HOLOLIVE COMBAT〜Skyblue Triangle〜   作:ブラウ隊

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Mission11"魔女と悪魔の百鬼夜行"

ビーチエリア⑧。少し前までエラーズの航空機が確認されていたエリアにホロライブから3人が派遣されてきた。

軍港エリアの物々しい雰囲気とは真逆の南国感が漂い、慰安旅行になど選ぼうものならテンションが上がること間違いない。

軍港エリアとは山一つ隔てたほどの距離であり、ここさえ越えれば増援も容易な地形となっている。現在、昼過ぎ。

 

「船長の空母から来たけどさぁ」

「まるで楽園じゃない…」

「余、こんなん聞いとらん余…」

 

紫咲シオン、癒月ちょこ、百鬼あやめ。今このメンバーが着陸した滑走路は白い砂浜のすぐ近く。

だが今の季節は楽園どころか寒中水泳、基地の近くには若干ミスマッチな気がしないでもない。

むしろこの空で一戦交えるなど予想できない、というのが正直な感想でもある。AWACSが現在2機、という現実もあってか全戦力は注げない。

 

「ラウンジ行こう余」

「そうね」

「さすがに寒いよね」

 

ラウンジに入っていきなり大音量で響く着信音。シオンの画面を見ると『船長』の文字。スピーカーにしてテーブルに置いてみる。

 

『もしもーし?宝鐘マリンですぅー』

「船長どしたの?」

『ホントは船長がサポートするんだけどさ?さすがに空母じゃアレでしょ?』

「狙い撃たれる余?」

『だからウチのAWACSがそっち行くんだワ』

 

マジか。ポカンとする3人の目の前を遠くからでも見える巨大な機影が通過した。

AWACS『スプリングヘッド』。春先のどかを乗せた若草色のE767が高高度まで上昇していく。

まだスマホの会話は途切れず、マリンが喋り続けている。

 

『あー、できるだけ早く上がってほしいんだワ』

「まさか追われてる、とかじゃないよなぁ…?」

「ちょこ先生、元ヤン出てる余!」

 

AWACS《無線リンク完了… こちらのどか》

AWACS《追われてはいないです》

AWACS《ただ東に不明機が多数》

 

要するにエリア⑨との境界にいる不明機を撃墜、ただし向こうは気付いていない。

着任早々もう一度上がってこい。身も蓋もない言い方ならこうなる。

そしてこのエリア特有の地理的な厄介さ。それこそ東から攻め込まれたら洋上がメインになる。

 

「じゃ…仕方ない、やりますか」

「いつでもいい余」

「シオンも行けるよ」

 

急いでハンガーへ、早速空へと出戻りが待っていた。

先に離陸するのは2機のF-15。あやめがF-15Cに、シオンがF-15Jに乗ってスクランブル発進。

あやめは紅白に般若のマーク、シオンは薄紫に黒と濃い紫で塗装されている。

 

Ayame《不意打ちだったら楽かな》

Ayame《百鬼あやめ イーグル 行く余!》

 

Shion《ちょっと脅かしてやろっと》

Shion《紫咲シオン イーグル 行ってくる》

 

言わば逆輸入された機体が存在する。

ベースはSu-30MKI/MKM。これらの機体は本来は輸出型。故にアビオニクス類なども外国製だったものを自国製に変更。

21世紀のフランカーシリーズの一角でもあり、武装の面でも最新のものを統合してある。

 

Su-30SM。

それはSu-33などに代表されるカナード翼を持ち、推力偏向ノズルを搭載し、航空機らしからぬ挙動さえ手にした機体。

コードネームをフランカーH。大空を飛ぶどころか『舞う』と表現した方が的確なほどの運動性を獲得した。

 

Choco《お客様ね お迎えしなきゃ》

Choco《癒月ちょこ フランカー 行きます》

 

♪【original】NoDistance/癒月ちょこ【ホロライブ】

 

ちょこのフランカーはオレンジイエローにカナード翼、主翼、水平尾翼を斜めに桃色が突き抜ける塗装が目立つ。

垂直尾翼にはハートに蝙蝠の羽と本人らしさがこれでもかと突っ込まれた外見となった。

 

AWACS《機体照合 F/A-18Fが6機》

AWACS《増援も視野に入れて対応を!》

 

Choco《了解 任せて》

Ayame《確かに少ない余》

Shion《アイツ 隊列からはぐれた…!》

 

シオンが敵の隙を逃さずに突っ込み、すぐに1機を撃ち落とす。あやめも続いて1機を撃墜。

ちょこのフランカーはと言うと4機に突っ込み、推力偏向ノズルを巧みに操って敵機を撹乱。

時として空中でドリフトするような機動で背後からミサイルを撃ち込み、2機を一気に葬り去る。続いてシオン、あやめが1機ずつ撃墜し、まずは第1波を退けた。

 

Choco《撃墜に成功 これだけ?》

Shion《あやめ ナイスキル これで反応ゼロ》

Shion《待って 何で18機もいるの》

Ayame《上だ余! 爆撃機と護衛機!》

 

AWACS《スプリングヘッドから各機!》

AWACS《上空に敵機の増援を18機確認》

AWACS《南から侵入してきます!》

 

B-52が4機。残りはF/A-18FとF/A-18Eが7機ずつ。『南から』攻め上がってきた。

本来ならビーチエリア⑧の南はどこへも通じていないはず。例えばオープンワールドのゲームでも必ずある『先に行けないエリア』に相当する障壁を越えてきた、ということになる。

 

Choco《クソッ こっちに7機》

Choco《向こうも諦めてなさそうね》

Ayame《機体も滑走路も蜂の巣になる余!》

Shion《ねぇぇ! 3機じゃキツくない?》

 

B-52はまだ鈍足。が、F/A-18EとF/A-18Fの両タイプが厄介な存在と化している。回避、迎撃に時間を割かれればそれだけB-52の接近を許す。

が、B-52が滑走路に辿り着くことはなかった。4機全てが炎に包まれ、爆発音と共に鉄屑となって海中に沈んでいく。

これは自然発火か。否。軍用機が自然発火などしない。要するに『撃墜された』。

では『回避などできないほど遠距離からミサイルを撃ち込める機体』は何か。

 

Aqua《よっし ギリギリ間に合った》

Aqua《あてぃしもいるよ!》

 

F-14D『スーパートムキャット』。

あくあの一撃はB-52に全て突き刺さり、AIM-54の名称と同じく火の鳥へと変貌させた。

これで残りは護衛機のみ、各個撃破で事足りる。ただ『数が多いだけ』の無人機に紛れて1機だけ妙に動きの良い機体がいる。IFFでは味方と表示されていた。

 

Subaru《スバルもいるんですケド!?》

Subaru《さぁ来い 戦い方を教えてやるぜ!》

 

F/A-18E『スーパーホーネット』。

たまたま哨戒から帰る途中、あくあのF-14Dが見えたためこのエリアまで追って来たという。

目にしたのは自分と同じ機体の群れ、正直なところ『型にはまりすぎた』動きとしか見て取れない。

通信を開き、各機に指示を飛ばし、敵機の動きのクセを読む。自分流の戦い方で3機を撃墜、先頭に出る。

 

Subaru《うっし スバルの出番か》

Subaru《あくあとシオンはペアで動いてくれ》

Subaru《あやめ 一緒に突き崩すぞ》

Subaru《ちょこ先 遊撃と周囲の状況頼む》

 

Aqua《負ける気? しないっての!》

Shion《しょーがないなぁ》

Ayame《了解 先に突っ込む余!》

Choco《スバル 指揮はお願いね》

 

各機がブレイク、指示の通りに動く。

あくあ、シオンがF/A-18Fに向かい、スバルとあやめがF/A-18Eに、遊撃にちょこ。

みるみるエラーズ所属のF/A-18Eが墜落し、残りは3機ほどまで減少した。

 

Subaru《あやめ スバルの後ろのヤツ頼む》

Ayame《余から見れば遅いんだ余!》

Subaru《ちょこ先 囲い込むぞ スバルも反転する》

Choco《どう料理してやろうかしら》

 

一方、シオンとあくあも高速を活かして着実にF/A-18Fの数を減らしていた。

AIM-54を4発消費したあくあが囮となり、後ろを追う機体をシオンが狙い撃つ。空軍のF-15と海軍のF-14、トップクラスの人気を持つ機体がタッグを組んだ。

 

Aqua《よし 良い感じに追って来てる》

Shion《あくあちゃん 次のグループは》

Aqua《まだ低空 次はあてぃしが後ろになる》

Shion《了解 先にコイツら始末しとくわ》

 

Errors UAV《ダメージ蓄積 蓄》ザァァァ

 

シオンのF-15Jが次々と撃墜数を増やす中、あくあのF-14Dは大きくスプリットSで高度を強引に下げてF-15Jを『追わせる』。

当然シオンが標的となる。が、その背後から、低い高度から狙うF-14Dはかつて『狂犬』や『歩く災害』、『特攻戦車』などの称号で呼ばれた存在。捕食者も同然だ。

そして──超音速とはいえマッハ2にも満たない機体はいつでも喰える。それだけのスピードをF-14Dは持っている。視界にF/A-18Fを2機確認。

 

Aqua《あてぃしに隙 見せすぎィ!》

Aqua《っしゃあ! 我マスターランクぞ!?》

Shion《速い 『狂犬』は健在だね》

Shion《味方機…? ちょ あのファントム!》

 

Marine《あくあ やってんなぁ?》

Marine《船長も混ぜてくださいよォ!》

 

マリンのF-4Eが飛来、いきなりSAAMを発射する。捉えたのはあくあの後方のF/A-18F。

セミアクティブ空対空ミサイル。表示される円に敵機を捉える限り追尾が続く代物だ。

故に遠距離からの狙撃に向き、後続機を撃墜。ほぼ同時にあくあも追撃していたF/A-18Fに機関砲を叩き込み、火だるまにした。

 

Aqua《船長 空母は!?》

Marine《るしあに留守番お願いしてきた》

Aqua《のどかちゃん 敵の数は?》

AWACS《F/A-18Fは次で最後です!》

 

Marine《なら『深紅の幻』の本気》

Marine《見せてやろうじゃん…》

 

眼帯を乱暴に外し、赤と黄色のオッドアイで睨むF/A-18Fにまずは機関砲を浴びせて動きを封じる。

その後、雲に突っ込み、シオンとあくあが狙われたと確信してからは速かった。

まずは一旦低空へ。フルスロットルで反転、レーダー上では敵機を追い越してインメルマンターン。

高度を上げ、水平に機体を戻す寸前の背面飛行。この一瞬、唯一のヘッドオンで機首にミサイルを撃ち込んで機体を垂直に傾け、接触を避けながら右に旋回。

自分自身で撃墜を確認できる上、奇襲にも向く。軍港エリアのトップエースならではの荒技が炸裂した。

 

Marine《セイレーンが呼んでるんだワ!》

Shion《一瞬じゃん… あんなの怖くて無理》

Aqua《ね ヤバいでしょ》

 

敵からすれば僅かな時間。額に銃口を突き付けられた次の瞬間には撃たれたようなものだ。

まさに幻。ファントムの名に相応しく姿が見えるのは一瞬しかない。噴き上がる水柱が撃墜の合図だった。

 

Subaru《向こう早くね!?》

Subaru《こっちもペース上げるぞ》

Ayame《油断してるから 貰った余!》

Choco《残り1機 逃がさない》

 

あやめのF-15CがAIM-120の複数ロックで3機を一度に葬り、エラーズ所属のF/A-18Eは残り1機となった。

猛獣の群れに囲まれたような気の毒さすら感じるが相手はAI、ちょこのSu-30SMが至近距離から機関砲でエンジンを抉り取る。

 

AWACS《スプリングヘッドより各機へ》

AWACS《敵機の反応なし お疲れ様でした》

AWACS《着陸まで気を抜かないでください》

 

Shion《終わったぁ》

Marine《ちょっと滞在しよっか…》

Aqua《あてぃしも》

Subaru《スバルも 燃料もキツいしな》

Ayame《賑やかになる余!》

Choco《厨房借りても良かったっけ》

 

のどかもAWACSという立場こそあっても密かにガッツポーズし、合法的にサボれるとテンションが上がっていた。

タキシングの後でまだ余裕のあるハンガーに機体を入れて各々が降りてくる。

その夜、ちょこのフルコースが食堂に並び、ちょっとした打ち上げに。

 

『かんぱーい!!!』

 

「え、船長がこの中で…後輩…!?」

 

普段はパッションで押し通すマリンが珍しくビビっている。それもそのはず、目の前には2期生のオールスター。エク◯ディアに例えられたホロメンが集結している。

配信でコラボする時とは明らかに違う、空の上に例えるならエース部隊に遭遇したルーキーに近いオーラの差に似た何かがあった。

 

「まさかスバル達に遠慮してんの?」

「空母に泊めてもらったんだしさ!」

「ほら、冷めないうちに」

「夜は長い余?」

「船長、こっち来てあてぃし達と飲も」

 

「それじゃ遠慮なく…出航ォォォ!」

「よ、よーそろー…」

「後でスバルがえーちゃんに一報入れとく、無理すんな」

 

のどかが早々に酔いながらもコールを返してくれる。誰もが察した二日酔い直撃コース。もうのどかのライフは0である。

そんな中、真っ赤になるまで飲んだホロメンがここにも一人。

 

「一発芸、ゴ◯ャハギ」

「あやめ、もうやめとけ、な!」

「あてぃしよりペース早いよ」

 

この打ち上げの翌日、ここにいる全員が二日酔いに見舞われたのは言うまでもなく、午後からやっと動けるようになった。

友人Aにメッセージ機能で南方からの敵機の情報を共有したのどかは何があったか『orz』の3文字を打ち込んだという。

 

「懐かしい文字打ってくるなぁ」

 

友人Aは中央都市部エリアの自室で後輩からのメッセージに『お疲れ様』と返信していた。




ハイ、今回初めて他のエリアから増援を呼んでみました!
JPとDEV_IS全員出たら一部乗せ替えイベントの予定です!
その前に部隊編成回も挟む…かな?

今回は2期生コンプ、シオンちゃん乗せ替えるならコレだろ!って機体も目処が付いたのでお楽しみに!
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