騎士王転生の天之河光輝、異世界に降り立つ。(元 天之河光輝成り代わり物) 作:ゼロさん
轟々と風が唸り、直下の地面が一瞬で後方へと流れていく。
帝国から解放された亜人族達は、自分達が今体験していることが本当に現実なのか、それを確かめる為に何度も自分の頬をつねってはその痛みに涙目になっていた。そして、夢から覚めないなぁ~と妙に落ち着いた気持ちで、再び、非現実的な光景を眺めるのだった。現実逃避ともいうが。
彼等は、現在、ハジメが飛ばす飛空艇〝フェルニル〟の下部に取り付けられた超大型の〝籠〟に搭乗し、一時の空の旅を体験しているのである。
フェルニルは流石に数千人に及ぶ亜人族達を搭乗させられる程の規模ではないので、急遽外付けの巨大な籠を取り付けたのである。イメージとしては、飛行船のゴンドラのようなものだ。
実は、ゲートがハウリア族の隠れ里やフェアベルゲンに設置してあり、ゲートを開けば一瞬で樹海まで行けるのだが、演出のために敢えて空の旅を選んだのである。その方が、解放された亜人族達へ向けられる帝都からの目にもインパクトがあるからだ。
言ってみれば、市民に対する脅しのダメ押しというやつである。空を飛ぶ巨大な物体に導かれて故郷に帰るという光景には、帝都の人々もさぞかし度肝を抜かれたに違いない。
もっとも、本来その代償としてフェルニルを起動させているハジメは結構な負担を強いられていた筈だったがソコは転生者の
(あつまれ)別の異世界に行こう(ぞうもつの森)
521:騎士のプーさん
みんなウチの世界来てくれてさんきゅー。大規模なのあれば手伝うけどなんか有る?
522:大麻忍
じゃ、ウチ来てもろて。今度エドウィン・ブラックブチ殺すか屈服させる予定だし。
523:キボウ
所でウチのひなちゃん(ひなこのーと)がいつの間にかpixivで見たおやつカルパスになってたんですけど???ヘルシェイクボッチちゃんを対処してたらひなちゃん達が変態に…
524:転生集合体NANASI
草w
525:転生集合体NANASI
作者さんがロックの塊みたいな人だからしゃーない。
526:転生集合体NANASI
というかクラウザーさんが結束バンドと化学反応起こすとああなるんだな…って。
527:転生集合体NANASI
おう此処は別世界に関するスレだぞ。ヘルシェイクボッチはキボウのスレでやれ。まぁギターで山田を殴り倒すボッチちゃんがクソ面白かったのは事実だが。
528:知力26
そういえば風の海賊…まだか?
529:風の海賊
お前んとこに遊びに行くのは後3日後だ。農家の予定が合わなくてな。
「アビャ〜~~…」
「またアイツ虚空見てる…」
「僕と暮らしてた時にもよくアビャってたから気にしてなかったけど…」
「ああ…
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太陽が顔を隠し、夜の帳が降りた。
樹海奥地のフェアベルゲンは人々が作り出した淡い橙色の灯りで照らされている。普通なら、いくら復興に忙しいとはいえ、とっくに食後の一家団欒を楽しんでいる時間であり、静謐な空気が流れているところだ。
しかし、現在のフェアベルゲンは、まるで昼夜が逆転したかのような喧騒に包まれていた。右に左にと忙しそうに人々が走り回っている。フェアベルゲンの外の集落からも人が集まって来ているようで、人の整理・誘導に兵士達も駆り出されているようだ。
そんな喧騒を、夜風と共に開けっ放しの窓から取り入れつつ、フェアベルゲンの長老が一人、森人族のアルフレリック・ハイピストは何とも言えない微妙な表情で手元の書類を処理していた。
内容は、数千人規模の同胞の受け入れ態勢に関する報告書、申請書などの類である。他の長老達も手分けして作業している。
「ふぅ……カムよ。本当に同胞達は帰って来るのか?」
「……まだ、そんなことを言っているのか。確認しようのないことをいつまでも言ってないで、さっさと受け入れ態勢を整えろ」
アルフレリックがポツリと話かけると、まるで部屋の中に突然現れたかのように人の気配が発生した。アルフレリックの傍には、気配を殺したカム・ハウリアが控えていたのだ。
カム達ハウリア族は、ハジメ達に先んじて亜人族の解放を伝えるためにゲートで帰って来ていたのである。そして、念話石を利用して、急遽整えなくてはならなくなった受け入れ態勢を効率的に行うために、通信員の役割を買って出ているのである。
「わかっている。ただな、やはりにわかには信じ難いのだよ。あの帝国が同胞を解放するなど……」
「それもあと数時間以内に証明される。まぁ、気持ちはわかるがな。……我等とて、ボスがいなければ、まさかここまでの成果を挙げられるなど夢にも思わなかった」
「ボス……資格者――南雲ハジメか。その話が本当なら、我が娘だけでなく、同胞全てを救い出してくれた恩人ということになる。報いる方法が思い浮かばんな……」
「ボスは、そんなもの期待していないだろう。それより、さっさと手を動かせ。また、報告が上がってきたぞ」
念話石に触れながら報告を聞くカムを、アルフレリックはチラリと一瞥する。カムは、念話石で何かを話しているようで視線は虚空に向いているが、その姿には一分の隙もない。それどころか、控えていた時の気配の無さが嘘のように強烈な覇気を纏っていた。
かつては自分達の前で一族処刑の決定に諦観の表情をしていたというのに……とても同一人物だとは思えなかった。元の温厚そうな雰囲気は微塵もなく、触れればそれだけで刻まれそうな鋭利さを感じる。
実際、その鋭利さは既に示されていた。
というのも、戻ってきたカムが長老衆に事の次第と、解放された奴隷の受け入れ態勢を整えるように伝えたところ、アルフレリックを含め誰もその言葉を信じなかったのだが、その際、カムの不遜な言動を不快に感じた長老の一人が、カムに侮蔑の言葉を投げつけ、更に強制的に跪かせようとしたのだ。
たとえ、以前に熊人族を返り討ちにしていようと、魔物や帝国の襲撃からフェアベルゲンを助けたとしても、長年の兎人族に対する価値観は中々覆るものではないのだろう。
しかし、その凝り固まった価値観故の行動は、苛烈な殺意で返された。その長老の部下の一人がカムに触れようとした瞬間、一体どこに潜んでいたのか、一斉にハウリア族が出現し、全ての長老の首に刃を突きつけたのである。
当然、カムに触れようとした男もいつの間にか無数の刃を突きつけられて、指一本動かせない状況だった。充満する殺意が、下手な言動をとれば、本気で牙を剥くことを疑わせず、アルフレリックの執り成しでどうにかその場は収まったのである。
一瞬で、フェアベルゲン最高権力の長老会議を占拠し、かつ、彼等をして冷や汗を流させた激烈な殺意に、ひとまず信じてみようという事になったのである。というか、そうせざるを得なかったのである。首筋の刃とハウリア達の顔がヤバかったので。
「お祖父様、炊き出しの用意が整いましたわ。これが消費後の備蓄量です」
回想によって冷や汗を流していたアルフレリックに鈴の鳴るような可憐な声が掛けられた。
「む、アルテナか。ご苦労だった。しかし、お前も帰って来てまだ間がないのだ。余り無理をするな」
「わたくしなら平気ですわ。同胞達が帰って来るというのに、ジッとなんてしていられません」
気遣うアルフレリックに、アルテナは毅然とした態度をとる。しかし、報告書をアルフレリックに渡した後、妙にそわそわとし出した。訝しむアルフレリックだったが、孫娘の視線がチラチラとカムに向いていることに気が付き、何となく彼女が何を気にしているのか察する。
「彼のことが気になるなら、カムに聞いてみればどうだ?」
「! い、いえ、わたくしは別に南雲様のことなんて……」
「私は、一言も少年のこととは言っていないが?」
「お祖父様! そんな、揚げ足を取るような意地悪をなさらないで下さいませ!」
見るからに動揺している孫娘にアルフレリックは微笑ましいものを見るような眼差しを向けつつ、よもや本気ではあるまいな? と懸念を抱く。
アルテナは、その人柄、容姿、生まれから非常に縁談も多いのだが、今のところ全て突っぱねており、本人としては嫁ぐことより、祖父の後を継いで国のために仕事がしたいらしい。なので、今までそう浮いた話もなかったのだが……
アルフレリックの中で爺バカの面がむくりと起き上がってくる。
「ふむ、少年は、確かにお前の恩人ではあるが、お前が特別だったわけではないのだぞ? というか、直接助けたのはハウリア族であろう? あまり意識するのはどうかと思うが……お前の相手としても難儀な相手だぞ」
「だからっ、そういうのではありませんわ! もうっ! 南雲様が同胞を連れて来て下さっていると聞いて、少し気になっただけです。ええ、それだけです!」
ぷいっとそっぽを向いて、部屋を出て行こうとするアルテナに、アルフレリックはこっそり溜息を吐いた。
と、その時、意外にもカムが今まさに出て行こうとしていたアルテナに声を掛けた。
「アルテナ嬢」
「え、えっと、はい、カムさん。なんでしょう?」
どこか面白がるような笑みを浮かべるカムに、アルテナが少し警戒したように返事をする。そんな身構えたアルテナに、カムがにこやかに告げる。
「ボスは、一見多くの女性を侍らしているように見えるが、その実、かなり一途な方だ。そして、あの方の〝特別〟は既に埋まっており、かつ、不動。その座に近づくことなら可能だろうが、相当、大きな信頼を育まなくてはならないだろう」
「は、はぁ……えっと」
戸惑うアルテナに、カムはニヤリと不敵に笑う。
「ちなみに、ボスの特別を除けば、その座に一番近いのは……我が娘シアだ。何せ、帝国に牙向く我等への助力を決意した理由が、〝シアの笑顔を曇らせないため〟だからな」
「! そ、そうなのですか?」
「そうだ。ボスはな、シアの為なら平気で国を相手取れるのだよ。そう、シアの為なら、な。フフフ」
「!」
言外に、「お前では娘に勝てんよ!」と言われていることを、アルテナは敏感に察した。
実は、アルテナの年齢はシアと同じ十六歳だったりする。なので、同い年の女の子と比べられた挙句、勝負にならないと言われては……ムッと来るのも仕方ないだろう。
「シアさんというのは……あの淡い青みがかった白髪の方ですわよね。お言葉ですが、わたくし、あの方に劣っているとは思いません。確かに過ごした時間が違うという意味では差はあるのでしょうが……わたくしとて、同じくらい時間があれば……」
「いやいや、うちのシアは特別な存在だからなぁ、やはり、アルテナ嬢の為にも無駄なことは止めるべきだと、忠告させてもらおう。不毛なことをしていると適齢期を逃してしまうぞ?」
「大きなお世話です!」
「はぁ~。カム、私の孫を虐めるのはそれくらいにしてくれんか……」
ぷりぷりと怒るアルテナに、ニヤつくカム。二人を見て、アルフレリックが盛大に溜息を吐く。
カムが、アルテナに挑発まがいのことをしているのは、ちょっとしたお節介だったりする。
もちろん、アルテナに対するものではなく、シアに対しての、だ。樹海から出て行った頃のシアとハジメの関係は、言ってみればシアの押し掛けだった。それが、この間の様子を見る限り、相当、親密な関係になっているようだとカムは感じたのだ。あと一押しで、一気に一線を越えるに違いない! と。
その一押し、言い換えれば起爆剤にアルテナが使えはしないかと企んだのである。シアが聞けば、「余計なお世話ですぅ!」と怒りそうだ。
アルテナが内心で対抗心を燃え上がらせているのを感じほくそ笑むカム。少女の淡い恋心を躊躇いなく利用するその姿は……何とも悪魔的であった。
と、その時、にわかに外が騒がしくなった。今までの忙しさからくる喧騒ではなく、不測の事態に緊迫するような騒がしさだ。怒号まで聞こえ始めている。
「何事だ!」
アルフレリックがガタッと席から立ち上がり、窓に歩み寄った。そして騒ぎの原因を目の当たりにする。
「光の……柱……だと?」
その言葉通り、昼間の陽光が木々の間からこぼれ落ちてくるように、いや、それとは比べ物にならないくらい強い光が天より木々を通り抜けてフェアベルゲンの広場を照らしていたのである。
意味不明の事態に、目を見開くアルフレリックに、落ち着いた声音が届いた。
「案ずるな、アルフレリック。ボスのご到着だ」
そう、フェアベルゲンの広場を真昼のように照らす光の正体は、樹海の上空に到着した飛空艇〝フェルニル〟のサーチライトだったのである。
今模試行く電車で投稿なう。内容うっすいけど赦して…あ、デュエルリンクスにエルドリッチ実装おめでとう。(しかし七魔天と融合体の黄金狂はいない模様。来るんだったらアンヘルカイトついでに持ってこい。)