今回切り良くするために短め
文才が欲しいと思う今日この頃です
両手首のリングを回転させる。激しい回転は空を裂き、異様な音を奏でながら炎を吹き出す。ガドリングの様に断続的に放たれる炎は対象の的へと飛び、ものの数秒で30はあった的を全て破壊。
それが確認されると次はホログラムで作られた擬似IS。先日の無人機と同じ形をしたそれは投影されるや否や、右腕のブレードを振り上げた。
動ずる事なく片手をそちらに向ければ、次は炎が蛇の様に唸り対象を飲み込む。その熱量は別室で計測されており、できうる限り全力で行う様に言い渡されていた。
次はアリーナの壁から射出された円盤の撃退。これは近接武器での排除を言い渡されているため、両手にエネルギークローを展開。四方八方から迫り来るそれらを鎧袖一触で切り裂けば、次のステージに進むための笛の音が。
それが終われば空中を高速で浮遊するドローンの的。15程の数であるが、その軌道に法則性はなく、肉眼で捉えるのは難しい。ISの補正があって初めて確認できるそれを、スラスターと一体化した8基のレーザー砲が撃ち抜いた。都合3度の一斉砲撃で目標が全て撃ち落とされると、漸く終了を知らせるアラームが鳴る。
ようやくか、と一息吐いたナナ。不意打ちで放たれた蛇腹剣を尻尾で絡めて止めると背後をを振り返る。
「これで終わりか?」
「ええ、終わりよ。データも取れたし、ISもばっちり扱えてるみたいね」
ナナの視線の先にいるのは楯無。彼氏の成長が嬉しいのか、止められた蛇腹剣を収納しながらニコニコと笑う。2人がいるのはいくつかある内の、IS測定に特化したアリーナ。新型の装備などの試運転に用いられるアリーナで、第二次移行を果たしたナナの専用機のデータを取っていたのだ。
第二次移行した事により増えた武器の数々。それらの試運転とデータ採取に訪れていたのだ。取られたデータや映像は本国に送られ、学園でも共有されるものであり、そこに拒否権というものは無い。そも、元よりナナにその様なものは無いに等しいのであるが。
「はぁ、ったく………本国の奴らも面倒な手間かけさせやがって」
「仕方ないでしょ?せっかくの第二次移行なのよ。態々本国に連行されて弄られるよりもマシよ」
そう言われては返す言葉もない。ナナとしても拘束されて輸送される様な事にはなりたく無いのだ。
実際、本国からは帰還命令が出ているが、それは楯無の所で止めている。データと映像を送る事で手を打つ様に働きかけているのだ。本国への招集ともなれば少なくとも1週間は拘束される。隅々までデータを取ろうとすれば更に時間はかかるだろう。
それだけの長い間、先日の事件で死にかけたナナを放っておけないというのは建前。本音は離れたく無いという完全に私利私欲である。
「にしても………刀奈、身体は大丈夫なのか?」
「このくらい何ともないわよ。ちゃんと退院の許可だって貰ったんだから」
ひらひらと手を振って見せる楯無に、無理をしている様子は見られない。医療用ナノマシンによる回復は凄まじく、傷跡ひとつ残す事なく完治したのだ。それでも、怪我をさせてしまったという罪悪感から、どことなくしゅんと落ち込むナナ。
他人には見せない、自分だけに見せるその表情に思わず楯無の胸が締め付けられる。庇護欲を唆るナナを抱きしめて安心させたい気持ちが高まるが、それは後に。衝動のまま動けば、データを整理している虚から間違いなく雷が落とされるからである。
「とにかく、今日はもうおしまい。ご飯にしましょ」
「………そう、だな」
手を叩いて空気を入れ替えると、ナナはISを解除して地表に降り立つ。脳内では先ほどの反省会だ。
新しくなったISを楯無は使いこなせていると言ったが、ナナからすればまだまだ。火炎放射器の新調はまだしも、新たな兵装であるエネルギークローとレーザー砲に手間取っているのが現状。
元より、素手格闘には多少の経験があるために取り敢えずは使えているエネルギークロー。そして普通の実弾射撃とは勝手の違うレーザー砲。その命中率に満足いく事はできず、8基纏めて放つことしか出来ていないのだ。
ナナのBT兵装の適正はC。偏向射撃には向いておらず、ブラフを混えた操作も上手くいかない。こんなものではまた同じ過ちを繰り返すだけだ、と心の中で叱咤を。
2度とあんな目に合わない、あんな思いをさせないと前を行く楯無の背中を見て決意する。
「?どうしたの?早く行くわよ」
「………あぁ、わかってる」
中々歩き出さないナナを不自然に思い、楯無が振り返る。暖かな夕陽に照らされた彼女は、まるで宗教画の一枚のようで思わずドキリとナナの心臓が跳ねた。それを誤魔化すようにぶっきらぼうに返し歩き出そうとした瞬間、大きく飛び退く。
「ああ、おしい‼︎」
刹那に焚かれたカメラのフラッシュ。楯無の斜め上から放たれたそれを、2人は棘々しく見つめた。
「Hey、黛。ソーユーの、関心しないナ」
「ごめんごめん。でも、特ダネの匂いがしたら我慢できないじゃん?」
悪びれる事もなく、そう言い放つのは新聞部のエース黛薫子。アリーナの観客席に立つ彼女の手元には愛用のカメラがあった。学園新聞の為に日夜ネタを集める彼女として、ナナと楯無のカップルは格好の獲物である。
学園祭の時に撮れたツーショット。中々撮れないナナを写したという事もあって掲載した号は飛ぶ様に売れ、重版したほど。もう一度ツーショットを、と虎視眈々とその機会を狙っているのだ。
「もう。許可さえ取れば撮らせてあげるわよ」
「それじゃダメよ。自然な感じがいいの」
「ゴシップ記者の常套句だネ」
「む、聞き捨てならわないわね。私はちゃんと真実しか載せないわよ」
確かに、実際の所新聞に載ったところでナナたちに不都合はない。一度読んだが、ちゃんと下調べと取材を行っていることはわかる。誰かを攻撃するようなもので無く、読者が盛り上がる様な記事にしているのも本当だ。だとしても、盗撮は許容できないのだが。
「うーん、これ以上は無理そうね………それじゃ!」
「かーおーるーこーちゃーん⁉︎」
「きゃあ、たてなっちゃんが怒った‼︎」
反省する様子もない黛に、きつめの説教をと楯無が追いかける。ケラケラと笑う黛の声と楯無の声が通路の奥に消えていくのを聞きながら、やるせないとナナは自虐的に笑うのであった。
◇◆◇◆
さて、そんな事があった数日後。一年合同IS実習にて。
グラウンドの隅に追いやられたナナの視線が向くのはその中央、専用機持ち達だ。
先日の事件でナナを除いた専用機は全て深刻なダメージを負っており、自己修復の為当分の使用は不可。その代わりと用意されたのが
国連が開発した、ISの代用品。その戦闘力はISと比較するには月とスッポン。しかし、EOSの本来の目的は災害時の救助活動や平和維持活動。台数が限られているISよりも量産しやすく、稼働に訓練が必要であるが治安維持には十分な抑止力である。
今回はその実稼働データの提出のため、折角だからと専用機持ちたちが抜擢されたのだ。バッテリーだけでも30kgのEOSに四苦八苦しながらも行われる模擬戦。幾ら代表候補生と言えども、中々に扱いづらいものらしく、目の前で行われるそれは稚拙の一言。唯一、軍人であるラウラが扱えている程度である。
「大変そうだネ」
「うぅ………アンタ、1人だけ傍観してんじゃないわよ‼︎」
「そうですわ!お一人だけズルいですわ!」
「そう言われても、ネェ?」
ちらり、と千冬の方に視線を向ければお前はダメだ、と首を横に振られる。
ISと違い、操縦者への絶対防御のないEOS。模擬戦に使われているのはペイント弾とは言え、銃火器をナナに使わせる訳にはいかないと判断されたのだ。
形骸化して久しいが、千冬はナナの監督責任があり、万が一の事を考えてのこと。ISで自習させておけばいいのかもしれないが、千冬はEOS組みを、副担任の真耶は他のクラスメイトの実習があるためにそうもいかない。ナナとしても面倒な事をしなくて良いので一安心である。
「オーウェン。貴様には別途レポートがあるからな。外から見たEOSの感想を5枚は書いてこい」
「だってサ」
「むきー‼︎」
開始早々に倒された鈴とセシリアからズルい、ズルいと連呼されるが、ナナとしてもどうしようもないのだ。そうしている内に最後に残った簪がラウラに押し倒される。EOSの特性上、一度倒れたら自力で起き上がるのは難しい。
倒れた面々をナナが専用機で起こし、その日の授業は終了。EOSを片付ければシャワータイムだ。
「しっかし、なんだったんだろうな、アレ」
隣でシャワーを浴びながら、一夏は問う。主語も無い話であるが、一夏が指すのは先日の無人機の事だろうと当たりを付ける。
「白式もそうだし、箒たちや2、3年の先輩たちもだろ?無事なのは楯無さんとナナだけって話だし」
「Nonネ。楯無の機体もガタが来てるヨ。自分で直してるみたいだけド」
「どんだけ規格外なんだ、あの人………」
第二次移行の副作用なのか、ナナの機体は比較的に軽症だった為に難を逃れたが、他はそうもいかない。殆どの専用機が本国で修理を要するレベルのダメージを負ったのだ。ISの自己修復でもかなりの時間を有するそれは、専用機持ち達にとって大打撃。
そんな中で楯無は現機体を作り上げたノウハウを活かし、自力で修復を図っているのだ。無論、虚や薫子の助けがあってこそであるが、例え知識があろうと、学生でそこまでできるのはその3人だけだろう。
他の専用機の修復を手助けしないのは、一重に国際問題に繋がるからであり、それさえなければ手を貸している。ここに来て国籍問題が、と妹を手助けできない悔しさを吐露していたのは記憶に新しい。
「はぁ………なんか差を感じるな………」
「それでモ、生き残れば大金星ネ。特訓、頑張ったお陰だヨ」
死なない為、生き残る為に訓練する。そう言われたのは、マドカと名乗る襲撃者に出会った後のこと。あの時、一夏はその意味がわからなかった。共に強くなるのだと、そう認識していたのだ。
だが、今回の一件で思い改める。一歩間違えれば、という場面は思い返せばわんさかと。日々の特訓、そして指導と仲間がいたからこそ生き残れたのだと実感している。
これを強さと言うのかは、まだ一夏にはわからない。だが、間違いなく成長ではあるのだと理解していた。
「おう。ありがとな、ナナ」
「No problem。こちらこそ、だヨ」
仕切りの上から伸ばした拳を、互いにぶつける。そうして笑い合った2人は同時にシャワーを止めると、示し合わせたかのように身体を拭き出す。
「にしてもナナ、髪長いよな。切らないのか?」
男子からすれば長髪に分類されるであろう一夏の頭髪であるが、ナナと比べれば短髪だ。何せ腰の辺りまで伸ばしているのだから。それを鬱陶しそうに乾すナナを見かねてそう問い掛ければ、少し苦笑いしながら答えた。
「切りたいけどネ。楯無が嫌がるからネ」
「お、おう………」
元々、潜入の際に手っ取り早く変装できるように髪を伸ばしていたナナ。髪の長さで変わる印象は案外バカにできるものでなく、少し化粧を施せば見向きされる事は少ない。
故に長髪に愛着はないのだが、それは楯無が許してくれないのだ。正確には許してはくれるのだが、「せっかく綺麗な髪なのに」と残念だと言う雰囲気を存分に漂わせるのだから切るに切れないのである。
まさか髪の話題で惚気られるとは思わず、流石の一夏も面を喰らう。それだけ幸せだ、と言うことかもしれないが話題を振るたびにコレでは食傷気味になってしまうのも仕方あるまい。
「それより一夏、白式どうするンだイ?自動修復だとかなり時間かかるヨ」
「ああ、それなんだけどさ。なんか倉持技研がオールメンテナンスしてくれるらしい」
倉持技研、と名前を聞いて思い浮かべるのは簪の事。一夏の白式にリソースを注ぎ込んで、もう片方の専用機を疎かにした場所だ。ナナに関わり合いはないとはいえ、あまり良い印象は抱けない。それが顔に出ていたのだろう、苦笑いを返すしかできない一夏。
「一夏、嫌な事されたらすぐにcallネ。知らない人についていっちゃNonだヨ?」
「いや、お母さんか」
具体的には人体実験のモルモットになるくらいの想像をしているナナ。男性操縦者の価値を考えればなくは無い。そんな心配を他所に、不器用なナナの気遣いに一夏は笑みを浮かべるのであった。
◇◆◇◆
パァン、と音を立てて竹刀と竹刀がぶつかる。鍔迫り合いは一瞬、続く流れる様な連続攻撃にナナはただただ防御しかできない。ただでさえ悪い視界に重たい防具。普段の様に動けないジレンマに奥歯を噛み締めれば、その隙を見逃さず頭に竹刀が落とされた。
「めぇええん‼︎」
「はい、箒ちゃんに一本」
気合い一閃、吸い込まれるように振り下ろされた竹刀は確実にナナの頭部を捉え、小気味のいい音を奏でる。言い訳のしようがない、完全な敗北だ。肩を落としながらも互いに定位置に戻ると一礼を。そうして漸く防具を外したナナが重くため息を溢した。
「ハァ………you are so strongネ、篠ノ之。また負けたヨ」
「いや、一日の長があるだけだ。私もひやりとしたぞ、オーウェン」
同じく防具を脱ぐのは対戦した箒。前回のタッグマッチ以降、時折こうしてナナは稽古をつけて貰っているのだ。殺し屋として動いていた時ならばまだしも、学園生活を続けていれば身体や感覚が鈍る。それらを鈍らせないために、こうして稽古をつけてもらっているのだ。
箒としても自身の技術向上に繋がるため、ナナとの練習は苦ではない。互いにWin-Winの関係性である。これがルール無様の実戦であれば、ナナに軍配が上がるだろう。それを良しとしないのはナナ本人であり、これからの人生を生き抜く為の練習でもあるのだ。
「2人ともお疲れ様。はい、はちみつのレモン漬け」
「ありがとうございます」
「thank you」
審判役をしていた楯無が出したのは疲労回復目的のはちみつのレモン漬け。甘さと酸っぱさで顔を顰めるが、それが不思議と心地よく疲れた身体に染み渡る。
「それにしても、箒ちゃん強いわねぇ。そんな箒ちゃんから見て、ナナくんはどう?」
「筋は悪く無いと思います。このまま練習を続ければ、全国でも通用するかと」
「へぇ。じゃあ、このまま剣道部にお邪魔する?」
「nice oneネ。生徒会の方が大事だヨ」
肩を竦めて答えるナナの言葉に満足したのか、ご満悦の様子の楯無。遠回しに離れたく無いと言われ、人目がなければ思わず抱きついているところだ。まぁ、箒からすれば十分に甘ったるい雰囲気を垂れ流しているのだが。
先日の無人機の件以降、楯無とナナの距離はより一層近くなった。ナナが一瞬とは言え死んだ事により、互いの存在の重要性がわかったのだ。破局の噂などなかったかの様にイチャつくのだから、甘い雰囲気は垂れ流し放題。学園ではコーヒーの消費量が上がったと言われるほどである。
この2人ほど、とまではいかないまでも将来的には一夏と、と思っている箒には毒だ。コホン、と喉を鳴らせば2人の世界から現実へ引き戻される。
「ああ、ごめんなさいね、箒ちゃん」
「い、いえ………楯無先輩とオーウェンは、その、人目を憚らずしてますが、恥ずかしくはないのですか?」
思わず口にした箒の問いに、楯無とナナは顔を見合わせると、互いに首を傾げる。きょとん、と言うオトノマペを箒は幻視した。
「恥ずかしい時もあるけど、ねぇ?」
「この程度なら
互いに見つめあって「ねー」と言い合う2人。軽率な質問をしたことに、箒は激しく後悔した。
「ふふ、心配しなくても、箒ちゃん。パートナーができれば、わかるようになるわよ」
「わ、私は別に、一夏の事など………‼︎」
「誰も一夏の事とは言って無いヨ」
語るに落ちた、とは正にこの事。まぁ、落ちる以前にその恋心は周知であるのだが。それでも顔を真っ赤にして押し黙る箒の姿は可愛らしいもので、その反応を見るために揶揄う節は間違いなく2人にあった。
「一夏くんも罪な男の子ねぇ」
「同性としては羨ましくあるネ」
「あら、私だけじゃ不満?」
「まさか、だヨ。君以外なンて、考えられないサ」
「………よくそこまで歯の浮くセリフがいえるな」
「LOVEは伝えなきゃ伝わらないからネ」
元殺し屋が愛を謳うのは失笑モノでが、と内心で自虐を。まぁ、元の生活に戻るつもりはないので支障はないのだが。
そうして和気藹々と談笑をしていた時だった。突如として全ての灯りが一斉に消えたのたのは。
武道場の窓から差し込む光も上から降ろされる防御シャッターによって遮られ、周囲は暗闇に。慌てる素振りなくナナと楯無は箒を挟んで背中合わせで周囲を伺う。
「な、なんだ⁉︎何がおこった⁉︎」
「しぃー、だヨ、篠ノ之。………2秒経過。おかしいネ」
「えぇ。緊急用の電源にも切り替わらない上に、非常灯も点かない。2人とも、ISをローエネルギーモードで起動しておいて」
導き出される答えは異常事態ということ。楯無の指示に従いISをローエネルギーモードにて起動。視界にステイタスウインドウを呼び出し、暗視界モードへと切り替え。ソナーに温度センサー、動体センサー、音響可視化線レーダーと言った機能もセットする。
『お姉ちゃん、大丈夫?』
「簪ちゃん。そっちこそ、無事かしら?」
ISによるプライベート・チャンネルで簪の声が届く。
『うん………ラウラさんとセシリアさんと一緒に食堂。そっちは?』
「ナナくん、箒ちゃんと武道場よ。その様子だと、本校舎も同じ状況みたいね」
『やっぱり………』
どうやら異常事態は武道場だけでなく、学園全体で起こっているらしい。最新設備が整うIS学園に、ここまで大胆な手を使ってくる相手を楯無は知らない。ナナも同じ様で、向けられた楯無の視線に首を横に振る。唯一フェリスの事が脳裏をよぎるが、不可能だと断ずるしかない。
亡国機業の設備がどれほどのものかは知らないが、この様な事が可能であれば裏でコソコソと動く必要もない。防御機構など封じて大々的にISを奪えるのだから。
思案するナナと言葉を交わす楯無と簪。それを割り込み回線の声が遮った。
『専用機持ち達は全員地下のオペレーションルームへ集合。今からマップを転送する。防壁に遮られた場合、破壊を許可する』
千冬の静かだけれど強い声。それはこのIS学園でまたしても事件が発生したことを克明に告げていた。