ドラゴンボールschwarz rozen 作:ある日そこに居たであろうクマさん
それは、いつからだろう。
自分が、私が『みんな』とは違うって感じたのは。
何で皆は私を置いていくの?
何でお父さんは私を傷つけようとするの?
何でお母さんは泣いてるの?
何で皆『私』を分かってくれないの?
何で私は泣いてるんだろう?
その場所は本来なら誰も知らない様な場所だった。
一面に映るのは黒、黒、また黒、何処までも続く黒ばかり。
そんな中、私は見つけた。
何処か朧げで、何処か欠けていて、それでいて
何処かいつもより、悲しげな雰囲気を持つ彼の姿を。
だがそれでも私の時は未だ止まったままだった。何故なら
その背中に何処か、
そして. . .
「い. . . さん」
「さ...ごう.」
「え?あぁえっ」
「おいっどうした?三号機?ボケッと突っ立って」
「は?今、何て?」
そんな彼女を迎えたのは...
「あぁ?お前が朝から変な顔でこのオレの料理を食ってるからだろう?このオレの手料理を食えるなんてあのハゲと言い、お前と言い、全く何て贅沢な奴等だ有り難く頂くんだぞ。ツンデレ赤メッシュ三号機」
白馬の王子、ではなく 黒色の悪魔だった。
「ねえ、もう一回言ってよ」
「は?何を?」
「さっきのセリフ、もう一回言って!よく聞こえなかったから」
「ああ、その話か」
「簡単にまとめると、オレの手料理を食ってんのに変な顔芸を披露するなと言ったのだ。」
「分かるかい?お嬢ちゃん」
「Do yon understand?」
こいつ、まじで一回地獄に叩き落としてやろうか。そんな感想と殺意をヴォルカは抱いていた。
そしてその理由は主に二つ
妙な呼び名や妙に上手い英語。詰まるところ今のこの男の喋り方がめちゃくちゃ腹が立つ。最早煽るき満々の態度だった事。これが一つ目。
そして二つ目の理由が
「ぐっクウゥゥゥッッッ」
(ああ、怒っちゃだめなのにっ。そもそも何でこんなに料理上手いのッッッ!?でっでもこのハンバーグにっ肉汁が、溢れっ)
そう、自分以上に料理上手な事。
目の前のテーブルを向けばそこには。
自身が好きなミートソースがたっぷりとかかり、先程ナイフで切った部分から肉汁が溢れ出る。その上で横に添えられたポテトと共に食べると絶妙な味わいを引き出すミートソースハンバーグ。
更にそのハンバーグの横でこれまた見るものを魅了するその姿を見せるのはこれもおそらく高級なのだろう、鉄板皿の上に置かれ自身のその身を燃やしながらもその歯応えと口の中に入れた途端とろける様な食感、更には噛めば噛むほどその味を逃すまいと、舌が飲み込む事を後悔する様なステーキ
そして、更にその反対側には謎の美しいオーロラが浮かぶスープがあり香りが無ければそこにスープがあるのか分からないレベルの透明度を誇っている。
その奥にはふんわりとした生地と他の食事に負けず劣らずの存在感を放ち
あっさりとした香りがその味を更に引き出すチーズケーキ。
更にその周りには定番のイチゴのショートケーキやチョコレートケーキ。
パリッとした生地の中に特製のカスタードクリームを詰め込んだシュークリーム。
そして焼きたてのパイ生地と上品なりんごの香りが更に食欲を引き立て一口食べればその味で自身すらもパイに包み込まれると錯覚させるようなアップルパイ。
その他にもよりどりみどりの料理の数々がテーブルの上に並べられていた。つまり。女の自分より調理スキルが上の事が結構心にきていた。
いや、どちらかと言うと。男性が悪いと言うわけじゃあない。
つまり. . .
(こんな奴に、料理とはいえ、負けるなんてッッ)
「ねえ」
「何だ、今ちょっと次の料理をだな」
「このステーキとスープは何なの?、ハンバーグやケーキはともかくステーキは相当高級だろうし、このスープはまだ味わってないけどそれでもオーロラが出るスープ何て聞いた事ない」
「これはどこの料理?」
その彼女の質問にロンは
「あ?それか、まずそのステーキはエンペラーブリアンだ」
「えっエンペラーブリアン?」
「そうだ、そっちのスープの方が珍しいがそれでもそれもめちゃ高級だぞ。そもそもお前、エンペラーブリアンって知らんのか?」
「いや、別にっ」
「まあいい、エンペラーブリアンってのはな。一頭の中から約八百グラム程しか取れんシャトーブリアン。そのシャトーブリアンの極一部を更に選別、厳選した部位、それがエンペラーブリアンと呼ばれる物だ。」
「.....へぇ〜」
「お前、絶対分かってないだろ」
「まあ、仕方ないか、所詮はツンデレ赤メッシュその程度よ」
ブチッッ
「ふふっ今なんて」
「ん?いや、だからお前に分かるわけないかって」
「だってどこまで行っても」
「ツンデレ赤メッシュ」
『三号機ですから〜』
ブチッ!ブチブチッッッ!!
「ふふっふふふこの前も言ったよね、忘れたの?」
「えっ知らん、興味無いし」
「だぁぁれぇぇがぁぁぁ」ゴゴコゴゴッッッッッ
「あらら、噴火寸前だな。まあ止めても無駄だろうから別に良いが」
「とりあえず、いくら怒っても良いが薔薇達を傷つけるなよ」
「じゃあさ、最後に言い残す事ある?一応聞いといてあげる」
「えっオレ?さっきの以外か」
「う〜んじゃあ、強いて言うなら」
その後ロンは全ての地雷を踏み抜いたッッッ。
「あまりキレるとシワが増えるぞ、三号機」
プッツーーーンッッ
「ふっふ、ふ」
「ふ?」
彼女がここに来て1日目、未だ慣れぬ環境、未だ見た事の無い世界、未だ出会った事の無い生物、数々の未知を見ながら彼女は思う。
(あぁ〜こいつさえ居なければ最高だったんだけどな〜)と
だがそんな思いとは裏腹に彼女の顔は、
「三号機って言うなアァァァッッッーーー!!!」
「赤メッシュゥゥゥーーー!?何すんだてめえぇぇぇッッッーーー!!!」
「お、オレの薔薇達がアァァァァッッッッーーー!?!?」
その笑顔はとても輝いて見えていた。
ちなみに城の中から放たれたヴォルカの気は薔薇達の半分を焼き払ったがロンが何とか元に戻したと言う。(薔薇の神様、ごめんなさい)
だが何故彼女、タイムパトローラーのヴォルカがロンの元に来ているのか、それを説明するには数日前に遡る。
エイジ??? 時の巣にて
そこに居たのは時の界王神と彼女が選んだタイムパトローラーの一人で以前に他の隊員達とロンに挑んだ女性隊員の一人ヴォルカである。
「はい?今何て言ったんですか?」
「だから、前に言ってた話よ!あの男の所に行ってその素性と目的を確かめるの!」
「えっ私が行くんですか?」
「それはそうよ!相手が当時の戦闘で貴方だけに興味を示した以上、貴方が適任としか言い様がないじゃない!」
「そっそれはっ」
そう、当時の戦闘の中で他の隊員達が揶揄われながら倒されていく中彼女だけはロンに何もされずにただ眠らされるだけにとどまっている。
しかもロン自身が
『お前だったら良いぜたまには遊びに来いよ』といった発言をしているので尚のこと適任は彼女以外居なくなるのだ。
「それに、ただあいつに近づくだけじゃないの」
「え?それってどういうことですか?」
ヴォルカが時の界王神の言葉に疑問符を浮かべたその直後だった。
「ホッホッホッそれはお前さんなら良くわかっとる筈じゃ」
「ああっおじいちゃん!!」
ヴォルカがおじいちゃんと読んだその人物はゆっくりと彼女達に近づきながら話を続けた。
そう、時の界王神とは別に時の巣においてタイムパトローラー達を見守りそして彼等の指導などをしている老界王神である。
「ヴォルカよ、近頃のお主は何か悩みがある、それもとても深いものと見た、違うか?」
「それはっ」
「お主の戦闘におけるセンスは天才的で潜在能力はあの悟飯以上じゃと、少なくともワシは見とる」
「っうん」
「じゃが、最近のお主はあの男と出会った後からずっと様子がおかしいと思ってな」
それは最もな指摘だった。最近のヴォルカは修行も、実戦においても、何処か以前より力が入らなくなっていた。誰が見ても明らかだと言わんほどに。故に
「そう、だね。私も確かに悩んでた」
それは、ヴォルカ自身も気づいていた。
「だからこそじゃ、お主は数日後あの男の元に行き、修行をつけてもらえるように頼み込むんじゃ!」
「それってつまり」
「そうよ、貴方の任務はあの男の調査、そして自身の悩みを解決しより強くなって帰ってくる事」
「でも、また歴史改変がっ」
ヴォルカがそう言うと時の界王神が
「大丈夫よ、あれからトワとミラにも動きがないから奴らもまだすぐには動けないって事、つまりすぐに歴史改変は起こらない。これは確実よ」
「だからこそ、今の内にもっといっぱい修行して力を蓄えるのよ!私達を、みんなを、そして貴方自身を守る為に!」
「どう、できるかしら?」
そしてその話を聞いてヴォルカは俯いていた顔を上にあげ、元気良く二人に返事を返した。
「うん!分かったよ、その任務私がやる!」
こうして前日、ヴォルカはロンの元にやって来た。そして
「アタシさ、アンタに用があって来たんだよね」
「へぇ、構わねえ。何でも言えよ」
一度、二人の間に沈黙が流れそして...
「私もっと強くなりたいの!みんなを守れる様にもっと強くッッッ!!」
「だから、私に修行をつけてくださいッッッ!!」
「なるほど、そんな事か」
「本来なら今は忙しいから許可は出来んが」
(計画が本格的に始まった今、あまり面倒を見切れんのも事実、だがこいつを見てるとどうも落ち着かん。見た目がどっかの赤メッシュに似てるのもあるし、それ以上にこいつの中に渦巻いてるこれは...)
ロンはヴォルカを見ながら、正確にはその中にあるナニカを見ながら初めて彼女と出会った時に感じた強さと違和感の正体に疑問を深めていた。
そして自身の中で一つの決断をしたのだった。
「良いぜ、修行つけてやるよ」
なんとロンは天津飯達の時とは違い修行の許可を出したのだ。
そしてこれにはヴォルカもビックリと思われたが、当の本人はと言うと
「そうだよね、急にこんな事言われても無理だよね」
「いや、何言ってんの?別に良いって」
「分かるよ、さっきの天津飯さん達の事見てたから」
「やっぱり見てたのお前かよッ!?」
「後、さっきから言ってるけど鍛えてやるよ」
「でもね、私もっと強くならなきゃいけないのッ」
「お前、さてはワザとやってるだろっ」
「だから、お「いい加減にしろ」ふぎゃっ」
頭上から綺麗な直線を描いて降って来たそれはヴォルカを正気にさせるには。いや、ヴォルカを涙目にさせるには十分だった。
『握力・腕力・筋力この世の全ての暴力を手に入れた男!黒神ロン・クロイツ。彼が放った一言は一瞬にしてヴォルカを黙らせた。「すいません、この袋に箸付いてなかったんですけど新しくもらっていい?。それと、このお弁当も少し温めてもらっても良いかな?」ロンは無くなった箸を求めてグランドラインを駆け抜ける。彼はまさに大「いい加減にしてッッッ!!」』
「あっすいません一応仕事なものでして、それではロン様。私はこれにて失礼させていただきます。」
「ああ、忙しいところ悪かったなぁ」
「これは約束の物だ、受け取れ」
「はい、ありがとうございます」
「どうか、これからもご贔屓に」
「ああ、じゃあな」
しーんとした空気の中ヴォルカがロンに問いかけた。
「ねえ、アレはだれ?」
その問いにロンはこう答えた。
「見れば分かるだろう。作者だ。」
「.....はい?」
ロンのあまりの回答にヴォルカは言葉を詰まらせるが、ロンは知った事じゃないと言わんばかりにもう一度答えを口にした。
「いや、だからさく「アウトッッッッーーー!!!!」ぐゔぉッッッ」
「何言おうとしてんのッッッ!?」
ヴォルカ、怒涛のツッコミor怒涛の蹴り炸裂ッッッ!!
ロンは顔面からヘッドスライディングしながら滑り落ちるがヴォルカはお構いなしに蹴りを入れ続けている。だが
「まっまてッ蹴るなっ修行をつけてやると言っているだろう!」
「えっ」
そのロンの言葉を聞いてヴォルカの怒涛のツッコミは勢いを落としていった。
「良いの?ほんとに」
「ああ、構わん」
「本当はやる事があるからあまり構えんがある程度は見てやる」
「そっそうなんだ」(やる事?)
「あっああ、とりあえず一ヶ月だ」
「一ヶ月は修行をつけてやるッ」
「だから今日はゆっくり休め。修行は明日からだ」
「うっうん、でも何で私は良かったの?」
「ん?どう言う事だ?」
「だって天津飯さん達は」
そうである。ロンは天津飯達の修行は即刻断り神の神殿まで彼らを転移させたのだ。だが彼女の、ヴォルカの修行は断らなかった。
そしてそんな彼女の疑問にロンは
「ああ、お前に関しては少し調整をした方が良いと思ってな」
「?」
「お前の本当の力を引き出す必要がある」
「私の本当の力...」
「あとは以前にも言ったかもしれんが知り合いに似てるのもあるな」
そうして話すロンは何処か悲しげな雰囲気を醸し出し、
「アンタの?」
「ああ、いつもいつも、オレに突っかかってきてな。」
「だが、強い奴だったよ。アイツは」
「そう、なんだ」
「ああ、お前にも他の奴にも、オレ以外には負けない」
「どんな目に遭っても必ずその牙を敵に突き立てる」
「その上、オレとは違い仲間思いの良い奴」
「そんな良い戦士だった」
「ねえ、その言い方」
そう、彼女は、アイツは、
「ああ、そうだ..... アイツは死んだ」
音楽、それは時に人に希望を与えた 音楽、それは時に人に夢を与えた
音楽、それは時に人に笑顔を与えた 音楽、それは時に人に道を記した
音楽それは時に
「オレを殺そうとした塵どもに背後から撃たれて」
人に絶望を与えた。
それはある意味の始まりの場所。
その星にある一つの国。いや、街だろうか
そこに佇む影は自身の目の前に倒れたそれを呆然と眺めていた。
『シスター!!』
『は?お前、何で』
『がん....て..ね』
『リーダーッッッ!?そんなっ』
『なんで、こんなっ』
『ごめ...あん...と...つよ』
『あ...ごめ...』
『おいッ私はっオレはどうすればいい!?』
『私とのっオレとの決着はどうするッッッ!?』
『シスター!?お気を確かに!!』
『わ、私は...オレは...』
『おいっ助けてくれッッッお前らが敵対してるのは分かってるがこのままじゃあリーダーがッッッ』
『あっあぁぁぁッッッ』
その雨は止む事を知らなかった。
彼はもう二度とその雨を流す事は無いと思っていた。
だが、彼はまた大切なものを失った。故に
『やっぱり
その日、またその大地に
『私/オレの敵なんだな』
雨音が響いた。
いつまでも残るそれは彼にとっては最早過去のもの。だが彼は忘れない
その怒りを。故にこそ
5人の薔薇達は彼に夢をくれました。
たった一人の
別の世界の王様は彼に一番欲しかったものを教えてくれました。
そして...
略奪者よ.....
「ふふっそう睨まないでください。復讐者さん」
「では話の続きです」
「そうして彼は彼女というライバルを失い、その命を落としました。ですがこの話にはまだ続きがありました」
「あの方はその組織を率いた頃には頂点になりたいと言う意思と」
「頂点にならねばならぬという意志があったわけです」
「そして、何よりあの方はとある世界においてはかの魔王達と並ぶ存在の一つであり」
「Roselia、彼女、そしてかの王。彼等との出会いがその在り方に影響を与えたのもまた事実。」
「そして、それは『頂点の意志』というある種の異能に近い何かを生み出しました。」
「故にこそあの方は転生という本来なら人にはできないそれを自分の力だけで行いました。」
「その結果あの方は生まれ変わり」
「改めて頂点を求め始めました」
「ただ、それまでと違うのはあの方は」
「頂点を夢ではなく」
「無意識下で頂点を道にしてしまっている事」
「故にこそ、この道の果てにあるのは」
「希望か、それとも」
「新しい絶望か、貴方はどちらだとお思いですか?」
「いずれお会いしたら聞かせてくださいね」
『マスターさん』
星見の人よ、いずれ君は、いや。
君達はいずれ知るだろう。
シュヴァルツローゼン。黒薔薇の本当の意味を。