ドラゴンボールschwarz rozen 作:ある日そこに居たであろうクマさん
それはいつしか目にした...
正しく...
絶望そのもの...
あの日...我等は...
『正義』は死んだ...
完膚なきまでに敗れ...
全てを奪われたのだ。
特殊空間〜黒の境界
黒と蒼が入り乱れるようなその空間...
そこでは今...
「ハァッッッーーーーー!!!」
「オォォォォッッッーーー!!!」
ぶつかり合うは紅蓮の炎弾と赤の光弾。
それらは時に小さく、時には大きく
だが...
そのいずれもがどこまでも強く、どこまでも激しく、
それらを打ち出す者達の意思の強さを表していた。
そんな中...
「何故ですかッ何で私達が!?」
「どぼけるなッッッ!!」
その中で言い合う二人の人物。
一人はロン達の元から最後の修行と称してこの空間にやって来たタイムパトローラーのヴォルカ。
もう一人は...
「私は...私は『奴』に全てを奪われたッッッそしてその命を闇に落とした。だが...何故私がここに居る!?そしてそこに現れた貴様は何だ!貴様は『奴』の仲間では無いのか!答えろ!!」
第十一宇宙の正義を掲げるヒーロチーム。
プライドトルーパーズのリーダーであり
『自由』の戦士 トッポ。
そしてそのトッポの問いにヴォルカは...
「トッポさんッ!貴方の事は知っています!ですが貴方が死んだなんて話は聞いていないッもし仮に貴方ほどの人が亡くなったと言うのなら一体誰にやられたんですか!」
「知れた事ッこの状況から察するに貴様が奴の仲間、違っていたとしてもそれに類する者に違いあるまい!貴様も奴の.....」
「は?...」
(それって...)
戦闘中...命懸けの戦いの中...
トッポのそのセリフにヴォルカの動きは止められた。
何せ、その名前は...
だが...そんな思考の猶予も無く...
「隙ありッ!」
「なっ!?」
一瞬動きを停止した彼女の隙を見逃さず、トッポはすかさずその見た目からは想像出来ない俊敏な動きでヴォルカの背後に周りこみその太く逞しい剛腕で彼女の首を胴体ごと絞めあげるッ
「ぐあぁぁぁッッッ...」
(これは...まずいっ確か歴史ではあの悟空さんですらそう簡単には抜け出せなかったッこの...ままじゃ)
「貴様が本当にあの怪物の仲間なのかはまだ分からぬ。だが...もう私は負けられんのだ!」
そうしてトッポの剛腕による絞めつけの威力はどんどん上がっていき...
そして...
「アァァァァ.....」
「なっ!?」
突如として謎の声が聞こえた
その瞬間ッ
「でりゃあァァァーーーーー!!!」
「しまっぐあぁぁぁッッッ!?」
その声に気を取られ一瞬だけ気が緩んだのかトッポの拘束にかける力も先程より抜け、さらにその隙をついてヴォルカは一気に気を高め腕だけに気を集中させトッポの腕を弾き飛ばして拘束を抜け出し瞬時にトッポの右腕を両腕で掴みその巨体を地面へと叩きつけたッッッ!!!
「ぐあっおっおのれぇ」
「はぁっはぁっ...」
だがそんな中...
ヴォルカはというと...
(今の声は...私?何で?)
先程の声。
間違いなくそれは自身の中から聞こえてきた。
それも自身そっくりの声で...
だが、やはりと言うべきか、相手はそこまで時間をくれはしない。
「おのれ!貴様ァ!」
「嘘っもう起き上がってきた!?」
トッポは先程の一撃によるダメージなどは一切感じさせない様子で起き上がってきておりその指先をヴォルカに向けそこから更なる追撃を行う!
「ジャスティス...フラァァァッッッシュ!!!!!」
そしてその瞬間!その指先から先程のものとは比べものにならないような気弾の嵐が波のように押し寄せてきたッッッ
が...
「っレッドカーテン!!!」
「何!?」
その時にはヴォルカはトッポから放たれた無数の気弾に対し紅蓮の炎の如きその気を自身の眼前に幕のような形で放射しその弾幕の全てを無効化した。
そしてその様子を見たトッポは...
「その技は...」
ただただ驚愕していた。
何せその技は...
『トッポ...ここはオレが引き受ける』
自身の信ずる...
「ジレン...なのか?」
「えっ今、何て?」
友の技...
と、驚いたのも束の間。
(あら...まだ呑まれていないのですか?)
「ッこの声っ貴様ァ!!!」
「とっトッポさん!?」
その時!突如トッポの脳内に何者かが語りかけてきた。そしてヴォルカがトッポの様子を見て訳も分からぬまま狼狽えているとトッポはその名を...自身を殺し、仲間達を殺し、自身の宇宙やその他の宇宙...
自分達の全てを奪い尽くしたとある人物の名を叫んだッ!!
「貴様ァァァァッッッ」
「『最厄』ウゥゥゥゥッッッ!!!!!」
「なっ!?」
(やっぱりットッポさんがさっき口ずさんだ名前はあいつの...最厄の事を言ってたんだ!でも...あいつが近くに居る訳じゃ無いのに何で...そもそもこの時代のトッポさんが死んだなんて事は無いはず、それにさっきのトッポさんが私の事...ジレンって...一体、どうなってるの?)
そして、トッポの叫び声を聞きながらヴォルカは最厄とトッポの関係。そしてトッポが自身の事をジレンと呼んだ事について思考を重ねるが...
その間にもトッポと最厄の脳内における会話は続いていく。
(まあ、良いでしょう。貴方にはヴォルカさんの覚醒の手助けをして貰わねば)
「何!?どう言う事だ!」
(簡単ですよ。彼女は時の界王神の所から我々の調査をしに来ていらっしゃるんですよ。で、そのついでに我々の所で修行もしてらっしゃると...貴方も破壊神や天使から時の界王神の事ぐらい聞いた事はあるでしょう?)
「ッ彼女が...そうだったのか...」
未だ姿を見せぬ敵の言葉を聞き先程まで戦っていた彼女、ヴォルカの正体を知りトッポは少し申し訳無さそうに彼女を見たが...
(ああ、気にしなくて結構。先程も言いましたが貴方にはこれからたっぷりとヴォルカさんの修行に役立って貰うので)
「なっなん「トッポさん下!!」何!?」
トッポが最厄の言葉を聞き彼女に目を向けたのも束の間、ヴォルカから悲鳴にも近い声が上がりトッポはその声を聞き自身の下を見るとそこには...
「こっこれはっ」
(これは...あの時の!)
そこに広がっていたのは今にも自らの体を呑み込もうとするドス黒い水。
それらは徐々にトッポの体を蝕んでいく。
「グアァァァッッッーーーーー!?!?!?」
「何...なんなの?」
目の前でトッポが得体の知れない液体にその身を取り込まれる瞬間を目の当たりにしつつもヴォルカは何も出来ずその場でそれを見送るしかなかった。
そして同じく地球。
シュヴァルツガーデン側では...
「ふふっまさか、あの時...『最夜』と戦うまではヴォルカさんの中に混ざっている魂が貴方だとは思いもしません出したが...ですがそのおかげでヴォルカさんの本来の力が全く出てこない原因が分かりましたよ」
そこで一人、最厄と呼ばれる彼は空を見上げながらとある日の記憶を思い出し...そして今のヴォルカの力が本来引き出されるであろう力よりも下である事を語り、その原因を語った。
「貴方がヴォルカさんの本来の精神性が宇宙にとって危険だと判断し、その力でヴォルカさんの魂の本質ごと、無理矢理自身のものに変質させていた。そうでしょう。第十一宇宙の.....」
「
そして
黒の境界では...
「.....」
「とっ...トッポ、さん?」
ヴォルカが声をかけた先には先程まで得体の知れないナニカにその身を蝕まれていたトッポ...のように見える何者か。
その出立ちは正しくトッポそのもの。
だがその身は全てが黒だけで包まれており
そして...
「...」
「っトッポ「...」なっ」
ヴォルカの見ていたトッポの形をしたナニカは一瞬にして彼女との間合を詰め、そのままその剛腕を振り下ろしたッッッ!!!
ドゴオォォォッッッ!!!!!
「なっ何をッ!?」
(なに...これ?一体何なの?クソッ考える時間がッ)
「.....」
だが、ナニカはヴォルカの問い掛けに応じる事はなくゆっくりと体勢を立て直し攻撃を避け別方面へと飛んだ彼女目掛けてとあるものを繰り出した。
それは...
「は?じょっ冗談でしょ!?それは...」
「くっヴォルカニックブーストッッッ!!」
そしてヴォルカは自身の切り札の一つヴォルカニックブーストという技を使い先程の数倍のスピードでその場を飛び出し、飛んできた破壊のエネルギーを回避する事に成功した。
だが...
「があっはぁはぁ」
(ぐっヴォルカニックブーストは悟空さんの界王拳を真似て作った技だけど本家と同じかそれ以上に負担が大きい、その上相手はこちらよりも明らかに格上...その上、破壊のエネルギーまで使うなんてっ)
ヴォルカのヴォルカニックブーストは想像以上に負担の大きい技であった。というのもこの技は界王拳をモデルにヴォルカが作った技で自身の体に負荷を与え、戦闘力を何倍にも増す技なのだが...
本家よりも倍率は上がるもののその分、本家より掛かる負荷も上がっているようなのだ。
だが、相手はヴォルカに休む暇も与える事は無く。
「まっまずいっ!?」
「...破壊」
「くっ」
次々と破壊のエネルギーと紅蓮の気弾が入り混じりながら飛んでくる。
そしてヴォルカもそれを避けながら何とか張り合うが...
「...ここだ」
「なっ!?」
いつのまにかナニカはヴォルカの頭上に移動しておりヴォルカも驚きながら反応し、そのまま...
ズドオォォォッッッ!!!
灼熱の拳と破壊のエネルギーを纏った拳。
二つの拳はぶつかり合い、激しい気の嵐がその場を包んだ。
そしてその嵐が晴れたその時、その場には...
「ワタシの...勝ちだ」
「かはっがあぁ...」
無傷のナニカと大量の血を流すヴォルカだった。
そしてそのままヴォルカの意識はどんどん薄れていき、彼女はその暗闇に呑み込まれ...
そして...
「これで...終わりだ...」
破壊の剛腕がその小さな体に最後をもたらそうとしたその時。
その
「!?」
燃え盛る赤によって...
「おい、そこの髭」
「!?」
そしてトッポらしきナニカもその異変を感じ取ったのだろう。
先程までとは明らかに様子の違う彼女を見てナニカは今までとは比にならないスピードでヴォルカへと迫りその拳を振うが
「よく聞け...」ズドッ
「ッ!?」
だがその拳が彼女に届く事は無く。
ましてや彼女は飛んで来たその拳を片手だけで止めており、明らかに先程までとは比べ物にならない力を発揮していた。
そして彼女は空いている手をナニカに対して向けながらこう呟いた。
「アタシの邪魔をするなら...
そしてその宣言の後...
両者、動くッ!!
「ヅアァッ!!」
まずトッポの形を取るナニカが再びもう片方の剛腕を振るい彼女目掛けてそれを叩きつけてくる。そしてそれに対して彼女は...
「フンッ逆らうなら叩き潰すのみ!」
そう言って彼女は迫り来るその剛腕に対してその場で両腕を前に出し、そのままナニカの腕を正面から受け止めその動きを止めたッ
「!?」
「この程度か?」
そして彼女は受け止めたナニカの腕を勢いよく振り回し始めた。
「っウオォォォッッッ!?」
「まだまだァァァッッッーーーーー!!!」
そして彼女はそのままナニカを自身の反対の方向に放り投げそのまま手に気を集中させる。
(この子の中でこのエネルギーの操作は覚えた。それにこの子の中にはあの男も居たしね。ただ、それは先程までの話。あの男はもう...)
『後は頼んだ』
(全く...しょうがないね!まあ、今は...)
「貴様を倒す!!!」
「ぐっウゥゥぅこのぉ」
そしてトッポが体を起こそうとした瞬間ッ
彼女はその手に気でサーベルを形成し彼に斬りかかる。
「フッなるほど...気ってやつも便利だね!」
「っ!?しまっ」
その声と気配に反応しトッポが自身の頭上を見上げた時には既に彼女はそのサーベルをこちらに振り翳した後だった。
そしてこれより炸裂するはヴォルカの中に眠っていた『彼女』の必殺技。
あの世界でAfterglowを守る為...そして奴、自身の宿敵、『シスター』を倒す為。その為だけに戦ってきた彼女の代名詞の一つ。
一度喰らえばその閃光は眼前の全てを赤に染め上げるとまで言われる必殺剣。
その名も...
「グハッ!!?」
そしてその瞬間、その技を喰らったナニカを中心にその場を圧倒的な赤が包み込み...
その閃光が治った時には全ての決着がついていた。
「.....」
「フンッやっとくたばったか。まったく苦労をかけさせてくれたね」
そこには倒れ伏し肉体が崩れゆくナニカとそれを見つめながらも一息つくヴォルカの体を使う『彼女』が居た。
「さて、これからどうす『ああ、その心配なら要りません』ッこの声は」
そしてそんな彼女に突如、何も無い空間から声がかかった。
『今から貴方を一度こちらに戻します。故に今暫くのご辛抱を...』
「貴様...」
そしてその声に彼女が反応しようとしたその時には...
ヴォルカの黒の境界入りから数種間後の夜。
地球 シュヴァルツガーデン
そこで向き合うは...
この庭園の主。
「よう。『最厄』から話は聞いてる。まさか、お前とこんな形で再開するとは思っても無かった...」
『頂点の黒』ロン・クロイツ。
そしてもう一方は今し方黒の境界から出てきたヴォルカ...
「こっちも同じ気持ちだよ。久しぶりだね...」
では無く。ヴォルカの意識と切り替わりトッポの姿を取ったナニカを圧倒した存在。
そして向き合う二人はお互いの名を呼び合う。
その名を呼び合った二人は改めて自らの眼前に立つ相手を見やる。
そして...
「さて...話をしようか...」
「する意味...ある?」
ヴォルカの体を借りた、ヴォルグと呼ばれた彼女。
彼女はロンの話を無視し気で生成したサーベルを手にロン目掛けて飛び出すが...
「喰らえッ!
ケケケケケッッッ!!!
「ッ!?」
その瞬間!ぶつかり合うは...
「「
同じ剣ッ!!!
「ッ何だ!貴様は!?」
だが、彼女がその相手に問いかけた瞬間...
シャアァァァッッッ!!!
「っこれは!?」
彼女は大地より走りし赤き閃光とそこからまるで命を吹き込まれたかのように動きだした土の大蛇にその身を縛られた。
そして...
カツン カツカツ...
「そのまま返そう...」
「なっ貴様らは...」
そこに集いし者達は...
「なるほど...貴方がオリジナルが言っていたヴォルカさんですか」
『最強』のロン またの名を
「ヴォルカと言ったね。大丈夫かい?オリジナルも君が言うことを聞いてくれれば手荒な事はしない筈だ。だから大人しくしてもらえるかな?」
『最天』のロン 『天』
「ほう、お前がオリジナルの...良い女じゃな」
『最悪』のロン またの名を
「最悪、その口調まだやってたんですか?キャラ付けは程々にしなさいとあれほど「誰がキャラ付けか!?」えっ違うんですか?」
『最厄』のロン またの名を ロン・D・ジーベック。
最上位個体。計四名。
「あら、このお人がヴォルカさんですか?私は
『最欲』のロン またの名を
「君がヴォルカかい。オリジナルから話は聞いているよ...それはそうとしてコーヒーは飲めるかい?」
『最愛』のロン またの名を
「ねえねえ、君がヴォルカ?なんだか聞いてたのより強いけど...まあ、いっか。
『最知』のロン またの名を
「さて、どうしてくれようか?この女は...」
『最魔』のロン またの名をロン・マールス・ディーンハイム。
「はぁ〜落ち着きたまえ。処分を決めるのはオリジナルだ。我々では無い」
『最平等』のロン またの名を
「ケケケッそれよりこいつ案外面白かったぜ!それに俺様はこいつの事悪いとは思わねえ」
『最自由』のロン またの名を
「ねえねえ、それよりさぁ〜ヴォルカお姉ちゃんじゃ無いよね?お姉ちゃんはだあれ?」
『最夜』のロン またの名を
「おや、最夜は彼女とお知り合いですの?それは羨ましいですわ...実に羨ましいですわ!!」
『最死』のロン またの名をロン・ゾルディック
「...最死、少し静かになさい。時には「うるせえですわ」...ぶち殺しますよ」
『最生』のロン またの名を
下位個体。計九名。
そこに集うは全てがロン...その名を持つ者達。
そして...
「さあ...改めてゆっくり話そう。ヴォルグ」
今ここに謎の一つが解き明かされるッッッ