ゼンレスブレイクアウト   作:エイジャックス

3 / 6
ウェルカムトゥニューエリー都3

「どこだ、ここは?」

 

 俺はあの白い髪の女と戦闘になりそれに敗れて気を失った。そうして、目を覚ましたら仮設テントの中で手に手錠を掛けられて椅子に縛られている。

 

「目を覚ましたようね」

 

 目の前にはあの白い髪の女が立っていた。そうだ、俺はこの女に首を切られて…。

 

「俺生きてる…?」

「どうやら混乱しているようね。あなたは生きてるわ、安心して」

 

 女が言うには俺はサーベルの背のほうを首に叩きつけられて気絶したらしい。そして、ちょうど今目を覚ましたと言うところだ。

 

「今からいう質問に答えて」

「ちょっと待ってくれ」

 

 急にそんなこと言われても俺にはどうしようもない。理由は簡単だ、いきなりよくわからん化け物に襲撃されたり、火の吹くサーベルで殴られて状況の収拾がつかない。そんな状態で質問されても答えられるはずがない。ましてや、相手の素性すらわかっていないのだ。

 

「君がどういう人間かわからない状態で質問に答える気はない」

 

 それを聞くと白い髪の女は顎を拳の上に置いて悩むそぶりを見せる。

 

「確かにそれもそうね。私は防衛軍オブシディアン大隊のオボルス小隊所属11号。あなたは?」

「俺はジャックスだ、それでここはどこなんだ」

 

 白い髪の女は11号と自らを名乗った。だが、それはおそらくコールサインかなにかだろう。11号は額に手をやり呆れたように答える。

 

「自分の状況をわかっているのかしら。ここはスコット前哨基地、あなたはホロウレイダーとして拘束されたの」

 

 ホロウレイダー?何を言っているんだ。俺はただ気づいた時にはあそこにいて、そしたら11号と接敵して急に拘束されただけだ。こちらとして被害者でしかない。

 

「待ってくれ、俺はただ気づいたらあそこにいただけだ。俺のドックタグを確認してくれ、そしたらなにかとわかるはずだ!」

 

 ドックタグと言葉した瞬間に11号の目つきが変わった。明らかにこちらに向けるまなざしが鋭くなったのだ。

 

「あなたのドックタグは確認した。けど、書かれていた言葉全てがこの世界全てのどの言語にも一致しなかったわ。だから解読できてない」

 

 冗談だろ…。英語で書かれたドックタグだぞ?世界で一番使用されている言語だぞ?それが解読できていないだと。どういうことだ、何が起こっているんだ。

 

「英語だぞ!読めないのか?じゃあ、どうして俺たちは会話できている」

「ええ、だからあなたに質問があるの。あなたは一体何者なの?その様子じゃ反乱軍ではなさそうね」

 

 そうだ、俺はジャックスだ。だが、この世界はなんだ。もしかしてだ。ここは俺がいた世界と()()()()なのではないか。じゃないと、あの化け物も11号が俺の目の前でしたことも説明がつかない。

 

「一つ教えてくれ、カモナという地に聞き覚えはないか?」

「そんな場所この世界には無いわ」

 

 11号の答えによって疑念が確信に変わった。ここは俺がいた世界と違う。世俗的(せぞくてき)にいうと異世界というやつだろう。つまり、俺は何らかの原因で異世界に来てしまったのだ。

 

「嘘だろ、どういうことなんだよ」

「…、なにかわかったの?」

 

 俺は今考えついたことを11号に話した。11号は最初は信じられないようだったが次第に納得する。

 

「確かにあなたがいうことが本当なら説明がつくわ」

 

 11号は仮設テントの中から出ていきどこかへ言ってしまった。

 

 そこから、一時間がすぎた頃に11号は七三分けの白髪混じりの男ともに戻ってきた。

 

「ローランド長官、彼が例の人物です」

 

 ローランド長官と呼ばれたその男は俺をまじまじと見つめてから口を開く。

 

「君のことは11号君から聞いているよ、君の処遇も決めた」

 

 俺の処遇、つまり、今後俺がどうなるか、どうされるかの決定がなされたということだろう。

 

「君に選択を二つ与える。このまま治安局にホロウレイダーとして引き渡されるか、防衛軍に雇われるかだ」

「前者はどうなる」

「君は犯罪者として治安局で留置されることになるだろう」 

 

 治安局、名前的に警察機関のようなものだろう。引き渡されて、なにも知らぬまま留置とはたまったもんじゃない。

 

「後者は?」

「防衛軍の兵士として働いてもらう。11号君から君の実力について教えてもらった。こちらも少し立て込んでいる人員が必要なんだ」

 

 選ぶなら後者だ。口振り的に俺が今回、11号に対して攻撃したこともお咎めなしになりそうだからだ。

 

「わかった、あんたらに協力する。だから、手錠を解いてくれないか。何時間もこの体勢で体が痺れそうだ」

 

 それを聞いて、ローランドは11号に目をやった。そして、11号は俺の手錠を外す。

 

「君の懸命な判断に感謝する」

 

 そう言うとローランドはこの場から立ち去っていった。

 


 

 時を同じくしてゼロ号ホロウ内部

 

「なんだ、貴様は!」

 

 地面に突っ伏した防衛軍の兵士が一人、そう言う。その先には騎士の姿をした化け物がいた。

 

『貴様とは失礼だなぁ。僕はヴァルキリー、戦いの神さ。ところで君はお喋りが好きなのかな?』

 

 そう言って、手に持った剣を兵士の足に突き刺す。

 

『良い声で鳴いてくれよ』

「ガァぁぁ」

 

 兵士は悲鳴をあげた。それを見ると騎士は笑い声を上げる。

 

『あぁ、感じるよ…。強者の息吹を…。ホント!この世界に来てよかった!』

 

 そう叫ぶように言った後、騎士はあたり一面にこだますように笑い声を上げた。




公開可能な情報

名前 ジャックス 年齢 28歳 性別 男 職業 PMCのコントラクター  出身 コロム
外見 黒髪でツーブロックでオールバック ラテン系の顔立ちをしている
経歴 元はコロム海兵隊の隊員だったがある事件がきっかけで退役、その後、某国のPMCとしてカモナで戦闘に参加していた。

 今日は二話更新
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。