ドラゴンボールschwarz rozen   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第ニ紅 彼女と出会った日

 

 

時はヴォルカとジュエリ。二人がエイジ756に転移した数週間前に遡る。

 

本来時の界王神が収める時の巣という場所はこの宇宙とは切り離された時空に存在するものであり、その存在を知る一部の神々や別世界の魔術師達などの例外でも無い限りその地への立ち入りは困難と言えるだろう。

 

だが、()()()()()()()...!!

 

「それでこれはどう言うわけ?」

 

「???」

 

「ヴォっヴォルカ!ちょうどよかったわ!!あの娘が...!」

 

突如としてコントン都の上空から現れた謎の流星。あまりに強大な力を内包したそれは瞬く間に街の一部、正確にはコントン都に存在する天下一武道会を模した会場前に墜落し、その近くで新人タイムパトローラー達の教育を行なっていた時の界王神達の目前に落下したのだ。

そして同時刻に修行中であったヴォルカもその場に駆けつけてきたのだが、目にしたのは...

 

「お兄さんおそーい!もっと早く歩いてよ〜!!」

 

「ヴォっヴォル...カ!悪いけど、この娘こをどう、にか...してく、れ」

 

「ナニ...ヤッてるの?」

 

タイムパトローラーの筆頭の一人ヴォルカ。彼女は戸惑った。それはもう、果てしなく。かつて無いほどに!彼女が目を向けた先にあるのは尊敬していた...というか今でも尊敬する先輩と自身の上司である時の界王神の姿があった。

ただ、この普段の認識に違いがあるとするならば...

 

(あれ?もしかしてこの人今...いや、結論づけるにはまだ早い!そうだ、トランクスさんにも事情があって)

 

「見知らぬ女児を自身の上に跨がせるなんて最っ低!道徳とか学び直してきてくださいッ!!」

 

「なっ!ちっ違うから!ヴォルカ、これは誤解なんだ!!とにかくこの娘をなんとかしてくれ!!」

 

ヴォルカは見た。眼前で1秒前まで尊敬していた筈の先輩が自身より8〜10は歳の離れた娘を自身の上で跨がせている姿を。

百歩譲ってこれが馬乗りになっている彼女と歳の近い少年などならまだ分かる。だが、自身の知人で力も一般のタイムパトローラーなどとは比べ物にならない。ましてやサイヤ人という戦闘民族の血を引き、戦闘経験も豊富な成人男性が.....

 

「いや、ほんっとうに近づかないで下さいお願いします。あとその娘だけは離してあげてくださいこっちに来ないでお願いしますっ!」

 

「きっ君だって分かってるだろ!この娘がさっき降ってきた謎の隕石の正体なんだ!オレが念の為背中の剣に手をかけたらあっという間に抑え込まれてしまったんだ!!」

 

「........?????」

 

「いやだからッ!?」

 

この時、ヴォルカの脳内にはとてつもない葛藤...というより思考あった。

一つは

 

えっ絶対うそだって...だってそれが本当なら一応宇宙一の戦闘民族の血を引いてるのに恥ずかしくないんですか?ベジータさん激おこ案件ですよ。私も人のこと言えないけど...

 

というもの。

二つ目は

確かに気はあの流星が現れた時と同じ感覚。明確にとは言えないけどロンに近い何かもちゃんと感じる...!!ただ、ひとえにこの子が悪人だとか、トランクスさんという先輩が変態ではないとも.....

 

一つ目に今まで慕っていた先輩が自身より年下にワザと負けて喜ぶ変態では無い場合、それはそれで男として、戦士としてどうなのか...と。要は尊厳の問題。相手はおそらく普通の14.5歳の(自分目線では)地球人。彼が過去に負けた人造人間18号とは意味が違う。そんな相手に本気で負けたとあってはいずれ彼の父親からの激怒は避けられないだろう。

 

そして二つ目に関しては彼女がこの場に到着する前に空から来訪してきた流星の中に感じたことのある気を感知していたこと。ただ、それだけでは彼女に攻撃、もしくは拘束する理由にならない。それ故にさすがの彼女も判断に困った。

というか、はっきり言って彼女も困惑していたのだ。あまりの状況に...

 

そしてもう先輩を変態ということにして一度捕縛すればいっか...とヴォルカが思ったその時!

 

「ほっ本当なのよヴォルカ!確かにアタシもこの目で見てた!あの娘がトランクスを一瞬で取り押さえたの!!」

 

「フンッ!!」

 

「!」

 

「っヴォルカ!あっありがとう!」

 

あまりに混沌(カオス)とした状況下で彼女達の近くで固まっていた時の界王神ことクロノアがヴォルカに向かい声をかけた瞬間...!!強烈な熱風と共に先程まで少女とトランクスが居た場所に紅蓮の気を纏った強烈な蹴りが放たれており、その近くにあった煉瓦や瓦を瞬時に溶接していたのであった。

 

「トランクスさん、私は信じてました!尊敬する先輩がそんなことする筈ないって!幼い頃から私を助けてくれた人がそんな変態じゃないって!!信じてたんです!」

 

「いや嘘だよね!君ぜった「背後(うしろ)ォ!!」うおっ!?」

 

そして自身の蹴りにより解放されたトランクスの姿と()()()()()()()()()()の姿を見たヴォルカに絶対的な疑いの視線を向けた|彼()()()()()。だが、相手もまたこちら側の想定を遥かに超えた存在であった。

 

「っ!!」

 

「!斬撃ッ!?」

 

ヴォルカが今一度繰り出した蹴りを直前で躱し、空中でその身を捻った少女は圧倒的な身のこなしで優雅に宙を舞い、ヴォルカに向かって素早く反撃と言わんばかりに手刀を繰り出しながら応戦する。

 

コイツ...!!

 

「っ速い!」

(想像以上の強さ!動きにはまだ無駄がある。それでもあまりに洗練されたっ...!!とても少女とは思えないッ!!)

 

「はあッ!!」

 

「フンッ!!」

 

次々と向かってくる拳打、掌底、手刀などの数々。どれもこれもヴォルカから見れば未だ動きに無駄が残されたものばかり...だが、おそらく未完成と呼ぶべきそれらですら当たれば今のヴォルカにも多少の傷は残せるであろう代物。もしこれが今後成長していくならば...!!

そう思いながらも眼前から次々と技を繰り出す少女に応戦していた彼女だったが、突如として少女は自身の脚に気を込めだし、そのまま回転を乗せつつ思いっきり蹴りを放つ!!

 

「「!!」」

 

『!』

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

その姿を見たヴォルカも同じように脚に気を込め蹴り技で返したのだが、二人が互いの脚を激突させた瞬間には大地は震え上がり、森は叫び出すように揺れ、空間に歪みまで生じ始めていた。

そしてそれに反応するようにコントン都を覆うようにその体を巻く神龍(シェンロン)も体を揺らし始め...!!

 

「チッ!早々に決着をつける!!」

 

「?よく分かんないけど受けて立つぞ〜!!」

 

その様子を見たヴォルカはこの勝負の決着を急ぐべく、自身の頭上に手を上げながら自身の気を集中させ、この場で出せる最大級の質量を持つ紅蓮の気弾を出現させる。それを見た少女は自身のプラチナの様な瞳を更に輝かせ、自身の右手を真っ直ぐと上空に舞い上がったヴォルカに対して向けており、左手でその手首を持つと標準は既に定めたと言わんばかりの表情で掌に気を集中させていく。

おそらくどちらもこの技で終わらせる。そうでなくても仕留める気でいると誰から見ても分かる状況。

そして、その時は.....!!

 

 

「ヴォルカニックゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

皇帝(こうてい)!!」

 

今!!

 

 

「プラ「邪魔だァッ!!」があァッ!?」

 

「アレ...き?あれ...???」

 

「おっお前は...!?」

 

二人の技が放たれようとしたその時、ヴォルカの技が発動する前にその全てを拒否(キャンセル)するかの如く、何者かの手刀が彼女の首に炸裂する。おそらく仲間や友人というものがいるなら絶対に向けないほどの殺意などが籠ったとてつもない冷徹で強烈な一撃。本来まともに喰らえば伝説のスーパーサイヤ人でも一撃で首をへし折れたのでは無いかと思えるほどの美しく、それでいて酷いとしか言えない一撃だった。

 

そしてそれを放ったのは...

 

「くっクウラ!?」

 

「しっ師しょ「黙れ」えっちょっ何を!?」

 

「チッ!無駄に頑丈な奴だ!もう少し本気で()ればよかった...!!」

 

「え.....?」

 

「こらー!!あの娘達を止めてくれたのはありがたいけどちょっとやり過ぎ「貴様も黙れ。元はと言えば貴様が『あの男』の元にコイツを行かせさえしなければ、こんな生意気で喧しい貴様に似た小娘に成長することもなかったのだ!!」なっなんですってェェェ〜〜〜〜!?」

 

ヴォルカ達より更に上空。その場から颯爽と現れたのはヴォルカが幼き頃から師として仰いできた人物ことクウラと呼ばれた異形。彼は自身の最終形態の姿のまま、その場を訪れヴォルカの首に強烈な一撃を加え技を中断。そのまま驚きつつも反論してくるヴォルカと下から声をかけてくる時の界王神の声を無視しつつ、彼は下で再び頭に?マークを浮かべる少女に視線を向けた。

 

 

その目にこの場の誰もが見たことのないドス黒い殺意と憎悪を宿しながら...

 

 

「.....クックック...なるほどな。憎たらしい...やはり似ているな。あまりに面影があり過ぎて今にその息の根を止めてやろうかと思ったほどに...!!!!」

 

「?だれ...?」

 

「...オレの名はクウラ。貴様、名はなんと言う?」

 

「えっ?(クレナイ)宝石(ジュエリ)。あまりこの名前に意味は無いからジュエリでいいんだけど...クウラ、さん?は私になんの要があるの?」

 

「いや、オレは貴様に要はない。ただ気になっただけだ...ただ、今後あまりオレのそばに近づくなよ.....」

 

「その寿命を縮めたくなかったらなァッッーーーーーー!!!!」

 

「いや、師匠ッーーーー!?...なんだったの?なにかいつもと様子が違ったような...??」

 

唐突に始まったジュエリと名乗った少女とクウラの会話。だが、二人の間に何かがあったというよりはクウラ側に少女に対する何かしらの『因縁』があった様で、彼は少女に幾つか言葉を残すと周囲を気にすることなく再び舞空術で空へと舞い上がり、どこかへと飛んでいってしまった。

これには長年一緒にいたヴォルカも不審がりつつ、時の界王神やトランクス達も彼のあまりに自由な行動に頭を抱えていた。

 

「ところで...もういい?」

 

「えっ?あぁ!?それは...!!えっと彼女は、どうします?」

 

「えぇ!?どうって言われても.......ねえ、貴女はわたし達に敵意があるの?」

 

「ううん。私はただ攻撃されそうになったから反撃しただけ...最初からお仕事したいだけだし」

 

突然のクウラの介入によって戦闘が中止された今、一番近くに居た為なのか、突然件の少女から話しかけられたトランクスはてんやわんやと言った具合で慌てつつも自身がその場の決定権を握っている訳ではないので時の界王神へとバトンを繋ぎ、それを聞いた彼女は少女ことジュエリにまず自身達への敵対意思があるのか、それともないのかだけを確認した。

 

「お仕事?...あっさっきはごめんね。急に君がトランクスさんを拘束してるって分かったから」

 

「それなら大丈夫だよ♪私も誤解してごめんなさい。いきなり攻撃きちゃったからびっくりして」

 

そんな中、ヴォルカもジュエリに話しかけており、先程までの戦闘によるピリついた雰囲気はお互いに消え去ったようであった。

 

「でも、お仕事っていうのは?そもそも君はどうやってここに来たの?」

 

「ええっと...わたしが覚えてるのはお父さんが居て、お母さんが居て...あとお兄ちゃん達もいっぱい居たんだけど.....ええっとそれで...!そう、『N』に会うっていうのがお仕事!!」

 

「「「「「N?」」」」」

 

「そう!Nにあって...Nにあっ、て.....あれ?なにするんだっけ?」

 

「は?...もしかして、アンタ...断片的な記憶喪失って奴なんじゃ...!?」

 

「とにかく一度状況の整理も兼ねて刻蔵庫内にでも移動しましょう」

 

「そうね。ジュエリって言ったっけ?一度場所を移してから詳しい話を聞きたいんだけど、良いかしら?」

 

「えっと.......じゃあ、お仕事のこと思いだすまでここにいて良い?」

 

「ええ、勿論。ただし、詳しい事情も教えてね」

 

「うん、分かった!」

 

その後、皆は一度その場から移動し、時の巣に存在する刻蔵庫と呼ばれる時の巻物の格納庫とも呼べる場所でジュエリの話を聞き始めた。

その結果判明した事実というのが...

 

「なるほどね...天下一武道会の会場に現れる『N』」

 

「そして君はその何者かと接触し、サポートをする為に育てられた」

 

「しかもアンタを育てた父親らしき人物はアンタを何年も特殊な施設の中に入れて育ててきた...と」

 

先ず彼女の話によると覚えているのは生まれてから父と呼べるその人物により小さな施設の中だけで育てられてきており、あまり他人との接触などを経験が無く、更に会話や文字の読み書き。基礎的な計算から人間含む生物の生態などなど...そう言った戦闘以外の事柄は全て専用のロボットなどに任されていたらしい。その上に当時の彼女は生まれたその時からいつか現れるという『N』という存在の為にだけ育てられたらしいのだが...

 

「もしかしてDr.ゲロやツフル人の親戚とかなんじゃ?」

 

「いや、それはないじゃろうな。Dr.ゲロなどの科学者やツフル人などの科学技術に特化した存在などはあらかた調べたがその様な研究や情報は何一つとして出てこんかった」

 

「それにまだ本気では無かったとはいえヴォルカと真正面から渡り合えるほどの実力の持ち主...本人にも人造人間などの線は確認したし、CC(カプセルコーポレーション)の協力で身体の情報を確認したが、肉体は地球人と同じ造りみたい」

 

「彼女がここに来たのも何かの手違いみたいだしね〜」

(そもそもNってのが誰なのかがちっとも分かんないのよね〜少なくともどこかの時代の天下一武道会には現れるみたいなんだけど...)

 

あまりに謎めいた彼女から伝わる情報に戸惑う時の界王神達。彼女達は彼女の話から一度人造人間という線も調べてみたのだが、彼女は異星人どころか地球人とほぼ同じ身体構造をしており、明らかに人の手が加わった要素などなかったのだ。そしてヴォルカが口にした彼らもよく知る科学者達を含めるそれらしい人材の情報も漁ったが何も出てこず。

だが、明確に掴めた情報もきちんとあった訳で...

 

「確かにまだ謎が多いけど彼女が無害なことと『N』っていう重要参考人がいること。それに彼女がここに来た方法については後で調べれば良いし、しばらくは様子見ってことで良いんじゃない?」

 

「そうですね...あまり詰め込み過ぎるのもよくないですし。彼女自身も今日は大変な1日でしたでしょうから休ましてあげなければ」

 

「そうですね...あっ!ごめんねジュエリ!待たせちゃったね」

 

「?ううん、お姉ちゃん達が話してたのは大事なお話なんでしょ〜?だから大丈夫☆」

 

「っそっそう。ありがとう」

 

「ヴォルカ?」

 

皆が皆、彼女から聞いた話をまとめる中、時の界王神は今日は一度皆を休ませようと考えて、トランクスもその考えに同意したのだった。だが、その話題の人物のジュエリ自身はここに来る直前に行った身体検査の際に出会ったブルマという女性からもらったアイスキャンディをペロペロと舐め回していた。

 

そして...

 

「ヴォルカ、大丈夫か?なにか顔色が悪いけど...」

 

「いや、その...」

 

キャンディを舐めつつ自身に返答するジュエリを見つめるヴォルカ。彼女の顔色が少し悪いことに気がついたのは少し遅れてこの場に駆けつけてきたかつてのコントン都の英雄でありヴォルカの兄でもあるエースであった。

そして...

「いや、なんというか...」

 

「?」

 

「ヴォルカ?いったいどうしたというんじゃ?」

 

「お爺ちゃん...いや、その.....なんというかジュエリを見てると.......最夜のロンを思い出しちゃって」

 

「「「「!」」」」

 

「?」

 

一同はヴォルカの言葉でとある影を思い出した。彼女の言葉を聞き、全員がジュエリの発言を思い出しつつ、『彼』の発言や言動と照らし合わせてみた。すると確かに似ていた。一度目にすれば忘れられないほどに.....

 

「!あぁー!?確かに似てる似てる!さっきのヴォルカへの返事とか確かに似通ってる部分がある...!!どうして気づかなかったんだろ!」

 

「最夜...?ええっとだれなの、その人?」

 

「うーん。どういえば良いのかな...」

 

「なんていうか...アイツだけは敵というか、味方というか...そういった言葉じゃ言い表せないというか...」

 

「確かに...!!思い返してみれば似ておるし...それにあれは唯一()()()()()()()()()()()()じゃったからの〜」

 

彼らが思い出すのは以前敵対した『黒』達の中で唯一のほほんとした状態で、尚且つ最後まである意味中立に近かった男。彼も後にあるべき場所へと帰還を果たした筈なのだが、どうなってしまったのだろうか...

 

「ねえ、ジュエリ。貴女のお父さんやお母さんってどんな人?」

 

「お父さん?ん〜と.....優しい人?厳しいけどよくお土産を持って帰ってきてたし...あと.....お母さんには会・っ・た・こ・と・な・い・か・ら・分かんないかな。それにお父さんの姿もよく覚えてないっていうか...ちょっと思い出せそうにないっていうか...」

 

「そう...ごめんね。この質問は貴女には辛いものだったわね」

 

「そんなことないよ。時の界王神様?は私のこと心配してくれたんでしょ?それにさっきの水色の髪のお姉さんもヴォルカお姉ちゃんも優しかったし...」

 

「...やはり時の界王神様のいう通り。今日は一度解散しましょう。この話は当人にとってもオレ達にとってもあまりよろしくない」

 

「そうだね...ごめんねジュエリ。私が変なこと聞いちゃったせいで...」

 

「え?別にいいよ、気にしてないし。それより何かごはんとか無いかな?私お腹空いちゃった〜」

 

この子...本当に気にしてないみたいだけど.....やっぱりアンタの...アンタ達が関係してるの?

 

ヴォルカは自身の質問やほかのみんなの話にも明るく答える彼女の姿を見てとてつもない不安を抱いていた。確かにこの娘は笑顔だ。溢れんばかりのソレはその柔らかな雰囲気と相まってどんな場でも和ませる事さえ出来るだろう。

だが、この感じは...

 

(やっぱり...今でも感じる。この娘の中から...!!)

 

そのあまりに濃い黒き波動を感じ取りながらヴォルカはひたすら不安と共に仕舞われた胸の内のナニカを押さえつける。

だが、彼女は知らなかった。

 

数週間後...

 

その不安という名の予感が『真実』として返ってこようとは...

 

『その時』が来るまで...

 

知る由も無かったのだ。

 

 

 

 

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