機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
目の前にいる人物に、俺は驚きを隠せなかった。
なぜ、ここにブライトさんが。
そんな疑問を思っていたが。
「・・・どうやら、話をする前にまずは食事でもしないとな」
「はっはい」
俺の腹から空腹とも言える音が鳴る。
恥ずかしくなりながらも、俺はブライトさんの後についていく。
そこは、落ち着いた木造の家であり、シローさん達がいた家を思い出させる。
そんな、リビングの真ん中で。
「んっ」「っ!」
奴が、ドゥーがいた。
俺はすぐに警戒するように目を見開くが。
「落ち着け、ここは戦場ではない」
「けど、ブライトさんっあいつは」
「知っている。君が乗っていた機体と一緒にあった巨大なモビルスーツにいた少女だろ」
「・・・」
既にある程度知っている様子だった。
警戒しながらも。
「ほらほら、そんなに怖い顔をしているとせっかくの料理が冷めちゃうわよ」
「えっ、はっはい」
そんな俺を優しく声をかけてくれた女性が言う。
その女性には、俺はどこか見覚えがあって。
「もしかして、ブライトさんの奥さんのミライさんですか」
「えぇ、主人からはあなたの事を聞いているわ」
その優しげな笑みに対して、俺は少し戸惑いながらも、そのまま食卓へと座る。
そこに並べられた料理は、どこか懐かしさを感じる家庭料理。
スペース・コロニーではあまり出ないような温かな料理に対して、俺は思わず涎を飲みながら、そのまま食べ始める。
「・・・美味しい」
「それは良かった。本当はレストランを開くつもりでやっていたのだが、こうして料理を褒められるのは嬉しくもあるな」
「レストランですか」
「可笑しいかい」
「そんな事は、けれど、その」
俺は、上手く言葉が出ずにいた。
すると、ブライトさんは口を開く。
「私も違和感を感じているさ、君は、あの頃のままだ」
「・・・ブライトさん、聞きたい事が。今は」
「・・・宇宙世紀107年。あの戦いから、もぅ20年も経っている」
「っ」
それは、俺にとっては驚きを隠せなかった。
20年。
「俺は、あの時からあまり経っていません。数ヶ月程度しかないです。そして、そこはこことは違う歴史を辿った場所でした」
「違う歴史の場所」
「・・・一年戦争でジオンが勝利した世界」
「っ」
それには、ブライトさんは驚きを隠せなかった。
それは、俺も同じだったから。
「・・・何を当たり前の事を言っているの?」
「・・・なるほど、そこの彼女はその歴史から来た人間という事か、そう言えば名前は」
「・・・ドゥー・ムラサメ」
「ムラサメ、そうか、まさか強化人間だとはな、歴史が変わったとしてもっ」
その悲痛な表情から、俺も理解出来た。
「ブライトさん、その聞きたい事があります。その」
「君達を見つける事が出来たのは、アムロが教えてくれたんだ」
「アムロさんがっ!」
それに、俺は嬉しくなった。
なぜ、こちらの世界に来たのか分からない。
けれど、知り合いが生きているのは嬉しかった。
けれど。
「・・・いや、アムロは生死は不明だ」
「不明って」
「君には教えなければならないな。君がいなくなった後の出来事を」
それと共に、ブライトさんはゆっくりと話し始めた。
ハマーンさんが起こした、第一次ネオ・ジオン抗争。
クワトロ大尉が起こした第二次ネオ・ジオン抗争。
そして、ブライトさんの息子さんが引き起こしたマフティー動乱。
それらを、俺に教えてくれた。
「…20年で、そんな事に」
「私は既に退役をした身である以上は連邦に君の事を知らせる必要はない。だからこそ聞きたい事がある。君はこれから何をしたい」
その問いかけに対して、俺は少し迷った。
けれど、すぐに答えは出た。
「マチュの元に帰る。それが、今の俺のやるべき事です」
「…そうか」
その答えに対して、ブライトさんは笑みを浮かべていた。
「だが、どうしたら。向こうの世界に帰る方法なんて、俺には」
「一つ、心当たりがある。先程、話した第二次ネオ・ジオン戦争の時のνガンダムだ」
「νガンダムですか」
「あぁ、あのνガンダムに使われた素材に、サイコ・フレーム。その力を使えば、もしかしたら時空を超える事が可能かもしれない」
「そんな事、出来るんですか!」
俺は驚きを隠せなかった。
「あぁ、かつてユニコーンガンダムという機体が、それを成し遂げた。問題は、そのサイコフレームだが、現在はほとんど封印状態に近い」
「それじゃ、どうすれば」
未だに手掛かりがない。
「焦りは禁物だ。とにかく、今はゆっくりと休む事だ」
「ありがとうございます」
その言葉に対して、俺は再び感謝しながらも、これまで以上に戦う理由が出来た。
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する