機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
潮風が頬を撫でる。地球の海は想像していたより青かった。いや、青というより青緑色か。波打ち際の白い泡が太陽に照らされてきらきらと輝いている。
「わぁ……これが本当の海なんだね!」
マチュが駆け出す。その無邪気な姿を見て、思わず笑みがこぼれた。
彼女の性格は本当に積極的だ。危ういくらいに。でも今はそれが良かった。
「ねえ、ランガ!見て見て!足元!砂がすごく熱いよ!」
彼女は素足で砂浜を走り回っている。そういえば、こういう無邪気な姿を見るのは久しぶりかもしれない。
「マチュさん、あまり遠くに行かないでくださいね」
ニャアンの声が聞こえた。彼女は波打ち際から少し離れた場所で立ち止まっている。いつものようにクールだが、どこか落ち着かない様子だ。
「大丈夫だよ、ニャアン!ほら、一緒に来なよ!」
マチュが手を差し伸べるが、ニャアンは小さく首を振った。
「私はここで……」
なるほど、彼女は水が苦手なのか。猫みたいだな。
「おい、マチュ。あまりはしゃぎすぎるなよ」
俺は二人に近づきながら言った。今日は重要な日だ。これから三人で暮らす家を決めるのだから。
「はいはい」
マチュは肩をすくめたが、まだ興奮した様子で海を見つめている。
「……綺麗な海ですね」
ようやくニャアンが口を開いた。だが彼女の表情は微妙だ。何か考え事をしている。
「まあ、この辺りは比較的被害が少なかったからな」
「被害?」
「ああ……昔の戦争のな」
俺は遠くに見える小さな廃墟を指差した。地球圏でも戦争の爪痕は残っている。
「……ランガさん」
ニャアンが真剣な表情で俺を見上げた。
「私たちの住む場所は決まりましたけど……お金はどうするんですか?」
やはり彼女は現実的な問題を心配していた。マチュが感動している横で。
「あー……確かに」
マチュも思い出したように顔を曇らせた。
「地球での生活費……どうしよう」
「そんな心配するな」
俺はポケットから小さな端末を取り出した。
「既に手配済みだ」
二人が驚いた顔で俺を見る。
「実はな……シャリア・ブル中佐から特別手当をもらったんだ」
二人の目が丸くなる。
「特別手当って、一体」
「…まぁ、それは秘密だね」
「えぇ、また前の世界でのスキルみたいな感じなの」
「その、今更だけど、ランガさんって、シュウちゃんと同じ別の世界から来たんですよね」
「まぁね、本当に色々とあったから」
俺は苦笑いしながら言った。トーリスリッターのことやゼクノヴァの秘密は話せない。
そして、俺がこれから行う仕事への給料のような。
「それに」
俺は二人を見た。
「この家なら4人で住める広さだし、海も見える。俺はここで暮らしたい」
「でも……」
ニャアンが不安そうに俺を見る。
「本当に大丈夫なんですか?お金もそうですけど……」
「平気さ」
俺は笑顔で答えた。
「俺がいるだろ?」
マチュが小さく笑った。
「ランガがいるなら大丈夫だよね」
ニャアンも少し安心したように頷いた。
「じゃあ……ここで決めましょうか」
そうして俺たちは新しい家で暮らすことになった。
地球の海が見える小さな家で。
何時か、4人で。
ドゥー・ムラサメは生存する?
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