HOLOLIVE COMBAT〜Skyblue Triangle〜 作:ブラウ隊
未開拓エリア⑨の敵勢力に対して近隣からホロメンが集結して2日。現在0800。
西方から4機が一足遅れて合流してきた。未開拓エリア⑨はおそらく洋上。ここ、ビーチエリア⑧が最も近く、仮に管轄下に置くにしても3機では心許ない。
そこで軍港エリア⑦からも増援として友人Aが数人ピックアップしていたという。
「ん、白上が管制塔やるから休んでいいよー」
「整備は僕に言ってくださいね」
「ちょこ先、これで最後だよな?誘導頼む」
「ハンガー足りるかしら」
Marine《こちらマリン 着陸しますよぉー》
Aqua《船長 凄い数集まってるよ》
Korone《こぉね達が索敵担当だっけぇ?》
Pekora《この賭け 乗らせてもらいますよと》
ぺこらを加えた4機が滑走路に着陸、タキシングしながらハンガーに入る。
ラウンジ、食堂、全てがホロメンで溢れ返る光景は事務所以来となり、どことなく懐かしい。
が、そうも言っていられない。滑走路に野ざらしになったF-14DはAWACSの代わりとなり、レーダーに敵機が映り次第先陣を切って離陸するという。
「凄いなぁ…まるで博物館だよ。忙しくなるな」
「あてぃしの機体、頼むね」
「こぉねのもバッチリ仕上げてね〜」
青は今回のミッションでは整備を主に担当、被弾した機体と交代する形で出撃というポジションになり、それは敵の数が尋常でない事を意味する。
既にF-14Dを優先的に整備し終わり、ころね、あくあはスタンバイして滑走路に再び機体を待機させていた。
まずはF-14Dが離陸、残りは各分隊で遊撃。手当たり次第に敵機の数を減らし、あわよくば大打撃を与える。
敢えて言葉を選ばないなら脳筋ローテーション。必要に応じて青に交代、被弾がないなら青も離陸して総攻撃を仕掛ける算段だ。
分隊の内容も改めて確認、変更。スバルがスマホから各員へとメッセージを飛ばす。
「これでよし、と」
「スー君お疲れ、ハイ、スポドリ」
「サンキュー」
「白上もやったるよ!」
その内訳が以下の通り。
第1分隊は隊長機にマリンを、僚機はぺこら、沙花叉。ころね、あくあは後ほど合流する。
第2分隊の隊長機にはフブキを、僚機はみこ、ラミィ、ルーナ、かなた。
第3分隊はスバルを隊長機としてちょこ、あやめ、シオン。
青はタイミングを見て離陸する手筈となり、各々が組み分けに従う事になる。
自室で、ラウンジで、食堂で、ハンガーで。各自のスマホに届いた内容を理解しているはず。
背伸びをしたスバルは目の前にいるフブキとマリンに向けて拳を差し出す。今回の隊長機に抜擢されたメンバー同士、言わなくても分かっていたらしい。
コツン、と軽く拳を突き合わせて不敵な笑顔を浮かべる。全員での総力戦ではない。が、これだけのメンバーが集結して破れない壁などない、と。
「って事で指揮系統はこの3人で行くから」
「はいよ!頑張るぞい」
「任せてくださいよぉー!」
下手をすれば作戦通りに行かない可能性もある。今ここにいるメンバー全員に言えるが──考えうる限り『最悪の結果』が降りかかる可能性さえある。
それでも誰も欠けない、欠けさせない。完全勝利を共通の目標とした隊長機の風格がある3人がここにいる。
一方、滑走路に待機状態のF-14Dが2機。ころね、あくあの両名はレーダーと格闘していた。雲もそれなり、コクピット内が高温になることもなかった。が、それは突然飛来した。
Aqua《レーダーに反応! 何コレ デカい!》
Korone《違う 機体の群れだでな》
Aqua《まるで魚群探知機じゃん!》
Korone《軽く60機はいるよコレ》
Ao《こちら青 先遣部隊 発進を!》
Ao《ただし深追いは厳禁です 後続を待って》
いつの間にか管制塔から青が通信回線を開き、ころね、あくあに指示を出す。
まずは空中で索敵。頭数だけは妙に多い敵機は障害物一つない空を悠々と飛んでくる。機種はまだ不明だが恐らく艦載機。仮にそれ以外である場合、みこの転送装置の説が濃厚になる。
Aqua《内容は了解 湊あくあから管制塔へ》
Aqua《トムキャット 行くよ!》
Korone《戌神ころね トムキャット 出るよ》
2機のF-14Dが離陸し、まずは回避に徹する。最初に分離してきた20機はMiG-21bis。デビューした時期こそ似たり寄ったりだが、一斉にブレイクされると目で追いにくい。
Ao《青から各分隊へ 先遣部隊周辺に敵機》
Ao《合流および制空権の確保 頼みますね!》
Marine《宝鍾マリン ファントム 出ます!》
Marine《第1分隊各機 続け! 援護に入る》
Pekora《兎田ぺこら ファルコン 行くぺこ》
Chloe《沙花叉クロヱ フランカー 行くよ!》
Marine《マリンから各機 確実に撃墜すんぞ》
Marine《あくあ ころね先輩は一旦合流を》
Korone《あいよ〜》
Aqua《了解 今行く》
まずはF-4E、F-16C、Su-35Sが離陸、5機のV字編隊飛行へ。その背後を突くようにA-6Eが10機迫ってきた。
そこを担当するのはフブキ率いる第2分隊。第1分隊とは真逆の方向に矢継ぎ早に離陸していく。
Fubuki《第2分隊白上フブキより管制塔へ》
Fubuki《フォックスハウンド 出るぞい!》
Miko《さくらみこ ファルクラム 行くにぇ》
Kanata《天音かなた イーグル 行きます!》
Luna《姫森ルーナ スパホ 出るのら!》
Lamy《雪花ラミィ シーフランカー 出ます》
Fubuki《白上より各機 攻撃機が来る》
Fubuki《滑走路を潰されないように!》
Miko《了解 やっぱ転送装置ありそうだな》
おそらく最初に全滅させる事になる攻撃機。だがそう簡単にはいかない。後方から増援として迫るのはMiG-29の10機編成。
火力と機動力を機体ごとに分担し、数にモノを言わせて一斉にブレイク。同時刻、まるで急かされるように第3分隊が滑走路にタキシング。
シオンは最終確認で3分程度遅れて、他のメンバーは一足先に離陸していく。
Subaru《第3分隊大空スバルから管制塔》
Subaru《スーパーホーネット 出るぞ!》
Choco《癒月ちょこ フランカー 行くわよ》
Ayame《百鬼あやめ イーグル 出る余!》
Subaru《よっし ここが正念場だ》
Subaru《記念ライブみたいに気合入れろよ!》
向かうのは高高度、4機のB-52の護衛に16機が随伴。F/A-18C、J35Jがそれぞれ8機ずつという大世帯だ。
そして飛行機雲が交差する空を見上げてタキシング、エンジンの力強いサウンドと共に離陸していく機体がいた。
Shion《今からシオンが魔法をかける》
Shion《君 魔法使いに相応しい機体だってよ》
有終の美を飾った実験機が存在する。
アジャイル・イーグル・プロジェクト。短距離離着陸機の開発の他、将来的な技術の検証も兼ねた計画である。
従来のF-15シリーズとは違い、カナード翼を採用。その異端じみた姿から間違える方が難しい唯一無二の外見となった。
なお、このカナード翼はF/A-18C/Dの水平尾翼を流用した──空軍と海軍のハイブリッドを具現化したような、同じ会社の機体同士だからこそ実現した融合の結果として誕生した魔法の機体だ。
Shion《紫咲シオン MTD 行ってくる!》
F-15S/MTD。
結果から言えばカナード翼はこの機体以降のF-15シリーズに採用される事はなかったが、この機体で得た技術は今でも生きている。
推力偏向ノズル。F-22Aにも採用され、高い機動力を実現した代物はF-15S/MTDなくしてこの世になかった。
その進化こそ一瞬だった。だが──かつて『世界最強と呼ばれた鷲』から『世界最強と呼ばれる猛禽』が受け継いだ遺伝子の一角は確かに存在し続けている。
1991年8/15。この日に退役するまで、たった1機で技術的なバトンタッチを成し遂げ、最強の看板を見事に繋いだ幻の機体である。
Shion《お待たせーw》
Subaru《気にすんなって いい機体貰ったな》
Choco《随分と見た目変わってない?》
Ayame《余のイーグルよりカッコいい…》
機体カラーは黒と紫をメインに塗装されたデジタル迷彩。国籍マークの代わりに主翼の両端に黄緑で魔法陣がペイントされ、垂直尾翼はデカデカと薄紫の三日月が描かれていた。
基地に接近はさせられない。特にB-52は最優先で撃墜する必要性がある。が、高高度からいきなりB-52と護衛機が高度を下げる。下には第1分隊、第2分隊がいる。
Marine《そんな強くないのに クソっ 速い》
Marine《固まってたらやられる ブレイク!》
Korone《あいよ〜》
Aqua《了解 船長も気をつけて》
Pekora《分の悪い賭け? 上等ぺこ!》
Chloe《ならシオン先輩探すわ》
沙花叉とぺこらが口火を切ってまずは1機ずつ撃墜。格闘戦に優れた機体はMiG-21bisに対して比較的有利に立ち回り、ころねも我流で身に付けたドッグファイトで2機をまとめて撃墜。
あくあのF-14Dは本来の狙撃仕様、さらにマリンのF-4EはMiG-21bis共々冷戦を代表する機体かつ因縁浅からぬライバル機同士、という経歴から確実に仕留められるポジションを伺う。
Fubuki《白上より第2分隊各機 反転します》
Fubuki《戦闘機は後でいい 攻撃機を潰す!》
Lamy《任せなー! やったろうじゃん!》
Miko《みこだって 頑張るから見てな!》
Kanata《後ろの戦闘機は僕がやる》
Luna《天音ちゃ 世話が焼けるのらね》
かなた、ルーナはそのままMiG-29の足止めへ。フブキ、みこ、ラミィはA-6Eの撃墜へ向かう。中でもフブキのMiG-31はスピード狂の化身、まさに秒殺で2機を葬った。
そこに高度を下げながら接近する第3分隊が担当する一軍。エラーズが送り込んできた戦闘機、攻撃機、爆撃機が入り乱れるカオス状態が完成した。
空が狭いとはよく言ったもの。敵味方が入り乱れ、専用カラーに塗っていなければ誤射されても文句は言えない状況と化していた。
そして何より密集隊形はリスキーすぎる。現在確認できるだけで54機。この半数にも満たないホロメンがいくらエース級に近いとはいえ、圧倒的な物量を覆すにはバラけるしかない。
Subaru《やっぱ押されてるか しゃーねぇ》
Subaru《スバルから空域にいるホロメン各機》
Subaru《隊形の維持は悪手だ ブレイク!》
Marine《了解! マリンから第1分隊各機》
Marine《手当たり次第にブッ潰せ!》
Fubuki《あいよ! 白上より第2分隊各機へ》
Fubuki《好き勝手暴れてやりな!》
Subaru《スバルから第3分隊各機へ》
Subaru《爆撃機だけ始末したら各自で遊撃な》
Subaru《今日はフルコースだ 食い荒らせ!》
スバルの指示で全機がソロで動く。大空警察署長の椅子は伊達ではない。ちょことシオンは機動性を活かして護衛機を引き付ける。
あやめとスバルは初手からB-52にAMRAAMを叩き込み、4機のB-52は火だるまになって海面へ。護衛機を引き剥がされ、戦闘機並みの機動性も持たないボス枠が巨大な水柱を上げて粉砕された。
Errors UAV《戦力低下 脅威レベル更新》
Errors UAV《戦術プログラム再構築開始》
Errors UAV《ブレイク ブレイク》
Miko《相変わらず不気味な音声してんなぁ》
Fubuki《攻撃機が逃げ切れるかって!》
Lamy《墜ちなー!フォックス2!》
超音速に及ばない攻撃機など戦闘機から逃げ切れる訳がない。フル爆装なら尚更、皮肉にも必殺の一撃が速度を落とす要因となる。
煽り運転にも似たパッシングで真後ろを取り、フブキ、みこ、ラミィが機関砲で各1機、ミサイルを同じく各1機に叩き込み、一瞬でA-6Eは4機まで激減。残りは一旦滑走路を諦めてブレイク。
が、これを逃さない機体がいた。ぺこらのF-16C、ころねのF-14Dだ。
Pekora《いいとこに撃墜スコアきちゃらァ!》
Korone《こぉね達の基地はやらせないよ》
ドッグファイト特化の2名に睨まれ、回避行動を取るA-6E。だが執拗さに定評のあるメンバーが相手だったことが災いし、2機ずつ撃墜され、攻撃機は全て滑走路を外れて墜落。
残りは全て戦闘機、ここから反撃が始まる。相手はAI。型にはまった、プログラミングされた行動のクセを読めば大した事はない。
Subaru《ドラケンはピーキーだから後に回す》
Subaru《まずはハチ退治だ できるよな?》
Choco《もちろん 料理してあげる》
Ayame《余からすれば止まって見えるぞ》
Shion《了解 一瞬だっての》
Errors UAV《各武装セーフティ解除》
Errors UAV《ウィルコ 包囲開始》
Marine《まずい コイツらの動きが変わった》
Aqua《近くの機体とリンクした…!?》
Subaru《警戒しとけ まず渦から抜け出すぞ》
Choco《もう! 分隊どころじゃないわ》
Kanata《ミサイルアラートが止まない!》
Lamy《嘘だぁ!? 今の避ける!?》
倍の戦力が包囲に動き、ホロメンの各分隊がごちゃ混ぜに、エラーズ側の機体も同じくカオスになる。
ホロメンが撃墜した機体が何なのか、もはやそれも不透明な状況で再度ブレイク。編隊飛行もままならず、偶然の産物で集まった一群が存在した。
Marine《こちらマリン 近くに誰かいる!?》
Miko《あい カオス空間もいいとこだにぇ》
Chloe《ホント 沙花叉の部屋より酷いっすよ》
Kanata《上下左右が敵だらけじゃん》
Luna《でも合流できて良かったのら》
Fubuki《よっし 振り切った》
Lamy《こっから巻き返してやんよ!》
この先頭に上昇してきたのはF-15S/MTD。総勢8名の魔法使いが集結、それは次第にへの字を描く編隊飛行に姿を変える。
流れるように反転、小魚が密集するベイトボールのような戦闘機の群れに向かい、シオンが回線を開く。
Shion《魔女がこんなに集まるなんて》
Shion《壮観じゃん ホント》
Shion《この光景 絶対忘れない》
ここがまさに魔法の使い所。そして腕の見せ所。場数こそ少ないものの、ぶっつけ本番など慣れたもの。
他のメンバーが逃げる場面、撃墜する場面、様々な状況を確認し、ホロライブ『最強の魔法使い』は突撃の二文字を呪文にして先陣を切る。
Shion《シオンから全機 最大推力でぶつける》
Shion《魔法使いの独壇場にするよ いい!?》
♪【original】メイジ・オブ・ヴァイオレット【ホロライブ/紫咲シオン】
Ao《こちら管制塔 シオン先輩へ》
Ao《ブラックブラインド・アサルト 使えます》
Shion《あぁ アレね やってみる》
Shion《沙花叉 船長 ぶっつけ本番だけどさ》
Shion《タイミングだけ合わせてよ》
Marine《オッケー 何その合体攻撃》
Chloe《沙花叉はいつでも》
Chloe《待ってw これw 頭文字www》
突如として爆笑する沙花叉。何かがツボにハマったらしい。
Black Blind Assault。この頭文字を取ってみよう。BBA。当然ながら『ある人物』の逆鱗に触れる事となった。
そう、枯れ木だのヒステリックだのお局だのとプロレスしてきたこの人物のレーダーが感知しない訳がない。
Marine《ちょい待て 青くん?》
Marine《マリン船長だろぉぉぉん!?》
Fubuki《落ち着け!》
Fubuki《ヒステリックBBAになってんぞ!》
Lamy《人に当たるのやめなー!》
『いつもの』プロレスそのままにシオン、クロヱ、マリンは雲に突入。一歩間違えば敵と激突するギリギリを攻め、機関砲でJ35Jの単発エンジンを抉り取る。
これを数回繰り返し、J35J、MiG-29、MiG-21bisを各3機ずつ葬った後はマリンのF-4Eが先頭となったデルタ隊形へ。
Marine《シオンたん 沙花叉 アレやるぞ》
Marine《ケルベロスの構えッ!》
Shion《はいはい》
Chloe《はいはい》
渦に似た敵機の群れは当然ながら機体の感覚が狭くなる。ここにミサイルを叩き込み、あわよくばダブルクラッシュを狙う。
ここに割り込んで来たのはぺこらのF-16CとあやめのF-15C。ギャングで組んだ両名が低空を担当し、ケルベロスの構えを崩させない。
Pekora《大フィーバーやん 撃ちまくるぺこ》
Ayame《余も負けてらんないなぁ!?》
Fubuki《GTAみたいな展開は勘弁な?》
Pekora&Ayame《ねーよ!》
一方、みこ、かなた、ルーナは堅実かつ慎重に1機ずつ敵機を削り、J35Jは最後の1機が墜落。ピーキーさがハンデとはいえ快挙を成し遂げた。
この何が凄いのか。指揮を執るのはさくらみこ、こと今回においては『み俺恥』とは言えない、言わせない。
Miko《かなたん んなたん ハチ退治行くぞ》
Luna《相手ホーネットかよぉぉぉ》
Kanata《アナフィラキシーショックなるって》
Miko《あなりてぃらしぃしょっく?》
あ、やっぱPONだった。かなたとルーナはこの言葉を飲み込んだ。これが配信画面なら間違いなく『み俺恥』が飛び交うレベルの言い間違いである。
この妙な緩さでいながらF/A-18Cを確実に射抜き、まずは2機を撃墜。が、本命のF/A-18Cはこの小隊の後方から接近していた。
ほぼタイミングを合わせてインメルマンターン、主翼にミサイルを突き立てて全員が1機ずつ撃墜を記録、残り3機へ。
Miko《あんだお? コソコソしてさぁ!》
Kanata《みこ先輩 こんな隊長っぽかった?》
Luna《聞こえるのらよ》
Miko《でゃまれw聞こえてんだよなぁw》
Errors UAV《脅威レベル再度更新》
Errors UAV《追撃開始 フォックス2》
地味すぎる差だが──F/A-18CはF/A-18Eよりも少しだけ速い。それを理解した上で最後尾にルーナを配置、引き付ける。
この後、みこ、かなたが機体を垂直に傾けてターン。ヘッドオンで2機のキャノピーに機関砲を叩き込む。
対人なら躊躇した。が、所詮AI。アプデこそ繰り返されているにしろ制御されるが故、柔軟性に欠ける。
Luna《よし 食いついたのら》
Miko《かなたん 今だにぇ!》
Kanata《そろそろハチ退治も終わりかな!》
Miko《んなたん ラス1任せた!》
Luna《お疲れ様なのらね》
F/A-18Cも全滅、多少は融通が効く戦況に傾く中、MiG-29に対して無双状態の2機がいた。
片やスピード狂の化身、片や巨大なインファイター。7機にまで減っていたとはいえ、文字通り敵が『振り回されて』いる。
Fubuki《よし 背後取った 追撃ーつね!》
Lamy《やるんか! イィヤッホォウ!!》
フブキ、ラミィは一撃離脱を繰り返し、機動性に優れるMiG-29の長所を封じる事に徹しながら1機ずつ撃墜する。
そんな中で反応が3つ消失。代わりに味方の反応が1つ。F-14D、ころねの機体がそこにいた。
Korone《ほらよ〜 こんな感じ?》
Fubuki《ころね ナイス!》
Lamy《狙われたくないなぁ》
ころねのF-14DはAIM-54『フェニックス』は搭載していない。代わりにAIM-9『サイドワインダー』に加えてロケット弾で固めた近距離仕様となっている。
遠距離からの狙撃ではなくドッグファイトに特化させ、背後を取ったそばからロケット弾をエンジンにブチ込むという戦い方を採用。
F-14Dらしからぬ挙動に恐怖したが最後、敵に回したら最後。並外れたスタミナの前に屈する羽目になる。
Korone《弾切れも近いし戻るでな〜》
Fubuki《了解 バトンタッチよろしく》
Lamy《さて やりますかぁ》
Fubuki《突撃ーつね!》
おそらく渦と化した敵機の中に最後まで奮闘したと思われるF-14Dところねを見送り、MiG-31とSu-33が反転、残ったMiG-29にヘッドオン。
ミサイルを撃たせる間もなく背面飛行で後方に突き抜け、水平に戻した直後にスプリットSでミサイルをエンジンに突き刺した。
Fubuki《反応消失 こっちは終了じゃい!》
Lamy《そろそろ風向き変わるかな》
Ao《こちら青 少しは残ってますよね?》
残りはMiG-21bisのみ。15機ほどまで減ったところに離陸してきた青のF-15Cがダメ出しの機関砲を発射。また1機が墜落する。
今まで劣勢としか言えなかった状況をここまで巻き返し、残存部隊は何度も一戦を交え、勝手を知り尽くした機体だ。
Subaru《スバルから2期生各機へ》
Subaru《編隊を組み直す 集まれるか?》
Aqua《オッケー 揃うの久しぶりじゃん》
Choco《ちょこは大丈夫》
Shion《今行く 待ってて》
Ayame《ん 了解だぞ》
再び揃った『無敵の小隊』。合図など不用、スバルを先頭に自然とV字編隊が形成され、異機種が整然と並ぶ。
それは徐々に間隔を縮め、それでいながら衝突しない余裕もキープした状態で、同じタイミングで旋回、MiG-21bisの群れを視界に捉える。
Subaru《2期生各機 花火大会の時間だ》
Subaru《弾切れまで叩き込め!》
Aqua《了解 やってんねぇ!》
Choco《もう逃げられないんだから》
Shion《魔法の出番なんかないじゃんw》
Ayame《狙われたら最後だ余!》
ホロライブのエ◯ゾデ◯アは伊達ではない。単騎でもエース級との呼び声が高いメンバーが集結し、一斉にミサイルなど撃ったらどうなるか。
一斉に加速し、機関砲など撃ったらどうなるか。答えは単純明快。直撃を受けたMiG-21bisの群れはドス黒い花火と化し、その中を突き破ってきた5機が答えに他ならない。
Ao《敵機の反応なし キャプチャークリア…》
Ao《ホントに勝っちゃいましたよ…》
Subaru《よし 全機お疲れさん》
Subaru《着陸までがミッションだ RTB》
ころねが大きく手を振るのを目印に各機が着陸。間違いなく過去最多の敵機を相手にしたため、増援として送り込まれたホロメンの機体も消耗が激しい。
滞在期間も数日どころか数週間に延びるのは確実。燃料バッバイー状態となり、何より青だけでは整備が追いつかない。
「損傷箇所は特になし、か…数日に分けないと」
翌日、青は弾薬やミサイルが半分以下になったであろう機体の博物館のようなハンガーにいた。
確かに技術者志望だった。でもこの量は聞いてないぞ、とスパナ片手に某SNSに呟く寸前まで指が動いたという。
「見てるだけなら飽きないんだけどな」
技術者志望にはまさに眼福だ。一応エンジンは念入りにチェックしておく。
今回、エラーズの被害は無視できないものになったはず。少し長い目で見るなら未開拓エリア⑨の攻略にも多少なりとも影響してくるのは確かだ。
「青くーん!麦茶冷えてるってよー」
「あ、今行きまーす」
パイロットにも燃料補給。シオンの声が休憩の知らせとなり、青はスマホのカメラをオフにした。
空域B7Rみたいにしてたらまさかの月末に((((;゚Д゚))))
お待たせしました!シオンちゃんの後継機、F-15S/MTDです!
エスコンで魔法使いなんて言ったらソーサラー隊っすよね!
魔法使い繋がりでホロウィッチに選ばれた8人はほぼ最初から頭にあったんで数もソーサラー隊と同じ、「最大推力」も採用してみましたw