ガンダムGQuuuuuuX〜よっしゃ、宇宙世紀だ……なんか違くない? 作:とりマヨつくね
後悔はない
人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになってすでに半世紀が過ぎていた。
地球のまわりの巨大な人口都市は人類の第二の故郷となり,人々はそこで子を産み,育て,そして死んでいった。
宇宙世紀0079。
地球に最も遠い宇宙都市サイド3は,ジオン公国を名乗り地球連邦政府に独立戦争に挑んできた。
この1ヶ月余りの戦いでジオン公国と連邦軍は,総人口の半数を死に至らしめた。
人々は,自らの行為に恐怖した。
戦争は膠着状態に入り,8ヶ月余りが過ぎた。
耳にタコができるナレーションを思い出しながら、俺は窓越しから見える
昔じゃ、決して見られなかった光景を俺は見ている。
おっと、紹介が遅れた。
俺の名前はエド、エド・スターリング。
所謂転生者という奴で、どういうわけか昔から大好きだった機動戦士ガンダムの世界に生まれ変わった。
最初はモノホンのアムロやシャアに会えるのではとか、二次創作のオリ主みたいに大活躍できるんじゃとか、色々とわくわくしたものだが現実はそれほど甘いものではなかった。
まず宇宙の過酷な環境で今世の両親は他界、親戚筋を通して施設に入ったがいじめに嫌気がさしてジオン軍に志願した。
なんとか一兵卒からのし上がって
シャアの活躍を間近で見れると思ったのに、結局は会えなかった上に危うく死にかけた。
それから一話の時期まで死に物狂いで生き残ったものの、なんかシャアがガンダムとホワイトベース奪取するわ、ガルマが謀られないで退役するわ、ビクザムは量産されるわ、原作通りドズルは死ぬわ、最後の最後で連邦がグラナダにアクシズ落としもどきを敢行して、それをシャアがアクシズショックもどき……たしかゼグノヴァだっけ、それを起こして行方不明に。
それからあれよあれよと巻き込まれている内に、一年戦争がジオンの勝利とかいう知らない結末で終わっていた。
いや、ザクのデザインが俺の知っているものと違っていた時点で、嫌な予感はしていたが まさかここまで違うとは誰が予想出来ただろうか。
少なくとも、俺には出来なかったよチクショウメ。
それから軍をクビにされ、ジャンク屋で仕事を雇って貰ったけど、職場のアースノイドの人と折り合いがつかず自主退職。
そこから放浪の果てに、自前のMSを購入して傭兵をしながら、時々クランバトルとかいうMSによる賭け試合の賞金で、各地を転々としながら食い繋いでいるのだ。
今となっては、この
「なぁ……本当にこの道でいいのか?」
俺は隣で、オレンジ色の箱に蜘蛛みたいな足をつけたロボットと洒落あってる少年に声を掛ける。
俺の問いに対して、少年は首を傾げながら答えた。
「ん? なにが?」
「いや、お前がこの先に何かがあるって言ってたよな。というか、その何かについても、そろそろ知りたいんだけど?」
「さぁ……分かんない」
「あ゛? おいテメェ、ざけんなよ。こちとらお前がどうしてもって言うから、わざわざ向かってるのに肝心のお前が分からないじゃ意味がねぇだろ!」
「ネェダロ、ネェダロ」
「テメェはテメェでうるせー!」
俺は側で復唱する黒いハロを蹴り飛ばし、自前の貨物船カササギの操縦桿を握ると小さく溜息を溢す。
イかれたメンバーを紹介しよう、隣にいるコイツの名前はシュウジ・イトウ、指名手配犯の
理由は知らんが、なぜかシャアの乗っていたガンダムを所持し、軍警から追われている。
どうしてそんな奴を乗せているかというと、とあるコロニーの地下街で酒を飲んでいたら、 コイツと軍警の戦闘に巻き込まれたというだけの話だ。
それから擬似的な居候として、振り回れたり振り回されたりする生活だ。
しかもコイツ、NT特有の謎発言と少しどころではない天然とマイペースなもんだから、普通に生活するのも一苦労だ。
じゃあそんな奴、さっさとポイ捨てすれば良いじゃないかって?
HAHAHAHAHA!
ムリニキマッテルダロ!
いやだってガンダムとNTパイロットだよ?
それもあのファーストで、シャアの乗ったガンダムだよ?
おまけにサイコミュ搭載の、アクシズショックもどきをするガンダムだよ?
そんな奴、野に放ってみろ!
預かり知らない所でロクでもないことをするに決まってる!
こんな愛着もクソもない厄ネタの塊みたいな奴、誰が好き好んで腹に抱えなきゃならんのだ!
あー、誰かー! 助けてくださーい!
『おい、そこの輸送艦何をしている』
そんな俺の心の叫びが、届かなくても良い所に届いてしまった。
レーダーの位置的に真上、軍警のMSが二機こちらに接触しようとしていた。
まずい……非常にまずい。
もう一度、言おう。シュウジは指名手配犯だ。
一応輸送艦に偽装してるけど、中はモザイク処理しても見せられない物が沢山。
例えば、ガンダムとかガンダムとかそのパイロットとか、戦闘用のMSとかその他諸々。
いつもなら余裕持って隠してるけど、今は無理。
「クソッ、シュウジ!」
「うん、分かった」
俺の意図を察したのか、シュウジはすぐにその場に立って走っていた。
一方の俺は先ほど蹴り飛ばしたハロを拾い、座席の側にあるコネクタに接続した。
「ハロ、出撃後に合流ポイントを共有。そのあとは独自に隠蔽しておいてくれ」
「ラジャー」
それからすぐにシュウジの後を追うように、MSデッキに向かった。
すぐにパイロットスーツに着替え中に入ると、俺の前には二機のMSが待ち構えていた。
片方は全身を黒く染め、一本角を生やした俺の相棒。
もう一機は、シュウジの駆るガンダムだ。
だがそれは俺の知っている物ではなく、全身を赤く塗られ全体的にシルエットが細くどこかエ◯ァっぽい。
こうして見ると、やはり俺の知っている宇宙世紀ではないと自覚させられる。
だが今はそんなことを気にしていられない。
すぐに愛機のコックピットに乗り込むと、システムを起動させる。
薄暗かったコックピットに光が灯り、MSから見れる視界が映し出される。
無事起動を確認し、ヘルメットに備え付けられている通信機でシュウジと通信を投げた。
「おい、そっちの準備はいいか?」
『うん、いいよ』
「よし、おいハロ、後部デッキを開けろ!」
『ラジャー』
ハロが返答すると、カササギの後部デッキが開かれる。
「エド・スターリング。
いつもの口上の後に、カササギに備え付けられたカタパルトから射出され、投げ出されるように外に出た。
すぐにスラスターで体勢を整え、上を見上げる。
こちらに向けてライフルをいるのを目視し、警告音が鳴るよりも先にその場から最大全速力で接近する。
一見、無謀に見えるかもしれないが、それほど実機による戦闘をしてない奴らにはこれが一番効く(アーマー◯・コアで、いきなり
案の定、一瞬引き金を引くのを躊躇った隙に距離を詰め、右手のショットガンでライフルを破壊する。
そのまま左腕に装備したシールドを全面に向け、シールドバッシュで相手を怯ませる。
もう一機がこちらに向けて発砲しようとしてきたが、怯ませた機体の頭部をショットガンで撃ち抜いた後、盾にする。
当然相手は撃てるはずもなく、その隙に武器を持ち替えてシュトゥルムファウストを機体を撃ち込む。
弾頭は直撃し、機体は爆発四散……とはいかなかったが、両腕は使い物にならなくなっていた。
俺は盾にした機体を投げ捨てショットガンを構えてみるが、どうやら相手さんは戦意が喪失しているようだ。
戦闘が終了し、ほっと息を吐く。
さぁ、増援が来る前にさっさと退散しよう。
「ん? そういえば、シュウジはどこだ?」
どうせ、またコロニーに絵を描いているんだろうな……ったく、こっちは急いでるんだぞ。
俺は通信を送ろうとして、すぐに違和感に気づいた。
「ミノフスキー粒子の濃度が上がってる……? ッ、まさか!」
俺は嫌な予感がし、すぐにスラスターを吹かして捜索を開始する。
どこだ、どこにいる……!
クソッ、レーダーもまともに使えないから目算でしか位置を特定できない。
こんな時にNTなら、お得意のピキーンで場所は分かるのに……!
俺が心の中で悪態を突いていると、近くで爆発の光が花のように咲いた。
「あそこか……!」
軍警か、別の組織かは分からないが、今アイツとガンダムをどこかの組織に渡すのは世界の得策とも思えない。
俺は爆発の起きた場所に辿り着くと、視界の先に二機のMSが戦闘しているの見て目を見開いた。
「嘘だろ……」
シュウジの赤ガンダムと相対していたのは━━━━ガンダムだ。
定番のトリコロールカラーに、やけにエヴァっぽい……ある意味ガンダムらしいシルエット、そして右手に握っているビームサーベルと左手のシールド、間違いないガンダムだ。
なんか頭を本来ブレードアンテナがある額のパーツで覆っているけども、長年ガンダムに付き添ってきたガノタの目を誤魔化せる筈がない。
「俺の知らないガンダムだと……!?」
いや、そもそもここは俺の知っている宇宙世紀とは違うから、俺の知らない機体がいるのは当然か。
ドムはおろか、グフすら存在しないし……って、それどころじゃねぇ!
ガンダムを運用できる軍事組織なんて、この世界に一つしかない。
「どうしてジオンがこんな所にいるんだよ!」
いや、理由は分かるんだけどね。
今じゃないでしょ、今じゃあ!
ひとまず敵ガンダムとシュウジを離さないと、相手さんもNTだったらゼグノヴァが起きかねない。
嫌だぞ、アクシズショックもどきで機体をバラバラとかにされるなんて!
俺は手当たり次第にショットガンから背中のバズーカに持ち替え、敵ガンダムの注意を引き付けるように発射する。
敵ガンダムはこちらの存在に気づき、回避するついでにブーストで加速をつけながらコロニーに突撃した。
「おいおい、マジかよ……!」
なんて無茶な乗り方をしやがる、あの区画だと地下のスラムじゃないか。
いくら違法の難民だからって、民間人を巻き込むんじゃねぇよ。
バズーカをマウントして、空いたコロニーの穴を通った。
通り抜けた先では、二機のガンダムが映画ばりのアクションでやり合っていた。
クソッ、当事者じゃなかったらポップコーン片手に観戦したいのに……!
そんなことを考えていると、赤ガンダムの盾が弾き飛ばされた。
その方角へ目を見やると、赤髪と青みがかった黒髪の女子高生が立っていた。
「ウッソだろ、お前!?」
急いでブーストを掛けて、二人の間に割って入って盾を受け止める。
「ぐおぉ!?」
衝撃でコックピットが揺れるが、なんとか受け止めることが出来た。
すぐに赤ガンダムが俺の側に来て、盾を受け取った。
俺は赤ガンダムの肩を掴み、接触通信でシュウジとコンタクトを取る。
「おい、危うく二人死ぬとこだったぞ」
『うん、ごめん。でもエドが受け止めてくれた』
「そういう問題じゃないだろ。ひとまず一旦逃げるぞ。軍警がすぐに来る」
『でも……』
「でもじゃない、俺たちがいることで余計な被害を生む可能性がある。ここにいる連中の為にも、一刻も早く逃げるしかない」
『……分かった。ガンダムもここまでだって言っているし、逃げよう』
「もうなんでもいいから早く行くぞ」
丁度いいタイミングで周囲にスモークが充満しだし、俺とシュウジはその隙にとっとと逃げる事にした。
これから起きる新たなガンダム神話の始まりを知らずに……