HOLOLIVE COMBAT〜Skyblue Triangle〜   作:ブラウ隊

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Mission10"奏でる轟音に華を"

工場エリア②。今このエリアはある意味で非常事態を迎えていた。

holoXの山岳地帯エリア①の視察にフレアが、護衛にノエル、ぼたん、ラミィが随伴したため主要メンバーが不在という状況だ。

残された青とらでんは先日が初陣だったばかり。中央都市部エリア③の管制塔に近いとはいえ、2機だけはさすがにキツい。

 

「そういえば残りの機体ってどんな感じ?」

「僕が見た感じだと出撃しても問題ないはず」

「ほほう」

 

既にハンガーに納入され、専用カラーに塗装された機体が3機。

そのパイロットでもある3人は時としてノエルとの格闘戦、ラミィとぼたんのツーマンセル、フレアの指揮下での編隊飛行など地獄のような訓練をで受けてきた。

当然ながら青とらでんも同じコースを履修したため、今は不在とはいえアグレッサーのような存在と過ごしている。

 

「そういえば残りの5機も前後はするけど完成まで着々と、ってとこかな」

「らでん達の後輩ってヤツだったり?」

「そう!ただ戦力のバランスもあるからね。機体は別の場所に移動するのかな」

 

約半分のエリアを開放したとはいえ、まだ不明な点も多く、特にエリア⑥は隣接し、かつ現状を掴めていない。

この世界はオセロの盤面のように簡単にはひっくり返らない。そして『エラーズ』の存在がある。

青が二人分の紅茶を持ってきたその瞬間、らでんのスマホが鳴り響く。画面には『えーちゃん』の文字が。スピーカー機能に切り替える。

 

『突然すみません、今日の哨戒時間を伝え忘れてて』

「らでんなら全然大丈夫っすよー」

「先輩達ならエリア①に向かってますよ」

 

『やっぱり…何回電話しても電源切れてまして』

『今日は日の高いうちに済ませちゃってくださいね!』

『あ、タキシングの目安は1455、さすがに夜間はまだ慣れないかなと』

 

「了解です、僕たちが最終防衛ライン、ですか」

「ふむふむ…これは腕前を見せるチャンスと」

 

青とらでんはノリノリで引き受ける。時計を見る限り40分は時間が残されていた。

初めて自分達だけで離陸する。緊張と興奮の入り混じった状態でハンガーへ向かう。計機のチェックなどで軽く時間は潰せる。

さらに技術者志望だった青が各所に異常がないことを確認、親指をグッと立てて異常なしをアピール、タキシング後に滑走路で待機する。

 

Control tower《こちら友人A》

Control tower《何か異常があれば伝えますね》

Control tower《各機 離陸を許可します!》

 

Raden《儒烏風亭らでんより管制塔へ》

Raden《ファルコン 出しますぜ!》

 

Ao《火威青からコントロールタワー》

Ao《イーグル 出ます》

 

らでんを先頭に青が右斜め後ろに陣取る。まずは工場上空、敷地内から離れて周辺をぐるっと回るが特に異常なし。

が、突如として割って入る友人Aからの通信。特に異常こそ見られないが嬉しい誤算が告げられる。

 

Control tower《友人Aから各機へ》

Control tower《これから3機上がります》

Control tower《やっと揃いますね》

 

最初に離陸してきたのは黄色と白、茶色の多角形を組み合わせた現代風の迷彩を施した機体。

単発エンジンから鼓膜を破りそうな轟音を響かせて上がってきた。

 

突貫工事で誕生した戦闘機がいる。

1976年に提示された次期戦闘機計画。この期限は1982年。要するに6年で作れという無茶振りで始まった。

新しい形状を選ぶ余裕も時間もない、そんな中でこの機体は1950年代にブームだったデルタ翼へと原点回帰。

納入開始は1983年。翌年から実戦に投入可能になっている。

 

ミラージュ2000-5。

性能はF-16やMiG-29に匹敵し、低速においては非常に良好な使い勝手、という評価を得ている。

コストも高すぎず、やがてマルチロール機と化し、最新技師を多く取り入れた。

生産こそ終了したが復権を果たし、音速を超えた機体は──マッハ2級、大気を引き裂く『蜃気楼』である。

 

Kanade《ヤバい 結構緊張してきた》

Kanade《音乃瀬奏 ミラージュ 行きまーす!》

 

Raden《おぉ きゃなでぃ》

Ao《突っ込む気満々だね》

Kanade《そりゃもう!煽りまくるって!》

 

音乃瀬奏。主に敵機を煽り倒すような機動で冷静さを削いでチャンスを作り出し、その一方で油断した敵には手の内を読ませず撃墜する。

オン、オフを使い分け、主に空対空で活躍を見込まれたという。

奏、らでん、青の順に斜め右方向に並び、不恰好ながら編隊飛行が完成した。

 

Kanade《そんじゃ先頭はお任せー》

Raden《きゃなでぃ いきなり斬り込むかい》

Ao《まぁ 奏ちゃんらしいね》

 

続いて離陸してくる機体はらでんのF-16Cによく似た雰囲気を持っている。

が、カラーリングは全くの別物。対空装備でガチガチに固めて奏の左後方に機体を付ける。

 

『番長』と呼ばれる機体が存在する。

この機体は紆余曲折あり、ベース機にこそF-16Cを使用してはいるが全体の96%を改造、変更。

新技術を惜しみなく注ぎ込む、という超絶技巧と魔改造で誕生した過去を持つ。

また、要求を満たすための改造が各所に見られるこの秘話から『見た目以外は別物』という例えがよく使われる。

 

F-2A『ヴァイパーゼロ』。

四半世紀が経った現在でも第一線、特に敵艦船に対して『絶対に沈めてやる』という意思表示の如く積める対艦ミサイルは4発、約2.2t。

この状態で半径約830kmを飛べるため、ファンからは『対艦番長』の異名で親しまれる。

初飛行は1995年10/7。やりすぎな程に徹底した対艦性能を持つ本機は──『平成の零戦』とも呼ばれる。

 

Hajime《これがはじめの相棒… 押忍ッ!》

Hajime《轟はじめ ヴァイパーゼロ 行くじぇ!》

 

轟はじめ。ReGLOSSで最もドッグファイトを得意とし、後方を取られても巻き返して撃墜できると評されるメンバーでもある。

カラーリングはノーマルのF-2Aの塗装変更。洋上迷彩の薄い青は白に、深い青緑はラベンダー色に変更。

 

Ao《番長 待ってたよ》

Raden《なんか雰囲気が似てるような?》

Kanade《ホントだ 兄弟みたいな感じ》

Hajime《おっし やるじぇ》

 

最後に上がる機体が離陸、はじめの斜め左に陣取るべく上昇。機種は青と同じくF-15C。

最初こそタキシングもぎこちなく、見ている方が心配になるレベルだったが覚悟は決まったらしい。

ノーズから後ろは朱色から桃色のグラデーションという塗装する側が涙目になりそうな色彩。主翼、垂直尾翼、水平尾翼の一部分には薄紫がワンポイントで採用されている。

 

Ririka《行ける この子が分身なんだ》

Ririka《一条莉々華 イーグル 行きます!》

 

双発エンジンの爆音と共に隊列に参加、思いの外スッとはじめの斜め左に機体を付けた。

一条莉々華。不測の事態への対応こそ不安が残るが、それ以外はイーグルドライバーの及第点に達している。フレア曰く『ほんの少しだけ経験値が足りないくらい』らしい。

 

Ririka《やっほー》

Raden《リリー 待ってたとよ》

Hajime《壮観だじぇ…》

Kanade《嬉しいよね 全員揃うの》

Ao《そうだね 気合入れてこうか》

 

先頭に奏、二列目の左かららでん、はじめ、最後尾に左から莉々華と青が並ぶ。

機種こそ揃わずともV字編隊が完成。最初に揃えた隊形にしては整然としていた。

彼女たちこそ『ReGLOSS』、水面下で進んでいたDEV_IS計画の切り込み隊長となる存在だ。

 

Control tower《こちら友人A 全機の離陸を確認》

Control tower《V字編隊飛行 お見事です》

Control tower《早速ですが敵機が接近中》

Control tower《その数17機 やれますか?》

 

Ao《お任せを 各機 ステージに上がるよ》

Raden《よっ! 待ってました!》

Kanade《はいはーい 青さん隊長みたいだね》

Hajime《番長の出番ってとこかにゃ》

Ririka《オッケー 手が空いたら援護お願い》

 

♪セブンティーン/YOASOBI covered by ReGLOSS【歌ってみた/hololive DEV_IS】

 

F-4Eが7機、MiG-21bisが5機、J35Jが5機。冷戦期の名機が次々と侵入してきた。

幸いなことに今回は工場の破壊よりも戦力を削ぐ事を第一に考えたらしく、最初から重包囲を仕掛けてきた。

 

Ao《各機ブレイク らでんちゃんは番長と》

Ao《奏ちゃんは莉々華ちゃんとペアで》

Ao《僕は遊撃とサポート中心で動いてみる》

 

Raden《合点!》

Hajime《あいよー》

Kanade《はーい》

Ririka《頑張る!》

 

らでん、はじめペアはMiG-21bisに、奏、莉々華ペアはJ35Jに。青は単騎でF-4Eを迎え撃つ。

まずは青がAIM-120『AMRAAM』を2発、早速F-4Eを2級撃墜。15機まで減らす。

その後、らでんとはじめペアの援護へ。機関砲で1機を撃墜、これで多少は楽になると踏んだ。

 

Hajime《らでん 追い込み任せるじぇ》

Raden《はいな 番長 任された》

Ao《ちょっと 僕忘れてない?》

 

F-16の一族だけあり、上手くオーバーシュートさせて距離を稼ぎ、まるでサメが獲物を追うように機関砲で喰らいつくはじめ、らでん。

互いに1機ずつ仕留め、J35Jの数が2機まで減る。だが攻め手をここで緩めない。

 

Raden《さすが番長 やりますなぁ》

Hajime《らでんみたいな機動 はじめ無理だな》

Raden《じゃあ こんなのは?》

Hajime《あぶにぇーって!》

 

Errors UAV《エンジン被弾 エンジン被弾》

Errors UAV《任務継続不能》

 

前方にいるJ35Jを追う際、らでんの機体がはじめの機体の真上で背面飛行、強引にミサイルの位置を変える。

この体勢でF-16C、F-2Aはミサイルを発射。らでんの機体が水平になったと同時に見事にエンジンを抉り、J35Jは瞬く間に全滅という結果となった。

 

Hajime《おし 撃墜しちゃ》

Raden《了解 じゃ 次行きますか》

 

青は奏、莉々華ペアを追うMiG-21bisの数を減らすべく急行。が、後ろからF-4Eの群れが来る。

冷戦を代表する機体がタッグを組んで迫る。どちらもスピードだけならマッハ2級、同レベルだ。

 

Ao《番長 らでんちゃん ファントム頼むよ》

Ao《何なら引きつけるだけでいいかも》

Hajime《了解 ボコボコにしてやんで》

Raden《あいわかった 始末しますか》

 

Errors UAV《増援確認》

Errors UAV《了解 対処開始》

 

F-4Eの注意が逸れた一瞬を逃さずにAIM-9『サイドワインダー』を発射、MiG-21bisを1機撃墜。

腕はあっても不慣れな莉々華を中心に援護。奏と莉々華も1機ずつ撃墜できた。

 

Ririka《ありがと 助かっちゃった》

Kanade《青さんナイスー》

Ao《後は大丈夫かな?》

 

青は一度離脱、F-4Eに向かう。護衛と援護、両立が難しい立ち回りはらでん、はじめが支えてくれている。

MiG-21bisは左右に散開。続いてミラージュ、F-15Cも散開する。

 

Kanade《逃がさないよ! ほらほらァ!》

Ririka《外すもんか FOX2!》

 

後追いというポジションが功を奏してミサイルが直撃。MiG-21bisは火だるまになって墜落、残りはF-4Eのみ。その数5機。

綺麗にV字の状態でこちらに接近、徐々に間隔を開けて正面から見ると一直線にさえ見えてくる。

 

Errors UAV《相対距離算出》

Errors UAV《攻撃開始》

 

Ao《ReGLOSS各機へ 1機ずつ仕留めるよ》

Raden《了解!》

Kanade《はーい》

Hajime《あい》

Ririka《オッケー》

 

真正面に捉えたV字編隊。だが敵はまだ撃って来ない。

ヘッドオン。状況次第では好機と危機の紙一重になる状況が飛び込んできた。

 

Ao《迷わないで ミサイル発射》

Ririka《うん 行けぇぇぇ!》

Kanade《撃墜スコア更新ー!》

 

青、莉々華、奏は先手を打ってミサイルを発射。先頭3機が墜落していく。

所詮は無人機。AI仕様とはいえ、ヒトより咄嗟の判断力に欠けている。

そもそも帰還する気があるのか。そこからまず違ってくる。

 

Raden《番長 残りはセルフで》

Hajime《うい》

 

はじめ、らでんは各々標的を定めて食い千切り、今度こそ敵機の反応は全て消失した。

中央都市部エリア③から回線が開かれる。

 

Control tower《こちら管制塔 友人Aより各機》

Control tower《敵機の反応は全て消失 RTB》

Control tower《帰るまでがミッションですよ》

 

任意のタイミングで着陸、タキシングの後で友人Aからフレアに変わってデブリーフィングがあった。もちろん食堂、そしてリモートである。

まだまだひよっ子、とはいえエースの片鱗は見え隠れしていたらしい。

 

『まずは青さんから。指揮能力、知識ともに隊長機クラスです!単騎で遊撃する時は自分の周囲に集中してみてください』

「照れるなぁ…はい、やってみます」

 

『次にらでんさん。まさか曲技飛行みたいな動きをするなんて…確かに意表は突けます、でも誰と組んだか意識しましょう、ね?』

「承知です…アレ、下手したら酔うんで」

 

『奏さん。全体的にバランスは良いです、けど集中力が若干欠けてますよ?機体に振り回されないように頑張ってください』

「えうぅ…まだまだかぁ…」

 

『はじめさん。機体性能と得意分野が噛み合ってましたよ!もう少しリラックスして乗ってみましょうか。もっと伸びますよ』

「押忍っ!頑張ってみゃす」

 

『莉々華さん、ちょっと緊張しすぎてませんか?ここから経験値を積みましょう!あ、最後の執念は個人的に良かったですよ』

「あはは…でも何となく慣れてきました!」

 

普通に評価が高い者、釘を刺される者、まるで久しく経験しない終業式の通知表を待つ生徒と先生状態だった。

それでも最後は終了間際に『お疲れ様でした』と親指を立ててくれる友人A。いつもの友人Aには変わりない。が、青には既にピンと来た違和感があった。

 

「えーちゃんさん、まだ先だけど機体の受理、あるよコレ」

「青さん、分かるの?」

「奏ちゃんの評価の時。自分が後ろの席にいたような雰囲気だったからね」

「ほぇー…」

 

青が技術者の勘だよ、と付け加えてからハメを外さんと始まる打ち上げ。

新戦力の集結、これから少なくとも5機が加わる。

途中から視察から帰ってきたメンバーも乱入、混沌を極めるどんちゃん騒ぎになるのはまた別の話。




ハイ、というわけでReGLOSS全員集結です!
番長も最初から機体がパッと浮かんだ一人だったり。
ReGLOSSのセブンティーンの動画とリンクするシーンをちょいちょい入れてみたので探してみてくださいw
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