東方三混和   作:語り部梔子

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名称変更
リアス→ドゥー

前回のあらすじ

変装を済ませた輝夜は、和徒と共に人里の散策を楽しむ。
一方、てゐは甘味処で今泉影狼との会話中にモザイクの男と遭遇してしまい、影狼は紛い者へと変えられてしまう。


実験と弾丸と理想郷 その1

「おい!大丈夫かよ、てゐ!?」

 

輝夜と甘味処へ向かっている最中、やけに騒がしいと思っていたが、まさかここで倒れているとは思いも寄らなかった。

 

「和徒、この騒ぎの元凶ってアレじゃない?」

 

「なに...?」

 

裾を引っ張られ、視線を向けるとそこには狼のような特徴を持つ少女が暴れている姿があった。

なんというか、俺が初めて人里に来た時もこんな感じだった気がする。

そう、確かここの甘味処って俺が初めて紛い者と戦った場所じゃねえか。

 

彼女を止めなくてはならない。

しかし、輝夜は紛い者について一切知らないし、永林に無断で教えていいのかわからない。

 

「輝夜、てゐの手当てをお願いしてもいいか?」

 

「いいけど、和徒はどうするの?」

 

「俺はあいつを止めて、みんなを守る」

 

「あなたってこの前幻想郷に来たばかりじゃないの?」

 

「そりゃあ輝夜からしたらそう見えるだろうけれど、俺だって日々努力してんだよ!」

 

紛い者へ向かって駆け出す。

 

「とりあえず、俺が戻ってくるまで隠れてろよッッ」

 

狼少女の視線がこちらへ向いた。

 

「ガルルルルル...」

 

「どうした犬っころ!一緒に散歩してやろうか?」

 

言葉が通じているか分からないが、今にも走り出しそうだ。

完全に注意が俺に向いたことが分かったので、輝夜とは逆方向へバックステップを踏み、ベルトを装着した。

 

「『カオスドライバー』、変身ッ」

 

『HEROIC』

 

俺が戦闘体勢を取ると同時に、狼少女が大きく跳躍した。

剥き出しになった爪と牙。

 

直感的に軌道を予測し、スレスレで避けた先に拳を二発喰らわせる。

 

「グオアアアアアッッ」

 

「なんだこの現象」

 

雄叫びに反応したのか、彼女の体に黒い点がまとわりついていく。

黒い点はその一つ一つが動き回っており、集合体恐怖症なら卒倒しそうな光景である。

 

「ここは様子見だな」

 

その異様さから嫌な予感を感じ取り、かつて鬼の紛い者にしたように、お札を投げて彼女の四肢を固定する。

しかし、お札が彼女に張り付くと同時に、消滅してしまった。

そう、燃えたでも破れたでもなく、一瞬にして消え失せた。

 

「SAN値チェックでもしておくべきか?」

 

一体何がどうなってやがる。

 

「その黒い点は蟲ですよ」

 

いつからそこにいたのか、家屋の屋根に人影があった。

 

「てめえ、モザイク野郎ッ」

 

「直接会うのは初めてですかね」

 

黒いスーツに規制された顔。間違いない、モザイクの男とはこいつのことだ。

 

「そうですねえ、私の名前はドゥー、とでも名乗っておきましょうか。ところで、よそ見しても大丈夫なのですか?」

 

「な、うわああああ」

 

視線を戻せば、目の前に悍ましいほどの量の黒い点が迫ってきていた。

咄嗟に飛び立つが、黒い点は追跡をやめない。

 

「英雄『夢想封印』、クソ」

 

陰陽玉が激突し、黒い点の数は減ったものの、依然として脅威は変わらない。

 

「グルアアッ」

 

「痛って」

 

狼少女の爪が、防御した俺の腕の皮膚を引き裂く。

 

黒い点から逃げつつ、合間に来る爪と牙を回避。

嫌なマルチタスクだな。

 

「ん?」

 

出血している腕に違和感を覚え、よく見ると、そこにいたのは蛍だった。

その刹那、強く発光し、

 

「うがああっ」

 

爆発した。

飛行を制御できなくなり、地面へ強く激突。

 

そうか、確かにあのモザイク野郎、ドゥーが蟲とか言ってたな。

今の蛍は爪の攻撃の時にひっついてきたのか。

札が消えたのも、蟲が食べていたとするなら説明がつく。

あの黒い点の正体が分かって、スッキリ半分、不快感半分だな。

 

「英雄『マスタースパーク』」

 

地面に付した俺へ向かってきた黒い虫を目掛けて、レーザーをブッパナし、全て塵にする。

 

今回は良かったが、また蟲の大群が来た時、レーザーで焼き払っていたらエネルギー効率も悪いし、何より周りの家屋の二次被害も大きそうだ。

 

「ガアアアアッッッ」

 

雄叫びに反応し、再び黒い点の群れが俺へ飛んでくる。

 

「『ニュークリア・ストライク』」

 

頭上から降ってきた火球によって、黒い点は消え失せた。

 

「てゐの救難信号があったから来てみれば、これはどういう状況なのかしら」

 

「助かった!鈴仙」

 

「あなたが来るのは想定外でしたね」

 

リアスが嫌そうな言葉を呟く。

 

「俺はこの狼の紛い者を倒す。だから、鈴仙はモザイク野郎『ドゥー』をぶっ飛ばしてくれ」

 

「あいつ、ドゥーっていうのね。和徒はこれを使いなさい」

 

鈴仙から手渡されたのは、先ほどの火球を生み出した、お空のユナイトカード。

 

「むしタイプには、ほのおタイプが効果バツグンなんでしょ?」

 

「違いねえ」

 

お空の核融合なら、マスタースパークより楽に蟲の駆除ができる。

形成逆転だ。

 

「仕方ありません。これも実験の良い機会だったと考えることにしましょう」

 

ドゥーはどこからか奇妙な拳銃とユナイトカードを取り出した。

カードに描かれていたのは紅魔館のメイドの姿とTimeの文字。

 

「この拳銃、ユートピアマグナムと言いまして、このように上部でカードを読み込めるようになっており、」

 

拳銃の上部の隙間にカードがスラッシュされる。

 

『Time Install』

 

「そしてこの側部のダイヤルをセットして引き金を引くと」

 

『月時計 ~ ルナ・ダイアル』

 

「装着」

 

銃口から放たれた弾丸はリアスの顔面へ軌道を曲げ、仮面に変化し装備された。

その仮面は近代的なガスマスクのようであり、顎にTimeと刻まれている。

仮面から溢れたオーラがリアスの仮面を包み込み、気づけば仮面以外、咲夜さんと瓜二つの姿になっていた。

 

「肉体まで変化するのは私だからですかね。おっと、声まで変わるのですか」

 

使用したユナイトカードと同じ姿への変身。

能力が複製されていてもおかしくはない。

警戒するべきは『時間を操る程度の能力』

 

「どうですか?これが私の発明品、ユートピアマグナム」

 

鈴仙が苦虫を噛み潰したような表情をした。




敵が装着(変身)するアイテム、ユートピアマグナムの登場。
イメージはトラ◯スチームガン。

TIME 時間 十六夜咲夜
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