機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
シャアとキシリアが互いに向き合い、言葉の応酬が始まっている。だが俺の意識は常に二人の動きに注がれていた。
両足をやや広めに開き、重心を低く保っている。拳銃のグリップに指がかかり、トリガーに触れられる状態でポケットに忍ばせている。銃を抜くのに必要な時間は0.5秒もない。あとは撃つ場所だ。
風が吹き抜け、砂が舞い上がる。乾いた空気と埃っぽい匂いが鼻をつく。ここは砂漠地帯の廃墟だ。崩れた建物の陰になっているから周囲からは見つかりにくいが、それは同時に脱出経路も制限されることを意味している。
シャアとキシリアの視線が一度も離れることなく交錯している。二人の会話は表面上は穏やかだが、言葉の端々に刃物のような鋭さが感じられる。
「……キシリア様は本当に理解していないな」
シャアが静かに言った。
キシリアが冷笑を浮かべる。
キシリアがシャアの言葉に反論しようとした瞬間、頭上からガラスが割れる音がした。
「っ!」
反射的に見上げると、上階の窓ガラスが砕け散り、そこから何かが落ちてくる。それは——
「マチュ!?」
落下してくる小さな影。赤い髪が風に舞い、青い瞳が驚きに見開かれている。窓ガラスを突き破って落ちてきたのは、間違いなくマチュだった。
考える暇はなかった。俺は咄嗟に地面を蹴り、マチュの落下地点に向かって駆け出す。シャアとキシリアも一瞬動きを止めたが、そんなことに構っている場合ではない。
「うわっ!」
空中でバランスを崩したマチュが悲鳴を上げる。俺は全力で走りながら、両腕を広げた。落ちてくる彼女との距離が縮まる。あと少し——
「くっ!」
全身で衝撃を受け止める。腕の中に収まったマチュの体重と落下の勢いが同時に押し寄せてきた。その場に倒れ込みそうになるのを必死に堪える。
「マチュ!大丈夫か!?」
俺の腕の中で彼女は一瞬目を丸くし、そして——
「ら、ランガ!?どうしてここに!?」
驚きの声を上げた。しかし次の瞬間、マチュの体が俺に抱きついてきた。両腕が俺の首に回され、強く抱き締められる。
「あっ……ごめん!つい……」
我に返った彼女が慌てて離れる。頬が紅潮しているのが見て取れた。
「怪我はないか?」
「うん……ランガのおかげで助かったよ。ありがとう」
彼女の表情には安堵と感謝が混ざっていた。
「おい、感動の再会は後にしろ」
シャアの冷静な声が割り込む。
同時に、その言葉に反応すると共に、俺は瞬時に走り出す。
シャアは、予め逃走ルートを見ていたのか、会場の端にある穴に向かって、落ちる。
俺もまた、マチュを抱えたまま、その中に入る。
その下を、真っ直ぐと俺達は落ちていく。
この場合を想定した動きと共に、俺はマチュを抱えながらも下に辿り着く。
「ふぅ」
「ランガって、やっぱり凄いね。それも向こうの世界の技術なの?」
「まぁ、訓練次第ではね」
そうして、俺は笑みを浮かべる。
「・・・君は、それを知っていても一緒にいるのか」
その応答だけでシャアは驚いたように見つめる。
「えっと、このおっさんは一体」
マチュが先程から気になった様子で見つめていると、感じた気配。
それは。
「ゼクノヴァ」
それと同時に、光は俺達に降り注ぐ。
同時に見つめた先には、シャアの服は緑色の軍服から彼自身を象徴する赤い軍服へと変わっていた。
「それも、ゼクノヴァの」
「あぁ、彼女の中にある私のイメージだろう」
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する