読み直すと自分がいかに未熟か思い知らされます。
俺が掃除している間二人はキャイキャイと姦しい話をしていた。
「エーデモ…」「ダイジョウデスッテ」
色々な会話をしているみたいだが、鳥居の前を掃除している俺の耳には届かない。
掃除が終わり、昼時がやって来た。
3人で食卓を囲み昼飯を食べ終わって少し経った頃。
「じゃあ諏訪子様、私はここらへんで、また来ますから。」
「あいよー。また元気な顔見せてね。」
「はい、では辰哉くんもお元気で。」
「はい、また会いましょう。」
お辞儀をし、鳥居の外に出てからフリフリとこちらに手を振り、階段を一歩ずつ降りていく早織。彼女が町の人混みに消えるまで諏訪子と二人で眺めていた。
二人で家に戻り茶を啜っていたら、
「あっ、違うくつろいでる場合じゃないよ。辰哉!」
「ブフッー」
「あっつい!!!」
急に大声を出すのでお茶を諏訪子の顔面に吹いてしまった。
近くにあった布で顔を拭きながら諏訪子は言う。
「あーうー、何すんのさ。」
「それは諏訪子がいきなり大声出すからで…」
「うっ、それはごめん、、じゃなくて服、辰哉の服買いに行かなきゃ。」
そう言えばそうだった。
優雅に一服している場合じゃなかった。俺は今この服を2日間着てるわけで、ある程度臭いも濃厚なものになっているのではと考え諏訪子に聞いてみる。
「なぁ諏訪子。俺って臭うか?」
「女の子に何聞いてるのさ。いや、まだ臭くはないよ。」
「まだってことはそのうち臭くなるのか、、、思い立ったが吉日だ。すぐいくぞ諏訪子。」
「はいはい。ちょっと待ってね、財布とってくるから。」
トテトテと部屋に戻り、引き出しを開ける音が聞こえた後、諏訪子が持ってきたのは可愛いカエルの形をしたがま口財布だった。
〜少年少女移動中〜
階段を降りて町の大通りに入り、右から3番目のところにある店に入る。
その壁には様々な色の布がかけてある、奥には何人もの職人が作業している。そして横では、諏訪子が看板娘であろう女性と話をしている。
「つまり、この男に服を仕立てれば良いと言うことでしょうか。」
「あぁ、お願いしたいんだけど、いいかな?勿論お代は払うよ。この子の好みを聞いてあげて欲しいんだ。多少高くなってもいいからさ。」
「そんな、神様からお代は頂けません。どうか日頃の感謝と言うことで奉納させて貰えないでしょうか。」
などと、諏訪子は言われており彼女への信仰の根付きが感じられる。
しかし、職人の皆さんが俺への視線が厳しいのは、諏訪子の紐だとでも思っているのだろうか。まぁ、実際今はそうなのだから否定できない。
「わかった。じゃあ有り難く貰うよ。ただ、何か困ったことがあったらここにいる男を頼ってくれ。それで手を打とう。」
「わかりました。」
なんか知らない間に俺に勝手にひとつ借りができた。
「お客様。何か希望はありますでしょうか?」
「服の色とかを決めれるってことか?なら少し考えさせてくれ。」
「承知しました。」
少し考える。この時代の人々は諏訪子以外、奈良や古墳時代の人々のような服装をしている。なのに諏訪子がこんな服を着ていると言うことは要望すれば作ってもらえると言うことか?など、様々なことが頭をよぎる…
〜少年思考中〜
「そんなに考えても仕方ないでしょ。」
と言う諏訪子の声で現実に呼び戻される。
まぁ、服なんてなんでもいいか。と言う結論に行き着いたので、そこらにいる人と同じスタイルの服にして貰おうと思う。
「じゃあシンプルな感じで、服の色はそうだな、ズボンは黒色で、上着は諏訪子と同じような色でお願いします。」
「かしこまりました。では1時間ほどお待ちください、すぐ完成させますので。」
「わかったよ。じゃあみんなよろしく頼むね。」
といい諏訪子が外に出ていったので、俺も後ろをついていく。
「さぁ、暇になったし、ちょっと茶屋で休憩しようか。」
と言いつつ急に振り返る諏訪子。
しかし俺は、彼女が急に振り返るとは思わず、そのまま当たってしまう。
「あっ、」
「危ない!」
体制を崩した諏訪子を支えるため、後ろに倒れかけている彼女の背中に手を回す。すると彼女は俺の腕を支えに停止した。
「あ、///その、ありがとう。//」
「いや、///こっちもすまん。///」
諏訪子の美しいあどけなさも残る顔が真っ赤に染まっており、髪からふわふわといい匂いが漂ってきて心音が加速する。
「も、//もういいから。」
と言い離れる諏訪子。そのまま二人ともすぐ近くにあった茶屋に入り、気まずい空気のまま1時間ほど団子を食べたり、茶を啜ったりした。
「さ、さっきはありがとう。//」
暫くの間無言が続いていたが、諏訪子が沈黙を破り、そして続ける。
「きっともう服も仕立てが終わってるだろうし、取りに行こうよ。」
「あ、あぁ、そ、そうだな。」
さっきあんな事があったんだ。うまく目を見て話す事ができない。
しかし、諏訪子が席を立ちがま口財布から銭を取り出し会計を始めたので、俺は先に外に出ておく。
「じゃあ、行こうか。」
微妙な距離のまま先ほど通った場所を次は戻る。
そして、服屋の暖簾をくぐると看板娘が待ち構えていた。
「ちょうど先ほど仕立てが終わりました。こちらが商品になります。」
服を3着ほど渡される。
「ありがとう。助かったよ。」
と諏訪子が言う。
「いえいえ、神様の頼みですから。これからもどうぞご贔屓にお願いします。」
その後、少し諏訪子が看板娘と少し会話をして、先に店を出たので。
「ありがとう」
俺も礼を言い、外に出てきたらあたり一面が赤く染まっていて、時間を感じさせられた。
「さぁ、帰ってご飯を作ろうか。」
「わかった帰ろう。今日の晩飯はなんだ?」
「昨日と同じだよ。我慢してね、準備する時間が無かったんだから。」
「ええー、」
そこには先ほどの気まずさは一切感じられなかった。
苦手なラブコメを少し入れてみました。これからも精進していきます。
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