機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
「・・・」
ガンダムが言っていた。
その言葉に対して、俺は、思考が止まってしまう。
モビルスーツが喋る。
そのような事は普通はあり得ない。
けれど。
ペイルライダーに乗る俺は、それがあり得ると知っている。
カミーユが乗るZガンダムを通して見たそれがモビルスーツに意思を持っているように見えた。
何よりも、俺がそう思わせたのは、ブライト艦長がぼそりと言ったのを思い出す。
『ガンダムがあったことは偶然かも知れない。だが、ガンダムに乗った者は、アムロは、ガンダムに乗るかどうかは自分で決めたことであって、偶然ではないはずだ。カミーユもきっとそうだと思う』
それは、カミーユに対して、密かに言った言葉。
それと同じだろう。
『ガンダム』というのは多く存在するだろう。
だが、その中で、まるで意思を持つように、若者の前に現れ、歴史を変える。
だからこそ、シュウジの言っていた言葉に、俺はどこか納得した。
「ガンダムが言っていたか、それが根拠か」
「そうだね、君とは、あの時に会ってから、ずっと話したかったからね」
その言葉に対して、嘘はない。
同時に、俺はため息を吐きながら。
「警戒するのは馬鹿馬鹿しくなったな」
そう、俺はフードを外して、目の前にいる彼を見つめる。
「あれ?フードを外すのかい?」
「どうせ、正体がすぐにバレるからな」
それと共に、俺は近くの壁に身体を預ける。
「聞くが、お前はニュータイプなのか?」
「さぁ、それはどうだろうね?」
「はぐらすか、別に良いけど」
それと共に、俺は壁を見つめる。
「それで青いモビルスーツが俺が乗っていたとして、お前は何を知りたいんだ?」
「うぅん、色々とあるけど、一番聞きたいのは、君が一体何者かなんだよね」
「俺が何者だって?」
「そう、君、こことは違う場所から来たでしょ、例えば」
そう、壁に描かれている絵に指を指す。
「この先とかに」
その言葉の意味は、俺はなんとなく理解した。
理解したが。
「さぁな、俺も分からないよ」
「そうなのかい?」
「そうだよ、何よりも、俺がここに来たのは、偶然かもしれないし、何よりも来た理由なんて分からないよ」
ここが、俺の知っている場所じゃない事。
本来の居場所ではない事は知っている。
それでも、ここには、マチュがいる。
例えそれが、俺の知っているマチュとは別人だとしても。
「分からなくても、守りたい誰かがいる。それだけが、今の俺にとっての理由だから」
「そうなんだ」
「お前は、どうなんだ?あの赤いガンダムに乗っている理由は」
「・・・そうだね、まぁ、秘密かな」
「そうか」
それだけ言い、俺はそのまま壁に描かれた絵を見つめる。
この世界は、果たして現実なのか。
それとも、死の間際、俺が求めた幻影なのか。
そのどちらかなんて、俺には判断出来ないし、出来たとして、何か意味があるのだろうか。
「どちらでも同じか」
「どうしたんだい?」
「別に、少しだけ考え事だ」
現実ならば、この世界にいるマチュを守るだけ。幻影だったら、せめてマチュと最期まで過ごしたい。
どこまで行っても、結論はマチュと一緒にいたい。
その願望だけしか、俺にはない。
けれど、もしも。
「最期の挨拶だけでもしたいな」
どちらだったとしても、あの時、別れを告げる事が出来なかった彼らと話したい。
そんな気持ちが、心の中にあった。
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する