Übel or Justiz Online ~悪役少女の破滅の道~   作:蓋然性生存戦略

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戦後処理

さ、て。

ミカさんを倒した後、私は早急にプレイヤーのリスポーン地点を破壊して行き、戦闘力を奪っていきました。

教会の突破は中々ギリギリでしたね……私がまさか最後まで突破できないとは。

正直、舐めてました。

とはいえ、勝敗は私のものになりました。

その結果として、膨大な量の死体と物資(リソース)、経験値を手に入れました。

正直、今のところ使い道に困るほどですね。

こんなにレベルアップしてしまって、どこで腕を揮えと。

近場ではなく遠出をする必要がありそうですね。

その前に、リザルトを整理する必要がありそうですが。

 

本当に呆れるくらい大量の物資を手に入れました。

序盤の物資としては過剰なくらいです。

高笑いのひとつでもしましょうかね?

 

それはさておき、ひとまず工兵の作成でもしましょうか。

言い換えてしまえば大工ですね。

戦闘によって崩壊した街並みを直す……いえ、いっそのこと改造してしまいましょう。

ここをユベリア城とします。

ということなのでパパっと生み出しておきましょう。

設計図を書けるんですか?

では今書いておきましょう。

とりあえずこんなもので……物資?

足りますね。

やっておいてください。

 

さて、肝心のリザルトですが。

武具、衣服、回復薬等の消耗品が多数。

使われていなかったインゴット等の素材がかなり。

街一つ分の敷地。

書物などの情報。

アインを筆頭に、進化できそうなほどの眷属経験値。

 

上ふたつに関しましては、あとで整理すれば良いので問題ありません。

敷地も……私が魔王として軍を成すのならばあって困るものではないですね。

書物は、今大急ぎで回収をさせています。

中には防衛機構が働くものがあるかもしれないので、大急ぎかつ慎重に、ですが。

そして最後。

最も重要と言っても過言ではありません。

 

「アインは前線指揮官として存在してもらいたいところですね……欲しい能力を考えると、かなり器用貧乏になってしまうような。最初に創り出した眷属だというのにそれはちょっと……」

 

とは言っても、ハウンドガイストたちは特に悩んでいません。

あれらは強襲部隊として運用することしか考えていませんから。

パパっと《デスハウンド》とやらに進化させました。

問題はアインです。

せっかくの第一のユニットですからね、特別にしたいところなのですが……。

 

いかがなされました

「アインですか。首尾は?」

 

ちょうどアインが来ましたね。

ついでに聞きましょうか。

 

万事つつがなく。して、お悩みのようですが

「そう難しいことではありませんよ。ただ、貴方の処遇を決めかねているのです」

この身に至らぬ点があれば何なりと

 

おや。

誤解させてしまったようですね。

すぐに解いておきましょうか。

 

「そうではありません。よくやってくれました。ただ、主として不甲斐無いことに、此度の戦功にどう報いればいいのか分からずにいるのです」

 

本当に情けないことに、やるべきこととやりたいことが一致しないのです。

どちらも対立していると言いますか。

産み出してすぐ戦火に放り込んだというのに、きちんと仕事を果たしてくれたアインには、何か報いてやりたいという気持ち。

それは別として、今後必要になるであろう前線指揮官クラスを育てておきたいという気持ち。

どちらも同時に存在していて、拮抗して対立しています。

たかがNPCと侮れるようなAIをしていないが故に、何か報いてやりたいと願うのは私のエゴなのでしょうかね。

 

さようですか。であれば無礼を承知で一つ、よろしいでしょうか

「ええ、構いませんよ」

 

しかし、ここにアインの望みが加わるのであれば話は別です。

 

主を守る壱の騎士として、お傍に置いていただきたく思います

「では、そのように報います」

 

主として、王としてソレに報いましょう。

アインに蓄積している経験値を総動員して、私を守る壱の騎士として相応しいように組み上げます。

おや、恐らく特殊な進化ができそうですね。

 

「壱の騎士たらんとするのならば、私の言いたいことは分かりますね?」

勿論でございますれば。主の、陛下の道征く障害総てを薙ぎ払う所存でございます。そして、陛下に相応しき勇者を選別いたしましょう

「よく理解しているようで何よりです」

 

アインを越えられるようでなければ、私の宿敵は務まらない。

そのようにあるべきです。

進化させましょう。

混沌の王騎士(カオス・ロイヤルガード)》へ。

承認ボタンを押すと、アインの身体が禍々しく光り輝き、包まれて行きます。

少し眩しくて、思わず目を閉じました。

しかし、それはわずかな間の事。

それでも次の瞬間には、アインの姿は変貌していました。

ゾンビとして性別不詳だったのが、怜悧な顔立ちの女性の姿へと。

 

「……随分と見違えましたね。凛々しくなりました。女性だったのですね。おや?しかし素体に使った死体は男性だったような……」

「肉体が再構築されましたので、元の性別は恐らく関係ないかと」

「そういうものですか」

 

そんなアインは、種族的にはアンデッドではなくなり、神聖属性も特に弱点となるわけではなくなりました。

むしろ耐性を持っているようですね。

私の盾として、十分なことでしょう。

しかし、アインは現在最も知能が高い駒です。

後任を創ってあげないと、ハウンドたちも困るでしょう。

 

「……現場指揮官の後任を創らなければなりませんね。他にも工兵のまとめ役も必要でしょうし……やることはたくさんありますね?」

「楽しそうですな、陛下」

「もちろんです。ここからです。ここから始まるのですよ。私の覇道が。私という巨悪に、プレイヤーたちがどれほど抗うのか。今から楽しみでなりませんね」

 

やりがいを見つければ、こんなにも満ちているとは。

仮想の世界といえども、この高揚感は本物ですね。

 

「今日中に、ひとまずの形を整えてしまいましょう。まずは配下の住まう場所から」

「陛下からではなく?」

「領主館があるでしょう?少し補修すれば使えますので、後回しで構いません」

「そう仰るのであれば……」

「それに、私はここを不在にすることも多いでしょう。そんな放浪癖のある君主の城など、後回しで良いのですよ。配下にとっては住まうことになる街ですが、私にとってはひと時の宿木にすぎません。理解しましたか?」

「承知いたしました。して、お次の目的地は何処へと」

 

最初は街へ向かうことを優先してしまいましたから……。

私が産まれた場所。

あの森を探索しましょう。

 

「南の森を探索しますよ。探査用のハウンド部隊も作っておきましょうか……ふふふ」

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