ガンダムGQuuuuuuX〜よっしゃ、宇宙世紀だ……なんか違くない? 作:とりマヨつくね
いつもながら遅筆で申し訳なく思うと同時に、お楽しみくださっている皆様にはいつも感謝してします。
感想、評価、いつでもお待ちしております
やぁ、皆んな。エド・スター……ぶぁっちいいいいいいいいいいいいい!
無理無理無理、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!
推進剤が切れたことで、ひとまず空中分解の可能性がなくなったとはいえ、このままだと大気圏で燃え尽きるぅ!
くっ、クソッ、せっかく一年戦争を潜り抜けたのにこんなのってないよぉ!
『ちょ、ちょっと、何すんのよ』
「うるせっ!? こっちは生きるのに精一杯で忙しいんだよ!」
アマテちゃんの叫びに対して、俺は怒鳴りながら答える。
現在、ケンプファーがワイヤーでジークアクスを縛り上げて、その上に乗るようにした体制になっていた。
外道サーフィン、この世界とは違う世界にてガンダムが行った大気圏突破方法である。
ふっ、許せ。残念ながらケンプファーには大気圏を突破する力なんてないのだよ。
「大丈夫大丈夫、君の機体はガンダムなんだし大気圏なんてへいきへっちゃらでしょ」
『どこの何の自信を持っていっているの!?』
「……ガンダム選ばれるって、そう言うことだろ」
『ねぇ、何か言ったぁ!?』
「ああ、気にすんな。こっちの話だから。さ、盾を構えた構えた」
『だーもぅ! 本当に大人って自分勝手!』
「それが大人の特権だ」
『カッコつけんな!』
何とも緊張感のない会話をしていると、徐々に外の景色が赤みを失っていき、綺麗な闇色に染まっていく。
無事に地球に降下することができたようで良かったよかった。
これでひとまず安心して━━━━ん?
「そう言えば、どうやって着陸するんだ?」
……やっべ、何も考えてなかった。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!
元々宇宙で捕まえること前提で大気圏突入は完全に予定外なのに、その先のことなんて全く考えてなかった。
いや待て、そう言えばアマテちゃんの推進剤は使ってないはずだ。
距離さえ間違えなければ、まだ助かr……ん?
俺がアマテちゃんに通信を試みようとした時、ジークアクスの方からがこんっ、と何かのロックが開くような音が聞こえた。
瞬間、背中のスラスターがパージされ、頭部と激突した。
「ぐぇええええええええ!?」
ナンデ!?
なんでスラスターが外れたんだ!
そこんとこ説明してアマテ……ちゃ、ん?
あ、あれれー? おかしいぞぉ?
なんでジークアクスの背中がポカンと穴が空いてるのぉ?
これだとコックピットも引っこ抜けてるよねぇ?
うん、間違いないね。
あの娘、コアファイターで逃げやがった……!
まずい……本当にまずい!
さっきぶつかったせいで、回転が加わったことでさらに落下速度が加速している。
このまま行くと、本当に海の藻屑になるぅ!
仮に生き残ったとしても深海の中で餓死するぅ!
それだけは絶対にやだぁ!
「エド。キコエルカ、エド」
俺が内心パニック状態になっていると、聞き慣れた合成音声が聞こえた。
顔を向けると、ハロが何かを抱えながら跳ねていた。
「ハロ!? いや、っていうかそれ!?」
抱えていた物を手に取ると、それはパラシュートだった。
こんなものをいつの間に……?
いや、そんなの今はどうでも良い。
俺はパラシュートを背負いハロを抱えると、コックピットハッチを開け、半分投げ出される形で飛び出した。
外の空気は冷たく、つんざくような風切り音が聴覚を支配するが、俺はすぐに体勢を整え、パラシュートを展開する。
すると先ほどまでとは変わって、柔らかな浮遊感とともに落下がゆっくりとしたものに変わった。
ようやく命の危険がなくなったことで、強張っていた身体が脱力し、大きな安堵の息を漏らした。
そして下へと目線を移すと、巨大な水飛沫が上がっていた。
すまん、ケンプファー……そしてありがとう。
海に落ちていった相棒に、哀悼と感謝の意を込めて敬礼した。
それからしばらくしてようやく地上が見え出し、このまま行けばトラブルもなく無事に着地できるだろう。
「ん? あれは?」
着地場所を探していると、ふと何かの建物を見つけた。
随分大きな施設だなー、なんて呑気にしていると警備員がアサルトライフルをこちらに向けていることに気づいた。
「ぃんひぃ!?」
俺は慌てて方向転換しようとしたが、既に遅かった。
アサルトライフルの銃口から無数の弾丸が放たれ、奇跡的に体に当たらなかったものの、パラシュートが穴まみれになってしまう。
あっという間にパラシュートは浮遊能力を失い、施設の壁に向かって一直線に突き進む。
「ちょ、待て待て待てm━━━━━!」
俺が言葉を言い終えるよりも先に、パリィんという割れた音と共に意識がブラックアウトした。
◇
━━━━ここはどこだ……?
俺は知っている、この感覚を。
俺はこの感覚を一度体験している。
この感覚は……そう、死ぬ時だ。
冷たくて、気を抜くとすぐに寝ちまいそうで、でも恐怖が抜けて落ちちまいそうな、そんな感覚。
やばい……けど起き上がれない。
俺はこのまま死ぬのか……?
俺はそのまま沈んでいくと、やがて辺りが柔らかな光を帯び出す。
この光は━━━━━━━━━━温かい。
◇
「はっ!」
そして俺は目を覚ました。
……いや、夢かい!
あ、焦ったー! 本当に死んだかと思った。
そうだよな、普通に考えてあの高さから窓突き破ったら死ぬよなー、あはは……俺ってばお寝坊さんだから……テヘペロ。
「痛っ!」
軽く頭を小突くと、指の第二関節に血が付いていた。
そして恐る恐るデコの辺りを触ると、頭に包帯が巻かれた。
ふーむ、なるほど夢じゃなかったと、ふーん。
よく生きてたな、俺。
というか、ここはどこだ?
随分ふかふかなベッドだけど、まさかさっきの建物の中か。
でもなんでだ? さっきまでバカスカ撃ってきた奴を部屋の中で介護するか普通。
ダメだ、考えても何もわからん……悲しいね、バナナ味。
ベットから降りて部屋を出ると、とても広い廊下にでた。
なんか全体的に淡い紅色をしていて、なんか……えっちぃです。
いや、よくない。いくら俺の心の中の思春期が敏感だからって、すぐにそういう思考にいくのは良くないな。
あたりを見渡していると第一村人……じゃなくて第一住民発見!
なんかメイド服を着ているけど、きっとデカいお屋敷の家政婦さんとかだろう。
「あのー、すいませーん!」
俺が声を掛けると、メイドさんはビクッと身体を小さく震わせた後、こちらへ振り向いた。
そして俺を見た瞬間、その少女はただでさえ鋭い目つきがさらに細くなる。
え、何その目。なんかすごい怖いんだけど。
アマテちゃんよりちまいっこいくせに、アマテちゃんより怖い目になるのやめてくれない!?
「あの、えっと、その……」
「ジオン……」
え、今、ぼそっとジオンって言ったよね?
待って、超怖い。
今文章だから仕方ないけどさ、その忌々しいものを見たみたいな言い方やめて!?
やばい、俺実は連邦の自治区に落ちてたりしないよね?
動悸がどくんどくんと激しくなり、なんか気まずい雰囲気が辺りに流れ出したその時だ。
「おーい、カンチャナ。いる?」
「……ヴァーニ」
物陰からもう一人少女が出てくると、空気が少し柔らかいものに変化したような気がした。
俺が内心ほっとしていると、ヴァーニと呼ばれた少女が歩み寄ってくる。
「ねぇねぇ、貴方がお姉様が言っていた傭兵さん?」
「は?」
唐突にそんなこと言われ、俺は一瞬思考停止した。
え、待って?
何で俺が傭兵だって、いやそれよりも素性がバレているのなら下手に誤魔化そうとすると、余計に話が拗れる。
だったら━━━━━━━━━━━━━━━
すぐに脳を再起動させ、まず浮かんだ疑問を少女に投げかける。
「えっと、なんで傭兵だって分かったんだ? ほら、一応正規兵のパイロットスーツを着ていたわけだし……」
「うーん、さあ?」
「さあ……って」
「だってお姉様、いつも変な時に勘が鋭いんだもん。今朝の女の子のこともそうだったし」
「へ、へー……ん、ちょっと待って? 今、女の子って言った?」
「え、あ、うん。もしかして知り合い?」
「知り合い……うん、知り合いではあるな」
軍の機密を盗んだ脱獄者とそれを追いかけた雇われの傭兵って関係だけどね。
「だったらお姉様と会った方がいいね。カンチャナ、この人をお姉様のところにお連れして」
「……分かった」
「じゃあまたね」
「え、ちょっと……」
俺の制止を待たずに、ヴァーニはどこかへ向かっていってしまった。
再びカンチャナ……ちゃん、さん? と二人きりにされてしまったわけだが、やっぱり警戒心が解いてくれているようには見えなかった。
カンチャナさんが振り返ると、付いて来いと言うように軽く目配せし歩き始め、俺は一定距離を保ちながらついていった。
やっぱり苦手だな〜この娘。
ニャアンちゃんの時はこっちが主導的に話題を持ち込めたりしたけど、この娘の場合とりつく島もないと言った感じだ。
それにしても『お姉様』って、どんな奴なんだろうか。
なんか言い方的にNTっぽいけど、女性のNTって数が少ないんだよな……どいつもこいつもインパクト強いけど。
俺の知っている人だと対応できるかもしれない……どうしよう、初っ端から俗物とか言われたら。
キリキリしてきた胃を押さえながら歩き続けると、前にいたカンチャナさんがとある部屋の前で足を止めた。
そしてこんこんと数度、扉をノックする。
「お姉様、いらっしゃいますか?」
『ええ、いるわ。入ってらっしゃい』
扉の向こうの主人が許可すると、俺は部屋の中へと案内される。
扉を通ると、部屋の中は他の部屋よりも広くオシャレなものであった。
「お待ちしておりました、傭兵さん」
突如声が聞こえ、その方へと目線を向けると俺は驚愕していた。
その理由は目の前にいる人物にあった。
両サイドを結われた黒髪に、シミひとつない褐色の肌、そして吸い込まれるような翡翠の瞳。
その姿の何一つとっても、俺の記憶と寸分違わぬずにその人物はそこにいた。
その名は━━━━
「ララァ・スン……」