「応答してくれ、マグノリア!マグノリアっ!」
マグノリアからの返答がない…明らかに異常だ。
…目を凝らしてモニターを見る。
「…そんな…マグノリアが…!?」
…そこに居たマグノリアは、”D-nizer”を起動していた。
“D-nizer”。それはとある少年の遺した禁断の力。
通常、U-ACにはリミッターが掛けられており、
D-nizerを任意で発動する事は出来ない。
…しかし、例外は存在する。
そう、適合者だ。
先天的にU-ACへの適性を持つ人物の中には、
D-nizerのセーフティを外す事の出来る因子を持つ者がいるのだ。
…つまり、マグノリアこそが…
「D-nizerの…適合者…!?」
〜マグノリア視点〜
…体が動かない。
自らの意思で体を動かす事が出来ないのだ。
意識はあるのだが、体が勝手に動きレースを進めている。
まるで、理性なき獣の様な走り。
こんなのはレースなんかじゃ無い…!
<動け…動いて…!>
その様な願いとは裏腹に、私の体は暴走を続ける。
<どう…して…?>
〜アンフィニ視点〜
「だぁっクソぉ!んだよあのスピード!?」
アタシのローラーレッグの機動性を軽く超えてやがる…
明らかにグリッド4…キタカゼチャージを抜いた時からおかしくなってやがるな…。
「考えても仕方ねぇ、今に追いついてやらぁ!」
行くゼ、ナイトロ点火だオラァ!
カシュッ
この機体に仕組んだナイトロで加速力、最高速度を上乗せする…
ほーれ見ろ、直ぐにキタカゼチャージに追い付い…
「ハァッ…ハァッ…!?」
…あァ?チャージの奴まで様子がおかしいな…
ま、先頭を突っ走るマグノリアに追い付きゃ分かる事か。
「先に失礼するぜぇ!」
<グリッド3、グリッド4を華麗にパスっ!>
「さァて、ご対面と行くか…ぬぅっ!?」
なんだ、この重圧感は!?
「グゥァゥゥゥ…!」
この重圧…マグノリアの奴から出てやがるな?
そしてあのフォーム…
「等速ストライドとはたまげたぜ…!」
動きに理性の一欠片も残っちゃいないが、ありゃ完全に等速ストライド走法…
「ガァァァァッ!」
「…はぁ、”また”面倒事に巻き込まれそうだぜ…!」
この先はホームストレート、純粋なスピードとスピードのぶつけ合いだ。
「っとその前に…そーらタックルゥ!」
隙を見逃さんとばかりに、コーナーを曲がり終え、横並びになった瞬間マグノリアにタックルを喰らわせる。
<グリッド3がグリッド2に、強烈なサイドタックルッ!>
「がはぁっ!?」
マグノリアがよろけた隙に、アタシはすかさず前に出る。
「よーし貰ったぜぇ!?」
ここまで来たら、後は飛ばすだけだ…!
<グリッド3!グリッド3が先頭に躍り出た!これは決まったか!?>
「悪いが、初勝利はアタシが貰っt
“パアァンッ!!”
…なっ…嘘だろ…!?」
ピストルや、散弾銃の音ではない。
…マグノリアが急加速を行ない、空気を破った際に鳴った音だった。
<なぁんと、グリッド2!マグノリアがロケットの如く加速したぁ!?>
「ッ、んなろぉぉぉっ!」
あんな力が残ってたのか…クッソォ!
「ゥゥゥゥゥヴァァァッ!」
<ゴォォォォルッ!フォーミュラフロント初戦はマグノリアが決めたぁ!>
続く