ドラゴンボールschwarz rozen 作:ある日そこに居たであろうクマさん
ドラゴンボールschwarz rozen 2話目になります。
また不定期更新でいつ更新できるかわかりませんがもしよろしければ
皆様ご覧になってください。
エイジ737
流星、正に例えるならば誰もがそう思うだろう。
それを見た誰もが綺麗だと、不気味だと、不思議だと。
さまざまな感想や感情がそこに現れる。だがまだ誰も知らない。
知るよしもない。
それが、その星が、この世界の『運命』を握る『彼』である事を。
もしそれを把握できるとすれば。
時を司るとある神か、宇宙全てを見通す天に使える付人達か
それとも. . .
地球。北の銀河に存在するこの小さな星の中で本来なら存在しない筈の彼は空を見上げてゆっくりと呟いた。
「来たか、待ちくたびれたぞ」
そして
「やっとだな、やっと
「あとはその時まで、いずれ来るその時まで」
かの者は運命を嫌う。
世界という自分以外が定めた運命という名の決定事項。
だからこそ、それを破壊する為には。
「悪いな、主人公」
彼は流星が向かった先を見つめながら申し訳ないように、だがそれでいて感謝する様にゆっくりと口を開けた。
「俺の願いを叶えるにはどうしても
彼は下ろしていた両手を天に輝く星達に向けながらさらに言葉を続け
「あの景色を見るためにはどうしても
だからこそ、いずれ来る終焉までは。
「いずれその時が来るまでは仲良くしよう」
「なあ、そうだろう」
黒の王は手に持っている7つの星の模様が浮かぶそれを見ながら
「
そしてその夜からまた時が過ぎそして. . .
エイジ749
フライパン山にて
「どっドラゴンボールを譲ったァァァッッッ!?」
「そっそんなァァァァ」
フライパン山の中全てに響き渡る怒号もしくは悲鳴に近い叫び声、
それを発したのは一人の少女でカプセルコーポレーションという
地球で言えばトップクラスの技術力と資産などを持つ会社の社長ブリーフ博士の娘であるブルマという少女であった。
彼女は数ヶ月前程からドラゴンボールという七つ集めればどんな願いでも叶える事ができる摩訶不思議な球を探して世界中を旅していた。
ちなみにその最中に孫悟空というとんでもない力を持った少年とウーロンという変態もとい変身能力を持つ豚を仲間にしている。
そしてそんな旅の中六つ目のドラゴンボールを求めてフライパン山に到着した一行はなんだかんだとありつつも六つ目の七星球を手に入れる為、
亀仙人の協力の元フライパン山の火事を消火したのだが. . .
「ああ、そうなんだべ」
「今より10年ほど前にとあるお人に譲ってしまっただ」
困惑するブルマに答える様に話すのはフライパン山の城に住んでいた
牛魔王だ。
彼は先程亀仙人のかめはめ波で城を炎ごと消し飛ばされたが、それでも
城はまた建て直せば良いと言って、今はドラゴンボールの事について教えてくれている。だがそれ以上にブルマには疑問が残った。
「でもどうしてかしら」
「ブルマ?どうかしたのか?」
疑問符を浮かべるブルマに悟空が問いかけると。
「だって変じゃない、ドラゴンレーダーに反応がまだあるのに」
「今もちゃんと此処を示してるし」
そう彼女達はドラゴンボールが何処にあるか位置情報を示してくれる
「おおっもしかしたらアレのせいか!」
「少し待っててくんねえだか」
「すぐに持ってくるべ」
そう言うと牛魔王は城の跡地の中央に走っていってしまった。
それを見届けながら悟空がチチの方に一つだけ気になっていた事を問いかけた。
「なあチチ聞いて良いか?」
「なっなんだべ悟空?」
チチも好きになった悟空から問いかけられ赤面しながらも答える。
「さっき牛魔王のおっちゃんが言ってたドラゴンボールを渡した奴ってどんな奴なんだ」
「そっそれよ私もそれが聞きたかったのよ」
「もしよければ私達にも教えてちょうだい」
ブルマがそう言うとチチも少しづつ話し始める。
「わかっただ、けどもオラもそこまではしんねえからそこはかんべんしてくんろ」
「おう!分かった」
「うん、お願い」
そしてその話を亀仙人達や隠れていたヤムチャ達も聞き耳をたてる。
「その人を初めて見たのは多分生まれてすぐの時だ」
「あの人はおっとうの財宝を狙おうとした悪い奴らがオラを攫おうとした時にそいつらを追っ払ってくれたらしいだ」
「うろ覚えで見た目は覚えてねぇけんど」
「おっとうはよくロン様とか黒神様って呼んでるだ」
「ロン?黒神?なんだそりゃ?」
悟空はよくわかないといった反応を見せ。
「ロン?いやでも黒神って言うのは何処かで」
ブルマは何処かで聞き覚えのある名前を思い出し。
「うっ嘘だろ、ロンって確か噂の」
ウーロンは何かを知っていたが必死にそれを記憶に押し込めた。
だがこの時チチの出した言葉に一人だけ異常に反応した者がいた。
「何!?ロンじゃと!?まっまさかッ」
そう武天老師こと亀仙人であった
「どーしたんだ亀仙人のじっちゃん」
「何か知ってるのか?」
悟空がそう問いかけると亀仙人は明らかに動揺しながらも悟空の問いに答えた。
「ああ、じゃがまさか奴と牛魔王が知り合いとは」
「ワシも正直言って腰が抜けかけたわい」
(それにしても噂どうりの者ならなぜそんな奴がわざわざ牛魔王の城にきてあやつを助けたんじゃ?それとも噂は所詮噂だったと言う事か?)
「なあ?それでじっちゃんそのロンって奴はどんな奴なんだ?」
「あっああ、そうじゃったな」
「ロンというのは数百年前から生きているおそらくは人間じゃ」
「おっおそらくっていうのは?」
ブルマが恐る恐る問いかけると
「それが実の所ワシもまだあった事が無いんじゃよ」
「ただし、その者が本当に存在する事は確かじゃ」
「一番有名な話じゃと魔神城の話じゃな」
『まっ魔神城!?』
皆が驚く中亀仙人は話を続ける。
「うむ、此処よりもまた遠く離れたとある場所に悪魔の手と呼ばれる連山があるその山の何処かにあるとされてあったのが魔神城じゃ」
「その魔神城には実際には相当な数の、百や千かそれを超えるほど化け物達が住んでおったそうな」
「じゃがな」
「そんな化け物達をたった一夜で住んでおった城や山の一部ごと吹き飛ばしたのがロンという者じゃ」
「その上そやつの技か何かの影響なのか」
「かつて悪魔の手と呼ばれたその場所一帯全てに黒い薔薇の様な花が咲いていてかつて魔神城があった場所には時折とんでもない巨大な影が見えたり」
「この世のモノかわからぬ獣の様な唸り声が響いているとか」
「とまあ、これがワシがよく知るロンの話じゃな。」
一同は騒然としていた。
まずはそんなものが存在する事に、そんな者が此処に来ていた事にそして
「つっつまり私達がドラゴンボールを手に入れるには」
「そっそいつから譲ってもらうか」
ブルマとウーロンが思った事を言う前に亀仙人が言葉を繋ぐ。
「まあ、そやつから奪うしか無いの」
『そっそんなあぁぁ」
「ちなみにコレも噂でしか無いがロンと呼ばれるそやつはとてつもなく凶暴で凶悪な性格をしていて魔神城を襲ったのもただ通りかかっただけだとか、そこに居た魔物を食い物にしたり、獣の唸り声というのはそやつの腹の音」
「なんて言う噂もあるくらいじゃからな」
『ひいぃぃぃッッッ』
あまりの内容に二人もしくは一人と一匹は絶望する。
そんなとんでもない化け物と遭遇するかもしれない。
場合によっては敵対する可能性もある。
「でっでも、まだ此処にドラゴンボールがあるっていう可能性も」
そんな中、まだ希望はあるとブルマはそう信じて発言したのだがそれは一種の現実逃避に近く、そしてやってきたのは希望ではなく絶望であった。
「お〜いあっただよこれだべよ」
「嘘、よね」
「まっまさか、な」
二人が青ざめるも時既に遅し牛魔王が片手に黒い宝玉の様な物を持って走ってきた。
「これだこれだ前に黒神様がドラゴンボールの代わりに置いていってくれたお守りだべ」
「そのレーダーを試しに近づけてみるだよ」
「あっうん」
そういってレーダーを近づけてみると
「ほっほんとだわコレに反応してる」
「どう言う仕組みか分からないけど此処にあったドラゴンボールの代わりにこの球が反応してるみたい」
「じゃあ六つ目のドラゴンボールは」
誰もがあまりの事態に口を出さない中、『彼』だけは違ったようで
「そのロンっちゅう奴が持ってるちゅーことだな」
「いやぁ〜ワクワクしてきたぞ」
「楽しみだな〜」
「どんな奴なのかな〜」
「やれやれあの話を聞いても微動だにせずましてや楽しみと捉えるとは」
(まあ、筋斗雲の事や先程のかめはめ波の事を考えたら今更か、武泰斗様、悟飯、まだまだ世の中は広いようじゃ)
そんな事を考えながらも亀仙人は後ろを振り向いて
「まあもっとも」
『終わった、絶対に終わった. . .』
意気消沈している残り二人をみて一言
「これが普通の反応なんじゃがのう」
こうして二人が絶望する中、悟空だけはただひたすらにワクワクしながら
胸を躍らせていたのだった。
そして時が進み数日後
かつての魔物、もしくは魔族達の一部が住み着いていたとある城。
そこは数千年ほど前から凶悪な魔物達が一つの目的の為だけに集まっていた。
だが今となってはその影もない、その代わり、
ピギャアァァァァァッッッ
ギュオォォォォォォッッッ
ギャアアォォォォォッッッ
『絶対死ぬ、絶対死ぬ、絶対死ぬぅッッッーーー!?」
今現在悟空達一行は六つ目のドラゴンボールを持っているであろう黒神ことロンに会いにかつて悪魔の手と呼ばれていた山にたどり着いたのだが
「こっこれ、こんな所に本当にそいつがいんのかよ!?」
「そもそもそんな奴が居たとしても素直にボールをくれるとは思えないんだけどな!」
ウーロンがそう言うと今回ばかりはとブルマもそれに乗る
「そっそうねとにかくやっぱりここは後回しにして他のボールを探しに」
だが悟空だけは違った様で
「何言ってんだよ、二人とも」
「せっかく此処まで来たんだからそのロンって奴に会いに行こうぜ」
そう言って悟空は先に進もうとするが、
ゴツンッそんな音が響いたそしてその音の発生源は悟空の頭からと言うよりは。
「いってえぇ〜なんだよーさっきまで何も無かったのに!」
その頭上、そして目の前、そこに現れたモノに悟空は気づいていなかった
そして残る二人は悟空より先に気づいた。
「ごっ悟空」 「そっ孫くん」
『前』
「前?前には道しか」
悟空が不思議そうに二人がゆびを指した方を向き直すとそこにあったのは
道でもなく壁でもなく、それは. . .
ギュオォォォォォォッッッッ!!!
「でっ」 「で」
『出たアァァァーーーー!?化け物おぁォォッッッ!?」
突如としてそれは姿を現した。
巨大な狼の姿を模した黒い影の様な生物。それがどういった生物かは分からないがこちらにその巨大な牙や爪を向けている以上間違いなく自分達が狙いなのは間違いは無い。
「なんだお前、やる気か?」
そうして悟空が二人の前に立ち如意棒を構えた。その直後だった。
『や
め
ろ
下
が
れ』
それは何処から聞こえたのか?ブルマもウーロンもましてや悟空も辺りを見渡すも誰もいない。ただ怪物だけは理解していた。
クウゥゥゥゥン
先程とは明らかに違う鳴き声をあげて怪物は姿を霧の様にして消えいった
だがブルマとウーロンの二人からすればそれは更なる不安材料を投下されただけだった。そして
「いっ今の声聞こえた?」
「あっああ聞こえた、でもよぉ」
ブルマの声にウーロンは不安そうに返事をする。だがそんな不安を掻き消すように声を上げたのは先頭に立っていた悟空だった。
「すっげぇなぁ〜なんかの術なんか」
「よーしならこっちも」スゥーーー
そういって息を吸い込み始める悟空を見て二人は不安をより高めていくそしてその懸念は確信に変わる。
「おーい黒なんとかって奴!!いるかーーー」
「居たらでてこーい」
「オラが相手になってやる!!」
『馬鹿アァァァッッッ』ゴンッ
鋭い音が響くと同時に悟空の頭に追加で団子が増えてしまう。
「痛えな、何すんだよ二人とも」
「何すんだよはこっちの台詞だ!?」
「そうよ!そうよ!化け物じみた力してるあんたや変態で迷惑しかかけないウーロンならともかく」
「いや、お前も十分酷いからなっ」
「と・に・か・く、本当に居たとしてもさっきの奴より更に強いんじゃいくら孫君でも厳しいわよ!」
「それに鳴き声を聞く限りまだいるっぽいし」
「いざ闘うってなったらどうにもできないじゃない」
「そっそうだな!悟空!今回はやめとこうぜ」
ブルマは必死悟空を説得しようと試み、ウーロンも流石にこれはまずいと思ったのかブルマを手伝うが。
「よしっじゃあオラだけでそいつに会ってくるよ」
『へ?』
「だって二人とも行きたくないんだろ」
「ならオラがそいつの所に行って来てドラゴンボールをもらって来てやるよ」
「それなら文句ないんだろ」
「まっ待ってよ流石にそれは」
悟空の突然の無茶振りとそれを止めようとするブルマ達だったが。
その時だった。
『何
を
し
て
い
る』
「嘘っまた声が」
「これって一体?」
そして続くように何処からか少なくとも此処よりまだ離れた何処かから声が聞こえてくる。
『早く来い』
そして、声が止んだ。
「ちょっちょっと待ってよ来いって言ってもどうやって」
「おっおい、あれ」
その時ウーロンがとある物を指さしながら呼びかけて来た
「もう!何よ!今はそれどころじゃ、ない、えっ」
「うっ嘘何これ」
何故ならそこには
「うっひょーすっげえな階段ができたぞ」
「しっ信じられないさっきまでこんなの無かったのに」
そうそこにあったのは黒いガラスのような物で出来た山の頂上に向かって続く螺旋階段だった。
「これならそのロンだったっけそいつの所に楽にいけるぞ」
「よーし」
「ちょっと待ってよ本当に行くつもりなの!?」
「そうだぜ罠かもしんないし」
二人はそう言うが悟空からしたら行く以外の選択肢は無かったのだろう
それに、
「でも此処を通ってそいつに会わないとドラゴンボールを手に入れられないじゃんか」
「そっそれは」
「大丈夫だってブルマとウーロンは山の麓まで戻って待っててくれよ」
「ちょっと孫くん!?」
「よーし行くぞッ」
そして彼は後ろの二人の声も聞かずに走っていってしまった。
少年は自身の心のままに、ただ純粋に、楽しそうに未知を求めて歩みを進めた。
ダダダダッそんな音を響かせながら永遠と続く螺旋階段を悟空は走っていた。
「よーしそろそろ頂上だな」
「もう少しだ」
うりゃりゃりゃりゃっと言いながら速度を緩めず走り続けそして
「つっついたぁついたぞぉ」
ふぅと息を整えながら彼は改めてその景色を眺めた。
「スッゲェ、綺麗だなぁ」
そこにあったのはズバリ黒、一帯埋め尽くす黒い花を見つめながら
悟空は亀仙人の言葉を思い出していた。
「そういえば、亀仙人のじっちゃんも黒い花か何かがあるって言ってたな」
「じゃあこれがそうなんか?」
そう言いながら悟空がその花達に触れようすると突如悟空の背後に人影が現れ
「そうだな、それが俺の黒薔薇だ」
「うわっ」
「なっ何もんだ!?」
悟空は急に背後に現れたその人物に驚きを隠せなかった。
だがその人物はそんな悟空の驚愕も知った事かと言わんばかりに即座に返事を返した。
「何者だ、だと?それはお前が一番分かっているだろう」
「そもそもお前達は俺に会いに来た。違うか?」
「へ?おめえに?」
「いやっまてよそう言えばチチが言ってたな」
そうそれはフライパン山での牛魔王達との別れ際の事
「悟空!」
「ん?どうしたチチ?」
「さっき言ってた何か貰うっちゅうやつか?」
悟空がそう言うとチチが顔を赤く染めながらそれを否定する
「いんや、違うんだ」
「オラ、さっき言ってたロンって人の事で思い出した事があるんだよ」
「ええっホントか教えてくれ!」
悟空が嬉しそうに喜びながらそう言うとチチも嬉しそうに話し出した。
「うん、あの人の姿なんだけんど、とにかく真っ黒なんだべ」
「真っ黒?真っ黒ってそのまま?」
「んだ、髪も服も靴もぜーんぶ真っ黒だべ」
「その上肌は逆に凄く白いんだ」
「へぇそうか、だいたいわかったありがとなチチ」
「そっそうか悟空の役に立ててオラも嬉しいだよ」
その話を思い出して悟空はようやく目の前に居るのが自分達が探していた
人物だと気づく
「じゃあ、おめえがロンって奴か!」
「ああ、そうだな」
「俺がそのロンだ」
「まあそもそもこの山には俺以外が居ないがな」
「そうか、よーし」
そう応える彼に悟空はニヤリと笑って如意棒を向けた。
「何の真似だ?」
「オラにもよくわかんねぇ」
「は?」
悟空のその返答に彼は意味がわからないといった顔を浮かべた。
だがそれはそうだ突如武器を向けたと思ったら自分でも何故向けたのか分からないなど。だが
「オラもわかんねえけどよ」
「今までで一番ワクワクすんだ」
「っそうか、それで?」
「本当はドラゴンボールを貰えれば良かったんだけどよ」
「おめえを見てるとどうしても戦ってみてえんだ」
「なあ一回だけ手合わせしてくれ」
「頼む!」
少年は何故自分がこんなにはしゃいでいるのか全く分からない。
ブルマと会った時、亀仙人に会った時、ウーロンやヤムチャ達と会った時
そして孫悟飯と居た時どんな時とも違う。
肉体が精神が魂が今までとは違う何かを求めている。
だがそれが本質的には彼に『彼等』に近いせいかロンだけがそれを理解していた。
「なるほどな、まだ気の感知は出来ないはずだから、おそらく本能的に俺の強さを感じ取った。そして本当の強さを見てみたくなったと。」
(なるほど血は争えんなそれもコイツらに、サイヤ人に限っては尚更だ)
「本来ならまだ早すぎるんだがなぁ」
「おいっどうかしたのか?」
「いや、何でもない!で手合わせの話だがな」
「いいだろう一回だけだが相手をしてやる」
「いつでも来るがいい!ガキ」
「オラはガキじゃねえッ」
「悟空っ孫悟空だ!」
「そうか、なら来い悟空!」
「行くぞ、ロン!」
そして戦いの火蓋が切って落とされた。
「でやアァァァッッッ」
そんな掛け声と共にまずは悟空が飛び蹴りを見舞うも、
「よっと」
それをロンは上半身だけを左にひいてよけ、更にすぐに体勢を立て直した
が悟空もただ避けられただけでは無い。
「もらった!」
すぐさま空中で背中の如意棒を掴み
「ウリャアッッッ」
そんな掛け声と共に後ろに向けて薙ぎ払うように勢いよく振るった。が
「あれ?」
悟空の口から間抜けな、気の抜けた様な声が出てしまう。
それはそうだ今までそこに居た相手が何処かへ消えたのだ。
だが悟空も瞬時に思考を切り替えて辺りを見回す。
「何処だ!何処へ消えたんだっ」
そして当の本人はというと
「何処だと思う」
「なっ」
悟空は急いで声がした方に振り返るが
「いっいねえっどこにも」
「残念、目の前だ」
「は?」
そこを見れば振り返る前に向いていた方向に奴が居た。だが気づいた時には遅かった。
「ほらっサービスだ受け取れ」
「えっ?」
そんな言葉と共にロンは少しだけ気を込めた中指を手と言う名の鞘から
解き放った。
瞬間、解き放たれたそれは全てを薙ぎ倒し、そして. . .
煙が晴れたそこでロンは一人悟空の方を見ていた。
そして今回の戦闘について感想を述べている。
「流石だな主人公」
「まだまだ未熟ではある、それでも子供の身でそこまでやるとはな」
「悟空、お前はこれからもっと強くなる」
「だからこそ、おれ、ん?」
そう、そしてようやく彼は異変に気づく
「ちょっとまて」
ダラダラと大量の冷や汗を落としながら
「あれ、もしかして」
彼は悟空が先程まで居た位置を見て、そこから少し離れた崖に埋まった
何かを見つけ、そしてポツリと呟いた。
「やっやりすぎたかっ」
そして数時間後 とある城の中
「そ く!」 「ごっ」 「う!」
「ううぅぅこっ此処は」
「孫くん!良かったぁ」
「悟空無事か!?」
目を覚ました悟空の前にはブルマやウーロン達、そして. . .
「よう、目が覚めたか?」
「ロン!」
先程まで戦っていた男がそこに居た。
「さっきは悪かったな手加減したつもりだったんだが」
「いや、いいんだオラが勝負を挑んだんだからよ」
ロンはやりすぎたと言うがむしろ悟空からすればそれすらも嬉しかったのだ。
パオズ山に居たままでは見れない景色をまた見ることが出来たことが。
自分が知らない強い奴に会えた事が。
少なくとも悟空にはそれほど大きい物に感じる事ができた。
「そうか、なら良かった」
「此処は俺の城の中でな」
「お前の傷は全て治しておいた」
「そっかあんがとなロン」
そう言って頭を下げる悟空の姿を見てロンは少しばかりの笑みを浮かべながら言葉を返した。
「やめろ、頭を下げるな」
「そんな事する必要は無いのだからな」
その言葉と共に彼は頭を上げさせる。
「よし、それはそうと悟空もそっちの二人も腹が空いてないか?」
「お前らが良ければ晩飯をご馳走するが」
その言葉を聞いて3人は目を輝かせた。
「本当か!オラ腹ぺこぺこだったんだ」
「わっ私達も良いの?」
「おっ俺も?」
その問い掛けに頷きながらロンは目を輝かせた3人に夕食を振る舞った。
ちなみにロンの想像以上に悟空の食欲が強く少なくとも溜め込んでいた
食材の8割を持っていかれたとか、持っていかれてないとか。
「ええっドラゴンボール譲ってくれるの?」
「本当に?」
「ああ、勿論だ」
翌日、山の麓、そこでロンと三人が彼が所有していた六つ目のドラゴンボール七星球の話をしていた。
「元々、俺には必要無い物だったからな」
「お前らが来た時にドラゴンボールの事について話していたから」
「譲ってやろうと思っていたのだが」
そこでブルマ達はまたもや驚愕させられる。まさかあの時の自分達の会話を聞かれていたとは。
「ちょっと待ってあの時の会話をどうやって聞いてたの」
「あそこまでは相当距離があったはずだけど」
「その事か、簡単だ悟空の前でやったのもその能力の応用だ」
「えっもしかして消えたやつか?」
「じゃあ山道で声がしたのも」
「そうだな、あれは俺の魔術の一つでな薔薇限定だが」
「周囲にある薔薇と同一化もしくはその薔薇を通して景色を見たりする事が出来るんだ」
『えっええぇぇぇ』
「まあ俺の能力説明はまた今度でいいだろう」
「と言うわけでほらよっ」
そう言うとロンは途中で話を中断させて七星球を悟空達に投げ渡した。
「おっとよしこれで七星球も手に入れたし」
「あと一つで願いが叶うわね!」
喜び合う三人の姿を見ながらロンはふと自身の憧れを思い出す。
(そうか、あんた達もコイツらみたいに)
そこに映るのは燃え上がる情熱か、紡がれる思いか、それとも. . .
(だが俺は)
「なあ、ロン大丈夫か?」
「ああ、いや問題ない」
「それより道中気をつけてな」
「ああ、ありがとな」
「じゃあな!ロンまた会おうな〜」 「さよなら〜また西の都にも遊びに来てね〜」
「またな、晩飯あんがとよ〜」
そうして背を向けて旅立った彼等を見て、
「また会おうな、か」
「もしその時が来てもお前は」
「俺に、いや違うな」
彼は一瞬だけその姿を女性の様な姿に変えて長く美しい銀の髪を揺らし
金の瞳を開きながら彼方に向かってそっと言葉を口にする。
「
こうして彼等の遭遇は終わった。だがこれは始まりに過ぎない。
未だ見えぬ、遥か先に待つ神々をも、ましてや宇宙をも巻き込む終幕の舞台の序章に過ぎないのであった。