いうなれば軌跡の裏道   作:ゆーう1

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まぁ、二章的な位置づけです。
そのうち気が向いたら章分けします。


二章(前半)
ムンクに平穏はないそうです


突然だが僕にやる気は基本ない。

繰り返し言うが僕にやる気は皆無だ。大事なことなので二回言いました的なね?

かといって本気を出したとしても一日中寝続けるほどだ。

そんな僕だが現在はトールズ士官学院に通っている。何かの間違いだと最近よく錯覚するが。

トールズ士官学院はドライケル帝が開いたというなんかすごそうな学院なわけでエリートばかりが集まる学院だ。

そう考えるとなんで僕はこんなとこに通っているか分からない・・・。

 

まぁ、こんな僕だから座学における授業はほとんど睡眠に費やす。

 

「こら!!ムンク授業中にねるんじゃない!!!」

 

あまりにも大きい怒声に意識が暗闇の底から引きずり出される。

何か聞こえるがそんなことで僕のそこしれぬ睡眠欲を遮れると思うな。

僕は再び睡眠する。授業中に寝るのさいこー

 

「ら、ラウラ!!?剣をしまって!!ここ教室だよ!?」

 

「止めるでないリィン!!私はこの大馬鹿者を叩き起こすのだ!!」

 

「ムンク!!頼むから起きてくれ!!?もう、ラウラを抑えきれない!!」

 

「ZZZ…ラジぉ…」

 

「ダメだ!起きる気配がない!!」

 

「いいから起きなさいよ!!」

 

肩をおもいっきり揺さぶられれば流石の僕でも起きる。

 

「んもぉ〜なんなの?気持ちよく寝て・・・へ?」

目を覚まし、顔をあげると目の前には鉄の塊が見えた。

え?なにこれ?

 

次の瞬間激痛

 

「ぎゃあああああ!!!」

 

「僕が一体何を・・・したっていうんだ・・・」

いきなり大剣でぶっ飛ばされるとかどういうことだ・・・

物凄くいてぇ

 

「其方が授業中に寝るのが悪い!」

え?それだけ?

何この子、脳筋なの?馬鹿なの?

 

 

「だからって教室で・・・大剣振り回さないでよ・・・。」

その言葉を最後に意識がブラックアウトした。

もう、ほんとやだこの学院。

 

 

 

昨日のことだ。僕はいきなりトールズ士官学院特設Ⅶ組に所属された。

もともとこの学院はクラスが貴族と平民で分けられているのだが、今年からⅦ組という貴族も平民も関係なく集められたクラスができた。

そして巨大な間違いで何故か僕はⅦ組に所属をされてしまった。

 

 

「ムンクくーん?大丈夫?さっきおもしろいぐらい痙攣してたよ?」

そうこのトラブルメーカーミントと一緒にまさかのⅦ組配属。なにこれ。

女神様というのがいるというのなら呪ってやる。

 

「もうとんだ厄日だよ・・・。」

とうか僕は忘れないぞ。ミント、僕がラウラにぶっ飛ばされているとき大爆笑してただろ。

なんであんな状況で笑えるんだよこのクレイジー娘。普通なら悲鳴ものだし、気弱なエリオットとか委員長とか泣きそうだったよ。

 

「うーん、でも驚きだよねぇ。いきなりⅦ組に所属なんて。」

 

「あぁ、ほんとにね・・・・。抗議しても全然意味なかったし・・・。」

何があったかと言うと遡ること数時間前・・・。

 

「どういうことですか!!学院長!!」

 

 

2アージュは超えるであろう巨体に柔和な笑みを浮かべる老人。

なんというか老人はいたわるものと教えられてきたがこの人相手になるとむしろいたわられたい。

正直こんな巨大な人を相手にすると普段なら萎縮してしまうが、今回は流石に引くわけにはいかない。

 

「まぁまぁ、落ち着きなよムンクくん。というかなんか面白そうだしいいじゃん。」

 

「僕はごめんだよ!!」

というか明らかにⅦ組なんて忙しそうでヤバそうなのに楽しそうにしてるミントはほんとクレイジー娘だと思う。

 

「クラスがⅦ組に変わったところで学生として大きく変わるわけではない。むしろこのことを試練だと思ってほしいものじゃ。」

学院長はにっこり笑うが冗談ではない。

僕は試練とかそーゆーめんどくさそうなのは死んでもゴメンなのだ。

 

「とまぁ今回のことはワシより上の方からの指示でな。こればっかりは変えることが出来んのじゃ。」

 

「え。」

 

「というか、反対意見として提出してもいいが、下手したら意欲のない学生として退学というのもありえるのう。」

 

え、なにこの学院長。笑顔で割と怖いこと行ってくるんだけど・・・。

流石に学院をやめるわけにもいかないので泣く泣く指示に従うしかないようだ。

 

「まぁまぁムンクくん。どうせムンクくんはどの組行っても同じだって。」

落ち込む僕の肩をポンポンとミントが叩く。

いや、よくよく考えれば確かに僕はどのクラスに行こうが寝ているだけだった。

 

「というわけでサラ君。」

 

 

「はい、学院長。」

カツカツカツ軽快な音を響かせて部屋に入ってきたのは赤に紫が少し交じるような髪の女性だった。

その顔は端正に整えられており、見るものを魅了するだろう。やや大人びた顔をしているところ学生ではないな。

教師・・・?

いやそれにしては教師らしからぬ格好だ。

一張羅とも言うべきロングコートを着るはいいがその下の服は何とも開放的のものだ。

その豊満で瑞々しい胸元ははだけている上に、下着が見えるんじゃないかと思えるほど短いスカート。

とても教師とは思えない。

 

「どうも初めまして。今日からあなた達の担任になるサラ・バレスタインよ。よろしくね。」

そう言ってサラは右目を可愛らしく閉じてウインクする。

というかこの人教師なのか。

 

「ムンクくん鼻の下のびてるよー。」

ミントがジト目で睨んでくる。

いや、仕方ないでしょ・・・そもそもあんないかにも私を見てくださいなんて格好をしている方が悪い。

だから僕は悪くない。

 

「み、みてないよ!」

取り敢えず反論しないのもアレなので反論だけはしとく。

 

「ふふっ なんだか面白そうな子達ね。」

 

「というわけでサラ君よろしく頼みます。」

 

「はい。」

 

「それじゃ君たちはこのままⅦ組に参加してもらうわ。すでに知り合いがいるかもしれないけど軽い自己紹介ぐらいは考えときなさい。」

 

「はーい!!」

 

自己紹介なんか思いつかないなぁ・・・。

妙に元気なミントが今日ばかりは羨ましいよ・・・・ちくしょう。

 

 

 

 

 

「教官!遅いですよもう授業の時間は始まっているんですよ!!」

 

「あーごめんごめん。急な用がはいちゃったからさぁ。」

 

「まぁ、サラのことだし。」

 

「こら、フィー!ほんとのことでも黙ってあげなさい。」

 

「ちょっとリィン!ホントのことってどういうことよ!」

 

リィンの言葉でⅦ組に笑いが起きる。

あぁ、この人こんな扱いなんだ。

 

「どうせ、私はなまけものですよー。」

あ、いじけた。

 

「ええと、サラ教官。何かあったから遅れたんですよね・・・?」

 

「ええ、そうよ委員長ちゃん!」

この人立ち直るの早いな。

 

「今日はなんと転入生がくるわ!!」

 

 

「「「まぁ知ってましたけどね。」」」

クラス全員が同時に言葉を発する。

 

「ガクリ」

 

「ま、まぁ、あんな大きな張り紙が校舎前に貼ってあるわけですしみんな知ってますよ。」

 

 

「ま、いいわ。入ってきなさい。」

 

「やっほ~~。Ⅶ組のみんなよろしく~~~。」

ミントは元気に挨拶をするがⅦ組の面々は唖然としたような表情をしていた。

そりゃそうだろう。

 

 

だってミントの後ろから入ってきた僕は縄で捕縛されているんだから

 

 

「ええと、ムンク・・・?どうしたんだ・・・?」

黒髪で妙にツンツンした髪の青年が話しかけてきた。

あ、見覚えあるな・・・ええと

 

「あぁ、リィン久しぶり・・・。いやこれには深いわけが・・・。」

 

 

「違うでしょ。」

サラが僕の頭をパシンと叩く。

 

「いや、この子噂通りのサボり魔ね。いきなり全力疾走で逃げ出すんだもの。」

 

 

「「「あ、あははは・・・・」」」

Ⅶ組の面々は顔を引き攣らせて苦笑い。

だってしょうがないじゃない。Ⅶ組の授業なんてめんどくさそうだもの。

 

 

「とりあえず、みんなよろしく・・・。」

 

「あら?ラウラ立ち上がってどうしたの?」

腰まで伸びた髪をひと括りにしている青髪の少女がいきなり椅子から立ち上がった。

あれ?目に見えてはいけないお方がいる気がするんですけど・・・。

やばいやばいやばい

Ⅶ組といえばラウラがいたことをすっかり忘れていた!!??

 

「久しいなムンク。其方の怠けぶりは聞き及んでいる。ここのクラスに所属する以上今まで通りに過ごせるとは思わないことだ。」

 

 

「ひぎゃああああああ!!」

あまりの恐怖にホラー風に叫ぶ僕。

クラスの面々はそんな僕にまたしても苦笑いするばかりで・・・。

なに、そんな苦笑い好きなの?

 

 

とまぁ縄で縛られるなどバイオレンス極まりないこともあったが僕のⅦ組初日はこんな感じで過ぎていった。

ただ、これから先の学園生活に僕の夢の堕落生活はないのだと分かると不思議と涙が出てくるのだった。

はぁ・・・。

 




疲れた・・・・回を重ねるごとにどんどん駄文になってる気がする・・・
Ⅶ組って登場人物多いからやりずらいっす
というわけで批評感想募集でーす

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