機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界 作:ボルメテウスさん
「はぁはぁ」
まず、最初に感じたのは息を吸った感覚。それは、俺自身が確かに生きていたと認識出来た瞬間であった。その一瞬、自分が生き延びたことに驚きと安堵が入り混じる感情が胸を突き抜けた。しかし同時に、全身に響く激しい痛みが現実を突きつけた。
「(生きている……しかし、どこだ?)」
その痛みと共に、俺はここが現実であることを認識した。そして、その痛みが現実感を一層強めるものとなった。俺は全身に走る痛みを耐えながら、ゆっくりと起き上がった。
「ここは一体」
起き上がるにつれて、周囲の景色が徐々に鮮明になっていく。目の前に広がる空間には、木造建築と思われる壁が広がっていた。その壁は古く、木目模様が手触りを感じさせた。窓から漏れる太陽光が部屋を柔らかく照らし出し、その温もりが俺の疲れた体に少しずつ癒しを与えるようだった。
俺は周囲を見渡す。部屋の中には簡素な家具や小さなテーブルがあり、その上には水差しやタオルなど生活必需品が置かれていた。これらの物が、自分をここに連れてきた人物が誰かを考えさせる材料となった。
「治療してもらったのか」
気づけば、俺の体には包帯が巻かれていた。それを見ると、誰かが俺を助け出し、手当てしてくれたことを理解した。その包帯には血痕が見え、自分がどれほど危険な状態だったかを思い起こさせる。そして、その手当ての痕跡からも、自分を助けてくれた人物の存在を感じ取ることができた。
(一体誰が?)
疑問が心の中で渦巻く中、俺はその状況に感謝しつつも警戒心を解かなかった。自分自身に何が起こったのか、今後どうするべきなのかを考えながら、俺は次の行動を慎重に決める必要があると感じた。
俺が起き上がると共に話しかけたのは、左足の膝から下を失った松葉杖姿の青年がいた。
その姿は、まるで戦争の影が色濃く残っているかのように痛々しかった。松葉杖を支えに立つその青年は、優しい眼差しで俺を見つめていた。
「あなたは」
俺の問いかけに、青年は微笑みながら答えた。
「俺か、俺はシロー」
その名前はどこか懐かしく、安心感を与えてくれるような響きだった。しかし、それと同時に自分がティターンズの軍人であることを思い出し、若干の戸惑いを感じた。
「シローさん」
そう、俺は命の恩人であるシローさんに目を向ける。その視線には感謝と同時に複雑な感情が交錯していた。
「助けてくれて、ありがとうございます」
俺の言葉に、シローさんは少し驚いた様子だったがすぐに柔和な表情を取り戻した。
「気にするな、ただ近くに落ちた時にはびっくりしたからな」
その言葉には嘘偽りなく本心から出たものと感じ取れた。シローさんの自然な笑顔には、人間らしい温かさが漂っていた。
「そうですか」
シローは、そう笑いながら答えてくれた。その笑顔に、俺は一瞬だけ日常を忘れるような安心感を得ることができた。しかし、同時に自分自身が置かれた状況を思い出し、焦燥感が心を蝕む。地球へ降下した時には死ぬほど不運だった。しかし、まさか現地の人に助けられるとは、本当に運が良かった。
「すぐにでも合流しなっぐっ」
しかし、身体の痛みが俺を現実に引き戻す。身体を動かそうとすると、激しい痛みが走り、俺は思わず苦悶の表情を浮かべた。この痛みは単なる肉体的なものではなく、精神的な重圧も含んでいるようだった。
「無理をするな。発見した時には死にそうになっていたんだ。むしろ生きているのが奇跡的なぐらいだから」
シローさんの言葉には真剣な響きが込められていた。その声には俺を心配する気持ちが溢れており、その優しさが心地よい。
「そうですか、けど、ティターンズに戻らないと」
その言葉を口にした瞬間、一瞬、シローさんは驚いたように目を見開く。その反応から、シローさんがティターンズに対して持つ印象が伺えた。
「君は、ティターンズなのか」
シローさんの視線には疑念と困惑が浮かんでいた。その視線に、俺は自分が置かれた立場や状況について再確認させられた。
「・・・すいません」
俺の言葉はどこか申し訳なさと戸惑いが混じっていた。シローさんから感じる視線からも、ティターンズに対して良い印象を持っていないことは明白だった。
無理はない。
ティターンズが行動していた
「いや、気にしないでくれ。どちらにしても、ここはジャングルの奥だ。向かうとしても怪我を十分に治してからじゃないと難しい。移動するにも、君が乗っているモビルスーツを直す必要がある」
シローさんの言葉には冷静さと現実的な視点が含まれていた。その言葉を聞いて、俺は改めて現実を受け入れなければいけないと感じた。
「ペイルライダーか」
その言葉を聞いて、俺は思わずペイルライダーの姿を思い浮かべる。
この地上まで運んでくれた相棒のことを考えると、その姿は遠く霞む記憶となりつつある。
「分かりました、その、少しお世話になります」
俺はその場で頭を下げながらシローさんに感謝の意を示す。その一瞬、俺自身が何故ここにいるのかという疑問が再び心に浮かぶ。
「何、気にするな」
シローさんの笑顔には安堵感と温かさが溢れており、その言葉には心から出た優しさが込められていた。
ティターンズの冷たい戦場では感じることのできなかった人間らしい感情が、ここでは息づいているように感じられた。
ドゥー・ムラサメは生存する?
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生存する
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死亡する