いうなれば軌跡の裏道   作:ゆーう1

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小説を書くって結構大変ですね。一応これが処女作だしいろいろ苦労しますw
書いているうちどんどん文量が増えて綺麗に収まらなくなる。

そんなわけで今日も今日もシリアス。もうシリアスは疲れたよう・・・。



なんでもない決意(中編)

絶望とはまさにこんな状況なのだろう。

目の前に立ちはだかる鉄の巨人には僕の攻撃がほとんど聞いている様子がない。

巨人にどれだけ拳を打ち込んでもカスリ傷ぐらいしかつけれない。

1万のHPは持つ敵に延々と攻撃力1の攻撃を与えている感覚で心理状態はよろしくはない。

 

 

薄暗い室内の中金属室の輝きが煌めく。

綺麗だとも思えるその一撃は少しでもまともに喰らえば致命傷。

目の前で死が近づいていることが嫌でも分かる。

 

「くっそ!反則だろこんなの!?」

そもそも戦闘では体格差というものですら優劣が決まるというのに、この差はぼやきたくもなる。

高さだけかるく十倍はある。

攻撃を交わすだけで手一杯だ・・・・。といってもこのままいってもジリ貧。いつかは攻撃をくらって地獄に送られてしまうだろう。

だったらこちらから仕掛けるしかない。何もしなければ死が待っているだけだ。

 

 

「カァァァ・・・ダァ!!!!」

巨人から距離をとり足に気をため、体をばねのようにしならせる。

そして気を一気に解放。

 

剄式移動術 龍歩

 

歩という言葉が入ってはいるがはっきり言って歩く要素は入ってない技だ。

解放された気によってもたらされる脚力は僕を一発の弾丸に変える。

 

そしてここからが本領だ。

この弾丸のような勢いの中、拳を構える。

 

 

烈・零剄

 

簡単に言えば龍歩と零剄の合わせ技。

聞こえは大したもの感じないが、弾丸のようなスピードで放つ零巠は大砲のようなものだ。

威力は折り紙つきで何倍にも跳ね上がる。

 

 

空洞の金属を殴りつけた時のような音が響き、巨人は仰向けになって倒れる。

まだだ。

連撃。

右下上左上せわしなく駆け回り一撃一撃に今出せる最大限の威力を込めた拳を打ち込む。

止めと言わんばかりに零剄をその土手っ腹にブチ込む。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・。」

これで少しは効いただろう。この攻撃に全てを賭けたこれ以上の攻撃はもう出来ない。

肺が破裂しそうなほど苦しく肩で呼吸している。

 

 

ガシャン ガシャン

 

しかしそんな僕をあざ笑うかのように巨人は立ち上がる。

 

 

「嘘・・・でしょ・・・。これだけやっても無傷か・・・。」

あの連撃で損傷一つしてないとはどういうことか・・・。

 

 

突如巨人の胴体にある紫色のオーブが輝き始める。そして次のしゅんかん光が弾けた。

 

グオオオオオ!!!

 

 

「なにこれ絶望すぎるでしょ・・・。威圧感がぱない・・・。」

 

肌を焼くような威圧感。いやな感覚というのは往々として当たるものだ。

どう考えても巨人は身体能力向上(ブースト)をかけた。

 

 

 

「仕方ない・・・。」

再び構え拳を構え巨人に対峙する。

もう手はない。勝てる見込みもない。

だから―――

 

 

「逃げる!!!!」

 

え?情けない?だまらっしゃい!

生憎僕にプライドというものは存在しない。ラウラみたいな脳筋ならまだしも僕は逃げることに何の恥じらいもない。むしろ逃げることにおいては誰よりも自信がある。

そもそもこの巨人と戦っていたのはミントを逃がすための時間稼ぎであって、巨人を倒す必要はどこにもない。

こんなことすぐに思いつくなんて僕って天才?

 

 

グオオオオオ!!!

 

巨人は心なしか怒り狂っているようにも見えなくもない。こわい。

 

 

 

―――だからだ。

だから僕のこの時の見通しは甘いと言わざる得なかった。

巨人の使ったであろうブーストは僕が想像するより強く巨人を強化していた。

 

巨人のスピードはもともとお世辞にも早いとは言えないがブーストの恩恵で可もなく不可もなくというスピードになっていた。

そしてこれは想像以上に脅威だった。

 

 

「まじかよ・・・。」

 

 

もともと歩幅が広い巨人の速さが少しでも上がればそれだけで逃げるのは難しくなる。

すぐ追いつかれてしまう。

 

 

グオオオオオオオ!!!

 

 

巨人が力任せにその両手にもっと巨大な剣を振り下ろす。

しかしギリギリではあるがかわせないものではな――

 

 

「があ・・・・!!?」

一瞬視界が真っ白になったかと思うと僕は壁に激突していた。

 

見通しが全て甘かった。巨人の剣を避けたはいいが、強化されているということを頭にいれてなかった。

その巨人の一撃は僕に当たらないにしろ固い石でできた床を深く抉るように砕いた。

そして僕はその余波に巻き込まれ壁に激突してしまった。

 

視界が赤い。頭から血が流れているのか。

おそるおそる視線を下に向けて自分の体を見てみるともう言葉にも出来ない状況だった。

左腕に至ってはおかしな方向に曲がっていて一種の芸術品みたいになっている。

他もやばい。ところどころ制服の上から血がにじみ出ているところを見ると目をそらしたくなった。

 

 

ガシャン ガシャン

 

 

あぁ、止めを刺すために近づいてくる。

ダメだ。もう身体が動かない。いや、体の感覚がほとんどなくなっている。

危ない状態というのは辛うじてわかるがダメージが高すぎてどうすることもできない。

目の前には確実と死が迫っているというのにまともに思考が回らない。

 

 

こんなのが最後かあっけないなぁ。死ぬ直前って意外と何も考えられないんだなぁ。頭の中が真っ白だ。

 

 

「あぁ・・・帰りたかったなぁ・・・。」

自然と言葉が出た。

 

そうだ、僕は帰りたかった。

 

 

突然頭に懐かしき光景が展開される。走馬灯とやつなのだろうか。すごい初めて体験した。

今ではもう薄れて思い出しづらくなってきた思い出だ。でもいつでも恋焦がれていた思い出。

 

口うるさく小言を言い続ける母。それを苦笑いしながら諌める父。どこにでもある、そして暖かい家庭だ。

今度は小奇麗に整備された灰色の通学路。となりには馴れ馴れしく笑っている悪友がいた。

今度は何かの授業風景。黒や紺を基調とした地味な制服なようなもの着て大勢の人が授業を受けている。その中で僕は退屈そうに頬づえをついている。

退屈で、でも何よりも大切だった僕の日常。

 

ドクン

一瞬心に鈍く重い痛みが走る。

 

 

何やってんだ僕!

 

 

痛みで思考が回らなくなった僕の頭が機能を取り戻す。

 

 

「な・・に・・・諦め・・・て・・ん・・・だ・・僕・・!」

 

 

無駄だろう。無意味だろう。無様だろう。

吠えてはいるが体はピクリともしない。結局は単なる強がりだ。どうすることもできない。

 

 

そんなことなどお構いなしに巨人は歩みを進める。僕を殺すために。

 

音が鳴りやんだ。もうぼやけて正確には見えないが攻撃の射程圏内に入ったということだろう。

巨人がその豪腕をめいっぱい振り上げている。

 

 

それでも、それでも目は背けない。強く、強く睨む。こんなことは単なる強がりだって分かる。

でも、心が叫んでいるんだ。諦めるなと。

 

 

「僕は・・・僕は帰るんだ・・・!!」

 

 

無慈悲にも巨人の剣は振り下ろされ――――

 

 

 

 

 

 

 

「クククッ・・・いい覚悟だねぇ後輩くん。」

 

 

 

 

 

 

ガンッ

 

たと思った瞬間火花が綺麗にちった。何故か巨人の剣は僕に当たることなく宙を居場所なさげにさまよっていた。

 

 

 

 

「くらえ!!!ゼロ・インパクト!!!!!!!」

 

 

ゴオオオン

 

 

紫の何かが目の前を駆けたかと思うと、荘厳な鐘のような音とともに巨人が地面に叩きつけられ低くバウンドしていた。

 

 

 

「フッ・・・やぁ、またあったね。」

ニヒルな笑みを浮かべ紫髪の美少女が僕に笑いかけてくる。

彼女は図々しくも主役登場と言わんばかりに巨人の前に立ちはだかっていた。

 

 

 

 

 

 




クロウ&アンゼリカああああああああああああああああああああああ!!!!!!!


あ、この小説を読んでいてくれている方本当にありがとうございます!
最近UAもお気に入りも以前とは比べ物にならないぐらい増えてて興奮気味っです!
ありがとうございます!

引き続き感想及び批評募集してます

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