東方三混和   作:語り部梔子

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名称変更
リアス→ドゥー

前回のあらすじ
お空のユナイトカードのおかげで、リグルのカードと結合した影狼を倒した和徒。
しかし、鈴仙はモザイクの男「ドゥー」に負け、ベルトとカードを奪われかけてしまう。
ギリギリのところで和徒はドゥーの腕を掴み、必殺の拳をお見舞いした。


実験と弾丸と理想郷 その3

凄まじい爆発音。

地面は衝撃で抉れ、先ほどとは比べものにならない土煙が立ち込める。

3種の異なる鬼の力を宿した少女の姿が徐々に明らかになる。

 

「和徒、奴はどうなった?!」

 

少女へ問いかける鈴仙。

 

「見ろよコレ。土壇場で逃げやがった」

 

その手には、白磁のような綺麗な女性の腕。

そう、肘から先のみが握られていた。

 

「咲夜さんに聞いたことあったんだよ。咲夜さんが生き物に捕まれたたまま時間を止めるとどうなるかってさ

 

「答えは、掴まれた部分は位置が固定される

 

「だからあいつはトカゲの尻尾みたいに片腕を捨てるしかなかった」

 

結果から見れば、幻想郷を脅かす存在を退けることはできた。

しかし、もちろん代償はある。

 

「ほら、立てよ鈴仙」

 

「ありがとう」

 

和徒が差し出した手を握り、鈴仙が立ち上がる。

 

「改めて礼を言わせて頂戴。あなたのおかげでベルトを奪われずに済んだわ」

 

「そりゃどうも。ただ、カードは何枚かあいつが持っていきやがった」

 

「仕方ないわ。次会ったら取られた以上に取り返すんだから」

 

少し離れたところから誰かが二人の元へ駆け寄ってくる。

 

「おーい二人とも、大丈夫?」

 

「てゐ!お前こそ大丈かよ」

 

「ちょっと頭を打っただけなのサ。って、鈴仙はすごいやられっぷり」

 

「肩貸してもらえるかしら。永遠亭に帰って手当しないと」

 

てゐの肩に腕を回し、ふらつきながらも歩き始める。

 

「しょうがない、後で団子を買ってくれるならアダダダッッ」

 

「誰かさんが救難信号飛ばしたから来たんでしょうが」

 

回した手に頬を引っ張られ、てゐが悲鳴を上げる。

意外と元気そうだな。

 

「ちょっと待って。あそこにいるのって姫様じゃないかしら」

 

「「えっ?!」」

 

鈴仙の視線を追ってみれば、住宅街の脇道から顔を覗かせる少女が一人。

こちらと視線がバッチリ合ってる。

いくら変装したところで、身内ならすぐ気づく。

 

「き、気のせいじゃないか?」

 

「そうなのサ、姫様がこんなとこいるわけないのサ」

 

「だいたい、家出したのは昨日だろ?輝夜が人里で、しかも一人で一晩過ごせる訳ないっての」

 

「「あはははは」」

 

俺とてゐが笑い声で誤魔化そうとするが、ここで鈴仙が一言。

 

「私、家出したのが昨日なんて言ってないのだけれど?」

 

「「あ」」

 

終わった。

 

「さては、昨日は守矢神社に泊まり、和徒が人里まで連れてきたのね」

 

「面白い推理だな。鈴仙は小説家にでもなれるんじゃないか?」

 

「それは名案なのサ」

 

「てゐ、あなたも一枚噛んでたでしょ」

 

「ぎくっ」

 

てゐの顔が青ざめる。

 

「「コイツが主犯格なんだ!俺(アタシ)は脅されて!!」」

 

俺とてゐ、互いに指を刺して弁明を図る。

 

「「おまえ、裏切りやがったな!」」

 

「バカやってないで、二人ともお説教よ」

 

「おっと、用事があったの忘れてたぜ。じゃあな!」

 

「ちょ、待つのグゲッ」

 

俺を呼び止めようとしたてゐだったが、言い終わる前に首が閉まる。

 

「あんたは逃さないわよ」

 

「......はい」

 

真島和徒はクールに去るぜ。

 

 

 

 


 

 

 

 

「それで、さっきの怪人について説明してもらえるかしら」

 

人里の飯屋、俺が食べるのは焼肉定食。

なんでも、早苗が外の調理方法を広めたことで飯屋のメニューは3倍に増えたらしい。

あいつも信仰集めに頑張っているんだな、と感慨に耽る。

 

「ちょっと、無視するならその肉もらうわよ」

 

「おい、ただでさえ俺の金でポンポン注文してる癖に、俺の飯まで取るなよ」

 

対面に座る輝夜はの目の前には多くの食器が並んでいる。

普段永遠亭でしかご飯を食べないからいっぱい注文したそうだが、彼女は鐚一文払ってなどいない。

 

「じゃあ、この天ぷらあげるから話しなさい」

 

この天ぷらも、もちろん俺の金で買ったものだ。

 

「分かったから、あんま騒ぐなよ。ただでさえ目立つんだから、鈴仙に見つかっちまう」

 

「悪かったわね。綺麗すぎて」

 

ほんとに美しいから言葉に困る。

 

「あれは紛い者と言って、ここ最近起きてる異変なんだ。この前妹紅のカードを持ってたろ?ああいうカードと結合して人妖は暴走する」

 

「なるほどね。あの時いたガスマスクの男は?」

 

「あいつが異変の黒幕だよ。俺や鈴仙、永林はあいつを追っている」

 

「永林ったら、また私を巻き込まないように蚊帳の外なんかにして!」

 

腹を立てている割には、美味しそうに蕎麦を啜っている。

こいつ絶対怒ってないだろ。

あるいはもう忘れたか。

 

「このカード、あんたに上げるわ。持っていると危険なんでしょ?」

 

「確かにそうだな」

 

手渡された妹紅のカード。元はと言えば、永林たちが持っていたカードなんだが。

 

「それで、もう満足したか?」

 

「え?」

 

「多少のアクシデントはあったが、十分人里は満喫しただろ」

 

「うーん、そうねえ」

 

蕎麦を啜るのをやめ、宙を見上げて考える輝夜。

一挙手一投足が美しいなコイツ。

典型的な黙ってれば美人って感じ。

 

「今、私のこと美しいって思ったでしょ」

 

「うっせえ残念美人」

 

「残念は余計よ!」

 

そんなこんなで飯屋から立ち去る。

 

このまま守矢神社に帰っても大丈夫だろうか。

鈴仙は、俺が輝夜と一緒にいると考えている。

つまり、俺が守矢神社に帰れば、輝夜も一緒に来ると思うはずだ。

いくら負傷したといえども、待ち伏せしてない保証はない。

 

「そうだ、私行きたい場所があったの」

 

輝夜がニヤけた面でそう進言する。

守矢神社に帰るかどうかは先延ばして、我儘をきいてやるか。

 

 

 

 

和室の中を月明かりが障子越しにうっすらと照らす。

灯のない今、それだけが唯一の光源である。

部屋の中には大きめの布団が一枚。

 

「戻ったわ、よ......」

 

襖が開き、一人の美少女が部屋に入ってくる。

水浴びを済ませたからか、黒くて長い髪は湿り気を帯び、普段より艶やかである。

身につけている借り物の浴衣は、俺と同じ物のはずなのに輝夜が着ると高級品のようだった。

 

「ほら、早く布団に入りましょ?」

 

布団のそばで胡座を組んでいた俺を尻目に、彼女が我先にと布団の中へと滑り込んでいく。

寝転んだことで胸元の隙間が開き、白く透き通った肌を覗かせる。

 

いつもみたいに茶化してくれよ。

かつてこの日本における全ての男を虜にしたその絶世の美貌を前にして、俺は俺でいられるの自信がない。

 

 

 

 

輝夜の我儘。それは、人里の宿に泊まってみたいとのことだった。

守矢神社に鈴仙が待ち伏せしていることを想定していた俺に断る理由はない。

 

だが、一つ考えてみてほしい。

宿に泊まるのは旅行だったり、仕事だったり、家に帰れない場所に来た人だ。

幻想郷の人里の宿には一体誰が泊まるのか。

人里に住んでいる以上、人里の端まで行ったとしても家には帰ることができるはずなのだ。

 

ならば、答えは一つ。

男女の逢い引きである。

宿屋の店主が俺に「兄ちゃん、あんな別嬪さん引っ掛けるなんてやるなあ」と言ってきた時は、エロジジイの冷やかしだと思ったが、用途を考えればそう言われるのも当然である。

 

教えてもらった部屋に入り、「布団が一つしかないこと」と「甘い匂いの香が炊かれていたこと」を認識した瞬間、俺は悟り、こう思った。

 

明日は俺の命日だ、と。




箱入り娘に手を出したら、分かってるよね?

リアスからドゥーに変えたのは、今後アリスを出す時に読みづらいと思ったから。


RESURRECTION 復活 藤原妹紅
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