スタンド使いが往く!   作:enigma

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第一話

『あ゛~~、頭いてぇ~~・・・』

『大丈夫?ほら、新しい冷えピタと水よ。』

『あ、ありがとう・・・{ゴクッゴクッゴクッ}・・・はぁ~・・・迂闊だった・・・まさか帰省中にインフルエンザにやられてしまうなんて・・・ホントに迂闊だった・・・』

『ほら、さっさと寝ておきなさい。あと少ししたらご飯に呼ぶから・・・』

『お、おう・・・』

『・・・あんま寝付けねえ、音楽でも聞きながら寝れるタイミングを待とう・・・』

 

 

 

 

『おい!大丈夫か?』

『ううん・・・もう飯の時間・・・だれです?てかここは・・・』

『おいおい、しっかりしてくれよ。君、この近くの森に倒れてたんだぜ?』

『・・・・・・・は?』

『とりあえずこれ、君の物だろう?なにに使うかは全く分からんが返しておくよ。』

『・・・・・・・・・・・どう・・・・・・なってるんだ・・・・?』

『・・・まあ、落ち着いたら話してくれ。俺は下に行ってるから。』

『・・・・・・・・ミュージックプレイヤーと手動式充電器は分かるが・・・・・・・・何で鏃?』

『・・・・・・!イテテテ、なんだこの傷・・・』

 

 

 

 

 

『いや・・・いや・・・助けて・・・誰…か・・・』

『フフフ、安心していいんだよ。さあ、おじさんと誰もいない場所に{ドゴ ガッ}ぶ!?』

『・・・え?お、おにい・・・ちゃん?』

『まったく・・・ついていけねえ・・・二次元でしかお目にかかれない超展開と思ったら・・・ゴホゴホッ・・・今度は幼女の虐待だぁ?やってられるかよ・・・チクショ、ゴホッゴホッ』

『テメェ・・・不純物塗れのゴミの分ざ{ドドンッ}・・・は?』

『え・・・?』

『失せろよ・・・それとももっと殴って欲しいか?ああ?』

『ナ゛!?ゴ、ゴノ゛ヤ゛ロ゛・・・グ、グゾ!』ダッ

『ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・うう・・・』ドサッ

『!お、お兄ちゃん!!しっかりしてよ!ねえお兄ちゃん!!』

『ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ほん・・・とう・・・・・ついて・・・ねえ・・・・・・』

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

帝歴1024年―――

---ガタン・・・ガタン・・・

森林が広がる荒れた道程を、一台の馬車が走っている。

 

「・・・お~いお前さん。もうそろそろ到着するぜ。」

「・・・・・・・・」

 

ふと、馬車を操っているおじさんが馬車の中に向けて声をかける。

しかし、馬車の中から返事はない。

 

「しっかしあんたも物好きだね~。いや世間知らずというべきか・・・今の帝都に出稼ぎをしに行くなんざ正気じゃあないぞ?」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・今からでも遅くはねえ、引き返した方がいいぞ。あそこは・・・危険種なんかよりよっぽどおっかない魔物が巣食ってんだからな・・・お前さんみたいな死人みたいな目ぇした奴なんぞたちどころに食われちまうぜ・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・迷いはないってか?やれやれ、お前さん頑固だね。まあそこまで言うなら止めはしないが・・・」

 

終始返事のないことにそう判断したおじさんは、呆れた様子でまた前を向いて馬車を操り始める・・・

 

 

 

「ワォオオオン!!」

---ザンッ ザザザッ ザザンッ

「な!?ストーキングハウンド!?」

 

その数瞬後だった。突然道の両側の茂みから、成熟した熊ほどのサイズの狼が複数体飛出して馬車を囲むように着地する。

 

「グルルルルルル・・・」

「く、クソ。俺もいよいよ焼きが回ったか・・・ひ!?」

「「「「「「グルゥアアアアアアア!!」」」」」」

「う、うわああああああああ!!」

 

自分の未来を悟り、目に見えて恐怖している馬車のおじさんに、ストーキングハウンドと呼ばれた狼たちは一斉に襲い・・・・・・

 

 

 

 

---ドドドドドドドグォォオオ―z____ンッ

 

「・・・・・・・・は?」

 

掛かろうとした瞬間、寸分の狂いなくそのすべての頭を同時に爆発させた。

残った狼たちの胴体は、飛びかかろうとした体勢で無様に地面に倒れ伏す。

 

「・・・な、何が起こったんだ・・・」

 

突如目の前で起こった現象に、おじさんはただ呆ける。

その時だった・・・

 

「ふわ・・・あぁ~~~~~~、久々に妙な夢見ちまった・・・」

 

おじさんの乗っていた馬車の中から、その状況に全く似合わない腑抜けた調子のセリフが放たれた。

その後、少しの間ゴソゴソと音が鳴ると、馬車の中からおじさんが座っている方へ人が姿を現す。

 

「・・・・・・・・・」

 

外見は18歳ほどの東洋人であろうか・・・170cm前後はある身長と、首にかかるか、かからないくらいまで伸びた黒髪、一般よりもやや整った顔だち、腰に携えられた一対の装飾の入ったトンファーが特徴的な青年であった。

 

「・・・・・・・・・・」

 

青年は無気力そうな眼差しで言葉の出ないおじさんを一瞥した後、何を考えているか感じられない表情で辺りを見渡す。

 

・・・・・・そして・・・

 

「・・・・・・すみません、転寝(うたたね)しててほとんど聞いてませんでした。何の話でしたか?」

 

状況の確認が一通り終わると、おじさんの方をもう一度見てこう言葉を投げかけた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---ガラガラガラガラガラ・・・ガタンッ

「・・・着いたぜ、悪いがここから先は自分の足でいきな。」

 

青年が馬車の中に戻って約一時間が経過した頃、ようやく馬車は目的の場所に到着し、おじさんは中にいる東洋人に馬車から降りるよう促す。

青年はそれに応じ、自分の荷物を持って馬車の中から一人地面に降り立つ。

 

「どうもありがとうございました。無理を言ってここまで乗せてもらって・・・」

「ははは、いいってことよ。良くわからんがこうして助かってるんだし・・・『旅は道ずれ、世は情け』だ。せいぜい頑張んな、兄ちゃん!」

「本当に有り難うございます。それでは、私はこれで・・・お気を付けて。」

「おうよ!・・・お前さんも気を付けていきな。」

 

青年を降したおじさんはそう言って、高い塀と街がある方角とはまた別の方に馬車を進める。

 

「・・・・・・・・・あれから一年ちょいか・・・随分遠い所まで来ちまったな・・・」

「・・・・・・行くか・・・俺も・・・」

 

青年もまた、馬車が過ぎ去っていく光景を少し眺めた後で街のある方角へと歩み始めた。

 

 

 

「帝都・・・・・・・警備兵や軍人が一番安定した仕事なんて世も末だな・・・ま、せいぜいうまくやらせてもらうか。なけなしのツキが回ってくるようになぁ・・・」

 

人の形をした、魑魅魍魎の蠢く街へと・・・

 

 

 

 

 




スタンドと帝具についてははっきりした出番が出てきてから設定に乗せようと思っています。それではまた後ほど。
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