無自覚自己犠牲体質の少年が幼馴染2人に娶られるまで(2人だけとは言っていない!) 作:究極の闇に焼かれた男
アルバイトがしたい徹/徹にバイトをさせたくない祥子:その1
「──今何と仰いましたか?」
ある平日の朝、徹がマネージャーを引き受け祥子がリーダーを務めているバンド「Ave Mujica」の事務所、その控え室にてソファに腰掛けている祥子は目を細めながら対面に座る徹に聞き返していた。
「だから俺もアルバイトをしようと思っているんだが、ダメかな?」
「…何故いきなりバイトをしたいと言い出したんですの?」
「いや何、祥子や睦に他のメンバーの活躍のお陰でAve Mujicaもかなり有名になっただろ? 今後の事を考えると諸々の予算や費用が必要になると考えると祥子達には演奏やパフォーマンス方面の練習を優先的に頑張って欲しいから、その間に手持ち無沙汰になる事が多いい俺がバイトをして資金の確保をしようかなと思ってな」
徹の言葉に祥子は確かに思った。 祥子が率いる仮面バンドAve Mujicaは独自のパフォーマンスや圧倒的な演奏技術で今では様々な所からインタビューや雑誌の載せられる程になった。
だが名が売れ始めるという事は同時に今まで以上に活動が増え、更にはそれ相応のお金が掛かることでもある。 故に徹の考えもあながち間違ってはいないとも言える。
しかし、祥子の脳内ではそれとは別の考えが浮かんでいた。
(徹の言うことは間違ってはいませんし、確かに今後の活動を考えると資金面の確保は必須ですわね。 …………ですが、ただでさえマネージャー業で頑張ってくれている徹がバイトをするなんて、とてもじゃないですが容認する訳にはいきませんわ! もしも徹がバイトをするなんて事になったら───徹と一緒に過ごせる時間が減ってしまいますわ!!)
そんな事を祥子が考えているとは徹に知る術などなかった。
「徹の仰る事は一理ありますわね…」
「だろ? だからバイトを‥「ですが、徹がバイトをする必要はありませんわ」へ?」
「資金面に関しては私の方で何とかしてみますが、徹にはマネージャー業だけを頑張って欲しいですわ」
「いやいやいや、資金面を確保するのもマネージャーの勤めだろ!? それに祥子はバンドだけじゃなくて夜遅くまでアルバイトもしてるんだから、これ以上は無理をさせる訳にはいかないよ」
「それなら問題ありませんわ。 もう慣れましたから」
「悲壮感漂わせながら言う台詞じゃないだろ!?」
「ですから徹はマネージャー業だけに専念してくれればいいですわ。 後のことは"私達"に任せてください」
「いや、だから‥「い・い・で・す・わ・ね!」……はい」
そう言うとこれで話は終わりだと言わんばかりに会話を切り上げた祥子は「この後バイトがありますので失礼しますわ」と言い残すと荷物を手に事務所を出ていくのだった。 事務所に1人残された徹はアルバイトへと向かう祥子の後ろ姿を見送りながら溜息混じりの声で思わず呟いていた。
「はぁ………"私達"って、他に誰かいるのかよ」
「もしもし、睦ですの? 実は徹のことで話したい事がありますの。 ええ……これは近い内に"例の計画"を実行に移す必要がありますわね。 ええ……今から其方に向かいますわ」
to be continued‥
良ければコメントの方をお待ちしております。 次回の更新日は未定です。
いつか書く予定の短編、読むならどれがいい?
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睦&モーティスの一日マネージャー編
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祥子による追跡編
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徹、過労で倒れる編