ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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ラスト・オブ・ヴァンパイア②

難産でした。

 

──────────────────────

 

「あー···とりあえず、二人は先に行っt」

「どこに行くつもりだ?」

 

うげぇ、和泉が転送されて早々ガンツソードを構えている。殺る気満々ってツラだな。

 

「和泉···今回は無理して点数獲る必要は無いんじゃねえか?」

「ミッションがクリア出来なかったとき···どうなるのか分かってんのか?」

「知ってるよ。ミッションに失敗した場合は点数を没収されたうえで、“15点ペナルティ”が発生するけど···死ぬわけじゃない。お前も情報収集はしてるだろ」

「もし違っていたらどうする。出処が不明瞭な情報に命を賭けろと?俺はそんなのごめんだね」

 

「──俺は絶対に、生き残る」

 

 

◆◆

 

 

《Side和泉》

俺はずっと、カタストロフィに参加することばかり考えていた。

スリルを求めたからだ。退屈な日常を打ち破る非日常が欲しかったからだ。

 

なら···なぜかつての俺は1番(部屋からの解放)を選んだ?

生死を賭けたデスゲーム──最高の非日常だったはずだ。だから俺は自ら首を吊ってここに戻って来たんだ。なのに、何故?

 

その理由はあの吸血鬼(氷川)を倒した瞬間に思い出した。

突如発生した緊急ミッション。

標的はたった1体だけ。

しかしメンバーは次々と殺され···否、()()されていった。

カタストロフィに参戦する前に死ぬという絶望の未来を見せられ、俺は戦う気力すら失せた。

あんな事は初めてだった。だから逃げた。

俺の生存本能が理性を抑えつけて、星人への恐怖から逃避するために1番を選ばせた。

 

“記憶を消されて解放”された後も、潜在的な恐怖は拭えなかったのだろう。

絶望の未来を塗り替えるために、カタストロフィに生きて参戦する事だけを思い続け、周りを顧みなかった。

 

しかし氷川は死んだ。

他ならぬ俺の手によって、あの未来は消滅した。

俺は無意識の恐怖から解放され、自らの視野狭窄をようやく自覚した。

日常の尊さを知った。

隣にいる彼女の顔も、初めてきちんと見た。

 

「へェ···こんな顔してたのか」

「···?」

 

危機から脱した後は単純なもので、彼女──涼子の事も可愛らしく思えてきた。

俺が欲しかったモノはずっと傍にあった。

生きる理由、存在意義。

それは言葉にすれば至極単純。

俺はただ、全存在を懸けて愛する女を護る。

 

そのためなら()()()()()()

 

 

◆◆

 

 

《Side黒川》

「俺は絶対に、生き残る」

 

あれ···和泉ってこんなに生きることに貪欲なキャラだったっけ?

そんなに悪い変化ではないと思うんだけど、今回ばかりはヤメて欲しかったな。

強い戦士が目的意識まで持ったら俺の手には負えない。勝てる気がしない。

 

「和泉···黒川のことを、信じてやってくれないか?」

 

加藤が擁護してくれるけど、効果は今ひとつってところか。和泉が揺らぐ気配はない。

手元のレーダーを見ると、制限時間は残り50分と少し。それまでにアキラをエリア外から出すか、タイムオーバーまで耐えきることが出来れば良い。

俺1人なら無理でも···和泉以外の全員が玄野の味方についている現状なら、戦っても多分勝てる。

 

「お前ら全員が敵でも俺は勝ってみせる。さっさと来い···俺を止めてみろッ!!」

「えぇぇ···」

 

人間同士の殺し合いなんかこの中の誰もが望んでいない。それは和泉も同じだろう。

その証拠に、和泉がZガンを()()()()()()()()

 

「みんな···俺たちで殺し合いをする必要はない···“そこまで”やる必要はないんだ」

「任務了解···対象(和泉)の“捕縛”を実行する」

「Alright.残り時間を全て使い果たせばいいんだろう?“訓練”のお陰で対人戦にも慣れてきた···腕試しに丁度いい」

 

加藤、東郷さん、JJさんも和泉を食い止めてくれるらしい。コレなら勝てる!

 

「大丈夫だ···みんなで生きて帰るぞッ!!」

 

 

◆◆

 

 

和泉強すぎワロタ。

Yガンのワイヤーを斬られた時は千手観音のトラウマがぶり返しそうになったわ。

スーツの耐久が尽きた後もソード1本で暴れまくって東郷さんとレイカ以外全員のスーツを破壊し、アキラをエリア外まで送った後すぐに駆けつけた玄野のスーツもオシャカになっている。

 

それでも最後は東郷さんが暗殺術(!?)で和泉を気絶させてくれた。制限時間は残り数分···ようやく部屋に転送される。

ミッション失敗時にはこれまでの点数を没収され、次のミッションで15点以上獲得しないと死ぬ──通称“15点ペナルティ”が科せられるけど、これは問題ないはずだ。

なぜなら次回ミッションは魑魅魍魎が跋扈する大阪編。15点獲るくらいは余裕だろう。

 

 

 

──···その油断が命取りだった。

 

「アキラ、なんでここに──!?」

 

玄野を心配したアキラがここに戻ってくる可能性には気付いてたけど、和泉が気絶した今なら問題無いと思っていた。

 

「────ッ!」

 

東郷さんも決して慢心しきっていたわけじゃない。気絶した和泉のそばにずっといたし、()()()武器も離れた場所にまとめていた。

 

「仲間を相手にして術が鈍ったかッ···!」

 

それでも和泉は()()()

突然目を覚まし、東郷さんが手に持っていたXショットガンを奪い取った。

瞬きする間に照準を合わせ、トリガーを引いた。

 

少しのラグを経て······胸が弾け飛び、アキラは兄の目の前で死んだ。

 

 

──────────────────────

 

※実はガンツはアキラが死ぬまでミッションを続行するつもりだったので、制限時間は実質無限でした。最初に表示されていた制限時間が経過した後も、ガンツメンバーを部屋に転送するつもりは無かったので、和泉がいなかった場合も結局東郷か黒川が殺してました。

 

ガンツ「吸血鬼(ゴキブリ)は皆殺しにする」

 

 

誰が一番好き?

  • 加藤
  • 玄野
  • 和泉
  • レイカ
  • JJ
  • 東郷
  • 黒川
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