機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
「ランガさん……マチュ」
紫のジークアクスのコクピット内で、ニャアンは震える唇を噛み締めた。かつて共に過ごした仲間達。
最後に別れた時からどれほどの時間が過ぎたのか。彼らを裏切ったような罪悪感と、それでも生き延びるために選んだ道への正当化が彼女の胸中で渦巻いていた。
「あの人に拾われてから……」
彼女は言葉を選びながら回想する。
あの日、マチュたちと別れ、エクザベ。彼は手を差し伸べた。
「君の才能が必要だ」
最初は疑っていた。だが、彼が示した条件はあまりに魅力的だった。安定した生活。食事。そして何より「月面都市グラナダ」という確固たる居場所。
グラナダでの日々は想像以上だった。
軍の施設内とはいえ、彼女に与えられたのは巨大な窓がある豪華な一室。
朝日に照らされる月の表面を眺めながらコーヒーを飲む贅沢。温かいシャワー。清潔なベッド。
これまでの生活と比べれば天国のようだった。
ニュータイプとしての訓練は辛かったが、それは単なる肉体的な苦痛ではない。
過去の自分を捨て去ろうとする精神的な負荷だった。だが、彼女は耐えた。
「これが私の選んだ道だから……」
心の中で何度も自分に言い聞かせた。マチュたちを気にかける余裕はなかった。生き残ることが先決だったのだ。
再会した今、彼らは戦っている。彼女がかつて共に戦ったマチュとランガが、紫のジークアクス、GFreDを操る自分が戦っている。
再びシュウジと会いたい為に。
けれど。
「分からないよっ」
ずっと、生き残る為に戦ってきたニャアンに。
周囲に流されるがままに行動していたニャアンは。
だからこそ、その行動も自分では分からなかった。
自分が、マチュに攻撃をしようとした赤い機体の攻撃から守ったのを。
「ニャアン」
それと共に、マチュの声が聞こえる。
「どうしたら」
その時だった。
「お前が決めろ」
「っ」
聞こえて来た冷たい声。
その声に、ニャアンは思わず振り返る。
その声の主がランガだと、自然と気づく。
殺されるという感覚。
だが。
「お前がやりたいようにやれ」
「私がやりたいように、けれど」
「周りに流されても良い。流されて、流された先で、自分がやりたい事も分かるはずだ。俺もそうだった」
「ランガさんが」
それと共に、マチュもまた同意する。
「ニャアンは、シュウジの事、好き?」
「えっ、うっうん、何時からなのか、分からないけど」
「それじゃ、その気持ちに従ったら良いよ」
「従ったらって」
「だって」
そうして、マチュは自分の胸に手を当てる。
「私は、ランガが好きだった気持ちに従った。だから、ニャアンも好きな気持ちに従って」
「……」
それと共に、迷った。
今、どうするべきか。
「……あそこの白いモビルスーツに乗っているのはシュウちゃんだよね。もしも、このまま放っておいたら、シュウちゃん、苦しむ」
「……うん」
「だから、私も」
それが。
「マチュとランガさんと一緒にっ戦いたい!」
ニャアンの答えだった。
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する