ゼンレスブレイクアウト 作:エイジャックス
カモナ TV局
「ジャックス、これを見てくれ」
スクワッドメンバーのベイブが手を振って俺を呼ぶ。
「これはもしかして
「ああ、こいつは極秘文書だ!」
極秘文書、それはカモナにおける南北戦争のある事件の真相全てが書かれたと噂され、カモナのありとあらゆる勢力、派閥が金を払ってでも手に入れようとしているものである。現在、ダークウェブのフリーマーケットで提示された額は八百四十万ドル(日本円で十三億八百二十万円)をほこる。
「おい嘘だろ!俺たち大金持ちだぜ!」
ベイブが俺の肩を両手で掴んで揺さぶる。俺も必死に喜びを隠そうとするができずにニヤけてしまう。
「ベイブ、残りの二人を呼べ。撤退するぞ!」
「そうだな、さっさとトンズラするのが吉だ」
ベイブがヘッドセットのマイクで味方と通信する。その間に俺はラット(物陰に隠れてPMCを奇襲する敵対PMC)を警戒する。また、ここはブラックゴールド(CDISが雇っているPMC)の勢力圏だ、どこから敵が来てもおかしくない。なんにせブラックゴールドは市街地をA-10で攻撃したイカれ野郎どもだ。
「来たぞ」
「アレックス、サトウはどうした」
アレックスは少し気まずそうにする。顎を右手で撫で口を開く。
「あいつ、『まだゲームは始まったばかりだ』って行ってホワイトウルフの占領地に行きやがった」
「あの馬鹿野郎が、どうせ死なないだろうから先に撤退するぞ」
俺たちは少し話し合いエレベーターから撤退することにした。
「ラットが来なければ良いんだがな」
エレベーターが現在の階層に到達するまでにかかる時間は百秒だ。つまり、百秒を耐え忍ばなければならない。
「待て二時の方向から足音がする。こちらに向かってきてるぞ」
アレックスの報告を聞いて俺はAEKのトリガーに指をかける。数秒後、足音が正体を表した。
「これは無理かも」
その正体はサトウだった。どうやらなにかに追われているようだ。
「Gyaaaaaaa」
黒曜石のような物質で身体を構成された中世の騎士のようなそれはサトウをものすごい速度で追っていた。
「なんだアイツ!とにかく撃つぞ!」
ベイブが叫ぶ。それと同時に俺のAEKは鉛玉を吐き出し始める。毎分八百発の弾を撃ち出すそれは騎士に傷一つつけることができない。
「クソが!全然効いてねぇ!」
次の瞬間、視界が激しい光に包まれた。それと同時爆発音が響き俺は吹き飛ばされ意識を失った。
何かがおかしい、そう11号は感じていた。エーテリアスの挙動がおかしいのだ。
「怯えている?」
エーテリアスは知能や感情を一切持たない。それなのに震えている。エーテリアスは空のある方向を見て怯えていた。
「なによあれ」
ホロウ内の空全体にとてつもない大きな黒い穴が空いていた。そこから、人型のエーテリアスのような者が降りてくる。それは映画で出てくるような騎士の姿をしていた。
『素晴らしい…。この世界で私は全ての奪い。支配者となる』
話した。今まで存在するとされなかった話すエーテリアスだ。11号に衝撃が走る。あいつは敵だ倒さなければならないと判断して抜刀する。しかし、次の瞬間にはそれは姿を消していた。
「なんだ、ここは」
俺は市街地にいた。しかし、雰囲気が異様だ。一面に地面から黒曜石のようなものが生えている。それが建物を侵食したりしている。大きな災害の後のように建物は崩れているし、俺は動揺を隠せない。
「ベイブ!アレックス!サトウ!いないのか?」
俺は一面に聞こえるように大きな声で叫ぶが反応はない。どうなっている。俺はTV局にいたはずだ、しかし、正体不明の化け物の襲撃とともに気を失い目が覚めたらここにいた。
「Gaaaaaa」
なにか動物のような声が聞こえて後ろを振り向く。そこには黒曜石なもので構成された化け物がいた。
「くそったれが!」
離さずに持っていたAEKで化け物の頭らしき場所を撃つ。しかし、化け物は少し怯むだけで突撃をやめない。
「徹甲弾だぞ!ふざけてるのか!」
俺は化け物の突進を首皮一枚で避ける。チェストリグからスタングレネードを取り出しピンを抜いて化け物めがけて投げた。
「Gy、RRRRRR」
鼓膜が破れそうな悲鳴と共に化け物は激しく怯んだ。その隙をつきリロードして再度AEKで化け物の頭を撃つ。
「A、aaa...」
化け物は叫ぶのをやめて倒れて粒子化する。とても、不気味だ。理解できない。
「そこのあなた、動かないで」
人の声が聞こえた、女の声だ。俺は人に見つけられたと思い。声の方を向く。そこにはオレンジの服を着てゴーグルをつけた白い髪の女いた。
「あなたを拘束する」
そう言って、サーベルのようなものをこちらに向けて指している。俺はAEKのとりがーに再度指をかけた。