ドラゴンボールschwarz rozen 作:ある日そこに居たであろうクマさん
エイジ:???
どことも知れぬ時空の外側。本来なら何も無いそこには現在、『死』が...否、『黒』が溢れていた。常人にはとても追いきれぬ衝撃の数々。最早そこにいるだけで全身が粉微塵に吹き飛ぶような重さと重さのぶつかり合い。広がる二つの力による押し合いはその場における時空の法則すらも突き破り...!!
「はあ、はあ...!!良いなア!良いなアァァッ!!小僧、お前は実に面白いッ!!ここまで愉快な|闘争は数千年前以来だ!!」
「ほう...!!やはり頑丈だな。情報通りの...いや、それ以上のものだ」
「それは貴様もだゾォォォッ!その細腕でここまで我を楽しませてくれたのだァァ〜より愉快でより気持ちの良い終わりをくれてやろう!!」
一度収まった災害達。一方は白い髪に青い肌が特徴の好青年。一方は紫の肌に白い長髪の獣の様な『黒』。互いに闘争を、それによる進化と強さの追求を愛するそれらは再び拳を構え始める。
そして...
「なるほど、あやつとあそこまでやり合えるとは...なかなかの腕前と言ったところか...」
「お主はどう思う?モルゲド」
「ええ、こればかりはルードゥルの奴を責めることは出来ません。いつもなら怒鳴るところですが、奴と対等に渡り合う存在があちらに...それも神々ではない存在の中にいるとは...翁、これは...」
「そうだな、わたしも驚いているよ...数年前にここに来た時にも少しばかり強力な存在は感じていたがそれでもここまでの者がまだ存在していようとは」
二人から離れた場所に現在の闘争を見守る様に佇む二人の男性。一方は翁と呼ばれた自身の身の丈と同程度の杖を持つ長身の老人。
もう一方はモルゲドと呼ばれ、翁と呼ばれた老人より更に倍ほどの身長を有する白髪と青肌が特徴的な人物。それらはルードゥルと呼ばれた自身達の同族とそれと戦う一人の戦士の様子をしていた...のだが。
「...どうやら一つが本格的に力を発し始めたようだな」
「その様ですね。彼の時間稼ぎは敵ながらあっぱれでした...ですが、既にESボールとやらは例の魔術師の力を超え始めたようです」
彼らが感じ取ったのはその場から遥か離れた時空の内側。自身達が手に入れるべく動いているソレが今、着実に元の出力を取り戻しつつある。そしてその内の一つ。特に反応の強かったソレが今影響を強めた。
「まあ、彼の妨害前に先んじてメルゲラとグラドの二人を先行させたのでアレの回収は問題ないかと...」
「...そうか」
「?なにか、ご不満がありましたでしょうか?」
「いや...少し気になることがあってな」
「まさか...『奴』のことですか?確かに奴がいれば脅威ですが、肝心の当人は既に」
「そう...だが、それとは別に.......いや、なんでもない。忘れてくれ」
モルゲドと呼ばれた彼は静かに自身が先行させた二人について語っていたが翁はその話を頭に入れつつもそれとは別の...ある事が気になっていた。
(あの男が当時ソレを抑えていたというのなら...自身が居なくなった時のことを考えぬのか.....まさか、な...)
自身にとってあり得ぬ想像。否、
老人はその考えを即座に頭から捨て去るも自身の中に残り続ける内なる不安を表すかの如く、静かに一滴の冷や汗を流すのであった。
そして...
「みん...な...!?」
「まさか、他のタイムパトローラーが!?」
ヴォルカ達の前に現れたのは行方を眩ませていた
「あれは貴女達のお仲間ってことでいいかしら?」
「っうん...でも、多分これはっ」
「もしかしてアレがESボールの影響なの?」
「そう。貴女達...というよりはそこの彼女のお仲間達はESボールの影響で完全に理性を失っているわ。これを元に戻すには完全に存在を上塗りされる前に意識を失わせるか...ジュエリ、貴女の力で彼らを浄化させるかの二択しかない」
「!私が...?」
ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる3人にトワは杖を構え、ジュエリは話を聞きつつ拳を構える。そしてヴォルカも動揺しつつも構えを取り、気を練り上げる。
あれはどこからどう見ても異常だ。彼らには悪いが、一度眠ってもらう。
それだけが、今唯一私に出来る彼らへの...
「二人とも...行くよッ!!」
「うん!」
「仕方ないわね...久々の運動といこうかしら!」
「「「...っォォォォォーーーー!!!!」」」
それぞれが構えを取ったその姿を見て汚染されたタイムパトローラー達も構えを取り、突撃していく。中でも大柄な男性隊員はヴォルカへ、小柄な女性隊員はジュエリへ、細身の男性隊員はトワへと向かっていったのであった。
「ォォォォッ!!」
「っ!」
「ヴォルカお姉ちゃんッ!」
「速い!」
まず大柄な男性隊員の巨拳がヴォルカへと突き刺さる。彼女の咄嗟のガードを無理矢理ぶち抜かんとする勢いにヴォルカも負けじと力を込めるが、相手の拳はより勢いを増しその身体を最深部の空間から外へと押し出してしまったのだ!
「凄いパワー...!!おね「他人の心配をしてる場合じゃないわ!来るわよッ!」っ!?」
「ォォォォッ!!」
そして洞窟から押し出され島の外側へとその身を運ばれたヴォルカの身を案じつつ、そのパワーに驚くジュエリの耳にトワの
彼女が眼前に視線を向け直すと超スピードでこちらに迫る二つの影。その内の一つ、女性隊員であった影は彼女の首に向かいとてつもない殺意と禍々しい気を込めた回し蹴りを放つ。
だが...!!
「っ!?」
「悪いけど.......
「!」
「これは....」
「ガアァァァァッッッッッーーーー!?!?」
確かに目の前の相手に叩き込んだ筈の蹴り技。今の彼女は蹴りを叩き込んだ右足のみが異形の姿となっており、放たれたそれは如何なる相手のものであれその首をへし折り再起不能に出来るものであった。だが、その蹴りによるダメージは目の前の幼子ではなく自身の肉体のみを傷つけ破壊したのだ。
「っォォォォッ!!」
「っそっちの人もかッ!」
だが、ソレを見たもう一方の男性隊員は狙いを変える様にジュエリの方へと方向転換し、自身の気で作った鎌の先を彼女へと向け、その首を貰い受けると言わんばかりに斬りかかる。
「あら、私は無視かしら?」
「!」
「トワお姉さん!」
「こっちは任せて早くその娘をどうにかなさい!そしてこの子たちの力を浄化してその方法を
「っ分かった!」
ジュエリへと向かう大鎌を自身の作った魔術障壁で受け止めながらトワはもう一人の相手を彼女に任せつつ、眼前の男へと杖を構える。更にそれを見たジュエリももう一度目の前の女性隊員に目を向けつつ構えを取り...!!
「
「かっカアァァァァーーーーー!?」
「ここで全員分断して各個撃破する!その方が
衝撃奔るッ!女性隊員が痛みから逃れ、傷つき血とは違う液体が噴き出る
「いくらかとはいえ記憶を失ったと聞いて少し動揺はしたけれど...やはり戦闘のソレは失っていないようね」
「が...ヴ、るガァァッ!!」
「さて...と、こっちも手早く片付けなくちゃね」
そうして自身の開けた空洞の中へと飛び出したジュエリを見送りつつ、トワは静かに呼吸音を漏らし、そして自身の力の一部を解放する。ここ最近は戦闘も久方ぶりであり、自身の造った
だが、今この時だからこそ...!!
「これからは状況によって私もまた駆り出される...!!」
「ぐっ...オォォォォッッッ!!」
「だからこそ手加減は出来ないッ!!」
久方ぶりの実戦でどこまで行けるのか。確かに力は上がっているが、一線と呼べる場からは以前以上に遠く離れていた。故にここで小手調べを行う
!今この時ほど絶好の機会は無いのだからッ!!
「さあ、付き合いなさい
こうして暗黒の姫君はその身から強大な
「どうか...壊れないで...!!」
刹那の願いは...暗闇の中へと散った!!
次回 炸裂ッ!紅蓮の拳は天を裂く!!前編