機動戦士Gundam GQuuuuuuX 蒼の炎獄   作:ミトコンドリアン

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どうも。ミトコンドリアンです。
お気に入り登録195件、本当にありがとうございます。赤バーまで取ってしまって、もうほんとうれしい。感謝の極み。

さて、しかし今回は短めでございます。ご容赦ください。


“寵児”たる所以/ベツニシンデハイマセンヨ。

 

「ここに青を足して…こうでいいのかな」

 

 コロニー外装にイフリートを取り付かせ、コックピット内に命綱をくくりつけた状態で、アキトは外に出ていた。片手にはスプレー缶が握られており…どうやら、彼はグラフィティを描いているようである。

 

「むむ…やっぱ俺には無理なんじゃないのかな…シュウジにやれって言われたけど…」

 

 そう。なぜこんなことをしているか…それは、シュウジに言われたから、に尽きる。

 

『キミも外に出て、好きに描いてみなよ』

 

 そう言ってスプレー缶を渡され、二人で一緒にコロニー外に出て…シュウジと赤いガンダムはどこか別の場所へ行ってしまった。好きに描けと言われたって、アキトにはそういう才覚やセンスはなかったので…とりあえず、あの日に見た“向こう側”とやらのグラフィティを描いてみている。しかし、誰の目から見ても出来はあまり良くないものだった。

 

「はー…だめだめ。俺はやっぱりいいかなあ…帰ろう」

 

 ため息をつきながらそうこぼし、外壁を蹴ってコクピットへ戻る。ハッチを閉めて、計器類をチェックして発進しようとすると…通信が入った。誰のものかは、言わずともわかるだろう。

 

『アキト、いる?』

「いるよシュウジ。何かあった?」

『なにかが()()()()。身を隠した方がいいかもしれない』

「なにかって、何だよ」

『わからない。でも、感じる。ガンダムも………い……』

「あれっ、おーい!おーーい!」

 

 いきなりシュウジとの通信が不安定になる。ノイズが走り、呼びかけても返事が返ってこない。すわ故障かと思ったが…何かに肩を叩かれたような気がした。コクピット内で振り返るも、誰もいるはずがない。まさか、と思いつつ、機体を動かして振り向くと…すぐ近くに見える、大型の宇宙船…色合いやマークからして、所属はおそらく…ジオン公国軍。

 

「……あれ、やばい…………?」

 

 自分は不法にコロニー外に落書きをしていた。それを咎めるのは軍警の仕事だから、彼らには関係ないはずなのに…あの艦の前についているハッチが開いた。そこから出てきたのは、見たことのない()()M()S()。まさか仕掛けてくるかと考えつつ、逃げる用意をしていると…その白いMSから、小さな信号弾が発射された。あれは知っている。停戦信号、というやつだ。…こちらが仕掛けない限りはあちらも攻撃はしないだろう、と、俺は逃げも隠れもしないことにした。

 

 コロニーの外壁に立つように、白いMSの動向を観察していると…そいつはイフリートの目の前に着地した。そして、その手をこちらに差し出してくる。………少し考えて、イフリートの腕部マニピュレーターでそれに触れた。接触回線が繋がる。

 

『ご協力感謝する。私はジオン公国軍のエグザベ、階級は少尉だ。イフリートⅡのパイロット、聴こえるか』

「……………」

 

 向こうはしっかりと階級まで示して名乗った。…こちらを取り締まる気ではないのだろうか。ここで返答をすべきだろうか。……今頃、俺を血眼になって探しているであろう義父の件もある。義父が“最新鋭のMSが盗まれた”だなんだと言って軍を焚き付けた可能性もなくは無いが…イフリートⅡ、と相手は言った。ということは、その線はない。応えてもいいだろう。

 

「………攻撃しないでくれて感謝します」

『……子供、なのか!?』

 

ーーーーー

 

 艦のブリッジ…宇宙空間にミノフスキー粒子がまだ撒かれておらず、無線通信可能な環境。ガンダム・クアックスと無線通信が繋がれ、音声が共有されていたが…その中には、真実の衝撃が走っていた。

 

「………子供が乗ってるんですか…?」

「…、やってくれましたね」

 

 シャリア・ブル中佐は眉間に皺を寄せ、背後のコモリ少尉は信じられない、と言わんばかりの声色でそう言った。エグザベ少尉と話すパイロットの声は…少年のようなソプラノボイス。

 

『子供が何故そんなMSに乗っているんだ、早く降りた方がいい!』

『………一応18なんですけど』

『それでもだ!そのMSは危険だと聞いた!』

 

 エグザベが声を大きくして、仮称:イフリートⅡのパイロットに呼びかける。

 

『その機体について何か知っているか?ツィマッド社のものなのか?』

『………ええ。義父がこれに俺を乗せました』

『…お義父さんが?』

 

「ツィマッド…やはり黒でしたか」

「ええ。これはツィマッド社を問い詰める上で重要な証言です。録音はしてあります」

「ありがとうございます、コモリ少尉」

「恐縮です。(………なんだろ、あのパイロットの声どっかで聴いたことある気がする…)」

 

『キミには色々聞きたいことがある。大丈夫だ、暴力を振るったりはしない。その機体は危険なんだ』

『でも…俺は軍警のザクを何機も破壊してしまったんです。戻ったとして許されるわけ』

『いや。その機体については知っている。その機体のEXAMシステムに突き動かされたんだろ。なら大丈夫だ』

『…EXAMシステム、義父に聞いたことがある』

『すでに知っているのか…?』

 

 イフリートⅡのパイロットの口ぶりに疑問を覚えるエグザベ。彼はそれについても問うことにした。

 

『義父が…そのEXAMシステムを改良してEXAMインプラント、ってのを作ったと。義父が言うには…なんだっけ………』

 

 イフリートⅡ…イフリート・エクスターンのパイロット、アキトの歯切れが急に悪くなる。その部分の記憶が掠れるように曖昧なのだ。まるで本の文字が黒い線で潰されているような、そんな奇妙な感覚。それを探ろうとすると、頭痛が強まってくる。

 

『えと…ゔ…!』

『だ、大丈夫、落ち着いてくれ!とりあえず艦に乗ろう。それを降りて、ゆっくりと話をしよう』

 

 エグザベは優しく促し、ガンダム・クアックスでイフリートⅡの手を引くように艦へと誘導する。その様子を、ブリッジから神妙な面持ちで見ていたシャリア・ブルは、不意にイフリートⅡへ意識を向けた。青い塗装はクルスト博士の趣味が大きいと言う。やはりEXAM搭載機なのか、と、()()()()()()()()するかの如く見つめ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《見ないで!!》

 

 

「……ッ!」

 

 まずい、と意識を逸らすがもう遅い。イフリートから聞こえた少女の声。一瞬ちらついたた明るい青色の髪の少女は…彼の無遠慮な視線に()()()()()

 

『…………ぁ゛あ゛!!!!!』

『…ッ、どうした!』

 

 突然、イフリートⅡのパイロットが苦しみ始める。エグザベは慌ててマニピュレーターを離すも、すぐさま無線通信に切り替え呼びかけ始める。

 

『ゔ、あ、頭が…頭の奥が、熱い………!!!!』

『気をしっかり持て!EXAMに呑まれるぞ!!!!!』

『ゔ、ゔー、あ゛…え…怖い…?どっかにやって…?キミは何を……!』

『幻覚でも見ているのか、クソ…仕方ない!』

 

 ちかちかと、イフリート2のモノアイが赤と青を行き来する。その様子に、エグザベは苦虫を噛み潰したような表情をすると、マウントしてあるビームサーベルを抜き、イフリートⅡに向かって構えた。

 

『エグザベ・オリベ、敵MSを無力化しま………な、プレッシャーが!』

 

 その時であった。エグザベが直感に従いカメラを左に向けると、ガンダム・クアックスに向けて突貫する()()()()()()の姿があった。赤いガンダムはガンダム・クアックスに組みつこうと突撃するが、エグザベはそれを回避。ブリッジに緊張が走る。

 

「…本当に出てきた、赤いガンダム」

「………エグザベ少尉!赤い方を追いなさい!」

『なっ、でもイフリートⅡは!』

「安心しなさい、なんとかなります!」

「ええっ、流石に無茶苦茶ですよ中佐!!」

『……了解しました!赤いのを追います!』

「え、エグザベ君!?」

 

 コモリ少尉の抗議も虚しく、飛び去る赤いガンダムを追うエグザベ。

 

「…さて、後はイフリートⅡのほうですか」

「危険です中佐!ノーマルスーツの着用を!」

「いえ…必要ありません」

 

 は!?とでも言わんばかりの表情をするコモリを他所に、シャリアは堂々とイフリートⅡを見据える。その視線には一抹の狼狽も含まれていない。ただ、イフリートⅡのパイロットを…()()()

 

 ガンダム・クアックス越しに読み取った周波数に繋がれた無線が、コックピット内の音声を伝えてくる。そこから聞こえてくる声と共に、モノアイは明滅を繰り返し機体は痙攣でもするかの如く震える。

 

『やめなさい!相手も悪気はないだろ!なにも撃たなくても………』

「……なにかと会話してる、みたいですね」

「相手方のオペレーターか、それとも…」

 

 がくがくと震えるマニピュレーターがバックパックにマウントされたビーム・ガトリングにゆっくりと伸びてゆく。コモリ少尉は冷や汗を額に伝わせ、左脚を少し後ろに下げる。対して、未だ落ち着き払っているシャリア・ブル中佐。その視線の先のMSは、次の瞬間………

 

『あー、わかったわかった!!離れるからいいだろ!?』

 

 その言葉を最後に、ドヒャ、とスラスターを噴射する。急激な加速をもってして、一瞬で艦から離れていくのである。その様子をシャリアは頷きながら見据え、コモリはぷはぁ、と息を吐く。懐から取り出したハンカチで汗を拭い、彼女はシャリアに問うた。

 

「ああなるの、分かってたんですね」

「ええ。彼は一度EXAMシステムを制御できていました。二度目ができない道理はありません」

「でも…他に何か決め手が?」

「なに……簡単なことですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歳が近い方が、意見も受け入れられやすいということでしょう」

 

 ポカーンとした表情のコモリを他所に、やはり()()()()()()()()大人が怖いのだな、と、シャリアは心の中で独り言ちた。

 

 

ーーーーー

 

「あ゛ー…頭痛え………」

 

 イフリートを隠し場所に戻し、ノーマルスーツのヘルメットを脱ぐ。汗を拭う目的で目の下を擦れば、汗と共にべったりと赤い血もついてきた。またか、と独り言つ。コクピットを解放し、ジップラインを伝って降り…ヘルメット以外のスーツを脱がぬまま流し台の方へ。隠し場所の壁についていた蛇口を勝手に改造したものだ。それを捻って顔を洗い、血と汗をきれいに流してしまった。近くに置いておいた布で顔を拭い…壁に取り付けた、右下に少しヒビのいった小さな鏡を見る。そこに映る、もっと男前になりたいが故に恨めしく感じる自分の童顔…ではなく、その後ろを見つめた。そこに、()()が立っていた。

 

「なあ…どうしたのさ、そんなに膨れっ面で」

『…………』

 

 ちら、と背後を一瞥しても、そこに人は居ない。視線を鏡に戻せば、不満そうな…あの日、展望台にいた女の子が立っている。見た目だけで見れば…歳は14くらいだ。

 

「なにか不満があったのか。別に俺は、向こうで君をどうこうしようなんて思ってないよ」

『…あの()()()()…嫌い』

「おじさん?…あの白いののパイロット?」

『違う。船に乗ってたひと…こっちを見てきたの。見ないでって言った』

「…………………暴れ出したのはそれか、“妖精さん”」

 

 空色の髪の少女は、まるで俺の脳内に響いているかのような声を発する。時折姿を表すこの少女…EXAMインプラント関連の存在であることは間違いない。それの副作用の幻覚にしては鮮明すぎるので、オペレーションAIのようなものなのだろう。俺は彼女を、便宜的に“妖精さん”と呼んでいる。

 

『………妖精さんなんて言われて、喜ぶ歳じゃない』

「そお?…………まあそうか。見た目的に思春期真っ盛り?」

『……もう19。歳下扱いしないでよ』

「ならEXAMシステムスタンバイ(駄々をこねる)するのはやめてくれよ…無遠慮な視線が怖いのはわかるけどさ」

 

 恥ずかしそうに言う彼女を見ても、やはり19歳には見えない。だいいち、AIに歳とかあるのか…?製造から立った年数とかなら、一桁であってもおかしくないのに。どこか不安そうに俯く少女に、流し台に肘をつきながら言う。

 

「それに…そういうのからは俺が守るよ」

『………ほんとう?』

「ほんとほんと。だから一目散に逃げてきたんだよ。それに…君と俺とが手を組めば、どんな奴でもやっつけられるさ!」

『…乱暴な人は…嫌い…』

「俺だって暴力は振るいたくない。でも、相手が乱暴だから仕方ないんだな、これが」

『…………そう』

「その通り。だから信用してくれ“妖精さん”…俺の頭の中の()()

 

 脳みその奥に温かいものを感じながら、爛々と光る赤い目で、俺は彼女にそう言った。彼女はそれを聴いて、少し戸惑った後…ゆっくりとこちらに近づく。そのまま俺の胴体に腕を回し、ひし、と抱きしめてきた。現実ではない筈だったが、その時だけは…確かに温かさを感じたのだ。

 

 暫くそうしていると、足裏から伝わってくる振動。それを感じた瞬間、ふっと温もりがなくなった。しばらくすると、シュウジのガンダムがやってくる。膝立ちの姿勢になり、コクピットハッチが解放され、彼が降りてきた。

 

「よう。無事かい」

「僕は大丈夫。でも…」

「ガンダムのどっかやっちまったの?…あ、ビットが無くなってら」

「うん。それと、武装のインストーラーが壊れちゃったみたい。あのMS、けっこう強かった」

「なるほど…すまんね、助けに行ってやれんで」

「いいよ。頭の方はもう大丈夫?」

「ああ、もう十分良くなったさ」

 

 トントン、とこめかみを指で軽く叩いてみせる。頭の痛みは消えていた。

 

「じゃあ…インストーラーを新調しなきゃなのかね。金は?」

「うん、あるよ。後で注文しておく」

「………病院で寝てた時は思いもしなかったよ。まさか“裏のサイト”でお買い物することになるなんて」

「最近はずっと見てるようだけど」

「楽しいから仕方ないだろ!ホントに色々あるんだなって…MSの部位パーツのバラ売りなんて初めて見たよ」

 

 ドムの頭部だけ、なんかが売られているのだ。それを見ているだけでなかなか楽しい…が、流石に今の所持金では買えたとしてMSの()()ひとつと細々したパーツ、くらいだろう。

 

「金は寝床んとこの金庫に入ってるから…必要以上に持ち出すなよ?」

「わかってる。お金は計画的に。覚えてるよ、言われたこと」

「そうそう、まずは金銭感覚だからな、シュウジは…じゃ、俺は少し寝る。コンチもおやすみ」

『*%|%$<*+€<^^~<*^#~^%>$*』

 

 謎の電子音で返事を返してくる、シュウジの頭の上の箱…コンチ。その会話を最後に、俺は上の寝床に上がる。パイロットスーツを脱ぎ、いい具合に畳んで寝床の横へ。そのまま寝転んで、眠気に任せて目を閉じた。

 

 

 

ーーーーー

「……やっぱり、おもしろいね、彼の目」

『^$~%^%<*$>~#^}|$'?』

「そうでしょ?…ほんとに()()()()()()んだから」

ーーーーー

 

 間違いない。これが…キラキラだ!

 

「わ、ぁ…!」

 

 “キラキラ”に似たグラフィティを見ながら、歓喜の声を吐き出した。…アキが死んでからは色々あった。その最たるものが、“キラキラ”を見てしまったことである。まるで脳を稲光が突き抜けたようなあの感触は忘れることができなかった。そのお陰で…あの運び屋の女の子に連れられた時に見たのを思い出して、急いで駆けてきてしまった。

 

 そのグラフィティは、やはり“キラキラ”に似ている。色々な色が重なって、まるで光の渦のようだ。…しかし、それだけではない。真ん中の方には描いた人のサインか何かだろうか。赤いマークと…その隣にもマークがあった。

 

「…なんだろ」

 

 そのマークも赤いマークと同じ形をしていたが…深い蒼色と淡い空色の二つのマークが、まるで重なり合うように描かれている。光と影のように。それがなんだか心を引いて、暫くグラフィティに見惚れていた。そしたら…不意に、頭を抱き寄せられる。そして頭の上あたりから聴こえる何かを吸う音。………匂い嗅がれてる!?

 

「わ、わっ!!」

 

 驚いて離れると、そこには一人の少年が立っていた。ツナギにインナー、手袋を着た深い青髪、赤い目をした少年だ。………顔がいい!!!

 

「だ、だれ…」

「僕はシュウジ・イトウ。キミは?」

「わ、ワタシはま…マ…ァ、チュ……」

 

 戸惑ってしどろもどろになって、つい幼名を口にしてしまう。その様子を気にすることなく、彼は私に問いかけてきた。

 

「キミも…“向こう側”、見えた?」

「………向こう側?」

 

 向こう側、とは…キラキラのことだろうか。それならば確かに見た。その事について聞こうとすると…自転車のベルが鳴る。目の前を勢いよく通り過ぎた自転車は、すぐそこで止まる。それに乗っていたのは…あの運び屋の女の子!

 

「…コンニチハオイソギデスカ」

「え?」

「イイエ…ベツニイソイデイマセンヨ」

「……あなたが?払えるの?6000ハイト」

 

 運び屋の女の子が驚いたように言うと、今回の荷物だろうか、何かを取り出す。ツナギという少し見窄らしい格好のシュウジの支払い能力に疑問を感じているようだ。しかし…会話を中断されてしまった!

 

「ちょ、ちょっと!私が先に話してたんだけ、どっ?!」

「あ」

「あ」

 

 強引に二人の間に割り込んだせいで、シュウジにぶつかってしまう。彼は何かを取り落とし…それは、少し転がって溝川に落ちてしまった。…お金、だったのか、と私はやっと気がついた。

 

「…あれだけ?もうないの!?」

「……しまった。どうしよう…()()()あれしかないのに…」

「ぅそ………」

 

 さっと青ざめる運び屋の女の子。それをよそに、シュウジの腹の虫が鳴る。

 

「…………お腹すいた」

 

 痛い沈黙が流れる。シュウジはお金を払えなくなってしまったようだ。…しかし、これは好機かもしれない。私はすかさずシュウジに提案する。

 

「じゃ、じゃあさ、私と一緒にクランバトルやらない!?賞金が出るんだって!」

「え、ええっ、そんなの」

「………でも、お金受け取らないとなんでしょ」

「えぅ、それは…」

 

 難色を示す運び屋の女の子にそう言うと、彼女は壁に手をついてなにやら考えはじめてしまった。シュウジはそんな彼女に近づいて…私にしたみたいに頭を嗅いだ。彼女は驚いて彼から離れる。そんな状況を他所に、彼は歩き出して…マンホールの蓋を開けた。

 

「ついてきて」

 

 それだけ言って、彼は躊躇なくそこへ入っていった。…仕方がないので、私たちも続くことにした。暗い穴の中へ降りていく。

 

ーーーーー

 

「…名前なんだっけ」

「……………ニャ、アン」

「へえ…意外と可愛い名前」

 

 そんなやりとりをしながら、下水道をずんずん進んでいく。暫くすると、大きな鉄扉が現れた。彼はそれを慣れた手つきで開け…私たちをそこへ招き入れた。そこは、異様な部屋であった。

 

 壁に床、天井にまであのグラフィティがびっしりと描かれている。眩暈がしそうだ。それに…その部屋には、それ以外にもすごいものがあった。

 

「赤いガンダム!と…あ、あの蒼いMSも?」

 

 そう。昨日も見た赤いガンダムと、それより前に赤いガンダムを見た時一緒に見たあの蒼いMSもあったのだ。戦っていたように見えたが…あの後和解でもしたのだろうか。とにかく…これでクランバトルに出れるかも!

 

「これ、キミのなの!?クランバトル出れる!?」

「………ちょっと待ってて。()()()()()()()

「え」「ほんと!?」

 

 運び屋の女の子…ニャアンが嬉しそうな声で言う。手持ちがないってそう言う事だったのか…じゃあクランバトルは?私のスマホの弁償代は!?そんなことを考える私を他所に、彼は上に向かってかけられたハシゴを登っていった。…暫くして、手ぶらで戻ってくる。

 

「ごめん。足りなかった」

 

 ズコー、という音が聞こえそうなくらいにニャアンはつんのめる。そのまま必死の顔でシュウジに詰め寄った。

 

「ほ、本当に足りない!?ちゃんと数えた!?」

「うん。………どうしよう」

「え、ええ………」

 

 ニャアンの顔がまたさあっと青ざめる。その様子を見ていると、少し気の毒に思えてきた。が…これで信頼のおける“マヴ”が手に入るかも!

 

「じゃ、じゃあクランバトル出ようよ!そしたら」

「やーい、なんの騒ぎだよー」

「…ちょっと!今私が話そう…………と………」

 

 突然、上から声が聞こえてきた。他にも誰かいたのか、と少し思ってから…また話を遮られた事にムカっ腹が立ってきて、言い返してやろうと勢いよく上を向いて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、何さ何さ女の子二人も連れ込ん………マチュ?

 

 そこにいたのは…死んだはずの、私の親友だった。

 

 

【To Be Continued…】

 

 

 

 

 




アキト:システム発動時にマジで目が赤く光る。なんで?

“妖精さん”:アキトの中ののインプラントにいるなにか。AIにしちゃあ像もはっきりしてるし喜怒哀楽も感じられるな…なんでやろなあ。

マチュ:ろくなお別れも言えずに死んだはずの友人が、突然目の前に現れた。

ーーーーー
いかがでしたか?
あとはクランバトルやらの様子を書いたら、テレビ放映始まるまでまでお休みかと思われます。いったんそれまで少しお付き合いください。

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