機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
「解体・封印処置だ」
シャリア・ブルの言葉に周囲が静まり返った。マチュが小さく息を呑むのが聞こえる。
「トーリスリッターの技術は現状では危険すぎる。あれは我々の時代のものではない」
彼は俺の目をまっすぐ見つめながら続けた。
「そして何より、君の安全を考慮しての決定だ」
正直なところ驚きはしなかった。あれだけ特殊な機体をそのまま使わせるわけがない。俺自身もあの機体が持つ力の大きさを感じていた。あれは俺の手に余る代物だ。
「ただ、ランガ君」
シャリア・ブルはわずかに口元を緩めた。
「君の能力を考えると、このまましておくのは惜しい」
彼が合図すると、作業員たちが何かを運んできた。
「既に別の考えを実行しておいたよ」
目の前に現れたのはゲルググのボディ。だがその頭部には見覚えのある形状が……
「これは……」
思わず息を呑んだ。それは確かにトーリスリッターの頭部だった。ペイルライダーの頭部を移植しただけとはいえ、その姿は懐かしい。
「トーリスリッターの頭部を移植した改造ゲルググ。だけど、そうだな。間違いなくペイルライダーだね」
シャリア・ブルの説明が耳に入ってくる。
「ペイルライダーの特性を活かしつつ、安全装置を多数組み込んだ」
マチュが不安そうに俺の袖を引っ張る。
「ランガ……」
「ああ、大丈夫だ」
俺はゆっくりと新型MSに近づいた。コクピットハッチが開く。中に入り操縦席に座ると、懐かしい感触が体を包む。
「またその姿になったんだな……ペイルライダー」
思わず呟いた言葉に、なぜか涙が浮かびそうになった。
あれからどれだけの時間が過ぎたのか。
様々な戦いを経験し、様々な別れを経験してきた。
その中で。
「・・・変わらないな、お前だけは」
このMSだけは、何も変わらなかった。
コクピットの中で操縦桿を握ると、体に染みついた感覚が蘇る。確かにこれはペイルライダーだ。
「呪われたモビルスーツ」
誰が言い始めたのか知らないが、いつの間にかそんなあだ名がついていた。前の世界でも今の世界でも同じだ。
『この機体に乗ったパイロットは死ぬ』
そんな噂が流れていることは知っていた。実際、前の世界では俺自身が一度死にかけたし、今回の戦いでも死の淵を彷徨った。だが俺は生きている。
「まぁ、呪いなんて信じるほど暇じゃないがな」
そう呟きながらコンソールを確認する。システムはトーリスリッターの面影を残しつつも、かなり簡素化されている。
HADESシステムも残されているのがありがたい。
「まぁ、ペイルライダーを使うような戦闘は、これからあるのかどうか」
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する