東方古今録   作:ヤス67

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アンケートで回答されていた恋愛回。戦闘回は物語が進めば必然的にやるのでそれまでお待ちください。


激闘から少し経って

ムニッとした柔らかい感触を頭に感じる。それにどうやら、頭を撫でられているようだ。

 

「起きた?おはよう。」

 

優しい声が聞こえる、声がした方に頭を向ける。諏訪子と目が合う。

 

「おはよう、諏訪子。んで、なんで膝枕してくれてるんだ?」

「そ、それ/は辰哉に何も無しで寝かせるのは、あれだなと思ったと言うか、、////」

「っ///」

 

諏訪子の顔が見る見る赤く染まっていったので俺まで恥ずかしくなる。そして話を逸らすように諏訪子はこう俺に言う。

 

「と、とにかく//後5分は動いちゃダメ、霊力枯渇から回復しただけで、まだ少ないんだ。も、もう少しだけこのまま///私に膝枕されてな、よ///」

「わ//わかった。」

 

耳まで真っ赤に染まった彼女の顔を覗き込む。きめ細やかな金髪が光に反射して美しく輝いている。そのまま何十分にも感じるような沈黙が流れたが、実際には数秒だったのだろう。諏訪子が言う。

 

「は、恥ずかしいから////上見るの禁止///」

「っ、ああ///」

 

頭を俺が起きた時の方向に再び戻す。少しすると、諏訪子が俺の頭をまた撫で出す。小気味よいリズムに眠気を覚える。もう少し寝かせてもらおう。

 

 

〜少年睡眠中〜

 

 

私が今膝枕をして頭を撫でている少年を意識したのはいつだろうか。

少しきつい印象を与えるつり目が今はしっかり瞑られているのを確認して、顔を覗き込む。少し幼さの残る、それでいて大人になりかけている少年の顔。不老不死と言っていたし、これからも彼の体は大人にはなれないのだろう。その時彼が口から何かを発する、寝言だろうか。小さすぎて聞き取れなかったので、耳を口に寄せ聞いてみる。

 

「す、わこ、、スゥスゥ、」

「うん、私はここにいるよ。」

 

寝言なのはわかっている。だが少し、返事をしてみたい気分だったのだ。この少年が今が見ている夢はどんなものなのだろうか。その夢の私は何をしているのか考えてしまう。この少年の隣で何をしているのだろうか。いつものように2人で釣りをしているかもしれない。町で逢引きしてるかも。2人で湯浴み着を着ずに風呂に浸かっているかもしれない。もしかしたら、それ以上のこともなんて考えると体が熱くなるのを感じる。うん。もう考えるのはやめよう。どんどん沼にハマっていく気がする。

 

まだ彼がうちの神社に来て1週間、しかし色々な事があったと思う。小さな仕草や行動にも彼の優しさを感じて想いが増大する。私たちにはいくらでも時間があるんだ、ゆっくりと伝えていけばいい。きっと彼は気付いていないこの想いを。

 

 

————————————————-

 

 

彼の顔を見つめていると、ぴくぴくと眉が動いた。

 

「う、う〜ん、」

 

再び目が覚める。どれくらい寝てたのだろうか。体が軽くなった気がする。今でも俺のことを膝枕してくれている諏訪子にもう大丈夫だと一言声をかけて立ち上がり、周りを見渡す。

 

すると、あるはずのものが丸々消えている。奴の体は血痕だけを残して見事に消えていた。

 

「なぁ、諏訪子。ここにあった奴の体はどうなったんだ。」

「それなら、妖怪は基本、退治されると存在が消えてなくなるんだ。だからあの妖怪化した猪も辰哉に倒された後霧になって消えていったよ。」

「そうなのか。存在が消えるって悲しい事だな。」

「そう言うもんだよ。」

 

そう言いながら立ちあがろうとしている諏訪子。しかし、彼女の足は痺れているのだろう、うまく立てずよろけてしまう。

 

「おっと、」

「あーうー///ありがとう///」

 

俺が手を掴み支えになる。ずっと膝枕してもらっていたんだ、これくらいしてあげないと可哀想だ。そう言えば、ご褒美なんて奴と戦う前に言ってた気がする。

 

「なぁ、ご褒美のことについてなんだが」

「うん、私にできることならなんでもいいよ。」

「じゃあ少し待ってくれ、考える。」

 

そうすると諏訪子が俺の手から自分の手を離す。きっと足の痺れが消えたのだろう。足の痺れ?目の前にいる少女は俺のためになん十、いや、何時間も膝枕をしてくれていたのだろう。ご褒美なんて最初から要らなかったのだ。

 

「さっきの膝枕がご褒美でいい。諏訪子みたいな美少女に膝枕なんて、それ自体がご褒美だからな。」

「美、美少女///辰哉は褒め言葉が上手だね。//」

「ただ事実を言ったまでだからな。」

「事実//」

 

そう言って赤かった顔をさらに真っ赤にする諏訪子。実際自分でもとてつもなく恥ずかしい事を言ってる自信があるので、少し黙る。

 

数分経って諏訪子が落ち着きを取り戻したのか、俺に言う。

 

「朝ここに来る時にも言ってたし、帰りは飛び方を教えるか、飛んで帰ろう。」

「そう言えば、そんな事言ってたな。あの猪との戦いに必死で忘れてた。」

「飛ぶのは実践あるのみだよ。さぁ飛びたいって思ってジャンプするんだ。」

「よしわかった。早速やってみるよ。」

 

俺は飛びたいと頭の中で想像し、ジャンプ。しかし飛べない。きっとまだ体がうまく使えないだけだと思いもう一度やってみる。しかし、結果は変わらず、それを5回繰り返したところで諏訪子から笑い声が聞こえた。

 

「ふふっ、霊力がある人でこんなに飛べない人初めて見た。大丈夫、私がちゃんと飛べるようにしてあげるから任せておいて。」

 

そう言って諏訪子は胸を張ってニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




俺も美少女に膝枕されたい人生だった。そして最後に次回への繋ぎを入れておきました。

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