機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
間に合わなかった。
私は、コックピットの中で呟く。
シャロンの薔薇を利用した兵器によって、多くの人々が殺された。
人の悲鳴が聞こえる。
「誰が、こんな恐ろしい事をしたんだっ」
シャリア・ブルからある程度は聞いていた。
けれど、まさかここまでの事態になるとは思わなかった。
シャリア・ブルからの言葉を聞いて、私はすぐにジークアクスに乗って、発進した。
それと共に、真っ直ぐとシャロンの薔薇があるとされる場所へと向かう。
間に合わないかもしれない。
そう考えながら、向かった先で、キラキラが、ゼクノヴァが起きた。
同時に、そのゼクノヴァによって、起きたのは、あまりにも多すぎる人の死。
それを感じた私は、すぐに止めなければならない。
真っ直ぐと、その場所へと向かおうとしたら、邪魔する奴がいた。
「邪魔だっどけ!」
私は、そう、目の前にいるギャンに向かって叫ぶ。
だが。
「悪いがお嬢さん。これはクランバトルじゃなくて、軍事作戦だ」
聞こえてきたの冷酷な声が空気を切り裂いた。
奴の鋭い瞳が、まるで獲物を狙う鷹のように私を捉えている。
ギャンのパイロットたちが無言で私を取り囲み、槍を構えていた。
その刃先から微かに漏れる光が、周囲の暗闇を青白く照らしている。
私は一歩も動けなかった。周囲の機体から発せられる威圧感が肌に刺さる。この状況で少しでも動きを見せれば、次の瞬間に命はない。ジークアクスのコックピット内が異様な熱を帯び始めた。心拍数が急上昇し、呼吸が浅くなる。冷や汗が背中を伝い落ちていく。
ギャンから感じるまるで地獄の門番のように私を睨みつけていた。
彼らの動きは無駄がなく、完璧に統制されていた。まるで長年の訓練を経た精鋭部隊だ。
「どうすればっ」
焦燥が思考を覆い尽くす。
この状況から逃れる術などあるのだろうか。
(ランガ……助けて……)
思わず心の中で叫んでしまう。
だが、彼はもういない。私たちの世界と彼の世界は永遠に隔てられたはずだ。
その瞬間、大地が震動した。
爆発的なエネルギーの波動を感じる。振り返ると、ビグ・ザムの巨体がこちらに向かって突進してきていた。
ビグ・ザムが、その胴体から、真っ直ぐとビームが放たれようとした時。
ビグ・ザムの巨大な本体がビーム砲を構え、その先端が眩い光を放ち始めた瞬間だった。私は本能的に目を閉じ、死を覚悟した。
しかし、予想していた衝撃は訪れなかった。
代わりに、轟音と共に巨大な爆発が起きた。恐る恐る目を開けると、目の前の光景に言葉を失った。
ビグ・ザムの胸部が巨大な穴を開けていた。その周囲は高温で溶け出し、黒煙と蒸気を上げている。巨体は完全にバランスを崩し、ゆっくりと崩壊を始めた。
そして――その光景を見下ろすように、宙に一機のモビルスーツが佇んでいた。
「な……何だあれは……」
驚きのあまり声を誰かが漏らした。
彼の指示でギャン達が即座に武器を上げるが、その動きは一瞬遅かった。
空中に浮かぶモビルスーツの姿は見慣れたものだった。しかし同時に、異質さも感じた。
「ラン……ガ…?」
私の口から漏れた声はかすれていた。
一瞬の出来事だった。
空中に浮かぶその機体は、ビグ・ザムの撃墜直後、静かに私に視線を向けた。
「な……何だあれは……」
驚愕の声が響く中、その機体の肩から何かが光を放った。
瞬間、私を囲んでいたギャンの一体が爆発した。残りのギャンたちは慌てて距離を取り始める。
何が起きているのか、分からない間にも、ギャンに向かって、次々とその光は襲い掛かる。
「あの機体……何だ?!」
エクザベの声には明らかな焦りがあった。彼のギャンが前に出て盾を構える。
空中の機体はエクザベに向かって急接近し、一瞬で距離を詰めた。そして—
「ランガ……?」
その機体は、まるで舞うように優雅な動きで、エクザベのギャンの盾に蹴りを放った。
衝撃波が周囲の空気を震わせる。エクザベのギャンは後方に大きく吹き飛ばされた。
「お前……何者だ?!」
エクザベの怒号が通信を通じて聞こえてくる。
だが、そんなエクザベを無視するように、その機体は、私に近づく。
空中の機体は私の側に降り立った。その姿は確かに見覚えがあるのに、何かが違っていた。
「ただいま、マチュ」
機体のスピーカーから流れてきた声に、私は凍りついた。
懐かしい。忘れられない。間違いなく彼の声だ。
「ラン……ガ…?」
声が震える。涙が勝手に溢れ出す。
彼が……戻ってきた?
信じられない。
けれど、これは現実だ。
「ただいま」
その言葉が、私の心を溶かしていく。
「おかえりっ……ランガっ」
私は叫びながら、コントロールパネルに額を押し付けた。涙があふれ出して止まらない。
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する