騎士王転生の天之河光輝、異世界に降り立つ。(元 天之河光輝成り代わり物) 作:ゼロさん
後光輝の蹂躙シーンで入れるべき文章入れてなかったので追加。
見渡す限りの青。
空は地平の彼方まで晴れ渡り、太陽の光は燦々と降り注ぐ。しかし、決して暑すぎるということはなく、気候は穏やかで過ごしやすい。時折、優しく吹くそよ風は何とも心地いい。
ここは大海原のど真ん中だ。
そんな中でぷかぷか、ゆらゆらと波間に漂うのは一隻の船だ。いや、それを船と表現していいものか。少なくとも、この世界の人には〝船〟だと認識は出来ないだろう。
なぜなら、それは黒く光沢のある流線形のボディをしており、通常の船のように外側に乗り込む場所がないからである。本来なら、更に、そのボディの左右に小さな翼のようなものがVの字型についており、後部はスクリューのようなものと尾に見せかけた舵がついているのだが……今は見るも無残な感じで残骸が引っかかっているだけだった。それさえきちんとついていれば、少し平べったいシャチに見えなくもない、そんな形だ。*1
船というより新種の魔物と言われた方が、きっとこの世界の人々は納得するだろう。このシャチ型の船の正体は潜水艇だ。言わずもがな、【グリューエン大火山】のマグマの中を逞しく流されて、搭乗者に九死に一生を得させたハジメのアーティファクトである。代償に、ほとんど大破といってもいいレベルで壊れていたが。
そんな波間に浮かぶ潜水艇の上で両手を頭の後ろで組んで寝転びながら、大自然を目一杯堪能しているのはハジメだ。極光の一撃で融解してしまい、まともに動かなかった左の義手は、潜水艇に使われていた素材を流用して修繕を施してあり、見た目は元に戻っている。中身のギミックは、そのほとんどが使用不可状態だが。
「ウオォォォォ!!!みてみてハジメェェェ!!!
「ハジメ…光輝何やってるの?」
潜水艦のハッチから出てきたユエが光輝に変態を見る目を向けながらハジメに聞く。
「いや…遊んでるんだろ…楽しそうだしまぁ…いいだろ。」
苦笑いするハジメに、ユエも困ったように眉を八の字にした。二人して、【グリューエン大火山】でマグマに呑み込まれたところからどうにか助かったが、光輝が元気過ぎてちょっと引いてるのだ。
ハジメ達は、マグマ溜りから何処かの地下に流されていったあと、ほぼ丸一日激流にさらされ続けた。もしや、このままこの星のマントルまで行くんじゃないだろうな? とハジメが冷や汗と共に疑いを持ち始めた頃、遂に、先の知れない地下の旅にも終わりが来た。これまでで最大の衝撃がハジメ達を襲ったのである。その衝撃は凄まじく〝金剛〟の防御を貫いて直接潜水艇にダメージを与えるほどだった。そして、その衝撃と共に、潜水艇は猛烈な勢いで吹き飛ばされた。
激しい衝撃に、ハジメは、何事かとクロスビットにも搭載されている遠隔カメラの機能をもつ鉱石〝遠透石〟で周囲を確認した。そうして目に入った光景は、マグマで満たされた赤の世界ではなく、蛇のようにのたうつマグマと猛烈な勢いで湧き上がる気泡で荒れ狂った〝海〟だった。
どうやらハジメ達は、何処かの海底火山の噴出口から、いわゆるマグマ水蒸気爆発に巻き込まれて盛大に吹き飛ばされたらしかった。その衝撃で、船体が著しく傷ついたわけだが、何とか浸水を免れたのは不幸中の幸いというべきか、それとも流石ハジメのアーティファクトと称えるべきか微妙なところだ。
九死に一生を得て、何とか地上に戻れたことに安堵したハジメ達だったが、その後も、受難は続いた。
噴火によりくるくると回りながら、海中へと放り出されたハジメ達は、少し呆然としつつも、直ぐに潜水艇の制御を取り戻し航行を開始した。両翼や船尾が大破していたが、魔力の放出による航行も出来るので、スクリューや両翼・船尾を使った航行に比べると圧倒的に燃費は悪いものの問題はなかった。
再び、噴火に巻き込まれては堪らないと、急いでその場を離れたハジメ達だったが、そんなシャチ型の潜水艇を付け狙う巨大な影があった。それは、巨大なイカっぽい何か。体長三十メートルはあり、三十本以上の触手をうねうねさせている姿は、海の怪物クラーケンを彷彿とさせる。
そんな怪物が、潜水艇に容赦なく襲い掛かった。触手に絡め取られ、あわや円形に並んだ鋭い牙に噛み砕かれるかという所で、光輝が潜水艇から飛び出して
しかし、クラーケンモドキを退けても、まだ、終わらない。今度は、サメの群れに襲われたのだ。そのサメも魔物の一種で、連携を取りながら水の竜巻を放って来るという鬱陶しいことこの上ない敵だった。その後もドリルみたいな角を持つカジキマグロモドキとか、機雷みたいなのをばら撒くドヤ顔の亀とかに襲われた。どうにか全部光輝が倒した後、
ハジメはガス欠と海水で濡れて風邪を引き寝込んでいる光輝を寝かせ、見渡す限り海しかない場所で天を仰ぎつつも、方角的に大陸があるであろう方向へ進んだ。そして、半日ほど進んで、気候も波も極めて穏やかになったことから、ちょいと休憩しようと潜水艇を停めて、船外で日向ぼっこと洒落込んだというわけである。
【グリューエン大火山】攻略から現在まで、まさに怒涛の展開だった。どう考えてもハジメ達以外では生き残れる可能性はないと言える状況だった。思わず、ハジメが、某男女平等パンチの使い手の如く「不幸だー!」と叫びたくなったのも頷けるだろう。
因みにカスは目覚めてすぐに空の彼方から
「まぁ、ゆっくりすればいいさ。どの道、現在位置がわからない以上、どれくらい進めば陸にたどり着くかはわからないんだ。いつ何が起きるかわからないし、少しくらい回復も兼ねてのんびりしよう」
「……ん」
「あびゃぶべべべアッファッファwwwwwwFOOOOwwwwww!!!」
「…
海は大陸の西にあるので、ただ大陸にたどり着くだけなら東に向かえばいい。水は魔法で作り出せるし、魚を採れば食料も問題ない。潜水艇と魔法から逃れられる魚などいはしないのだから、一見すると大海原に遭難状態とはいえ、それほど焦る状況ではなかった。夜に星の位置を確認すれば、大陸が見えてからの進路も取れる。そんなわけで、休める時に休んでおこうというわけだ。
暖かな日差しとそよ風に体の力を抜いてリラックスするハジメ。そんなハジメを、目を細めて見つめるユエは……
「……ユエさんや。何をしていらっしゃる?」
「……ハジメを元気づけてる」
いつの間にか妖艶な雰囲気を醸し出しながら、ゆっくりと動いていた。元気づけているらしい。どこをとは言わないが。濡れた瞳で真っ直ぐハジメを見つめるユエに、ハジメは抵抗の〝て〟の字も思い浮かばない。
「んっ……ふふ、ハジメ、元気になった」
「……まさか、大海原のド真ん中で、とは……半年前の俺じゃあ想像もつかない」
開放感が凄まじい場所で、互いの生存を喜びつつ、それをお互いの体で示すハジメとユエ。しばらく、小波とは違う揺れが潜水艇を揺らしていた。
光輝も恵里達とギッシギッシ揺らしていた。
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二日目、太陽が中天を越えた頃、ハジメ達は、お昼休憩のため潜水艇を停めて、その上で波に揺られながら昼食をとっていた。メニューは当然、海で採った魚………ではなく光輝の転生者ショップで購入したトリコ食材の料理のテイクアウト*2だ。〝宝物庫〟をティオに預けてあっても、調理器具も調味料も何も無くても別に料理するよりトリコ食材買った方が栄養も味も上なのだ。金も心配なかったらそりゃトリコ食材たべるよ。
と、その時、ブライアダックの丸焼きに舌鼓を打っていたシアのウサミミが、突如、ピコンッ!と跳ねたかと思うと、忙しなく動き始めた。次いで、ハジメも「ん?」と何かの気配を感じたようで、全長六十センチ近くあるクソデカ缶コーラ*3を啜りながら、視線を動かした。
直後、潜水艇を囲むようにして、先が三股になっている槍を突き出した複数の人が、ザバッ! と音を立てて海の中から一斉に現れた。数は、二十人ほど。その誰もが、エメラルドグリーンの髪と扇状のヒレのような耳を付けていた。どう見ても、海人族の集団だ。彼らの目はいずれも、警戒心に溢れ剣呑に細められている。
そのうちの一人、ハジメの正面に位置する海人族の男が槍を突き出しながら、ハジメに問い掛けた。
「お前達は何者だ?なぜ、ここにいる?その乗っているものは何だ?」
ハジメは、頬を膨らませながら
光輝は原作でコイツらが嫌いだったので殺す事にした。
「まぁ落ち着きなよ魚畜生。野菜ちゃんと食べてる?相手に質問するならそれ相応の態度あるでしょ。実力差分からないの?『質問にどうか答えていただけませんか?』だろう?」
「貴様…」
尋問した男の額に青筋が浮かぶ。どうにも、ただ海にいる人間を見つけたにしては殺気立ち過ぎている。まぁ光輝が煽ったせいだろうが、そのことに疑問を抱きつつも、一触即発の状況を打開しようと、
「あ、あの、落ち着いて下さい。私達はですね……」
「黙れ! 兎人族如きが勝手に口を開くな!」
やはり兎人族の地位は、樹海の外の亜人族の中でも低いようだ。
シアを侮辱されて殺気立つハジメ。
海人族の男は、次の瞬間、
ドガァアアアン!!
そんな衝撃音と共に上半身が吹き飛び、空中に臓器が飛び散った挙句、海中へと沈んでいった。
唖然とした表情で、吹き飛んだ男の死体から光輝に視線を戻した残りの海人族達の目には、謎の鉄の塊*4を片手に持つ光輝の姿が飛び込んできた。
跳ね、飛び散った臓器が目の前のラフな格好の男の狂気的な笑みを引き立てる。
「なっ、なっ」
狼狽する海人族達。
光輝、ジロリと吹き飛んだ男の隣にいた男を睨みつけた。ただでさえ、今まで感じたことのないプレッシャーに押し潰されそうになっていた海人族の男は、光輝の狂気的眼光に恐慌を来たしたのか雄叫びを上げながら槍を突き出す。
「ゼェアア!!」
男の人生の中でも、会心と言っていい程の一撃。死を予感して、本能が繰り出させた必殺の一撃だった。しかし、その一撃は、突然出現した謎の黒い穴ズボッと突き刺さると、いとも簡単に止められてしまった。
「え? え? な、なんで……」
いや、違う。『止められた』のでは無く、『刺さった』のだ。そう、男の体に。あの『穴』は光輝の出した『ワープホール』だったのだ!
他の男が有り得ない光景に呆然としていた所、口から血を吐き出した海人族の男は死んだ。呻き声を上げて倒れ伏す海人族を尻目に
「なーに安心してくれ。後で生き返らせる。」
ハジメは、「(ウソだろ…)」と思った。ハジメとしては、ミュウと同じ海人族とは、あまり争いたくなかった。さっくり殺してしまった相手が実はミュウの近所のおじさんですとか言われたら目も当てられない…が、光輝が『生き返らせる』と言ったのなら適当に転生者脅威のテクノロジーで生き返らせるのだろう。と食事を再開した。美味しいご飯は全てに優先されるのだ。ハジメ達一行は順調に転生者によって腹ペコ属性に改造されていた。
「そうやって(ワープホール)、あの子も攫ったのか? また、我らの子を攫いに来たのか!」
「もうその魔法を使う隙など与えんぞ! 海は我らの領域。無事に帰れると思うな!」
「手足を切り落としてでも、あの子の居場所を吐かせてやる!」
「安心しろ。王国に引き渡すまで生かしてやる。状態は保障しないがな」
何やら尋常でない様子だ。警戒心というより、その目には強烈な恨みが含まれているように見える。〝我らの子を攫う〟という言葉から、彼等が殺気立っている原因を何となく察するハジメ。もしかするとミュウ誘拐の犯人と勘違いされているのかもしれない。見たことのない乗り物に乗り、兎人族の奴隷を連れ、海人族の警戒範囲をうろつく人間……確かに誤解されてもおかしくないかもしれない。
亜人族は、種族における結束や情が非常に強い。他種族間でもそうだが、特に同種族において、その傾向は顕著だ。シアのために一族総出で樹海を飛び出したハウリア族しかり、族長を傷つけられて長老会議の決定を無視してまで復讐に飛び出した熊人族しかり。海人族も例に漏れず、例え他人の子であっても自分の子と変わらないくらい大切なのだろう。
ハジメは、内心、「わざわざ俺や光輝を父親や義理の兄扱いしなくても、父親や兄っぽい奴等が沢山いるじゃねぇか」と少し拗ねの入った文句を、ここにはいないミュウに向けて苦笑い混じりに呟いた。そして、光輝は、ミュウの名前を出して
「ミュウちゃんの事かな?可愛かったよw」(素直な感想)
「貴様…やれぇ!!」
海人族はモリを次々と投擲しようとした。なるほど、確かに殺すつもりはないようで肩や足を狙ったものばかりだ。
普通の人間なら、回避行動が間に合わずモリに射抜かれるか、海に落ちて海人族に制圧されるかが関の山だろう。あくまで、普通の人間なら。
「〝
光輝の呟き一つで、『胃の中に爆弾が転移させられ』、全ての海人族達の上半身が消し飛んだ。しばらくすると、プカーと二十一人の海人族の死体が浮かび上がった。
ユエは な光景が見えないように海水の壁を作った。
「ユエ、お疲れさん」
「ん……ハジメ、この(元)人(だった物)達が言っていたのって」
「まぁ、ミュウのことだろうな」
「エリセンに行っても色々ありそうですね。流石、ハジメさん。何の問題もなく過ごせた町が皆無という……」
「やめてくれよ、シア。実は、ちょっと気にしてたんだ……ちくしょう。ミュウがいれば何の心配もなかったのに……」
ハジメは、頭を抱えながら溜息を吐き、取り敢えず、土左衛門(直喩)になっている海人族の死体達の回収に動き出した。
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潜水艇を即席で改造し作った荷台に、どうにか
そうして海の上を走ること数時間、
「あっ、ハジメさん! 見えてきましたよ! 町ですぅ! やっと人のいる場所ですよぉ!」
「ん? おぉ、ほんとに海のド真ん中にあるんだなぁ」
シアが瞳を輝かせながら指を指し【エリセン】の存在を伝える。視線を向けたハジメの眼にも、確かに海上に浮かぶ大きな町が見え始めた。
ハジメは、桟橋が数多く突き出た場所へ向かう。そして、見たこともない乗り物に乗ってやって来たハジメ達に目を丸くしている海人族達や観光やら商売でやって来たであろう人間達を尻目に、空いている場所に停泊した。
すると、すぐ傍に来たことで、潜水艇の荷台に白目をむいて倒れる数十人の海人族達を目撃した海人族達が、大声で騒ぎ出した。
そうこうしているうちに、完全武装した海人族と人間の兵士が詰めかけてきた。
「貴様等何者だ……エリセンの管轄内で正体不明の船に乗ってうろついていた不審者め…」
「(ぶっ殺す…絶対このエリセン滅ぼす…)*5」
「お前達…無断で管轄内に入り、それを発見した自警団の団員を襲ったのだから、そう簡単に自由にさせるわけには行かないな」
「殺気立って話も聞かず、襲ってきたのはコイツ等だろうが。それとも、おとなしく手足を落とされていれば良かったってか?……いい加減にしとけよ(光輝がやけに静かだな…ストレスを発散したのか?)」
ハジメは剣呑に目を細めた。目の前の兵士達のリーダーらしき人間族の男は、ハジメから溢れ出る重い空気に眉をしかめる。(光輝は殺意を隠している!)
彼の胸元のワッペンにはハイリヒ王国の紋章が入っており、国が保護の名目で送り込んでいる駐在部隊の隊長格であると推測できる。海人族側の、おそらく自警団と呼ばれた者達も、ハジメの雰囲気に及び腰になりながらも引かない様子だ。
ハジメとしては、ミュウの故郷であるし、大迷宮の一つ【メルジーネ海底遺跡】の正確な場所を知らないので、しばらく探索に時間がかかる可能性を考えると拠点となるエリセンで問題を起こしたくはなかった。アンカジにミュウがいるのは確実であるし、そうすれば疑惑も解けると頭ではわかっている。しかし、この世界におけるあらゆる理不尽に対して、ハジメは、条件反射ともいえる敵愾心を持っている。なので、そう簡単に言うことは聞く気にはなれなかった。
まさに、一触即発。
緊張感が高まる中、ハジメが、やはりミュウの故郷で暴れまわるわけにはいかないかと、(光輝以外が)譲歩しようとしたその時、
「ん? 今なにか……」
シアが、ウサミミをピコピコと動かしながらキョロキョロと空を見渡し始めた。ハジメは、隊長格の男から目を逸らさずに、「どうした?」と尋ねる。だが、それにシアが答える前に、ハジメにも薄らと声と気配が感じられた。
「――ッ」
「あ? なんだ?」
「――パッ!――兄ッ!」
「おい、まさか!?」
「――パパぁー!!――お兄さーん!!―」
ハジメが慌てて空を見上げると、何と、遥か上空から、小さな人影が落ちてきているところだった!
両手を広げて、自由落下しているというのに満面の笑みを浮かべるその人影は……
「ミュウッ!?」
そう、ミュウだ。ミュウがスカイダイビングしている。パラシュートなしで。よく見れば、その背後から、慌てたように落下してくる黒竜姿のティオとその背に乗った、やはり焦り顔の香織の姿が見えた。
ハジメは、落ちてくる人影がミュウだと認識するや否や、〝空力〟と〝縮地〟、光輝は
一気に百メートル以上跳んだハジメは、更に〝空力〟を使ってミュウが落下して来る場所へ跳躍し〝瞬光〟を発動。スローになった世界で、ハジメが確実にミュウを腕の中に収めると、光輝が空気抵抗を0にした後、神業とも言うべき速度調整で落下し、衝撃の一切を完璧に殺した。
そして、ミュウを抱きしめたまま、〝空力〟を使ってピョンピョンと跳ねながら地上へと戻る。内心、冷や汗を滝のように流しながら。
「パパッ!お兄さんッ!」
そんなハジメの内心など露ほどにも知らず、満面の笑みでハジメの胸元に顔をスリスリと擦りつけるミュウ。おそらく、上空で真下にハジメ達がいるとティオ辺りにでも教えられたのだろう。
そして、事故かあるいは故意かは分からないが、ハジメ達目掛けて落下した。落下中の笑顔を見れば、ハジメ達が受け止めてくれるということを微塵も疑っていなかったに違いない。
だからといって、フリーフォールを満面の笑みで行うなど尋常な胆力ではない。そんな四歳児、いて堪るか!と内心ツッコミを入れながら、地上に降りたら盛大に叱ってやらねばなるまいと胸元のミュウを撫でながら、眉根を寄せるハジメであった。