機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
「おい……嘘だろ」
コクピットのモニターに映し出される異常な光景に、俺は思わず息を呑んだ。さっきまで普通のMSサイズだったガンダムが、突如として数百メートル級にまで巨大化している。
通常の物理法則ならありえない。質量保存の法則を完全に無視した現象だ。トーリスリッターの分析が警報を発している――
「マチュ!ニャアン!後退しろ!あれは普通じゃない!」
無線で叫んだが、既に遅かった。巨大化したガンダムが腕を一振りしただけで、近くにいた赤いMS群が次々と木端微塵になっていく。
シュウジの操縦する巨大ガンダムがこちらを向いた。バイザー越しに見える赤い眼が、まるで獲物を見つけた獣のように光った。
「くそっ……!」
俺はトーリスリッターのスラスターを全開にして突進する。同時に、HADESシステムをフル稼働させる。敵の動作予測データがモニターに溢れ出す。
「ランガさん!あれおかしいよ!」
ニャアンの叫び声が無線から聞こえた。
「分かっているっ!だけどっ今は!シュウジを止める!」
その叫びと共に、マチュのジークアクスがダブル・ホーン・サーベルを巨大ガンダムの足元に叩きつけた。巨大な質量に比べれば蟷螂の斧のように見えるが……
「効いてる……?」
傷ひとつつかなかったが、巨大ガンダムの動きが一瞬鈍った。俺とニャアンも即座に反応し、三方から同時攻撃を仕掛ける。
トーリスリッターのビームマグナムが右脚部を穿ち、紫のジークアクスが左腕にサーベルを突き刺す。だが、巨大ガンダムはまるで痛みを感じていないかのように平然と動き続けた。
「くそっ……!」
俺は歯を食いしばった。絶望的なまでの性能差だ。それでも諦めるわけにはいかない。
その時だった。
「うっ……!」
突然、頭に鋭い痛みが走る。同時に、何かがトーリスリッターのシステムを通じて流れ込んでくるような感覚があった。見れば、HADESシステムのログが異常な速度で流れていく。
「これは……?」
モニターには異常なデータが表示されていた。トーリスリッターのHADESシステムが、マチュとニャアンのジークアクスから何らかのデータを受信している。
『彼を止めなければならない』『私達は、これ以上ララァが死ぬ所を見たくない』
「っ」
その声に、俺は聞き覚えがあった。
その声の主は、二人のジークアクスから。
「・・・オメガ・サイコミュに関しては、謎に包まれていると言っていたけど、まさかっ」
一瞬。
まるで時が止まったようだった。
そこには、二つのジークアクスが、一瞬、別の姿へと変わる。
『だからこそ、彼女を守ってくれる君を呼んだ』『あの時に、君がここに来れる時だと知ったから』
「・・・ずっと疑問だった。俺が、この世界に呼ばれた理由を。けれど、ようやく分かった。あなた達だったのか」
そう、この状況の最中で、俺は。
「あなた達が、俺を呼んだんですね、アムロさん。クワトロ大尉」
既に、人ではない彼らに向けて。
なぜ、彼らがそうなったのか、分からない。
だけど。
「そう分かれば、なんだろうな」
先程まで、非現実的な光景に戸惑いしなかった。
けれど。
「負ける気がしないな」
アムロさんとクワトロ大尉。
そして、マチュとニャアンがいれば。
「ガンダムの一機ぐらい、なんとか出来るさ!」
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する