騎士王転生の天之河光輝、異世界に降り立つ。(元 天之河光輝成り代わり物)   作:ゼロさん

56 / 67
俺にシリアスはできない。はっきり和姦だね。


ありふれた展開で告白の結末

黒幕は八重樫である。

 

何となくそう思った。

 

普通なら信頼出来る訳が無い、何となくの…唯の『直感』なんて。

 

 

「でも…この直感は『特典』なんだよねぇ………ハァもうホントに…」

 

 

『特典:直感』この特典はいわゆる未来予知や虫の知らせと言われる類の能力だ。天之河光輝は特典により、

「犯人誰なんだろうな〜…」

と何となく考え、何となく八重樫雫が犯人であると思った。なんの理由も根拠も存在しないが、確実に犯人は八重樫雫なのだ。

 

「はァー!多分私のせいだなー!コレ!どうしよっかなー!!!」(ヤケクソ)

 

 

「どうしたのさ光輝君、僕に聞かせてくれない?相談乗るよ。」(良妻)

 

 

「コレの犯人雫だし犯行の原因私。」

 

 

「あっふーん…()………どうする?」

 

 

「………どうしようか。」

 

 

雫と会う前の通路での会話である。(風王結界(インビジブル・エア)で防音して話してる)


 

「……一体、どうなってやがる?」

 

 

 

それは、白髪眼帯の少年、南雲ハジメの声だった。

 

 

 

ハジメの登場に、まるで時間が停止したように香織と兵士が動きを止めた。それは、ハジメが凄絶なプレッシャーを放っていたからだ。*1

 

 

 

ハジメは、自分を注視する何百人という人間の視線をまるで意に介さず、周囲の状況を睥睨する。黒刀を片手に硬直する雫、首を切り落とされ命の鼓動を止めている香織……

 

 

 

その姿を見た瞬間、この世のものとは思えないおぞましい気配が広場を一瞬で侵食した。体中を虫が這い回るような、体の中を直接かき混ぜられ心臓を鷲掴みにされているような、怖気を震う気配。圧倒的な死の気配だ。血が凍りつくとはまさにこのこと。一瞬で体は温度を失い、濃密な殺意があらゆる死を幻視させる。

 

 

 

刹那、ハジメと雫(両者)の姿が消えた。

 

 

 

普通の人間なら認識できない程の速度で移動したハジメは、轟音を響かせながら踏み込み、拳を突き出した。

 

 

対する雫も刃の側面で拳を受け流し、返す刀で胴体を狙うが…

 

 

「………やるしかないか」

 

 

 

ドォン!!!

 

 

 

「くっ…」

 

 

ズザ…

 

 

 

光輝の渋々撃ったスナイパーライフルの一撃で邪魔された。

 

 

 

「光輝…」

 

 

 

後退りしならがら刀の様な物を中段に構え光輝の名を呟く雫。

 

 

 

「………ハジメ、香織は後で私がどうにかする、だから…雫は私にやらせてくれ。」

 

 

「…頭に血がのぼりすぎてたらしい。後任せた。」

 

 

「…すまない」

 

 

 

 

ハジメは光輝に背を向け仲間達と共に遠くに離れ、椅子を取り出し腰掛けた。

 

 

 

 

 

 

「で、聞きたい事があるけど…良いわよね?」

 

「っ……ああ。勿論だ。腹を括る…風王結界(インビジブル・エア)起動。全て正直に語ってあげよう。」

 

 

「じゃぁ聞くけど…私の好意を知ってたわよね?」

 

 

「ああ。」

 

 

「私の感情を知ってて放置してた理由は?」

 

 

「後で何かに利用出来るかもしれないと思っていたから。」

 

 

「私の告白をあんなふうに断った理由は?」

 

 

「どんな対応をするかアンケート取ったらふざけて告白を断る指示があったから。」

 

 

「………そんな事をさせたのは…」

 

 

「異世界の知り合いだよ。」

 

 

「……………なんで『異世界』の知り合いが居るのか。」

 

 

「私が異世界転生者だから」

 

 

「…………………アナタは『この世界』に喚ばれる事を知っていた?」

 

 

 

「ああ。全て私の掌の上だ。」

 

 

 

「そう…じゃぁ………もう殺しあうしか無いわね…」

 

 

 

「…何も聞かないんだ。」

 

 

 

雫は、煩わしそうに光輝を睨むと吐き捨てる様に言い放った。

 

 

「何を言ったってアナタが私を思い通りに動かせる人形だと思ってる事実は変わらないでしょ?」

 

 

「それもそうだ、」

 

 

光輝は聖剣を影から引き抜き構えた。

 

 

 

 

「死んでくれる?光輝。」
「死ね、雫。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

(殺し合)いは終始天之河光輝(裁かれるべき邪悪)の有利で進んだ。

 

当然だ。八重樫雫の持つ魔法やスキル()は、光輝が持つ全ての下位互換だ。

 

 

神代魔法は適性でも所持量でも上回られ

 

 

10年以上鍛えた剣術の腕前も神の特典により適当に2〜3分剣を振るだけで簡単に上回られ。

 

 

 

地獄の苦しみを乗り越え得た身体も単純なレベル差でねじ伏せられた。

 

 

 

「(殺すか?いやでもなぁー…)」

 

 

 

光輝は雫のポニーテールを掴み上げ、そのまま両腕を斬り落とした。コレで通算6回目である。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

「え…光輝アイツ容赦無さ過ぎじゃねーの?」

 

 

「光輝君まだかな~…」

 

 

「……………」

 

 

溢れ出る雫の怨嗟と光輝の殺意。人間とは、ここまで堕ちる事ができるのかと戦慄を感じずにはいられない余りの醜悪さ。常人なら見るに堪えないと視線を逸らすか、吐き気を催して逃げ去るだろう惨劇。

 

 

 

実は割と光輝がいい奴だと思ってるハジメはちょっとショックを受け、光輝は雫の事をまるで意に介さないで嬲る。ハジメの瞳には少し雫へ哀れみの色すら浮かんでいた。

 

 

 

光輝の行動に更に激高して狂気を撒き散らす雫。ハジメは、雫を最後に一瞥したあとため息をついた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………雫、私の勝ちで良いよね?」

 

 

「流石に…何回も手足切り落とされ治されを繰り返せば認められるよ…ねぇ、光輝…」

 

 

 

「何かな?」

 

 

「一発殴らせてくれる?どうせ治るんでしょ?」

 

 

「………いい「オラァ!!」ぶっ!?」

 

 

「はー♡スッキリした!」

 

 

「ああそう…」

 

 

ハジメ目掛けて極光が襲いかかった。

 

「ハジメ!?」

 

 

「チッ……」

 

 

 

ハジメは、舌打ちしつつイスから飛び退き、極光の射線に沿ってドンナーを撃ち放った。三度轟く炸裂音と同時に、極光という滝を登る龍の如く、三条の閃光が空を切り裂く。

 

 

 

直後、極光の軌道が捻じ曲がり、危うく光輝を灼きそうになったが、寸前で恵里が飛び出し何とか回避したようだ。恵里としても、誤爆で光輝が跡形もなく消し飛ばされるなど冗談でも勘弁して欲しいところだろう。まぁ別にそんな攻撃光輝には効かないんだが。

 

 

 

やがて、極光が収まり空から白竜に騎乗したフリードが降りてきた。

 

 

 

「……そこまでだ。白髪の少年。大切な同胞達と王都の民達を、これ以上失いたくなければ大人しくすることだ」

 

 

 

どうやらフリードは、ハジメを光輝達や王国のために戦っているのだと誤解しているようである。*2周囲の気配を探れば、いつの間にか魔物が取り囲んでおり、雫、ティオや愛子達を狙っていた。

 

 

 

ハジメ達が本気で戦えば、甚大な被害が出ることを理解しているため人質作戦に出たのだろう。ハジメは知らないことだが、ユエに手酷くやられ、ハジメ達には敵わないと悟ったフリードの苦肉の策だ。なお、ユエに負わされた傷は、完治にはほど遠いものの、白鴉の魔物の固有魔法により癒されつつある。

 

 

「清水…治療お願い…」

 

「えっ?あっおう分かった!」

 

 

 

ハジメは、肩越しに清水を振り返ると力強く頷いた。何のことかわからない愛子達は訝しそうな表情だ。しかし、同じ神代魔法の使い手であるフリードは察しがついたのか、目を見開いて清水の使う魔法を見ている。

 

 

 

「ほぉ、新たな神代魔法か……もしや【神山】の? ならば場所を教えるがいい。さっさとしろ、どういうつもりだ? 同胞の命が惜しくないのか? お前達が抵抗すればするほど、王都の民も傷ついていくのだぞ? それとも、それが理解できないほど愚かなのか? 外壁の外には十万の魔物、そしてゲートの向こう側には更に百万の魔物が控えている。お前達がいくら強くとも、全てを守りながら戦い続けることが……」

 

 

「いや別に国民とか心の底からどうでもいいけど…」

 

「え?」*3

 

「へ?」*4

 

 

「まぁ…そういう事で死んでくれ。」

 

 

猛烈に嫌な予感がしたフリードは、咄嗟に、光輝に向けて極光を放とうとする。しかし、ハジメのドンナーによる牽制で射線を取れず、結果、それの発動を許してしまった。

 

 

最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)連射ァ!」

 

――天より降り注ぐ断罪の光。

 

 

 

そう表現する他ない天と地を繋ぐ光の柱。触れたものを、種族も性別も貴賎も区別せず、一切合切消し去る無慈悲なる破壊。大気を灼き焦がし、闇を切り裂いて、まるで昼間のように太陽の光で目標とついでになんの罪も無い国民を薙ぎ払う。

 

 

 

キュワァアアアアア!!

 

 

 

独特な調べを咆哮の如く世界に響き渡らせ大地に突き立った光の柱は、直径五十メートルくらいだろうか。光の真下にいた生物は魔物も魔人族人間も関係なく一瞬で蒸発し、凄絶な衝撃と熱波が周囲に破壊と焼滅を撒き散らす。

 

 

 

光輝がついでに取り出した手元の感応石に魔力を注ぎ込むと、配下に設置させていた爆弾が起爆され地上で逃げ惑う魔物や魔人とついでに関係ない人々の尽くを焼き滅ぼしていった。

 

 

 

防御不能。回避不能。それこそ、フリードのように空間転移でもしない限り、生物の足ではとても逃げ切れない。外壁の崩れた部分から王都内に侵入しようとしていた魔物と魔人族が後方から近づいて来る光の柱の雨を見て恐慌に駆られた様に死に物狂いで前に進み出すが、次第に全員呑み込まれていく。

 

 

 

後には、焼き爛れて白煙を上げる大地と、強大なクレーター。そして大地に刻まれた深い傷跡だけだった。

 

 

 

「………は?」

 

 

 

フリードは死んだ。

*1
兵士は薬漬なだけなので動きは止まる。

*2
バカじゃねーの?

*3
フリード

*4
王国のお姫様




難産…!ホント難産…!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。