いうなれば軌跡の裏道   作:ゆーう1

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後悔は特にないです。

後お気に入りしくれた人ありがとうございます!


その名は百合の帝王 その1

僕はムンク。トールズ士官学院に所属しているラジオが大好きな青年だ。

いきなりだが僕は全力疾走している。

 

鍛錬?僕がそんなことするわけない。そんなことするならラジオ番組でも聞いているよ。

じゃあ、何故かって?

 

それは、単純明快

 

「男が背を見せて逃げるなああああああああ!!!」

 

「君みたいな人に追われたら誰だって逃げるよおお!!!??」

何故か僕は大剣は担いだ青髪美少女、通称百合の帝王に追われています。

 

 

 

何故こうなったかというと遡ること一時間前。

 

 

 

今日も今日とて授業中は睡眠時間だ。なんか授業中寝るとやけに気持ちいいよね。

基本僕にやる気はない。

ラジオを聴くとき以外は惰眠を貪るに限る。

 

 

「ムンクくん、また寝てるの~~~?」

緑髪の少女が視界に入る。

毎回毎回この子はなんで僕のとこにくるのだろうか?正直僕はいつも教室で机にうつぶせになって寝てるから普通話しかけようとも思わないのになぁ。

まぁ、ミントは控えめにみても不思議系少女だ。考えるだけ無駄か。

 

 

「あぁミントか、昨日徹夜してラジオ聞いててね・・・。」

机の上にまるでゾンビかのようにうなだれる。瞳はでろーんと死んだ魚のように見えなくもないと評判があるらしい。

もう、腐りかけ寸前なんじゃないかとたまに錯覚する。

 

 

「あはは、今日ムンクくん全部の授業寝てたもんね!教官とかもうあきれ果ててたよ?」

 

 

「僕は真面目な学生じゃないからそれでいいんだよ・・・。」

ついでに君も厄介事を持ってこなければなお嬉しい。

 

 

「今日はムンクくんやけにだれてるねぇ。まるでゾンビみたいだよ。なんていうかダメ人間の象徴!」

さらっとそれでいてえぐい毒舌をさらっと吐いてくるね・・・。

まぁ、やっぱり否定はできないんだけどね。

最近は厄介事が特に多かったから、特に怠惰に過ごすことの幸せを噛み締められる。

記憶に新しいナイトハルト教官との模擬戦なんてことは二度としたくない。

 

「はぁ・・・やる気出ないなぁ・・・。」

はぁー、机の上ってひんやりして気持ちいいー。

 

 

「ムンクくんいつもやる気無いじゃん。」

 

 

「あれだよ・・・ラジオ聞くときは本気出す・・・。」

 

 

 

「そういえば最近なんかムンクくんに視線が集まってるよねぇ。」

 

 

「うーん、正直煩わしいなぁ・・・。本当はもっと慎ましく生きていたいんだけどなぁ。」

 

 

「あはは、ムンクくん色々やらかすからだよ。」

その半分はどう見積もっても君のせいだ。いっても意味ないだろうから言わないけどさ。

 

 

 

 

「おい、あれが噂のムンクか・・・。」

「クラスじゃいつも寝てるよね。」

「なんかゾンビっぽい。」

 

僕を見て指差す人がちらほら。

どうもナイトハルト教官との一戦で何故か注目を集めるようになってしまった。

噂というものは怖いもので誰がどう見ても惨敗だったのにナイトハルト教官に一本とった男みたいな噂が流れるようになってしまった。

しまいには噂のⅦ組の対抗馬みたいなアホな噂まで出る始末。なんなだよ・・・。

特に貴族生徒。睨んできたり調子に乗るなと脅してくる。ヤクザかよ。

 

 

「でも、実際のムンクくん知れば幻滅しそうだよね。」

 

 

「君ほんと自然に毒吐くよね・・・。」

 

 

「ほぇ?毒なんて吐けないよ???」

 

 

「いや、そういう意味じゃないんだけど・・・。」

何故だろうね。ミントと会話しているとたまに宇宙人と話しているかのような錯覚に陥る。

 

 

「ん?」

 

いきなり教室内にいる生徒達が騒ぎ出す。特に女子。

 

 

「すまない。通してくれないか?」

教室に入ってきたのは青髪の女子生徒だ。腰まで伸ばして人束に括ってある艶やかな青髪、形のいい鼻に大きな目、顔の一部一部が端正に作りこまれていて正しく絶世の美少女だ。

体も出るとこは出て、尚且つすらっとした体つきだ。非の打ち所が無い。

赤い制服を身につけているところ七組か。

 

「きゃー!!ラウラお姉さまーーー!!!」

「ああ、なんて凛々しい!!!」

「罵ってください!!」

 

やかましいほど黄色い声援が上がる。主に女子が。

男子はというと見惚れてる人もいるが、大半は女子たちの熱気に気後れしている感じだ。

 

「おい、あれが噂のラウラか・・・。」

「ああ、通称百合の帝王。」

「あいつのせいで泣いた男は数知れず・・・。」

「あぁ、手当たり次第、しかも無自覚に女子を落としているらしい。」

 

 

「なんか凄いね~おまけに百合の帝王なんて凄いあだ名もついてるし。」

ミントはどこまでも楽しげに眺める。

 

「あぁ、なんか分かる気がする。なんか凛々しいし女子受けしそうよね・・・。ミントとは対極。」

 

 

「む~。なんか馬鹿にされた気分。私だって凛々しい時はあるんだからね!」

その時を教えてくれ・・・。

 

 

「え?」

「ほえ?」

 

 

ミントと会話してるといつの間に噂のラウラが目の前にいた。

 

 

「失礼する。私はラウラ・S・アルゼイド。そなたがムンクでいいのか?」

 

 

え、なんか凄い嫌な予感がするんですけど・・・。

「えっと、ムンクくんはさっきトイレに行ったよ?」

面倒な匂いがしたんで嘘ついちゃいました。

 

「え?ムンクくんは・・・むぎゅっ。」

ミントの口を手で抑える。

頼む、余計なこと言わないで・・・。

 

 

「そうか、入れ違いになってしまったか。日を改めるとしよう。教えてくれてありがとう。感謝する。」

そういってラウラは失礼すると凛々しくいい教室を出て行った。

 

 

「なんだったの・・・?」

「さぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

授業が全て終わり放課後になると僕の頭には警報が鳴り続けていた。

確実に嫌なことが起こる。

はやく寮に戻ってぐーたらしよう。

思いついたら即決だ。行動が早くて損することなんてあまりない。

急いで帰りの身支度をして駆け出す。

 

 

「あ、ムンクくん、まっ・・・・。」

 

何か声が聞こえた気もするがあれは聞いちゃいけない声だ。聞かなかったことにしよう。

 

 

 

「そなた少し止まってくれないか。」

女声ではあるがやたらと凛々しい声が耳に届く。

 

 

「え。こら待たないか!なんでそこで全力疾走しだす!!ま、まてっくれ!」

 

 

 

五分後僕の必死の抵抗も虚しくラウラに捕まってしまった。何この子身体能力高すぎでしょ・・・。

 

 

「それでそなたは何故先程私に嘘をついたのかな?」

ニッコリと笑ってはいるが、ラウラの目は笑ってない。まるで猛獣を目の前にしている気分。

 

 

「あ、いや。それは・・・。あの時は少し気分が悪くて・・・。」

もちろん嘘ですけどね。

 

「そうか。それはすまないことをしたな。」

 

あ、この子こんなんで騙せちゃうんだ。

 

 

「そ、それでアルゼイドさんは僕に何のよう・・・?」

恐る恐る質問する。

 

 

「ラウラでよい。そなたの武功を噂で聞いてな。手合わせを申込みたいのだが・・・。」

 

 

「めんどくさいから嫌です。」

あ、まずい本音出た。

 

 

「め、めんどくさい!?」

ラウラは体をプルプルと震えさせる。あ、不味いこれはいれてはいけないスイッチを入れてしまった感じだ。ナイトハルト教官の時とデジャブ。

 

 

「貴様・・・。武人としての誇りはないのか・・・?」

 

黙ってしまう。正直微塵もないです・・・。

 

「よかろう。聞けばそなた授業中も大半寝ているらしいな?」

 

「な、なぜそれを!?」

 

「ミントに聞いた。」

あの野郎!余計なこと言いやがって!!

ああ、これヤバイ。凄い嫌な予感する・・・。

 

 

「そなたのその不抜けた根性私が叩き直してくれる!!」

 

 

「やっぱりいいいい!!!??」

 

 

 

回想終わり。

そして現在に戻るわけである・・・・。どうしてこうなった・・・・。

 




ラウラ恐ろしい子!

ついでにタグに百合の帝王を追加します

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