………………」
中には、ディセウムが派遣した使用人達がたくさん居て、そんな風に反応する。
「メイド長のマリーカでございます」
「執事のスティーブと申します」
「料理長のコレルです」
「り……………料理人まで居るの!?俺、家の事何したら……………」
「これは……………」
「
使用人達の代表が紹介する中、シンとカケルがそう言うと、マリーカはそう言う。
それには、2人は驚く。
「シン……………様ぁ!?」
「俺もか」
「皆が尊敬する英雄様のお孫さん方です。当然のお呼びの仕方かと」
「で、でも、今まで全部自分でやってたんだから……………」
「私どもも、陛下より御下命を受けて参っておりますので。ましてや、英雄様のご家族なのです。無下に扱う事など、我々に出来るはずもございません。」
シンとユウトがそう言うと、マリーカとスティーブはそう言う。
2人が唖然としている中、マーリンが話しかける。
「まあ、そういう事じゃ。後の事はワシらに任せて、シン達は街を見てきたらどうじゃ?」
「そうするよ」
「うん」
マーリンがそう言うと、シンとユウトは、街へと向かう。
ちなみに、シンはマーリンからお小遣いを貰ったが、ユウトは以前、買い出しをした時の余りを貰っており、それを使う事に。
「この世界のお金って、硬貨のみなんだな……………」
「ああ」
2人はそう話して、串焼きの肉を購入して、食べ歩く。
しばらくすると、魔道具屋を見つける。
「ここは……………魔道具屋か」
「みたいだな」
2人は中に入ると、店の品を見る。
そんな中、シンは店主に話しかける。
「試して良い?」
「良いけど、大事に扱ってくれよ。一級品揃いなんだから。」
『吸引の魔法がついた手袋か。お値段は高めだな』
シンが店主に話しかける中、ユウトは手袋を見て、そう思う。
シンが使うと、リンゴを一個だけ引き寄せた。
シンは、手袋を捨てる。
「あー!こらーっ!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
店主が怒鳴る中、ユウトは謝る。
対処した後、シンの方へと向かう。
「シン!お前、何やってんだよ!」
「だって、思いのほかしょぼかったし……………」
「だからって、そのままにして逃げるバカが居るか!」
ユウトは、シンに怒鳴る。
すると。
「誰か!私の財布を!」
「っ!?」
そんな声が聞こえてきて、ユウト達が声のした方を向くと、お婆さんから男が逃げていった。
その手には、財布が握られていた。
それを見たユウトは。
「シンはお婆さんを頼む!」
「お、おう!」
ユウトはそう叫ぶと、ひったくりを追いかけていき、シンはお婆さんの方へと向かう。
ユウトが走ると、ひったくりに追いついた。
「逃がすかよ!」
「のわっ!?」
ユウトがひったくり犯に追いつくと、蹴りを入れて、財布が吹き飛ぶ。
すると、その財布をキャッチした人がいた。
その人は女性で、金髪と青目の美人で巨乳でスタイル抜群で、白と青の近未来な服装をしていた。
「これは、君の物かな?」
「いや、そこのひったくり犯がお婆さんから奪った財布で、取り返そうとしてたんだ」
「そうか。なら、返してくると良い」
「え?あ、ああ…………」
その女性がそう聞くと、ユウトはそう答える。
その女性がそう言うと、財布をユウトに渡して、ユウトはお婆さんの元へと戻っていく。
すると。
「何すんだ、てめぇ!」
「……………お前には裁きを下す」
ひったくり犯が女性に襲い掛かろうとすると、その女性はそう言う。
すると、光が出てくる。
「あぁぁぁぁぁ!!」
そんな光が出ると、男の悲鳴が響き渡る。
光が消えると、女性は消えていて、ひったくり犯の亡骸だけが残っていた。
ユウトは合流して、お婆さんに財布を返却した。
その後、シンとユウトは歩き出す。
「へぇ…………その人が財布を返してくれたんだ」
「うん。誰なのかは、聞いてなかったけど…………」
2人はそんな風に話していた。
すると、ある行列が目に入る。
「ん?あの……………これ、何の列ですか?」
「随分と並んでいるね」
「舞台さ!『賢者マーリンと導師メリダの物語』!」
「ええ〜〜〜〜〜っ!!?」
シンとユウトが行列に並んでいる男性にそう聞くと、男性はそう答えて、シンは叫ぶ。
2人はその場から去り、観光を再開する。
すると。
「いや!やめて下さい!」
「アンタ達!良い加減にしなさいよ!」
「ん?」
そんな叫び声がしてきて、ユウトとシンが声のした方を向くと、2人の女の子が男3人に絡まれていた。
「おぉ、こわ。そんな怒んなよ。一緒に遊ぼうって言ってるだけじゃん」
「良い事教えてやっからさぁ。気持ち良〜いことをよ」
『おお……………この世界にもこんなテンプレな展開が……………』
『いかにもチンピラみたいな奴らだなぁ…………』
「良いから来いっつってんだよ!!」
「きゃあっ!誰か……………!」
男達がそう言うのを見て、シンとユウトがそう思っていると、無理やり連れて行こうとする。
周囲は、見て見ぬふりをしていた。
ユウトとシンは話す。
「どうする?」
「困ってるからな。助けるぞ」
「あいよ」
2人はそう話して、口を開く。
「あー……………そこのお嬢さん方。お困りですか?」
「はい!超お困りです!!」
『どんな返事の仕方だよ』
シンがそう言うと、片方の女の子がそう叫ぶ。
ユウトがそう思っていると、男達が2人に絡む。
「何だぁ?ガキ!なんか用か!正義の味方気取りかあぁ!?」
「俺らはいつも魔物狩ってこいつらを守ってやってんだ!正義の味方は寧ろ俺らの方だろ!」
「ヒャッハッハッハッハ!」
「お兄さん達、魔物を狩るのは正義の味方かも知れないけど、女の子まで狩っちゃったら悪人だよ?」
「そんな事をしてるのなら、さっさと魔物を狩ったらどうです?」
男達がそう言う中、シンとユウトはそう返す。
それを聞いた男達は、ブチ切れた。
「んだと、ガキコラァ!!」
「死ねやっ!!」
男達は、シンとユウトに攻撃しようとする。
だが。
『えぇ〜〜〜何これ……………!!遅っ』
殴り掛かろうとする男の腕をシンが掴んで、そのまま地面に叩き落とした。
それを見たシンは、ユウトに聞く。
「あれ!?受け身とらないの!?この人、死んで無いよね?」
「大丈夫だろ。片方は任せるよ」
「お、おう……………」
「て……………てめぇっ!!」
2人がそう話す中、男の1人がシンに向かうが、あっさり投げ飛ばされ、ダウンする。
もう1人は、剣を抜いて、ユウトの方に向かう。
だが、ユウトはあっさりと躱す。
「このっ!ちょこまかと……………!」
「ふっ!はあっ!」
男が毒づく中、ユウトは膝蹴りをして、剣を吹き飛ばし、ボレーキックを頭に叩き込んで、意識を刈り取る。
シンとユウトはある事を思っていた。
『ミッシェルさんの修行に比べれば、遊びみてーなレベルだな…………』
『他愛無いな』
そんな風に思っていた。
駆け寄ってきた2人の少女に話しかける。
「大丈夫?怪我してない?」
「あ、はい平気です!あなた達こそ大丈夫!?」
「何が?」
「だってあいつら、剣まで抜いて…………!」
「あんな遅い斬りかかり、当たるわけないだろ」
「え……………?結構鋭いと思ったんですけど……………」
シンがそう聞くと、赤髪の女の子がそう聞いてきて、ユウトはそう答える。
もう1人の青髪の女の子がそう言う中、シンはそちらを見ると、雷が落ちたような錯覚を感じる。
何故なら、見惚れてしまったからだ。
「どうかしましたか?」
『か……………可愛すぎる……………!!』
『あ。一目惚れしたな』
シンがそう思う中、ユウトはそう思うのだった。
今回はここまでです。
今回は、アールスハイド王都に向かうまでです。
ユウトは、自重を覚えています。
そんな中、ひったくりを始末した謎の女性。
果たして、何者なのか。
次回は、入学試験をやる所までやります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。