ドラゴンボールschwarz rozen   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第七紅 トワから依頼!汚染されたドラゴンボール!!

 

 

「「ESボール?」」

 

未だ洞窟の最深部。その中でトワの力で展開された魔法陣により擬似的な事象記録帯(アカシックレコード)とも呼べる空間へと案内されたヴォルカ達。

 

二人がウン・ヴァールと呼ばれる存在の次に目にしたのは地球と思われる惑星とそこから散らばる七つの光。どこかヴォルカもよく知るドラゴンボールに似たソレらは地球の中心部から光速を遥かに超えるであろう速度で宇宙のどこか、あるいは別の『次元』へと散らばっていく。

 

そして目にしたそれらの正式名称を口にしたトワはその(ボール)達の真の脅威を...これから起こる事件の一端を彼女達に話し出す。

 

「ドラゴンボールじゃなくて...ESボール?それが今回の.....」

 

「そう...これから起こる、というか現在進行型で起きている事件であり、今から被害が大きくなるであろう事件。ソレを解決する為にそのボールを...ウン・ヴァールの力に()()()()()()()()()()()()()()()を貴女達に...ジュエリにやってもらわなければいけない」

 

「汚染された?ドラゴンボールが!?」

 

「そもそもなんで私?」

 

地球より溢れし七つの光。それらは全てが地球に現存していたドラゴンボールそのもの。自身達タイムパトローラーにとってもその存在は大きく、更に自身達もよく知る第七宇宙の孫悟空。彼と仲間達が歩む時間軸には特に影響を及ぼすアイテム。それらが何故汚染などと...

 

「先ず最初に言っておくわね。そもそも今見ているこの映像はこの時空における過去の...少なくともエイジ749。つまり孫悟空とブルマ。彼らの出会いよりちょうど100年ほど前に起きた事象なのよ」

 

「はあ?エイジ749より100年前って...ちょっと待って!明らかにおかしくない?だってそんなに前にこの事象が...汚染されたドラゴンボールっていうのが散らばったなら時の界王神様や私達タイムパトロールだって気がつくし、時の巻物にも影響が出る!」

 

「それにこの様子だとドラゴンボールは別の銀河や宇宙に散らばって行ってる様に見えるし...これが本当に過去の出来事ならさっき言ってた事件の影響は既に出てるんじゃ...!!」

 

そう。この話にはヴォルカの指摘の通りおかしな点が幾つもある。特に彼女が指摘した矛盾点。それはトワの語ったエイジ749より前の記録というところであった。

 

実際、今回どの様な事件が、どの様な異変などが起こっているかをヴォルカ達タイムパトロール側は把握しきれていない。ソレどころかジュエリの存在やトワが生きていたことも全く知らなかったほどだ。

それでも分からない。そのウン・ヴァールという存在の力によってドラゴンボールが汚染され、その影響で何かしらの影響が出たというだけならともかく。それが百年以上前に起こっていたなどと...

 

だが、その疑問は...トワの口から告げられた...たった一つの真実によって終了させられた。

 

「確かに...貴女の疑問は尤もなものだわ...でも、違うのよ」

 

「違う...?それって」

 

「確かに約百年前にウン・ヴァールの力によってドラゴンボールは汚染された.....」

 

「でもね...実際のところ、その原因(はじまり)は別の人物なのよ...まあ、尤もそれが居たおかげで特定の時期まで被害は抑えられてたんだけど...」

 

「別の...人物?」

 

目の前の二人がその言葉に疑問を抱く中、トワは一人思い出していた。自身に圧倒的恐怖を抱かせ、それ以上に今の新たな自身を誕生させた存在。ヴォルカ達もよく知る人物の名を...

 

「さっきもヴォルカ(あなた)は自分で言ってたでしょ...()()よ.....奴がその影響が外に出ないように止めてたのよ」

 

「は?...ちょっと待って!理解が追いつかない.....!?なんであいつが...いや、でも...なぜ?」

 

「簡単よ、ウン・ヴァールの力がドラゴンボールに及んだ原因と汚染されたドラゴンボールが被害を出さなかった理由はあの男が自身の力でそれを押さえ込んでっていうのが真相」

 

「「!」」

 

「まあ、私にも方法は分からなかったけど...あの男のことだから力づくで抑え込んだがベストアンサーなんでしょうね」

 

それを聞いてジュエリは自身の記憶に朧気ながら存在する父のことを思い出し、ヴォルカはハッと何かに気づいていた。

 

そう...さきほどの.....あのドラゴンボール...見た目は何色かに分かれてあった。そしてその中に...どこかで、見知ったような.......

 

(っアレだッ!前にロンに会いにいく前...あの時に見た...!!)

 

思い出した...!!その記憶に残っていたのは...

 

『あの...時の界王神様』

 

『あら、ヴォルカじゃない?なにか用?』

 

『あのロンって人の...アイツの記録はありますか?』

 

『え?えっええ、あるわよ。確かに今のところよくわからないけど、それでも宇宙そのものや歴史にそこまで危険がある訳じゃないから時の巻物も別個で保管してあるだけだし』

 

『じゃあ、少し見せてもらえませんか?今度あの人のところに行くまでに少し見ておきたくて』

 

『そう...分かったわ。見せてあげるからもう少しそこで待ってて』

 

そういって当時の時の界王神によって見せられた時の巻物。その中に確かにあった...そう...

 

「ロンがフライパン山に残した黒い珠!!」

 

「あら、貴女もそれを知ってたの?そうよ、その黒い球体がESボール。つまり汚染されたドラゴンボールを偽装したもの。奴は溢れ出るウン・ヴァールの力を抑え込みつつ、その内の一つを牛魔王に預けてたみたいね」

 

「...ねえ、それって大丈夫なの?お父さん?がその牛魔王って人にそのESボールを預けてたとして...なにか目的なんかがあったのかな?」

 

「さあ...そもそも『あの事件』の当時。一部を除いて私含める誰もが奴の目的を知らなかった。ただ、奴の本来の計画には孫悟空含める何人かの人材が必要不可欠だったみたいだし...おそらくドラゴンボールを自身が保管し、ESボールを牛魔王に預けておくことで確実に孫悟空と『縁』を繋いで起きたかったんじゃないの」

 

かつての彼。ロンという人間が何を思いソレを行ったのか。その全貌はわからないものの、彼がその影響を止めていたのも事実。それ故にある時期まで全てのESボールは宇宙や歴史に影響を及ぼすことはなかった。

 

「でも、今より...貴女達の現在よりも数年ほど前。奴が消失してからESボール全てが動き出し、少しづつ力を取り戻すように...弱々しくはあるけど特殊な磁波の様なものを発生させ始めた」

 

「!じゃあ、ソレが今っ」

 

「ええ、今は私が止めているからまだそこまでの影響は出ないけれど...いずれ私やかつてのドミグラなんかが起こしたものとは比べ物にならない事件が起こる」

 

「それって...まずいことなの?」

 

「そうだね...少なくとも今ジュエリや私が想像してる百倍はまずいかもしれない」

(そう...具体的にどういう影響が出るのかは定かじゃない。でもトワの言い分と今の現状から察するに一つ一つがおそらく別の時代や場所。各時代の強力な力を持つ存在達にまで影響を及ぼすとしたら...!!)

 

確実にまずい。自身の中で...その頭の中で思い描く最悪のシナリオ。それこそ記録などや兄とトランクス達含める先輩タイムパトローラー達からの話で聞いたトワやそれとは別の罪人ドミグラ。これらの人物達はいずれも過去に存在した強力な戦士や別の時代や時空の戦士に強化、洗脳などを施しタイムパトローラー達と渡り合ったらしい。

もし、それらと似た様な事象が...別の時代などに存在した戦士達が汚染ドラゴンボールに影響を受けたなら...それもそれらが別々の人間。更に別の時代の人間に...

 

()()()()()()()()()()()()...

 

「下手をしたら宇宙にとっての上位の神々でさえ影響を受けかねない。あまりに危険な代物。今のところ全てが全て暴走なんかをしてるわけじゃない。でも、いずれはソレら全てが宇宙全体に影響を及ぼし...」

 

「時空そのものを危険に晒す可能性がある」

 

「そう、だからこそ貴女達...より厳密に言えばジュエリ。貴女の力が必要なのよ」

 

ESボール。その影響が本格的に出始めれば...ウン・ヴァールの力が広まり始めれば、たとえどの様な影響であっても宇宙に害があることに違いはなく。更にそれは止まることなく自身の故郷である暗黒魔界にすら影響を与えかねない。そうなればもう自分は本当の意味で全てを失うだろう。今の自身はただ故郷の復旧と平穏な暮らしのみを望む存在。

 

故になんとしてもESボールのことだけは全て解決しておきたい。

 

全てが手遅れになる前に!!

 

だからこそ、この目の前の少女が...

 

「?そう言えばなんで私なの...そのESボールって汚染されたドラゴンボール?っていうのは私知らないよ」

 

必要.....

 

「知らない?何を言ってるの...貴女はあの男と.....

 

必要......

 

 

「ねえ、ちょっと待って...まさか貴女.....」

 

「? ? ?」

 

必要...........

 

「うそ...っでしょう...!?」

 

「あっ言ってなかったけど、この()一部の記憶を失ってるらしいよ」

 

「それを先に言いなさいよッ!!!!」

 

「ごっごめんッ!!話を聞くのに一生懸命だったから!」

 

かつて、ロンにより...あの化け物に挑んで数年ほど...消滅したと思われた自身の存在は奴が消えた影響なのか見知らぬ土地に一人でに存在していた。記憶はあったし意識も肉体もはっきりしていた。そして当時の戦いの影響と『白』の力を受け入れたこともあってか自分でも驚くほどに自身の中にあった全てが消え失せていた。それは兄に対する愛情と尊敬。暗黒魔界の復活という夢と執着。

 

ただ、失ったと同時に自身に新しく増えたものもあった。

 

それは、白の力の残滓の影響による自身の力の変質と強化。更に歴史や世界に対しての情報の強制取得能力。そして今まで望んでこなかった平穏な生活という新しい夢。

 

これらによってトワは数年間新たな生活を送る中でESボールの存在を知り、更に『それ以外』の存在を知り得ることになったのだ。無論、ESボールを『浄化』出来る存在についても...

 

が!

 

「まさか...じゃあ、貴女...自分がどういう存在なのかも知らないっていうの!?」

 

「うん!全然わかんないッ!!」

 

まさかの想定外。期待していた当の存在が肝心の浄化方法の記憶を失っている。あまりの事にトワは膝から崩れ落ちた。そのショックは彼女の人生上、トップ5に食い込むほどのものだったのだ。

 

「は...はっ.......っまあ、良いわ。少なくとも浄化の仕方を教えれば...出来る、筈。多分!」

 

「本当に、大丈夫?」

 

「だっだいじょうぶ...でしょ...うん」

 

「?」

 

そう、そうよ...ね。知らなくても教えればいい。幾ら何でも浄化をできなくなっている...なんてことはない、筈!

 

トワの切実な願いとも呼べる思い。

 

その思いは.....

 

「とりあえず、いま私が持つESボールの場所.....!」

 

「ん?どうし「ジュエリっ!じっとして!!」ヴォルカお姉ちゃん!?」

 

コツ、コツ、コツ。突如としてトワの魔術による映像が途切れ、どこからか何かの歩み寄る様な音が聞こえてきた。それは、まるで人間の足音の様な音。だが、聞こえてきた先はさきほどヴォルカ達がやってきた方向。つまり洞窟の最深部へと続く一本道。

この空間へと入れる入り口の外側。なにかがこちらへと近づいてくる。

 

「...!あれ、は.....!!」

 

それは.....『赤』に染まっていた。

 

「なに、あれ...人?」

 

それは歩み寄る『知』を持っていた。

 

「これは...まさかっ!」

 

それはあまりにも.......

 

 

 

 

 

「ヴ...ゥゥ.....ル.......!!!!」

 

 

「みん...な...?」

 

残酷な『真実』であった

 

次回、登場!染められたタイムパトローラー

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