機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界   作:ボルメテウスさん

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親と子

あの場からの逃走と共に、奴らがここで行う計画も理解出来た。

サイコガンダムによる蹂躙。

それが、キシリア暗殺計画だと思われる。

確かに、あのサイコガンダムで行えば、おそらくはこのコロニーは持たないだろう。

だが。

 

「それだけなのか」

 

正確に、ターゲットを始末する。

バスクが、その程度の計画でやるのか。

俺はそう考えながら、歩いていると、一人の人影が見える。

 

「あれ、もしかして、ランガ君」

「たっタマキさん、珍しいですね、こんな所で」

 

そこには、マチュの母親のタマキさんがいた。

 

「仕事の帰りよ。それにしても、あなたもこんな時間に何をしているの」

「えっ、いやぁ、ちょっとバイトで」

「…そう」

 

呟きながら、タマキさんは少しため息を吐くと。

 

「…こんな事、あなたに聞くのは野暮かもしれないけど、少し良いかしら?」

「えっ、なんでしょうか?」

「あの子の事、最近ではよく分からないの」

 

その言葉と共に、タマキさんは呟く。

タマキさんから、告げられたのは、マチュが進路が曖昧である事。

塾を最近は行っていない事。

それらをどうすれば良いのか。

 

「…すいません、それはたぶん、俺のバイトと関わっています」

「ランガ君の?」

 

その言葉に、タマキさんはこちらを見て来る。

 

「俺、実は色々な所を見に行きたいと考えていました。だから、色々と資格の勉強だったり、宇宙で生き残る為にモビルスーツや宇宙船の免許を取っているんです。マチュは、それが気になった様子で、一緒にやっているんですよ」

「あの子、そんな事は」

「まぁ、普通じゃないですよね。俺も自覚しています」

 

タマキさんは、そう呟きながらも見上げる。

 

「…あの子にとって、ここは不自由だったのかしら」

「なんで、そう思いますか?」

「あなたも知っているでしょ。アマテがプールに落ちた事。あの時もそうだけど、あの子、どこかここを窮屈だと思っているような気がするの」

「…ニュータイプ」

「えっ?」

「少し前に、俺が見たお伽話ですよ。けれど、宇宙で住んでいる人間は、地球とは異なる進化を遂げる。ニュータイプはそんな一種らしいですよ」

「そんな、非科学的な事が」

「世の中、色々とあるんですよ。それにマチュはたぶん、世界を見たいからじゃないでしょうか」

「世界をか、私には分からなかったかな」

「まぁ、人それぞれですから、俺が地球に行く話をしたら、マチュも興味を持っていたので」

「それであの子、地球で泳ぎたいって」

 

実際には、泳げるかどうかは分からない。

 

「どんな道に行きたいのか、マチュも今はきっと分からないです。将来が漠然としているんです。だからこそ、知りたいと思うんです。勉強ではない何かを」

「…はぁ、本当に親失格なのかしら、私」

「そんな事は絶対ないですよ」

「えっ?」

 

それだけは否定する。

俺から見ても、タマキさんは立派な人だ。

ロクデナシな大人ばかり見ていた俺だから確信出来る。

 

「…ランガ君」

「なんでしょうか?」

「もしも、あなたが地球に行く時になったら、絶対に私に言いなさい」

「いきなりどうして?」

「あの子は、おそらくあなたに着いていくわ。だから、その時にはあなたに任せる為にもね」

「…えぇ、勿論」

「はぁ、本当に」

 

そうしながらも、タマキさんは肩の荷が降りたように呟く。

 

「最近では色々と仕事で立て込んでいて、苛立っていたかもしれないわ」

「お疲れ様です」

「何よりもコロニーでアマラカマラ商会から来た空調機の設置とか色々とあったからね」「…空調機」

 

タマキさんからの言葉を聞いて、一瞬、呆けてしまう。

同時に、その空調機。

アマラカマラ商会の名前だけは分かっていたが、おそらくはダミー会社の一種だと思っていた。

けれど、俺は気付くのが遅すぎた。

 

「えぇ、それの承認でって、ランガ君」

 

タマキさんからの言葉を聞いて、俺は頭を抱えた。

 

「くっそ、そういう事かよっあの野郎!」

「らっランガ君?」

「タマキさん!すぐにこのコロニーから逃げて下さい!」

「いきなり、何を言っているの」

「とにかくっ早く!」

 

もしも、この考えが当たっていれば、このコロニーは。

 

「あの地獄を繰り返すのかよっ、バスク!」

 

ドゥー・ムラサメは生存する?

  • 生存する
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