騎士王転生の天之河光輝、異世界に降り立つ。(元 天之河光輝成り代わり物)   作:ゼロさん

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(原作視聴時ワイ)
ウオッ流石にそのレベルの説明はクソ過ぎ…

(小説執筆ワイ)
…さてはこの説明主人公のせいで疲れてるだけになりそうだな…


ありふれた展開で説明(カス)

散々、愛子が吠えた後、他の客の目もあるからとVIP席の方へ案内されたハジメ達。そこで、愛子や園部優花達生徒から怒涛の質問を投げかけられつつも、ハジメは、目の前の今日限りというニルシッシル(異世界版カレー)。とか言うのを食べながら、アホクズ(天之河光輝)の対応によって途轍もなく疲れており、端折った答えをおざなりに返していく。ぶっちゃけもう眠いらしい。

 

ハジメの説明

 

Q、橋から落ちた後、どうしたのか?

 

A、超頑張った

 

Q、なぜ白髪なのか

 

A、超頑張った結果

 

Q、その目はどうしたのか

 

A、超超頑張った結果

 

Q、なぜ、直ぐに戻らなかったのか

 

A、戻る理由がない

 

 

 

そこまで聞いて愛子が、「真面目に答えなさい!」と頬を膨らませて怒る。全く、迫力がないのが物悲しい。案の定、ハジメには柳に風といった様子だ。目を合わせることもなく、ニルシッシルに舌鼓を打つ。表情は非常に眠そうである。

 

 

 

その様子にキレたのは、愛子専属護衛隊隊長のデビッドだ。愛する女性が蔑ろにされていることに耐えられなかったのだろう。拳をテーブルに叩きつけながら大声を上げた。

 

 

 

「おい、お前! 愛子が質問しているのだぞ! 真面目に答えろ!」

 

 

 

ハジメは、チラリとデビッドを見ると、はぁと溜息を吐いた。

 

 

 

「食事中だぞ?行儀よくしろよ…もうコッチはメンドイんだ…いやホント…」

 

 

 

全く相手にされていないことが丸分かりの物言いに、元々、神殿騎士にして重要人物の護衛隊長を任されているということから自然とプライドも高くなっているデビッドは、我慢ならないと顔を真っ赤にした。そして、何を言ってものらりくらりとして明確な答えを返さないハジメから矛先を変え、その視線がシアに向く。

 

 

 

「ふん、行儀だと? その言葉、そっくりそのまま返してやる。薄汚い獣風情を人間と同じテーブルに着かせるなど、お前の方が礼儀がなってないな。せめてその醜い耳を切り落としたらどうだ? 少しは人間らしくなるだろう」

 

パアン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う…ぐ………あ?……ゲボォ…」ガタッ

 

 

侮蔑をたっぷりと含んだ眼で睨まれたシアはビクッと体を震わせた。ブルックの町では、宿屋での第一印象や、キャサリンと親しくしていたこと、ハジメの存在もあって、むしろ友好的な人達が多かったし、フューレンでも蔑む目は多かったが、奴隷と認識されていたからか直接的な言葉を浴びせかけられる事はなかった。

 

 

それが逆に殺人を厭わない奴(天之河光輝)の逆鱗に触れた!

 

 

つまり、シアはハジメと光輝との旅に出てから初めて、亜人族に対する直接的な差別的言葉の暴力を受けたのである。有象無象の事など気にしないと割り切ったはずだったが、少し、外の世界に慣れてきていたところへの不意打ちだったので、思いの他ダメージがあった。シュンと顔を俯かせるシア。その顔をどうにか晴らしてやりたい。その思いを抱いてからは一瞬だった。

 

 

 

よく見れば、デビッドだけでなく、チェイス達他の騎士達も同じような目でシアを見ている。彼等がいくら愛子達と親しくなろうと、神殿騎士と近衛騎士である。聖教教会や国の中枢に近い人間であり、それは取りも直さず、亜人族に対する差別意識が強いということでもある。何せ、差別的価値観の発信源は、その聖教教会と国なのだから。デビッド達が愛子と関わるようになって、それなりに柔軟な思考が出来るようになったといっても、ほんの数ヶ月程度で変わる程、根の浅い価値観ではないのである。だが、まずはデビッドだ。光輝は吊られた男(ハングドマン)を自分の影から引き抜いた。

 

乾いた破裂音が〝水妖精の宿〟全体に響きわたり、同時に、今にも飛び出しそうだったデビッドの頭部が弾かれ、後方へ吹き飛んだ。デビッドは、そのまま背後の壁に凄まじい音を立てながら脳みそを撒き散らす。ズルズルと崩れ落ちるデビッド。手から放り出されたデビッドの剣がカシャン! と派手な音を立てて床に転がった

 

 

 

誰もが、今起こった出来事を正しく認識できず硬直する。視線は、倒れるデビッドに向けられたままだ。と、そこへ、大きな破裂音に何事かと、フォスがカーテンを開けて飛び込んできた。そして、目の前の惨状に目を丸くして硬直する。

 

其処には、愛子達にとって知識にはあるが、実際には見たことのない、異世界にあるはずのない物、騎士達にとっては完全に未知の物、〝銃〟を座席に座ったまま構える光輝の姿があった。銃からは白煙が上がっている。勿論、撃ったのは実弾だ。

 

 

 

詳細は分からないが殺したのが光輝であると察した騎士達が、一斉に剣に手をかけて殺気を放つ。しかし、直後、騎士達の殺気などとは比べ物にならない凄絶な殺気が、まるで天から鉄槌となって襲ってきたかのように降り注ぎ、立ち上がりかけた騎士達を強制的に座席に座らせた。

 

 

直接、殺気を浴びているわけではないが、光輝から放たれる桁違いの威圧感に、愛子達も顔を青ざめさせてガクガクと震えている。

 

 

 

「ごめんなさい先生。今みたいに、仲間に敵意をもたれては……つい殺してしまう。」

 

何殺ってんだボケェ!?」ボゴォ

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「前が見えない…」

 

「アイツ治しとけ。今のお前なら全て遠き理想郷(アヴァロン)で治せるだろ。」

 

わかったか? そう光輝に問いかけるハジメに、周りは何も言えなかった。直接、視線を向けられたチェイス達騎士は、かかるプレッシャーに必死に耐えながら、僅かに頷くので精一杯だった。

 

 

 

ハジメは、続いて愛子達にも視線を転じる。愛子は、何も言わない。いや、言えないのだろう。迸る威圧感のせいだけでなく、ハジメの言葉を了承してしまったら何も分からぬまま変わってしまった教え子を放置してしまうことになる。というか光輝がいきなり人を殺したので混乱していた。それ(殺人)を肯定するのは、愛子の教師としての矜持が許さなかった。

 

 

 

ハジメは、溜息を吐き肩を竦めると〝威圧〟を解いた。愛子から返事はなかったが、なんとなくその心情を察したハジメは、無理に返事を求めなかった。他の生徒達は、明らかに怯えた様子だったので、敢えて関わっては来ないだろうと推測した。

 

 

 

凄まじい圧迫感が消え去り、騎士達がドウッと崩れ落ちて大きく息を吐いた。愛子達も疲れたように椅子に深く座り込む。ハジメは、何事もなかったように食事を再開しながら、シュンとしているシアに話しかけた。

 

 

 

「おい、シア。これが〝外〟での普通なんだ。気にしていたらキリがないぞ?というか光輝は少しは堪えろ。」

 

「はぃ、そうですよね……わかってはいるのですけど……やっぱり、人間の方には、この耳は気持ち悪いのでしょうね」

 

「私はその耳好きだよ。後さハジメ、堪えるべきだとしても…私はこの想い(殺意)に嘘はつけない。」

 

「〝嘘はつけない〟じゃねえよ堪えろボケ俺が今までお前のせいでどれだけ苦労したと思ってんだええ!?」

 

「ごめんね…だけど…!私は止まらない!」

 

「とまれボケェ!!」

 

「……シアのウサミミは可愛い」

 

「ユエさん……そうでしょうか」

 

「うん。僕も可愛いと思うよ。あっ名乗り忘れてたね。僕は天之河恵理。光輝君の義理の妹兼お嫁さんだよ。」

 

「お嫁さん!?あの(頭の可笑しいヤバイ)人の!?」

 

「ん……?」(混乱)

 

「あ〜…シア。こいつらは教会やら国の上層に洗脳じみた教育されてるから、忌避感が半端ないだけだ。兎人族は愛玩奴隷の需要では一番なんだろう? それはつまり、一般的には気持ち悪いとまでは思われちゃいないってことだ。恵理については………深く考え無い方が良い。」

 

「そう……でしょうか……あ、あの、ちなみにハジメさんは……その……どう思いますか……私のウサミミ」

 

 

 

ハジメの言葉が慰めであると察して、少し嬉しそうなシアは、頬を染めながら上目遣いでハジメに尋ねる。ウサミミは、「聞きたいけど聞きたくない!」というようにペタリと垂れたまま、時々、ピコピコとハジメの方に耳を向けている。

 

 

 

「……別にどうも……」

 

 

 

そんなウサミミをチラリと見たハジメは、何かを誤魔化すように視線を食事に戻し、ぶっきらぼうに答えた。少し残念そうにふにゃりと垂れるウサミミ。しかし、つぐユエの言葉に、一気に元気を取り戻してヒュパ! と立ち上がった。

 

 

 

「……ハジメのお気に入り。シアが寝てる時にモフモフしてる」

 

「ユエッ!? それは言わない約束だろ!?」

 

「ハ、ハジメさん……私のウサミミお好きだったんですね……えへへ」

 

「ふ〜〜〜ん…」ニヤニヤ

 

「ニヤニヤしてんじゃねえぞ光輝ィ!」*1

 

シアが赤く染まった頬を両手で押さえイヤンイヤンし、頭上のウサミミは「わーい!」と喜びを表現する様にわっさわっさと動く。

 

 

 

ついさっきまで下手をすれば皆殺しにされるのではと錯覚しそうな緊迫感(というか本当に殺されかねなかった)が漂っていたのに、今は何故か桃色空間が広がっている不思議に、愛子達も騎士達も目を白黒させた。しばらく、ハジメ達のラブコメちっくなやり取りを見ていると、男子生徒の一人相川昇がポツリとこぼす。

 

 

 

「あれ? 不思議だな。さっきまで南雲のことマジで怖かったんだけど、今は殺意しか湧いてこないや……」

 

「お前もか。つーか、あの二人、ヤバイくらい可愛いんですけど……どストライクなんですけど……なのに、目の前にいちゃつかれるとか拷問なんですけど……」

 

「……南雲の言う通り、何をしていたか何てどうでもいい。だが、異世界の女の子と仲良くなる術だけは……聞き出したい! ……昇! 明人!」

 

「「へっ、地獄に行く時は一緒だぜ、淳史!」」

 

「というか光輝はどうする?」

 

「「殺されそうだから辞めとこう。」」

 

「別に殺さないけど…」

 

グツグツと煮えたぎる嫉妬を込めた眼で、ついさっき自分達を震え上がらせたハジメを睨みながら、一致団結する愛ちゃん護衛隊の男勢三人。すっかり、シリアスな雰囲気が吹き飛び、本来の調子を取り戻し始めた女生徒達が、そんな男子生徒達に物凄く冷めた目を向けていた。

 

 

 

チェイスが、場の雰囲気が落ち着いたのを悟り、デビッドの治癒に当たらせる。同時に、警戒心と敵意を押し殺して、微笑と共にハジメに問い掛けた。ハジメの事情はともかく、どうしても聞かなければならない事があったのだ。

 

 

 

「あー…南雲君でいいでしょうか? 先程は、隊長が失礼しました。何分、我々は愛子さんの護衛を務めておりますから、愛子さんに関することになると少々神経が過敏になってしまうのです。どうか、どうかその…そのまま抑えを願いたい」

 

 

 

ハジメは、黙って手をヒラヒラと振るに止めた。その態度に、チェイスの顔が緩みそうになるが、微笑というポーカーフェイスは崩れない。そして、頭の回転が早いチェイスの見立てでは到底放置できない、光輝の持つ目の前のアーティファクトらしき物に目を向け光輝よりまだ安全そうなハジメに切り込んだ。

 

 

 

「そのアーティファクト……でしょうか。寡聞にして存じないのですが、相当強力な物とお見受けします。弓より早く強力にもかかわらず、魔法のように詠唱も陣も必要ない。一体、何処で手に入れたのでしょう?」

 

 

微笑んでいるが、目は笑っていないチェイス。先ほどのやり取りで、魔力が使われたような気配がないことから、弓のように純粋な物理な機構が用いられているなら量産が可能かもしれないと考える。そして、そうなれば、戦争の行く末すら左右しかねないため、自分達が束になってもハジメ達には敵わないかもしれないとは思いつつも、聞かずにはいられなかったのだ。

 

 

 

ハジメが、チラリとチェイスを見る。そして、何かを言おうとして、興奮した声に遮られた。クラス男子の玉井淳史だ。

 

 

 

「そ、そうだよ、南雲。それ銃だろ!? 何で、光輝がそんなもん持ってんだよ!」

 

 

 

玉井の叫びにチェイスが反応する。

 

 

 

「銃? 玉井は、あれが何か知っているのですか?」

 

「え? ああ、そりゃあ、知ってるよ。俺達の世界の武器だからな。」

 

 

 

玉井の言葉にチェイスの眼が光る。そして、ハジメをゆっくりと見据えた。

 

 

 

「ほぅ、つまり、この世界に元々あったアーティファクトではないと……とすると、異世界人によって作成されたもの……作成者は当然……」

 

「俺だな」

 

 

 

ハジメは、あっさりと自分が創り出したと答えた。チェイスは、ハジメに秘密主義者という印象を抱いていたため、あっさり認めたことに意外感を表にする。

 

 

 

「あっさり認めるのですね。南雲君、その武器が持つ意味を理解していますか? それは……」

 

「この世界の戦争事情を一変させる……だろ? 量産できればな。大方、言いたいことはやはり戻ってこいとか、せめて作成方法を教えろとか、そんな感じだろ? 当然、全部却下だ。諦めろ…眠い…」

 

「ハジメ…鞘いる?」ズズズ…*2

 

「寄越せ…」

 

取り付く島もないハジメの言葉。あらかじめ用意していた言葉をそのまま伝えたようだ。だが、チェイスも食い下がる。銃はそれだけ魅力的だったのだ。

 

 

 

「ですが、それを量産できればレベルの低い兵達も高い攻撃力を得ることができます。そうすれば、来る戦争でも多くの者を生かし、勝率も大幅に上がることでしょう。あなたが協力する事で、お友達や先生の助けにもなるのですよ? ならば……」

 

「なんと言われようと、協力するつもりはない。奪おうというなら敵とみなす。その時は……戦争前に滅ぶ覚悟をしろ……………ああぁぁ………体の疲れが回復する………光輝お前の鞘やべえな。」

 

「私もそう思う。」

 

ハジメの静かな言葉に全身を悪寒に襲われ口をつぐむチェイス。そこへ愛子が執り成すように口を挟む。

 

 

 

「チェイスさん。南雲君には南雲君の考えがあります。私の生徒に無理強いはしないで下さい。南雲君も、あまり過激な事は言わないで下さい。もっと穏便に……南雲君は、本当に戻ってこないつもり何ですか?」

 

「ああ、戻るつもりはない。明朝、仕事に出て依頼を果たしたら、そのままここを出る」

 

「どうして……」

 

 

 

愛子が悲しそうにハジメを見やり、理由を聞こうとするが、それより早くハジメが席を立った。いつの間にか、ユエやシアも食事を終えている。愛子が引きとめようとするが、ハジメは無視してユエとシアを連れ二階への階段を上っていってしまった。

 

 

 

後に残された愛子達の間には、何とも言えない微妙な空気が流れる。死んだと思っていたクラスメイトが生きていたのは嬉しい。だが、当の本人は、自分達の事などまるで眼中になかった。しかも、以前とは比べ物にならないほど強者となっており、〝無能〟と呼んで蔑んでいた頃のように上から目線で話すなど出来そうもない。

 

 

 

また、蔑んでいた事、光輝以外は檜山達のイジメを見て見ぬふりをしていた事、そしてあの〝殺人〟事件、その全てが負い目となってハジメに対する態度を曖昧にしていた。結果、誰もハジメに対して積極的な態度を取れなかった。

 

 

 

愛子自身も、怒涛の展開と教え子の変貌に内心激しく動揺しており、離れていくハジメを引き止めることができなかった。

 

 

 

チェイスは、傍らで既に光輝による治癒の終わった奇跡的に生きていたデビッドの姿を見ながら、何かを深く考え込んでいる。

 

 

 

食事はすっかり冷めてしまい、食欲も失せた。*3目の前の料理を何となしに眺めながら、誰もが、ハジメが退席した事で改めて〝ハジメと光輝の生存〟について深く考え始めた。

 

 

 

一体何があれば人はああも変わるのか*4、あの時の〝殺人〟をハジメと光輝はどう思っているのか、ハジメは今、自分達をどう思っているのか……もしや、恨んでいるのではないか。そんな考えが脳内をぐるぐると巡り、皆一様に沈んだ表情で、その日は解散となった。

 

後恵理は光輝について行った。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

夜中。深夜を周り、一日の活動とその後の予想外の展開に精神的にも肉体的にも疲れ果て、誰もが眠りついた頃、しかし、愛子は未だ寝付けずにいた。愛子の部屋は一人部屋で、それほど大きくはない。木製の猫脚ベッドとテーブルセット、それに小さな暖炉があり、その前には革張りのソファーが置かれている。冬場には、きっと揺らめく炎が部屋を照らし、視覚的にも体感的にも宿泊客を暖めてくれるのだろう。

 

 

 

愛子は、今日の出来事に思いを馳せ、ソファーに深く身を預けながら火の入っていない暖炉を何となしに見つめる。愛子の頭の中は整理されていない本棚のように、あらゆる情報が無秩序に並んでいた。

 

 

 

考えねばならないこと、考えたいこと、これからのこと、ぐるぐると回る頭は一向に建設的な意見を出してはくれない。大切な教え子が生きていたと知ったときの事を思い出し頬が緩むも、その後の非友好的ですらない無関心な態度に眉を八の字にする。

 

 

 

デビッドの言動により垣間見たハジメの力と光輝の荒れように、そのように変貌しなければ生き残れなかったのかもしれないと、ハジメ達が経験したであろう苦難を思い、何の助けにもなれなかったことに溜息を吐く。しかし、その後のハジメと二人の少女との掛け合いを思い出し、信頼できる仲間を得ていたのだと思い、再び頬を緩める。

 

 

 

と、そこへ、突如誰もいないはずの部屋の中から声が掛けられた。

 

 

 

「なに百面相してるんだ、先生?」

 

「そうだよ先生。」

 

「ッ!?」

 

 

 

ギョッとして声がした方へ振り向く愛子。そこには、入口の扉にもたれながら腕を組んで立つハジメの姿があった。驚愕のあまり舌がもつれながらも何とか言葉を発する愛子。

 

 

 

「な、南雲君? な、なんでここに、どうやって……というか天之河君は何処に隠れて…」

 

「どうやってと言われると、普通にドアからと答えるしかないな、後光輝は後ろだ。」

 

「ほえっ、天之河君何時の間に!?でも鍵が……」

 

「俺の天職は錬成師だぞ? 地球の鍵でもあるまいし、この程度の構造の鍵くらい開けられるさ。」

 

「私は先生をストーキングしてたよ。先生が部屋に入った時からずっと部屋にいたんだ。*5恵里と一緒に何時気づくかと思ったけど気付かなかったね。」

 

 

「やぁ先生。僕だよ!」

 

 

「ほぁ!?恵里さん!?というか私この部屋で着替えていたんですけど!覗きですか!?南雲君もこんな時間に、しかも女性の部屋にノックもなくいきなり侵入とは感心しませんよ。わざわざ鍵まで開けて一体、どうしたんですか!」

 

 

愛子の脳裏に一瞬、夜這いという言葉が過ぎったが即行で打ち消す。生徒相手に何を考えているのだと軽く頭を振った。というか女子(恵里)もいるので普通やる訳無い。*6ハジメは、そんな愛子のお叱りを柳に風と受け流し、非常識な来訪の目的を告げた。

 

 

 

「まぁ、そこは悪かったよ。他の連中に見られたくなかったんだ、この訪問を。先生には話しておきたい事があったんだが、さっきは、教会やら王国の奴等がいたから話せなかったんだよ。内容的に、アイツ等発狂でもして暴れそうだし…そんな俺の配慮を壊そうとした奴がいるが。なぁ。」

 

「ごめんね…でも…この想い(殺意)は…間違いなんかじゃ無いはずだから……!」

 

「出来るだけ苦しんで死んでくれ。本当に。お願いだから。」

 

「………(言及しない方がよさそうですね。)話ですか? 南雲君達は、先生達のことはどうでもよかったんじゃ……」

 

 

 

もしや、本当は戻ってくるつもりなのではと、期待に目を輝かせる愛子。生徒からの相談とあれば、まさに教師の役どころである。しかし、ハジメは、その期待を即行で否定した。

 

 

 

「いや、戻るつもりはないからな? だから、そんな期待した目で見るのは止めてくれ……今から話す話は、先生が一番冷静に受け止められるだろうと思ったから話す。聞いた後、どうするかは先生の判断に任せるよ」

 

 

 

そう言ってハジメは、オスカーから聞いた〝解放者〟と狂った神の遊戯の物語を話し始めた。光輝は後ろでマフティーダンスを恵里と共に踊っている。恵理も充分トンチキ(光輝)に影響されているらしい。*7

 

 

要約

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

・偶々先生達と会えた。

 

・「まぁせっかくだし説明しとこう…先生だけでいいか。」

 

・神はカス!戦争やっても多分帰れ無い!

 

・というか魔族と人間との戦争は戦争見て愉しむ為のマッチポンプ!

 

・昔神を殺そうとした『解放者』がいたけど神託によって反逆者として人間達に殺されたよ!

 

・このままじゃ勝てないから次の世代に託そうとして造ったのが『七大迷宮』だよ!

 

・神は当てにならないから自分達で帰る方法探そう!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

ハジメから、この世界の真実を聞かされ呆然とする愛子。どう受け止めていいか分からないようだ。情報を咀嚼し、自らの考えを持つに至るには、まだ時間が掛かりそうである。

 

 

 

「まぁ、そういうわけだ。俺が奈落の底で知った事はな。これを知ってどうするかは先生に任せるよ。戯言と切って捨てるもよし、真実として行動を起こすもよし。好きにしてくれ」

 

「な、南雲君達は、もしかして、その〝狂った神〟をどうにかしようと……旅を?」

 

「ハッ、まさか。この世界がどうなろうが心底どうでもいい。俺は俺なりに帰還の方法を探るだけだ。旅はそのためのものだよ。教えたのは、その方が俺にとって都合が良さそうだから、それだけだ。光輝は殺そうとしてるが。」

 

「いや…前から考えてたけどさ?元の世界に帰れても…元凶がそのままだったらまた異世界に呼ばれたりするかもだし…憂いは絶っておくべきでしょ?別に私もこの世界どうでもいいけどね?」

 

「…」*8

 

 

愛子は何とも微妙な表情だ。無謀なことに首を突っ込まないという事には安心出来るが、躊躇いなく他者を切り捨てる発言には教師として眉をひそめざるを得ない。もっとも、自分もこの世界の事情より生徒達を優先しているので、人のことは言えず、結果、微妙な表情で話題を逸らすことになった。

 

 

 

「アテはあるんですか?」

 

「まぁな。大迷宮が鍵だ。興味があるなら探索したらいい。オルクスの百階を超えれば、めでたく本当の大迷宮だ。もっとも、今日の様子を見る限り、行っても直ぐに死ぬと思うけどな。あの程度の〝威圧〟に耐えられないようじゃ論外だよ」

 

「まぁ私達が実際に『論外』側だったからね。」

 

 

愛子は、夕食時のハジメから放たれたプレッシャーを思い出す。そして、どれだけ過酷な状況を生き抜いたのかと改めてハジメと光輝に同情やら称賛やら色々なものが詰まった複雑な目差しを向けた。

 

 

 

しばらく、沈黙が続く。静寂が部屋に満ちた。ハジメは、愛子の様子から与えるべき情報を確かに与えられたと悟り、もう用はないと、踵を返して扉へと手をかけた。その背中に、オルクス大迷宮という言葉で思い出したとある生徒の事を伝えようと愛子が話しかけた。

 

 

 

「白崎さんは諦めていませんでしたよ」

 

「……」

 

 

 

愛子から掛けられた予想外の言葉にハジメの歩みが止まる。愛子は、背中を向けたままのハジメにそっと語りかけた。

 

 

 

「皆が君は死んだと言っても、彼女だけは諦めていませんでした。自分の目で確認するまで、君の生存を信じると。今も、オルクス大迷宮で戦っています。龍太郎君達は純粋に実戦訓練として潜っているようですが、彼女だけは君を探すことが目的のようです。」

 

「…………白崎は無事か?」

 

 

 

長い沈黙の後、ハジメは愛子に尋ねる。自分達に無関心な態度をとっていたハジメの初めての他者を心配するような言葉に、愛子は、まだハジメが以前の心を残していると思い喜色を浮かべた。

 

 

 

「は、はい。オルクス大迷宮は危険な場所ではありますが、順調に実力を伸ばして、攻略を進めているようです。時々届く手紙にはそうありますよ。やっぱり気になりますか? 南雲君と白崎さんは仲がよかったですもんね」

 

 

 

にこやかに語る愛子に、しかしハジメは否定も肯定もせず無表情で肩越しに振り返った。

 

 

 

「そう言う意味じゃないんだが……檜山についてだ。」

 

「まぁ私が犯人大公開したのは以前話してたからね。正直(計画的に)気になってたんだ。」

 

「……………………………檜山くんは、牢屋に監禁されています。」

 

「ほーん。ちゃんと俺達がクラスメイトに殺されかけたって事は分かってるんだな。」

 

「ッ!?……………っう…うあぁ…」ポロポロ

 

「ハジメさぁ…あーもう愛ちゃん先生泣いちゃって…オブラートとか…言い方とか…いや別に私もハジメの事言えないけど…ハジメさぁ…おーヨシヨシ…」ナデナデ

 

「いや本当の事だし…あー泣かないでくれよ先生。」

 

「ハジメ…僕ちょっと生徒喪ったと思ってた心優しい先生が再会して直ぐに別の生徒が殺人しようとした事実をマジマジと確認させるのゲスの所業じゃないかと思うんだけど。」

 

「辞めろ恵里…何時もは…何時もは光輝の方がノンデリなんだ…」

 

「でも今回やったのハジメじゃん。僕正直何時もどうこうで論点すり替えて光輝くんに擦りつけるのはどうかと思うよ?」

 

「ぐ…ぐぅ…」

 

顔面を蒼白してすすり泣く愛子に、「おっ…俺は帰るから…」と言い残し、ハジメは部屋を出ていった。

 

 

 

シンとする部屋に冷気が吹き込んだように錯覚し、愛子は両腕で自らの体を抱きしめすすり泣いた。大切な生徒が仲間を殺そうとした。それも、死の瀬戸際で背中を狙うという卑劣な手段で。生徒が何より大切な愛子には、受け入れ難い話だった。だが、事実だ、どうあがいても否定できない。生徒を愛している心とどうして自分はそうなる前に話し合えなかったという後悔が混ざり合い自分の心を締め付ける。

 

 

 

自身の生徒(光輝と恵里)によって慰められているという事実に自分が少し情けなくなるが、普段に増して眠れぬ夜を過ごした。

*1
既にデビッドは治してある。

*2
鞘を抜き出す音

*3
というか頭が吹き飛ぶとか言うR18Gで吐きそうになった。

*4
別に光輝は変わってない

*5
風王結界(インビジブル・エア)で隠れてた。

*6
但し光輝は異世界生活ではっちゃけ過ぎて先生の部屋で音と匂いと姿を消しながら恵理と◯◯◯(SEX)していた物とする。というか隙あらば夜這いを(ネタで)掛ける物とする。

*7
ハジメ「気ぃ散るから辞めてくんねぇかな…というか無駄にキレッキレだなあいつら」

*8
「よく考えたらそうだな…」という顔




掲示板形式の癖に掲示板を入れる隙間が無い小説!どーこだ!此処!

しょうがないからキャラ設定公開すっか…

害悪トレント…幸運EXをフル活用した男。かつてユグドラシルでシューティングスター(1個で3回まで願いを叶えられる指輪。要するにドラ◯ンボール)を転移に備えて100個程確保した。ユグドラシルやってる当時のモモンガは不正を疑ったが、完全に真っ白で泣き叫んだ。昔イビルアイ(キーノ)の脳をバチバチに焦がした。

うらーら何時もありがとう…ロリコン。遊戯王は初心者用スターターデッキ(エルドリッチ)で始めた。

キボウ…高育に入学した途端茶柱先生を過労死させる勢いで働かせた。茶柱先生は泣いた。

〜過去の会話〜〜〜〜

茶柱「なぁ…カムクラ………助けt「駄目です。」うああぁ………あぁ…あぁ…あぁ「さっさとして下さい。ほらコレ新しい論文です。学会への手続きお願いします。」ああああああああああああ!!!!!!!「煩いです。あと追加の仕事です。」…ア゛ア゛ア゛…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ドブガス…流星街(治安最悪スラム)生まれ。死告天使は親に捨てられたのでこのままじゃ死ぬ為面倒を見てくれる保護者を求めて造った能力。因みに最初に造った念獣は『百貌のハサン』(人手を求めて)。

暗殺剣…あくまで篁さんに憧れているだけなので普通に喋れるし世界中で指名手配されている。実は銃も格闘も出来る。

こんなんなっちゃった……リニアとプルセナを嫁にした。直感は特典で取った。幸運は取らなかった。

もう一人のボク!?…(かつて)リニアとプルセナを嫁にした。両方死んだ。過去に来てギレーヌとグチャドロにS◯Xした。退廃的関係。バッドエンド世界線は幸運の特典さえ有れば回避できた。バッドエンド世界線のヒトガミをオルステッドと共に殺して運命にケリを付けてから過去に行った。
作者の曇らせを全て背負い、曇りを晴らす男。

何も、誰も救えなかった英雄。

事象編纂…キボウみたいに『退屈したくない』という想いでスケジュールが過密らしい禁書世界に転生した。忙し過ぎて能力で睡眠を誤魔化してかれこれ数ヶ月寝てない。

屋根ゴミカス…この前エピソードアイギスでペルソナ3の世界に行った。ペルソナ3主人公をどうにかして助けてやった。

せ枠…天与の暴君とも張り合えるゴリラ。天内は華麗に救出した。
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