機動戦士Gundam GQuuuuuux 逆転した世界   作:ボルメテウスさん

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第81話

レコアさんが行方不明になってからしばらく経った。

 

その日、俺達にとっては驚きの出来事があった。

 

アクシズへサイド3を譲渡するという条件でグリプス2、つまりはコロニーレーザーの破壊を要請した。

 

その条件に果たして乗るのか疑問に思っていたが、彼女、ハマーンさんはその条件を呑んだ。

 

そして、彼女はそれを確認するように。

 

「サイド3を譲渡する・・・それが本当に和平につながるのだろうか・・・」

 

その言葉に俺も内心で同意する。

 

この状況下でアクシズと地球連邦政府との和平交渉が成立するかどうかは不透明だ。

 

それでもハマーンさんは何か強い意志を持ってその決断を下したのだろう。

 

その決意を無駄にはしたくないという気持ちが胸に湧き上がる。

 

だからこそ俺は。

 

「ふむ、また会ったな」

 

「っ」

 

会談が終えた後、ハマーンさんは俺の方を見る。

 

けれど、今度は、俺はそのまま睨む。

 

「・・・たった僅かで変わったようだな少年」

 

「えぇ、俺もまだまだ未熟ですが、変わり続けなければいけないので」

 

「なるほど、それは気に入っているよ」

 

そうしながら、ハマーンさんはクワトロ大尉を見つめる。

 

「君を見ていると、昔のシャアを思い出すよ」

 

そう、クワトロ大尉を前にそれを呟く。

 

「ランガさんが昔のクワトロ大尉と?」

 

その意味に、カミーユが反応する。

 

クワトロ大尉の過去、つまりは赤い彗星と呼ばれた時の。

 

「あぁ、少年は復讐の為に生きている。違うか?」

 

それは俺の心を貫くように言い放つ。

 

クワトロ大尉のように家族の仇を取る為の明確な敵がいるのかと問われれば、違うだろう。

 

あの時、故郷を奪った奴の正体は、未だに分からない。

 

だから、俺の復讐は、もしかしたら無意味かもしれない。

 

「それがどうした?」

 

「ふむ、それは君がまだ過去に囚われているという証拠だ」

 

そう、ハマーンさんは俺を諭すように話す。

 

「まぁ私もだけどな」

 

笑みを浮かべながら言う。

 

それには、俺もまた同じだろう。

 

けれど。

 

「確かに俺は過去に囚われています。それは間違いありません。ただ、少し違うのは」

 

俺はゆっくりと息を吸いながら。

 

「過去の自分が出来無かった幸せ。その面影を守る。それが今の俺の生きる意味だと思っています」

 

かつての俺の面影のあった二人の為に。

 

すると、ハマーンさんは少し驚いた表情を浮かべた。そして少しだけ目を細める。

 

「なるほど、君にはその強い意志があるんだな」

 

彼女のその言葉に俺は微かに頷く。

 

「・・・願う事ならば、君とはあまり戦いたくないな」

 

「・・・俺もです」

 

それと共に、ハマーンさんはアクシズに戻る。

 

その姿を見送りながら俺は心の中で呟く。

 

けれど、それは敵わない事をどこか理解していた。

ドゥー・ムラサメは生存する?

  • 生存する
  • 死亡する
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