ドラゴンボールschwarz rozen   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第六紅 暗黒の呼び声 後編

 

 

静まり返る洞窟の中。最深部とも呼べるであろうその空間には現在、3人の女性が揃っていた。

 

「トワ.....それに味方って...!!」

 

「あら、私の事は知っている筈じゃないの?それとも単に驚いただけ?」

 

「.....貴女の事は他の先輩達から聞いている...かつてミラという自身の造った人造人間と共にいろんな歴史を荒らした暗黒魔界の女科学者」

 

洞窟の最深部まで辿り着いたヴォルカとジュエリの二人。彼女達の前に佇むのは頭まで被っていたローブを外し、その中から美しい顔立ちと長く伸びた銀の髪を見せる女性。かつてはこの宇宙の裏側に存在する暗黒魔界出身の科学者として、時の界王神率いるタイムパトローラーの面々とも幾度となく渡り合った存在...名をトワ。

その存在を前にヴォルカは顔を歪ませ、ジュエリは不思議そうに彼女を見つめていた。

 

「やっぱり知ってるじゃない.....っとそうだった、今日は貴女に用は無いのよ。問題なのはそこの貴女よ」

 

「ふぇ...私?」

 

そして二人の前に姿を現したトワはジュエリの方に視線を向けて、彼女に自身の方に向けて手招きをする。

 

だが...

 

「そう...貴女に少しお話しがあるの」

 

「主にこれから貴女が出会う『黒』と...いずれ貴女()戦うべき『邪悪』について」

 

「!ちょっと待ってっ!!」

 

「はあ...なにかしら?タイムパトロールのおち...いえ、お嬢さん」

 

そこに待ったをかけたものが一人。無論、それはジュエリの隣で話を聞いていたヴォルカである。彼女は目の前の女の元に歩み寄ろうとするジュエリを手で制し、鋭い目つきで疑わしきその女。トワのことを睨みつける。だが、それも当然と言えば当然なのだ。なにせ、ヴォルカからすればトワという人物は『悪』そのもの。元々の話に聞いていた悪行などの数々を考えるととてつもない危険人物だ。その存在がこのような場所に現れて、尚且つジュエリに用がある.....??

 

あまりに怪しいッ!!

 

「アンタのその話は本当に信用できる?そもそも何故、アンタはこんな場所にいたの?それに何故ジュエリのことを知っている?」

 

「質問が多いわね。せめて一つにしてくれないかしら?こちらもあまり時間を使うわけにはいかないのよ...『奴ら』が来てしまう」

 

「奴ら?...」

奴ら...奴らって一体?そもそも何が目的で...第一コイツは味方なのか、それとも敵なのか...まだ、ダメだ.....現時点では判断がつかない。

 

「...まあ良いわ。それじゃあ、貴女にも話して...いいえ、伝えてあげる。どうやらあと少しで来るみたいだし」

 

「は?だから、誰が『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!』ッ!」

 

「これって...!!」

 

ヴォルカがトワの発した言葉の中から『奴ら』というものについて考えていたその時。3人が立つその場も含め洞窟そのものが揺れ動き始めた。それは何かが顕現した...というより、何かが()()()()()()()()()謎の衝動。だが、ヴォルカとジュエリ。二人は感じ取った...ここより離れた別のどこかで.....トワが口にした何かがその言葉を真実にするべく近づいていることを...

 

「アンタ、最初からこれを知ってっ...!!」

 

「そう。色々あって今ここに向かってくる連中と因縁があってね。今は私の仲間が足止めしているけれど...それでも足止めが精一杯。だから貴女達には早く情報を渡しておきたいのよ」

 

「...!ヴォルカお姉ちゃんっ!早く話を聞こう!」

 

「でもっ...!!ああっもう!分かったッでも手短にお願いッ!!」

 

「ええ、最初からそのつもりよ」

(この子達もようやく分かったようね。タイムパトローラーは邪魔なんだけれど...まあ、良いわ。どのみち時の界王神達も知ることになるし.....どうにも想定外が多いわね)

 

謎の存在が近づいてくることを感じたジュエリはトワの方へと歩み、ヴォルカも渋々と彼女の方へと歩みを進めた。そしてそれに対しトワはふふっという笑みを浮かべながら自身の下に魔法陣を展開する。それは転移型の魔法陣に近いもので...

 

「この魔法陣に入って頂戴。貴女達に教えてあげる。今、この世界で何が起こっているのかを...!!」

 

「!凄いッ!光が溢れて!」

 

「これ、大丈夫なんでしょうね!?」

 

「大丈夫。貴女達は見るだけ...ただ単にそこにあった『記録』を観るだけなの」

 

今現在、この世界では数名の神を除いてしか観測されていない異常。いずれは時の界王神。更に続いて破壊の神達も気づくであろうその真実。彼女達、というよりジュエリには知る権利がある。とある存在の置き土産。本来なら起きる筈の無かった特別な事象。

 

二人が眼前からくる眩しさに目を瞑り、そのまま数秒が経過する。

 

そして、その数秒後。彼女達が見たものとは...!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに...これ?」

 

「嘘...どこなの、ここは...!?」

 

それは一体なんなのだろうか?ただ、二人に言えることはそれはあまりにも大きく、あまりにも広く。圧倒的な存在感を持つナニカ。黒のような、白のような、それでいて赤、青、黄、緑、紫。その他にも様々な色が混じり合った様に見える。

 

これは...一体.....!?

 

「これが今から説明する貴女達の世界にとある影響を及ぼしているもの...

 

「というよりはソレになれなくなった状態の存在」

 

「?なれなくなった?」

 

そう。そこにあったのは...

 

「タイムパトローラーの貴女はロンに会ったことがあるでしょう?」

 

「っ!やっぱりこれってアイツのっ!?」

 

「慌てないで、これは彼の作ったものじゃない。これは彼の元いた場所にいる絶対悪...いいえ、どちらかというと()()()といったところかしら」

 

「「必要悪?」」

 

こことは別の世界。色彩の世界(アマノワカタレ)と呼ばれる世界にのみ存在するもの。あまりにも歪で破壊的活動以外を行わない為に全ての存在から嫌悪される存在。圧倒的なその力はあらゆるものを染め上げる。

 

名を...

 

「貴女とロンが会った時...言ってなかったかしら?

 

 

 

()()()()()()()

 

「この存在こそが今この世界をおかしくしている元凶の一つ。色染の怪物、ウン・ヴァール。かつてはこの世界にも侵攻し、その時代の神々とも一戦を交えた存在」

 

見える景色全てを覆い尽くしながら佇む元凶とされし存在。その姿を捉えたジュエリは何故か...胸が締め付けられてしまう様な心境に陥っていた。そしてそれを見たヴォルカもまた自身でも分からぬ内に目の前の見知らぬ怪物に何故か『同情』の念を抱いてしまっていた。

 

「ねえ、これは...なんなの?」

 

「同情はしないでね。貴女達が感じ取っているその事実は誰にも公害されるべきではないし、誰にも同情をさせてはならない。そうでなければこの世界含めて全てが終わる」

 

ッ!!分かっている...!!これは紛う事なき怪物だ。それも、あのロンに匹敵するかもしれないほどの怪物。それでも、なぜだか...なんとなしに分かってしまうのだ。これは...自分と『同じ』ものだと....!!

 

目の前に広がる光景。それはあまりに酷いものだった...故にこそヴォルカは思う。あぁ、これは...この怪物は.....!!

 

 

未来の自分(あたし)

 

 

怪物とは何故『怪物』になってしまうのか?過去に『化け物』と呼ばれたものは以下にしてそうなってしまったのか?人はなぜ彼らに対し明確に恐れを抱き、敵対してしまうのか?

 

恐怖 畏怖 羨望 憧れ 怒り 憐み 蔑み 嘆き 慈悲 敵意。

 

そこには様々な感情、様々な感覚、様々な思惑。最早個人では収めきれないものらがあった事に違いない。だが、そこに明確な理由はない。

 

否...《いらない》のだ。彼らはソレを知らぬからこそ、ソレらの感情や感覚。そして思考に至る。

 

つまりは『未知』それ以外に理由はなく。

 

ただ、ヴォルカは感じ取った。この目の前に存在するモノは明らかな『被害者側』。何があったのかわからぬが、そこには悲惨で壮絶な過去があったのだろう。

 

そして彼女は同時にこうも思う。たとえどのような理由があろうとも、もしこの巨大な力が敵対するのなら...自身達の世界に被害を及ぼしているのなら...

 

(その時は...私の手で必ずッ!!)

 

「ヴォルカ...お姉ちゃん?」

 

「!ごめん、ちょっと考え込んでたっ!」

 

「やはり何か思う事があったようね...でも時間も残り少ないから次の話に移行するわよ。良いわね」

 

その存在の事に思考を割いていたヴォルカはジュエリの一声で現実へと意識を呼び戻された。時間にして一瞬の様な感覚ではあるが体感時間にして数時間もの時が過ぎたかの様な感覚。そしてそれを見透かしたトワは少し目を細めつつも新たな記録へと自身達の精神を移動させる。

 

そして次に彼女達が見たのは...

 

「なにあれ...流星?」

 

「いや...あれは、多分...!!」

 

「そう。ようやくと言ったところかしら...アレが本題中の本題」

 

 

場所は地球...の外側。ちょうど月からの視点になっているかの如き見方。彼女達の視界には北の銀河で最も平和で豊かな星こと地球の景色が広がっていた。

そして...それと同時にその中心部から七つの光が散らばる光景を目の当たりにしている。

これこそが今起きている.....否、これから起こる事態にして()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「アレこそが貴女達が集まるべき『厄災の珠』」

 

 

 

 

 

 

 

「ESボール.....とでも言いましょうか」

 

今ここに旅路の指標は示される。

 

次回 トワからの依頼!汚染されたドラゴンボール。

 

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