機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界   作:ボルメテウスさん

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GQuuuuuux/最終回


ランガとマチュ

波の音が聞こえる。柔らかい白砂が頬に触れる。目の前には広がる青い海。まるで夢の中にいるようだ。

 

「……気持ちよかったね」

 

マチュが小さく呟いた。彼女の声には微かな震えがあった。俺たちはさっきまで激しい熱を交わしていたばかりだ。彼女の体にはまだその余韻が残っているようだった。

 

「……ああ」

 

短く答えながら、彼女の髪をそっと撫でる。マチュの髪は砂で少し乱れていた。海風に揺れる髪の先端が日差しで輝いて見える。

 

「私ね……怖かったんだ」

 

彼女が突然言った。海の方を見つめたままの横顔がとても綺麗だった。

 

「何が?」

 

「ランガがいつか私の前から消えちゃうんじゃないかって」

 

その言葉に胸が締め付けられた。前の世界でも彼女を失った記憶が蘇る。

 

「そんなことない」

 

「でも……ランガって時々遠くを見ているんだよ?まるで違う世界を見ているみたいに」

 

「・・・まぁ、元々、俺は別の世界の住人だから」

 

「・・・そうだね、シュウジと同じ。だけど」

 

マチュが体を起こし、俺の上に乗る形になった。

 

「やっぱりランガが好き。一緒にいたい」

 

彼女の瞳が真っ直ぐに俺を見つめている。その目には決意の色が宿っていた。

 

「ああ」

 

「だから、もう我慢しないことにしたの」

 

マチュはそう言って俺の胸に顔を埋めた。

 

「俺もマチュが好きだ」

 

素直な気持ちを口にした途端、彼女が小さく笑った。

 

「知ってた」

 

「え?」

 

「だって、ランガの目を見れば分かるもん」

 

その言葉に俺は思わず赤面した。マチュはいつもこうだ。人の心を読み取るのが上手い。

 

「でも」

 

彼女が顔を上げた。

 

「初めてだったから少し緊張した」

 

「私も」

 

思わず笑ってしまう。二人とも緊張していたなんて。

 

「次からはもっと上手く出来るかな」

 

「次?」

 

「うん。だってこれは始まりでしょ?」

 

そう言って彼女は優しく微笑んだ。その笑顔に胸が高鳴る。

 

「ああ、そうだな」

 

マチュは俺の胸に耳を当てた。

 

「ランガの心臓の音、すごい速い」

 

「そりゃそうだろ」

 

「ふふっ、嬉しい」

 

彼女の小さな笑い声が心地よい。

 

波の音だけが聞こえる静かな砂浜。二人きりの世界。これからの時間はきっと幸せに満ちている。

 

そんな予感がした。彼女の髪から香る海の匂いが二人の距離をさらに近づけていく。

 

マチュが砂浜に寝転がったまま、俺の方に顔を向けた。夕暮れの光が彼女の頬を優しく照らしている。

 

「ねぇ、ランガ」

 

「ん?」

 

「これからどうするの?」

 

突然の質問に少し戸惑う。確かにこの1週間はシェアハウスでの生活に慣れることで精一杯だった。

 

「そうだな……」

 

俺は空を見上げた。海の向こうに夕焼けが広がっている。

 

「まずはこの新しい生活に慣れることかな。地球での暮らしはジオンとも前の世界とも違うからな」

 

マチュは小さく頷いた。彼女の指が俺の手のひらをなぞる。

 

「それだけ?」

 

「……」

 

言葉に詰まった。正直なところ、俺にもまだ分からない。この世界で何をすべきなのか。何ができるのか。

 

「マチュはどうしたいんだ?」

 

質問を返すと、彼女は少し考えるように目を細めた。

 

「私……?」

 

彼女の声が小さくなる。

 

「私は……」

 

「何だ?」

 

「ランガと一緒にいたい。ずっと」

 

その言葉に胸が熱くなった。単純だけど真っ直ぐな願い。それが今の彼女の全てなのだろう。

 

「それは俺も同じだよ」

 

俺は正直に答えた。マチュの目が輝いた。

 

「でもさ」

 

すると、マチュは見上げる。

 

「本物の空や海を見て、思ったんだ。世界はもっと広い。それこそ、シュウジのいた世界にも、ランガのいた世界以外にも沢山」

 

「・・・もしかして」

 

「見に行きたい。ランガが見てきた世界を。そして私達の知らない世界を」

 

彼女の目には強い決意が宿っていた。いつもの向こう見ずな積極性が戻ってきている。少し危ういが、それも彼女の魅力だ。

 

「マチュらしいな」

 

思わず笑みがこぼれる。

 

「それでいいのか?」

 

「うん。でも……」

 

彼女は少し不安そうな表情を見せた。

 

「ランガが本当にやりたいことがあれば、それに付き合うよ」

 

その言葉に驚いた。マチュがここまで俺のことを考えてくれているとは。

 

「やりたいこと……か」

 

考え込む俺の手をマチュが強く握った。

 

「焦らなくていいんだよ。一緒にゆっくり考えて行こう」

 

その言葉に救われた気がした。そうだ、焦る必要はない。この新しい世界で二人で生きていくんだから。

 

「そうだな」

 

俺は彼女の手を握り返した。

 

「まずは明日のことを考えよう。ニャアンも待ってるしな」

 

「そうだね!」

 

マチュの笑顔が戻ってきた。その明るさが俺の心を軽くしてくれる。

 

夕焼けが海に沈み、空が紫色に染まり始める頃、俺たちはゆっくりと立ち上がった。砂を払いながら互いに笑顔を交わす。

 

これから先の道はまだ見えない。でも二人で歩いていけばきっと大丈夫だ。

 

そう信じられた。




この話をもって、本編のGQuuuuuux終了となります。
当初、プロローグを見た時の衝撃で、思わず書いてしまってから、今日まで、本当にお付き合い、ありがとうございます。
本編は、こちらで終了しましたが、未だにあるGQuuuuuuxに関するネタや、ゆっくりや掲示板ネタなど、少しずつ行っていく予定です。
また、皆様からのやってみたい話も募集していますので、興味がありましたら、ぜひ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=323765&uid=45956

アニメのGQuuuuuuxは綺麗な終わり方をしながらも、まだまだ続編が出来る気配もあり、今後のガンダムも眼が離せません。
ここまで、本当にお付き合い、ありがとうございます。

ドゥー・ムラサメは生存する?

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