日本帝国興亡記   作:ロドニー

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 激動の時代を生き抜いた女傑王女のメアリーのやらかしである。


序章とやらかし王女

 

 皇居内の離れには英国の建築様式の古い洋館があり、室内はアンティーク調に統一された様々な家具や食器などがある。洋館の主の世話と見守りの為に宮内庁から派遣された数名の侍女と嫁入りした時からイギリス王家から派遣されている侍女とその侍女の娘の親子を併せた四五人しか居ない。

 

 

 

 そして、洋館の主の姿は淑女の様にしっかりとした背筋、イギリス人の白髪の老婆であり、日当たりの良いベランダにて白いアンティーク調の椅子に座り、テーブルにティーカップのソーサを置きながら国立図書館から取り寄せた当時の新聞を観ながら深いため息を吐く。

 

 

 

 「はぁ…。わたくしのやらかしと言えども、之は恥ずかしいものですね…」

 

 

 

 鋭い表情から抜けた様な主の呟きに一人の侍女はコケる事無く、主が観ていた新聞に視線を送れば確かに新聞の見出しにはこう書かれていた。

 

 

 

 『ス結婚シ撃突ニ国本リナル知ヲ妊娠ヲ子御ノト子太皇ノ國帝本日大、女王筋脳ノ國帝英大』

 

 

 そして、新聞の内容を見て思い出すだけでも床に転がり羞恥心で死にそうなるが、確かにあの頃は若かった。

 

 

 

 ただ、前世で愛した日本の未来を良くしたいとの一心で只管に激動の時代をより良き未来にする為だけに激走した時代だった。

 

 

 

 当時、日本へと行く為に日本の皇太子に確実に接触する打算はあった。

 

 

 

 だけど、留学先のアメリカでだけど、王家と議会を動かしてイギリスから日本へ政治的圧力を掛けて日本の皇太子をアメリカへ留学させる事に成功する。 

 

 

 

 そして、同じ留学生として接触したのは良いけど、初めて見た皇太子に私の心の奥底に住まうドS精神に従い思ってしまう。

 

 

 

 日本の皇太子を虐めて観たら、その顔は凄く可愛いかも知れないと。   

 

 

 

 今日までのやらかした数は多過ぎて正直忘れた。  

 

 

 

 でも、やらかしの中では最大級のやらかしだと今でも言えるだろ。

 

  

 

 ただ、結婚後に生まれた第一子が皇子だからこそ彼と国民は赦してくれましたが…

 

 

 

 そのやらかしとは、スタンフォードの寮でスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていた彼を拉致。彼の側近達を巻きながら大学内の馬小屋へと連行。

 

 そして、彼の身ぐるみを剥いで観たら裸で怯える彼の姿にキュンキュンと悶えて物理的な接触した後、卒業間際に自身の妊娠が発覚した。

 

 そして、彼が結婚する前にと卒業と同じくして就航した戦艦キングジョージ5世の処女航海の際に乗り込み制圧。そのまま、日本へと突撃して天皇家に嫁入りした事。

 

 

 

 当時なら大英帝国の国力と軍事力で当時の日本なら黙らせたけど、今なら国際問題が待った無しだろう。

 

 そう、あの頃は…

 

 

 1920年6月

 

 

 『キコクノオウジョガ ニホンノコウタイシ二 ランシンス』

 

 「この、脳筋娘が!!

 

 「「「ひっぃ!?」」」

 

 国王であるチャールズ6世が電報を握り潰しながら娘への怒声が木霊する執務室。それは、アメリカのスタンフォードの学院長からの緊急の電報を読んだ事が原因で完全にブチ切れていた。無論、委縮するのはとばっちりを受け、秘書官である彼女達。

 

 無論、秘書官達には全くと言っても良い程に責任は無い。

 

 だが、第二王女であるメアリー王女(馬鹿娘)が引き起こした国際問題なので、国王の超爆弾低気圧の猛威を受けて、身の危険度から物理的に震えているのは完全なとばっちりである。

 

 しかし、緊急な報告書を急ぎ国王に渡した以上は仕方が無いと内心諦めていた。

 

 でも、秘書官達は密かにあの脳筋王女をいや、アメリカへと留学した第二王女様であるメアリー王女に不敬ながら思いは一致していた。

 

 (日本の皇太子に手を出すなんて完全に国際問題だよなぁ・・・・)

 

 秘書官達は、そんな事を想いながらもアメリカへと留学した第二王女のメアリーを思うのだが、運良くアメリカのワシントンへと視察で居ないが、同じアメリカ国内だから多分知る事になるだろメアリーの生母であり王妃であるエリザベスに今現在で知られて無いのが不幸中の幸いだとも言えよう。

 

 もし、知られたらと物理的な折檻が待った無しだろうと想像して背中に冷たい何かを感じたのだが、知らないほうが彼女達秘書官の幸せだった。

 

 

 話を遡る事、数日と数時間前のアメリカのスタンフォード大学では、実際の歴史からは留学自体が有り得なかったが日本から次代の天皇家を担う皇太子殿下(後の昭和天皇)やお供としてきたのが米内光政(後の海軍大臣)や石原莞爾(後の陸軍大臣)が陸軍の最新戦術や最新知識を学ぶ為にアメリカへと留学中だった。

 

 しかし、彼等には問題は無い。

 

 ただ、アメリカのスタンフォード大学でトップクラスの天才でありながらも大学最強いやイギリス最強の問題児である彼女の好みが的中し禿鷹の様に日本の皇太子が標的にされたに過ぎなかったのだから。   

 

 だからこそ、この異様な光景を観ながらも周りの生徒達は皇太子の悲惨な光景を背に見ながら胸元で十字を切り、簀巻きにされ彼女に担がれる皇太子の未来に同情するしか方法は無かった。

 

 だからと言っても、この情景は些か風紀的に問題だった。

 

 無論、日本の戦国時代の代表的な南蛮式甲冑と同等もしくは少しは軽いかも知れないドレスを着て走る彼女に追いつけないのは何故と想いながらも彼等は全力で追い掛けながら走る。

 

 「ふっ、ふごぉぉぉ!!(早く助けなさい!?)」

 

 「「待ちなさい!!」」

 

 「オッホホホ!!」

 

 高笑いしながら簀巻きにされた皇太子を丸太を担ぐ様に走るのは例の問題児だった。

 

 そう、イギリス王室、いやイギリス国内で天才でありながらも王宮式大剣術をマスターし、話し合いが駄目なら物理で理解させる脳筋娘とは、このイギリスの第二王女であり高笑いしながら獲物を担ぎ逃げるのはメアリー王女殿下だった。

 

 そして、皇太子の側近から逃げ切り馬小屋へと逃げ込み、皇太子の着ている制服やらを投げ捨てながら丸裸する。せして、彼女自身も裸にした皇太子に跨り、獲物を物色する様に見下しながらも重いドレスを脱ぎ去り、涙を流しながらも怯え嫌々と顔を振る皇太子殿下に胸キュンしたのか目にハートマークを浮かべて完全に性的に襲うことを決意したメアリー王女殿下だった。

 

 「国に婚約者がぁぁぁ!?」

 

 「ハァハァハァハァ…なんて、可愛いのでしょう♡」

 

 「く、来るな!!く…ギャァァァァァァァ!!」

 

 皇太子の悲鳴を上げたまま、二人の影は馬小屋の藁の上で一つに重なったのだった。

 

 「キャァァァァ!?」

 

 翌日、第一発見者である大学の乗馬担当の女教師の悲鳴により、日本の皇太子殿下とメアリーは発見された。

 

 ただ、馬小屋の中で全裸姿でスヤスヤと眠るメアリーと豊満な胸に挟まれる様に抱かれ、豊満な胸に挟まれて窒息したか何かを搾り取られ過ぎたかは解らないが、気絶した殿下は窶れた姿のままでと艶々した寝顔をしながらご満悦に眠るメアリーの姿を見せるには行かない学院側の教師達の思惑により皇太子殿下は病院へと入院させたのだった。

 

 

 そして、大学の卒業を前に妊娠が判りメアリー殿下は倔強な近衛の兵士にヴィッカース鋼製の特殊な鎖で簀巻きにされてイギリスへと強制帰国となるのだった。

 

 

 国に戻されたメアリー王女は両親から折檻されてもめげなかった。

 

 そう、イギリス国内ではあり得ない事件だが、就航したばかりの戦艦キングジョージ5世を処女航海の際に奪い、数名の自身の専属の侍女と事前に格納庫に極秘に積み込まれていた嫁入り道具をもって日本へ突撃したのだ。

 

 慌てたのはイギリス王室だけでなく、イギリス議会や相手の日本政府すらも慌てる事態となる。

 

 無論、大日本帝国の国内の民衆は皇太子が脳筋王女に襲われた事の事実を知り激怒してイギリスに報復をと声を上げたが、第一次世界大戦の終結直後と戦争には勝てたが、お互いに乏しくなった軍事力と国力では、共同の植民地である中国への経済的進出を狙うと考えられていたアメリカの対立を考えたら日英同盟を継続するしか手が無い状況と日英共に失った主力艦艇の再建中に行われた、アメリカの思惑と日英への嫌がらせの為に開かれたワシントン軍縮条約の真っ只中だった。

 

 

 

 

 現代

 

 「今、思い出すだけでも恥ずかしいわね…」

 

 と館の主のメアリーが当時を思い出し、遠い目をしながら呟くが、付き合いが長く母親と世代交代した娘のメイド長のハンナは主をゴミを観るような眼で見ながら主へと新しい紅茶をいれる。

 

 「…」

 

 「はっ、ハンナ!?わたくしをゴミ観たく見ないでくださる!?」

 

 「いえ、お母様の昔話しの通りに人様を襲うなんてお猿さんの様だと、改めて理解できましたので…」

 

 「さ、流石は辛口具合もアンナとそっくりね!」

 

 「恐縮です」

 

 「褒めてませんけど!?」

 

 無論、皇太子との出会いだけではない。

 

 結果的に戦艦による突撃訪問により報復を叫ぶ反対派閥は新型のキングジョージ5世の戦闘力と防御力は長門型以外では対処不能だと泣き叫んだ某海軍大将の嘆きや更に横須賀港へ入港してメアリーが上陸した際に結婚を反対する暴走した若手将校の襲撃すらも愛剣の大剣一つで数百の若手将校を斬り伏せただけなのに反対派が大人しくなり、皇太子の婚約者は婚約者が決まって無かった弟へ移動となる。

 

 無事に皇太子と結婚する事なり、結婚式は本来なら煌びやかな結婚式だったが罰として慎ましく行われ、結婚した冬には第一子が男の子として生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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