Übel or Justiz Online ~悪役少女の破滅の道~   作:蓋然性生存戦略

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気が向き過ぎているきらいはある


転生と再編

そういえば、ですが。

内政をやっている間に、私、なんとレベルがカンストしまして。

眷属たちを放し飼いにしていたので経験値ばかりが手に入ってしまって、スキルレベルとかまだ上がり切っていないものがあるのですがそれは……。

 

と、思った矢先。

レベル上限解放の文字が見えましたね。

神殿……私の国だと魔神殿で手続きを踏むと、これまで積み上げたレベルの全てを代価に、上限を解放できるらしいです。

開放レベルは10刻みのようですね。

 

今のレベルキャップは100。

上限解放をすると100を消費して110レベまで上げられるようになります。

これを繰り返してレベル上限を上げるようですね。

今のところレベル200までは用意されているようです。

 

うーん……システムとしてどうなんでしょうと思わなくもありませんが、タイムトゥウィンを是とするこのゲームなので、ギリギリアリにしておきましょうか。

これの利点は、まず上限が上がること。

次に、スキルの育成に無駄が出ないこと。

更に、レベルアップ時のステータス配分の再設定ができること。

最後に、条件を満たしていればジョブの進化が可能なこと。

 

デメリットは大きいものの、一時的なもの。

得られるメリットは恒久的で、なおかつ恩恵が大きいです。

一時的なデメリットに関しても、カンストした後に手に入る余剰経験値も貯めておけるようなので、限界まで貯めてデメリットを軽減することもできます。

至れり尽くせり。

 

であればやってしまうほうがいいでしょう。

しばらくは領地から出る予定もありません。

一時的な弱体化は免れませんが、致し方のないことです。

それに、まだまだ内政は終わっていません。

 

眷属の上限数や仕様の確認、仕組みや自治軍の再編、経済の確認、南部の開拓。

私だけやっているゲームが違うような気がしますが、これも魔王たるものの務め。

これらをこなしているうちにレベルなど戻っていることでしょう。

スキルレベルは、反復行動による習得なので、上げられませんが……これも致し方ありません。

 

「というわけで転生しようと思うのですが」

「……いいと思う。今が好機だろうし」

「ですよね」

「……じゃあ、済ませちゃうからそこにいて」

「え?」

 

コスモスさんに一言。

そう思って魔神殿に赴こうとしたところ。

コスモスさんに呼び止められました。

済ませるとは?

 

「……言ってなかったっけ。実は私、本職は神子。神官の上位互換」

「……聞いてませんね」

「……いつどこであろうとも、私は神殿での役割を果たせる」

「どこまで便利なキャラで通すのですか、コスモスさん」

「……どこまでも」

 

なんということでしょう。

よもや神殿すら不要だとは思いませんでした。

まあ、それで何がどう変わるというわけではありませんが、人目に触れないのであれば僥倖(ぎょうこう)ですね。

 

「……というわけで、はい」

「いきなりメニューがポップアップしてきましたね……文言とかないんですか?」

「……ふふん。恥ずかしいからがんばった」

「頑張る方向性……」

 

すごくシステマチックに終わってしまいますね。

とりあえず転生します。

ステータス配分はそのままで、ジョブの進化は……条件を満たしていないようです。

残念ですね。

 

ああ、それからスキルの整理もしてしまいましょう。

あまり細分化して数を抱えると、効率が悪くなるようでして。

カンストしたもの同士でかけ合わせられるなら圧縮してしまうほうがいいでしょう。

スキル同士の合成なども仕様として存在しますので、どんどん育てて圧縮して、また育てましょう。

一回合成すると、圧縮できる代わりに、育てなおしになるようですので。

 

ふぅむ。

スキル分の弱体化も考えると少し危険ですかね?

まあ、今のところ一般プレイヤーが私に勝てる見込みはありません。

じっくりコトコト、煮詰めていきましょう。

 

そういえば、コスモスさんとの契約もあるので弱体化した分デバフも強くなってますね。

あれ?もしかしてやらかしましたかね。

しばらくは外に出れませんね。

 

あと、それから、眷属の再編もしなければ。

私の直属は指揮官級のみとして、入れ子構造で一般兵士枠を埋めたいのですよね。

そうしないと、使役できる眷属の数にすぐ限界が来てしまいます。

私の目標は世界です。

世界を相手にするのですから、軍拡は必須です。

飛び切り強い軍隊を作ってしまいましょう。

それから生産関連の眷属も作らないといけませんし……本当に経験値がいくらあっても足りませんね?

ダンジョンファーム部隊を拡張すべきですね。

今は30階層から40階層を根城にしていますが、足を延ばして30から50にすべきです。

 

しかし、それをするにも経験値が……うぅ、ひもじいです……。

最初のころの余裕はどこへやら……使い切れないと思っていた過去の私を殴りたいです。

 

「……レオナ、つらくない?」

「問題ありませんよ。眷属たちが頑張ってくれていますので、致命傷ではありません。が、レベルがある程度上がったらまたスキルレベルを上げないといけませんね……」

「……そうだね。気を付けてね」

「ええ」

 

それはそれとして、です。

国として一般開放したこの街、クリフォ=ユベリア帝国・北方領ですが、人の入りが思いの外良いですね。

収支は黒字、定着率は8割。

残りの2割は、美味しい話だけを聞いて前提を理解していなかったおバカさんたちですね。

ここは厳しい環境のフィールドです、最低限の力すら持たない弱者に席はありません。

 

手厳しいかと思いますが、これもまた致し方のないこと。

定着支援なども考えましたが、そんなことをするより人の出入りを自然に任せたほうが良いですね。

下手に下駄を履かせていいことはありません。

現状のままでいいでしょう。

 

それよりも、解決すべきはやはり投函された要望書です。

やはり生産関係の人手不足が目立ちますね。

急いで用意しましたが、やはり不足でしたか。

まだ目立った不満は見えませんが、早急に対応したほうがいい案件ですね。

モール内部の店に依頼している方もちらほらいるようですが、モールはテナント経営の関係上、少し割高になりがちです。

現地で済ませられるならば、そのほうがいいのは確かでしょうし。

 

それに付随して、自治軍の強化にも手を付けておきましょう。

内部で被害が出る可能性を考慮して、可能な限り制圧能力を与えておきたいところです。

街内部における防衛に限り大幅に補正を得られるジョブがあるようなので、自治軍のジョブはこれで揃えましょう。

もっとも、これにも経験値が必要なのですが……はぁ。

 

「……難しい顔してるね」

「ええ、まあ。経験値のやりくりに四苦八苦しているといいますか。いくらあっても足りません」

「……そうだろうね。レオナは一般的な育成から大きく外れてるから。自分の強化も忙しいだろうに、眷属も強化してたらそれはもう足りないと思う」

「……ですよね」

 

まあ、大器晩成型と諦めて頑張りましょう。

序盤のアドバンテージなど、簡単に吹き飛ぶはした金に過ぎなかったのです。

 

「とりあえず、今日やるべき項目は済ませました。ダンジョンに赴いて修行ですね」

「……気を付けて。街は私に任せてくれていいから、アインは連れて行ってね」

「わかりました。アイン」

「はっ。お供します」

 

さて、力を取り戻しましょう。

 

 

 


 

 

 

時は少しさかのぼり。

 

「「あ」」

 

元タンナ、クリフォ=ユベリア帝国・北方領にて。

『エーイーリーちゃん』ことイーティと、『俺たちの勇者』ことミシェルが、邂逅していた。

 

なぜか?

こっそり忍び込んだミシェルと、買い食い中のイーティが鉢合わせしただけのことだったのである!!

 

「ちょ、ちょちょちょ!!なんで勇者がここにいるんすか!?」

「なんでエーイーリーちゃんが普通に出歩いてるじゃんね?!」

 

お互い、武器を構えようとして……片や潜入、片や買い食い。

武器など帯びていなかったことに気付き、なんとも微妙な空気になった。

 

「あー……なんか食うっすか?近場に量は少ないけどおしゃれでおいしいカフェがあるんすよ」

「あ、ほんと?というか普通にお茶に誘うんだ……」

「正直、ここまで詰められるとウチじゃ抵抗してもボコられるだけなんす……お茶に誘ってワンチャンやり過ごせないかって感じっす……」

「ああ、そういう……私も事を荒立てるつもりはないから随伴にあずかろうかな。さっきはびっくりして構えちゃってごめんね」

「ありがたいっす!案外話が通じるっすね!!」

「そりゃもう、できれば仲良くできるほうがいいからね!!」

「ウチもそう思うっす!!仲良くおいしいものを食べられるのは幸せっすからね!!」

「「イエーイ!!」」

 

が、微妙な空気など何のその。

すぐに打ち解け、仲良く喫茶店に入っていく。

 

「いやぁ、アンデッドがメインだと思ってたから思ったより活気があってびっくりしたよー!」

「レオナさん、頑張って街を整えてたっすからね。プレイヤーにも色々いると知ってたみたいで、受け皿を用意してやれば居着くプレイヤーもいるってわかってたみたいっす」

「で、結果は大成功ってね。まだまだ人類プレイヤーのほうが多数だけど、個々の実力で言えばこっちのほうが上かなあ」

「そんなもんっすかね?レオナさんは足りないって嘆いてたっす。何が足りないかは知らないっすけど」

「ほんと~?何が足りないんだろう……」

「まあ、レオナさんが足りないっていうなら足りないんだろうとは思うっすけど」

「だろうね」

 

イーティは気づいていない。

雑談のつもりで不通に大事な情報をぽろぽろ落としていることを!!

プレイヤーへの理解度、不足している要素の示唆。

相手がミシェルじゃなければ大問題であった。

 

なお、ミシェルは『えっと、これ広めていいやつ?うーん……まあ、いっか!言わないでもわかってるでしょ!!』と保留した。

 

プレイヤーへの理解度など初日から明らかであるし、あれだけの強さを得るために犠牲にしているものなど、経験値しかない。

みんなわかってるはず。

そう信じて、ミシェルは口を閉ざした。

閉ざしてしまった……!

もしかしたら、そこが間隙となるかもしれなかったのに!!

 

ここまで語ればわかるだろう。

ミシェルが気付いている事実に対して、気づいている者は思ったより多くない!!

そして誰一人としてだれにも伝えていないのである!!

『まあ考えりゃわかることだしな』と!!

 

かくして、レオナ最大の危機は、人類プレイヤーのすれ違いにより、過ぎ去っ「あ、しばらく私滞在するから」過ぎ去ってなどいなかった。

 

「え。マジっすか?」

「うん。私の装備の強化に必要でさ。用が済んだら出てくつもりだけど」

「そっすか~。一応レオナさんには伝えちゃうっすけど、かまわないっすか?」

「い~よ~。多分追い出すような真似はしないじゃんね」

「ウチもそんな気がするっす」

 

人類プレイヤー最大戦力、ミシェル=ユスティーナが、北方領に滞在することとなった。

後ほどこの報告を聞いたレオナは、頭を抱えることになるのだが……それはまた別のお話。

 

「というわけで泊めてよ、レオナ」

「ダメだったっすか?」

「いえ……まあ、たまには平和的に過ごすのも悪くはないでしょう。食事でもいかがです?」

「やったー!!レオナの手料理じゃんね!!」

 

まあ、親交を深めるには良い機会だったそうな。

キミたち敵同士だよね?




・転生とレベル
カンストしたらレベルを全て捧げてカンスト上限を上げるぜー!!
その分最終的なステータスはアップ!!
ただしレベルをささげるので1からやり直しだぜ!!
これが賽の河原か……。

・スキルのレベルと圧縮
スキルはいっぱい持ってるとスキル経験値が分散したりして効率が悪くなったりするので圧縮したい。
レオナは現時点で結構圧縮してる。
とても強い。

・お忍びミシェル
ぶっちゃけ敵同士だけどお友達じゃんね、お泊りしてもいいと思わない?
そんな理論を掲げて自らの強化とレオナの手料理を求めて突撃してきた。
イーティとは気が合う。
そしてイーティと一緒にガミガミ怒られた。
「やっぱりオカンじゃんね」などといったものだからさらに膝詰め説教された。
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