機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
クラバの試合が終わった後の事。
マチュは1人、空を見つめていた。
「・・・」
近くにプールがある訳ではない。
それでも、水着を身に纏った彼女は太陽を浴びていた。
ヘッドホンを耳につけ、彼女の思考は先日の戦い。
あの時、彼女にとっては初めてのランガとのマヴ。
いつものシュウジとのマヴではない事もあり、戸惑いはあった。
いつものようなキラキラは見る事は出来なかった。
だからこそ、確かに見る事が出来たのだろう。
「甘いのいるかい?」
そんな思考の中で、ふと聞こえた声。
そこには、アンキーがいた。
彼女もまた水着を身に纏っており、その手にはドーナツと珈琲があった。
それに、頷きながら、受け取る。
「どうだった、シローの戦い方は」
アンキーから見れば、マチュが考えている事は手に取るように分かっていた。
先日から、ランガの戦い方ばかりを思い浮かんでいた。
「・・・私が知っている彼じゃないみたいだった」
「へぇ、その口ぶりからして、古い知り合いかい?」
「別に止められている訳じゃないけど、幼馴染み」
「幼馴染みね」
そうしながら、彼女は自然と言葉が出ていた。
ランガから止められている事と言えば、彼自身の名前の事だけ。
なぜ、そこまで警戒しているのか分からなかったが、それ以外は特に止められなかった。
「けど、あんたの幼馴染みという事は、ずっとここで住んでいた事になるね」
「クラバやっている事自体、最近知ったから」
「始めたのもつい最近。それも、数ヶ月前ぐらいだったかな」
「数ヶ月前」
その日付と共に、思い出したのはランガの様子が急変した頃。
以前まで、自分が好かなかったランガから。
まるで人が変わったように今のランガへと変わった。
本当に別人のように変わっていた。
「・・・なんか不思議な感じ」
「けれど、あいつは、はっきりと言えば化け物と言っても良いよ。なんたって、あの魔女を相手に一方的に戦っていたからね」
「私はほとんど戦えなかったけど」
「むしろ、あの状況で一緒に対応したあんたも十分才能あるよ。だからこそ疑問だね。あの機体に乗って才能を持ったあんたならば分かるけど、どうやってあそこまで強さを持ったのか」
その言葉に対して、マチュも疑問だった。
けれど、その答えがあるとしたら、マチュ自身の中には一つ。
「キラキラの中にあったのかな」
初めて、キラキラを見た時。
あの時、ランガも見えた。
けれど、彼は、まるで違う何かを求めるように。
だからこそ、怖かった。
ランガが、離れるのが。
だからこそ思わず叫んだ。
そのおかげで、あの時はいなくならなかった。
だけど。
「だからこそ、怖いのかも」
この先、またキラキラが出た時、彼はどこかに行くのではないか。
マチュにとって、その現象は求めるのと同時に、大切な彼をどこかに連れ去ってしまうのではないのか。
そんな不安が常にあった。
「だけど、戦い続ければ、分かる」
シュウジと戦えば、キラキラが何なのか分かる。
今は、見るだけで必死だ。
それでも、何度も。
何度も。
何度も。
その先にきっと、ランガが見ていた景色が分かるはず。
だから、その時はランガを引き留める事も出来る。
けれど、同時に。
「私も行ってみたいのかな、あの先に」
ランガが向かおうとしている所に。
マチュ自身も行きたいと考えていた。
その時には、ランガも。
シュウジも。
ニャアンも。
皆で一緒に行きたい。
そんな思考が彼女の中に渦巻いていた。
その様子を、アンキーは見つめながら。
「こりゃ案外、両方共重症かもしれないね」
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する